小説・文芸の高評価レビュー
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過去の付き物が祓われたとき、私は一歩再び歩き出す
タレーランシリーズ5作品目。今作品はアオヤマさんの過去に焦点を当てながら一人の女性のこれまでの人生、これからの人生にスポットライトが当てられている。話の流れやミステリーの要素は予想が立てやすいある意味王道なものであるが、私は今までのタレーランシリーズの中で一番好き。
まず、キーパーソンとなる過去に交流をしていた眞子との再開。話を進めていくごとに彼女の言動が「信頼できない語り手」の要素が見えてきて、それを元に何が真相なのかを読み解くのがよかった。また彼女の人となりも人間らしさがあり、様々な魅力があったのも良いと思う。
次に作中で鍵となる「源 -
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「ランドリー新聞」などの作者。復刻版。司書仲間絶賛なので購入。
5年生のニック(最高学年)は、ユニークな男の子。次々に面白い事を考えてはやってしまう。3年生の時は、2月の寒い時に、教室を南の島に変えたし、4年生の時は、黙読の時間にクロウタドリの真似をしてピィーと。先生は誰がやったのかわかりませんでした。
5年生(最高学年です。通知表にはABCと成績がつけられます。そして、5年生になると国語の授業はグレンジャー先生がやります。グレンジャー先生は、キチンとした身なりをして冗談は言いますが、誰に対してもとても厳しいのです。そして辞書を愛しています。
新学期の最初の授業は、教科書が配られ雑談と決ま -
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時は江戸。歌劇座がひしめく一角で、朗々とした口上とともにあだ討が成された。
仇は悪名で鳴らした博徒で、それを打ち取ったるは色白の美少年である若殿。
父の仇である博徒を打ち取った若殿は仇の首を持ち上げて、ここにあだ討は為されたことを宣言すると夜の闇に消えていった。
そんな事件から2年が経ったころ、あだ討が成された通りにある歌劇座に一人の武士が訪れる。
なんでもその時のあだ討の様子だけでなく、話し手の来し方も聞きたいという珍妙な客であった。
と、この珍妙な客に応対する様々な人の答弁という形で話が進んでいく。
話の進み方。ミステリー要素。そして何より喜悲こもごも綯交ぜにした人情劇。
見事という -
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ネタバレ3年前に一度読んだが、原書を読み始めたのでこちらも再読。
読んでいる間一瞬も気の抜けない小説(既に内容を知っているからかもしれないが)。キャシーが回顧するヘールシャムの日々は、管理が行き届き、大人に守られた、温かくかけがえのないものとして語られる。その一方で読者は「展示会」や「提供」の描写から作品世界の核心に近づくにつれ、胸騒ぎを感じるようになるだろう。キャシーとルース、トミーの関係性の揺れ動きもまた本作のコアであり、些細な(些細でないこともある)出来事で仲違いと仲直りを繰り返す様子が切実に描かれている。根底に深い悲しみが流れる作品だが、キャシーが自分の境遇を嘆いて自棄になる人間ではないことが -
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ネタバレ『スピノザの診察室』の続編。今作も良かった。
本当に良い作品は読後、「良かった」以外の言葉が出てこないことがある。色々な思いが頭の中で回って、言語化できない。「素晴らしい」などの言葉が陳腐に感じてしまう。本作もそんな感じだった。
エピクロスは「快楽」ではなく「精神の安定」に重きをおいた。哲郎は、患者さんが精神を安定を保ち、最期まで幸せに生きられるよう日々考え、診察している。それがタイトルの『エピクロスの処方箋』ということなのだろう。
しかしながら、根底にあるのは、やはりスピノザの思想のように感じた。
「降り続く雨を止めることはできないが、傘をさすことはできる。暗くて危険な夜道に、灯をとも
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