小説・文芸の高評価レビュー
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第三部読破。
戦争が終わって、
ここからは戦後の日本。
戦後の日本を考える上で
アメリカの存在は切り離せないということ。
敗戦から復興し、高度経済成長を遂げ、
日本はどんどん豊かになっていく。
その一方で、
政治家、官僚、財界、アメリカ、
それぞれの思惑が絡み合って国が動いていく。
特に田中角栄。
圧倒的な行動力と政治力がありながら、
その裏には金と権力があり、
最後にはロッキード事件。
単純に「良い政治家」「悪い政治家」では
片付けられない。
光と闇の差が激しい。
第二部では、
「なぜ日本は戦争を止められなかったのか」を考え
第三部では、
「戦後の日本はどうやって今の形になったのか」を考えさせられた。
歴史を知れば知るほど、
今の日本も突然できたわけではなく、
過去からずっと繋がっていることが分かる。
勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
(上中下の感想をまとめてここに書きます)
▼有名な話ですが、この物語の骨格は歴史の実話です。江戸時代にあった「伊達騒動」。家老の原田甲斐が悪者とされていて、最後は幕府老中の屋敷で乱心して刃傷沙汰を起こして殺される、という。
この史実が歌舞伎になりました。ヒット作。伽蘿先代萩という演目。原田甲斐は、二木弾正という名前になっている。これが悪役です。だから原田甲斐というのは、吉良上野介みたいな、悪役として有名だった。
それを、山本周五郎さんが、「調べれば調べるほど、おかしい。原田甲斐は悪人では無かったと思う」という仮説?で書いたのがこの小説です。
▼再読です。でも、40年ぶりくらいの再読。たしか小6か中1くらいの頃に読んで以来。その頃に、
「山本周五郎さんの中では、重厚な感動・・・な感触はあるんだけど、今一つ、物語の進行と、主人公の行動の必然性が分からん・・・」
と、もやもやしたんです。50代に入ったから、そのあたりがかなり分かるかな?と思って再読しました。
結果的に、
「大変に面白かった」
「が、やっぱりけっこう、腑に落ちなかった」
という結果でした。
ただ、こっちも歳を取ってますから、図太くなっています(笑)。
「作者の思い入れが強いから、ちょっとそれが過剰で、主人公の行動と、最後の結果の説得性が、ちょっと欠けてるんだな。だけど、その全体の物語の旅路の見せ方、主人公の心情、ひとつひとつの事件や脇役たちの見せ方が上手で、大変に楽しめる。大変に素晴らしい小説だな」
・・・・と、理解しました。まあつまり、腑に落ちないけれど面白い。
▼江戸時代初期。初期と言っても1600年代の終盤くらい。つまり、家康とか伊達政宗とかはみんな死んじゃってます。大阪の陣が1614年、島原の乱1637とかですから、もう戦国を知ってる人はいない。
主人公は、伊達家仙台藩(60万石だったか)の、家老の血筋の原田甲斐。つまりこれは、伊達藩の物語です。
物語の背景には、この時期の歴史背景があります。
・戦国はもう過去。今は徳川の天下。
・徳川は、「外様大名の、大きな大名を、どんどん潰していた」という事実。福島正則の家とか。加藤清正の家とか。つまり、血筋的に徳川に縁の遠い大名を、いちゃもんをつけて取り潰すわけです。
・そういう意味では、伊達家も標的になり得る。
という背景があります。
▼原田甲斐の伊達家に色々トラブルが起こります。伊達一族の中の、「わがままな叔父さん」である、伊達兵部という人が、無理難題をいっぱい言ってくる。トランプ大統領みたいな(笑)。
家中は反感で割れる。騒動になりかかる。
ここで、原田甲斐。親友ふたりと、計三人で密謀・密談・密約します。
A <伊達兵部は、幕府の老中と繋がっている。わがまま非道を言い、伊達藩に騒動を起こして、それを原因にして幕府が伊達家を取り潰す。それが狙いに違いない>
B <だから、兵部がわがままを言っても、非道を行っても、怒らずに、とにかく耐えよう。その方が伊達家は滅ぼされない。その間に、加賀前田とか、薩摩島津などの外様大藩と何かしらか連携して、打つ手を探そう>
C <原田甲斐は、兵部の仲間になったかのように振舞う。その方が、相手の隙をつけるだろう。だから、友達とも絶交する。家中から嫌われてもいい>
という内容なんですが、「打つ手を探そう」はかなり曖昧です。そんなことでいいのだろうか。
▼話の段取りで言うと、これ、10年くらいの期間の物語です。
で、山本周五郎が描きたかったのは、兎にも角にも、上記の「C」なんですね。
本当は、熱い正義の志を胸に秘めているけれど。
黙って誰にも語らない。
周りに誤解され、悪人と罵られ、唾を吐かれるが、黙って耐える。ひたすら耐える。言い訳しない。理解を求めない。
