小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ文庫版を改読してようやく「ときめき江州音頭」の三人称記述のへの気づきと解釈が出来たよ❗
成瀬シリーズは基本「成瀬以外」の関係者の一人称で綴られている。だが「
ときめき…」においては何故か誰のモノローグもなく、しかも「神視点」とも言えないような、「どのメタ立ち位置の人?」的な三人称記述になっている。
これって、相当こじれた「成瀬視点」という解釈もアリなのかもしれないが、もっと単純な「原作者ナレーション」なのでは?という解釈をし、それならばそれがすごく良い‼️と思ってしまったのであった。
成瀬の自覚無き葛藤の語り手として、…成瀬自身の要請というわけではなく、著者が余計なお世話覚悟で敢えてし -
Posted by ブクログ
ネタバレP265
「そうでもせんと、お前、全てが終わった後で、自分の頭をその銃で吹っ飛ばしかねん様子だぞ、ボイルド」
フライト刑事とボイルドの関係で、マルドゥック・スクランブルのバロットとベル・ウィングの関係を思い出した。よき理解者であり、先生と生徒であり、友人でもある温かい繋がり。ボイルドが自身を虚無に委ねてしまってからも〝爆心地(グラウンドゼロ)〟へと向かう速度を度々緩めてくれたフライト刑事は、ボイルドの人生にとってウフコックと同様、揺るがない良心であったと思う。
ヴェロシティを通して好きなシーンは沢山あるけれど、『マルドゥック・ヴェロシティ(新装版)(1)』で、ラナがボイルドの胸ぐらをつかん -
Posted by ブクログ
禁忌の子に次ぐ、医療関係のミステリー。面白かった。生きるか死ぬかの状況…閉ざされた環境…ドキドキしながら読み進めた!
病院に勤務している私にとって、色々考えさせられる内容でもあった。医療の状況的にも、田舎・僻地はそうなんだよね、と思いながら最後の方読んでた。
誰でも一人ひとりに、それぞれ人生があって、価値観や大切なものがあって…その人にとっては全部大事なものだけど、それは果たして善なのか悪なのか…。
生きてく中で、あの時こうすれば良かった、ああすれば良かったって、反省することもあるけど、その選択は全部自分が決めたこと。そのときの自分が、その方が良いと思って決めたこと。その結果をどうするか、ど -