もう、これをやりたかったんです。
周五郎さんは。高倉健的ワールドです。ハードボイルド(実はべったりセンチメンタル)です。
だから、そういう原田甲斐の姿、忍従、誤解され罵られ耐える、、、、そんなあたりの描写は、圧巻です。ぐっと来ます。ほんとに胸に熱いものが溢れます。
▼・・・・ちなみに、
「たったひとり、とある美少女だけが、何の説明もなくそんな原田甲斐の苦しみを直感的に、エスパーのように理解して、そしてプラトニックにひたすら原田甲斐を愛し続ける」
という、オジサン的にはスーパーご都合な要素が全編を貫きます。
このくだりの、プラトニック具合がもう、あからさまにプラトニックすぎて却って厭らしいくらいなんですが・・・・・。
▼・・・って言うと、あんまり褒めていないようですが、ぶっちぎりに面白かったです。文句なく、★5個です。
まあ、一番大きな理由は、読み手の自分自身がオジサンなんで(笑)、こういう、高倉健チックな
「男は黙って滅びるぜ、美女に愛されカッコいい」
という、実に言ってしまうと身も蓋も無くてひたすらに恥ずかしいファンタジー物語が嫌いじゃない・・・・ということかと思いますが。
でも、この小説の素晴らしさはそれだけではなくて(笑)。
脇役の配置、世界観の作り方がもう、「さすが」ですね。
▼江戸時代の「政治向き」の話なんです。殿中でひそひそ話して。密書を奪い合う、みたいな。まあつまり、ツマラナイ(笑)。
ところが、これは仮名手本忠臣蔵と同じくで、そのツマラナイ話を面白くします。
①市井のフィクションの人物を効果的に配置して、
②死んでいく者たちをネチネチと描いて、哀切な「別れの物語」として
③主人公をある角度から見れば人間的な「型破りな遊び人」として描く
という3点です。特に①が秀でていると思いました。
▼浪人の柿崎六郎兵衛というならず者(腕は立つ)。
その妹の、みや。
このふたりの物語がオモシロイ。
きっかけは、「みや」が伊達関係の家臣の妾だったことから。その家臣はお家騒動で殺されてしまう。みやは、江戸にもどる。兄のもとに。浪人で貧しい。
ただ、、みやが、伊達家の家臣の顔を知っていることから、ふたりは伊達騒動に食い入ってくる。金目当て。伊達兵部の、犬のようになる。ならず者たちを集めて、関係者の拉致などをしようとする。だがうまくいかない。やがて兄は滅亡していく。ほとんど原田甲斐とは、交わらない。
なんだけど、一方で主家のため、忠義のためにすべてを耐え忍ぶ、貴族の原田甲斐。
命を懸ける原田甲斐。
一方で、忠義なんてくそくらえ、明日の飯のために騒動に加わる浪人者。
そこにはそこに、人生の地獄があり、喜びがあり、愛があり、別れがある。
そんな柿崎グループの世界と、原田甲斐の世界が、たまにすれ違う。
そんな作りが、「これは上手い・・・・」と脱帽です。
一事が万事、ことほどさようにエンタメ的に良くて来ています(オジサン的にはですけれどもね・・・・これ、ミソジニーとフェミニズムの観点から見ると、実に異様な価値観に勝手に殉じて周りに迷惑をかける勘違いナルシスト男の不可解で醜悪なコメディなんじゃないかっていう気もしますが・・・)。
▼(ここから先は自分用です)最後に自分の備忘的に、「いまいち腑に落ちない」点を。
最終的に10年くらいか、かかるんですけれど、
その5年目くらいに、原田甲斐は、とある書状を手に入れます。
それは、
<老中・酒井雅樂が、伊達兵部と交わした密約書。中身は、伊達60万石を分割して、30万石を兵部にあげるよ、というもの>
なんです。
これが手に入ったなら、匿名でもいいから
「この密約書を、いつでも明るみにだすぜ。お前さんが困るような相手に渡すぜ」
と、酒井を脅せばええやんか、
、、、、と思ってしまいます。
それで、「伊達兵部を使っての悪だくみはもうできないな」になれば、それで、ええやんか、と。
ところが。
主人公・原田甲斐は
「いやいや、相手は権力者だから、そんなことをしても何も響かないかもしれない。却って悪いことになるかも」
と・・・・悪い奴らの言いなりにさせ続けます。耐え続けます。そして大切な仲間も死んでいきます。
ところがですね。
何年経っても、何も有効な「別の手段」は講じられないんですね。耐えるだけ。
そうこうしているうちに、盟友のひとり「伊達安芸さん」が、
「もう我慢できへんは。俺は江戸の幕府に訴えて出るわ。兵部を罰してくれって。甲斐ちゃんよ、お前さんは例の密書をちらちらさせてくれ」
と。行動に出ます。これを、主人公・原田甲斐は、止めるんですね。
「いやそんなあかんて。まだまだ耐えよう。耐えようよ」
でも、伊達安芸さんの方が
「もう堪忍ならへん。あしは行く。止めてくれるな」
で、結局、甲斐さんは、考えて、
「黒幕の、酒井雅樂ではない、ナンバー2かナンバー3くらいの、老中さん」
に、密書を見せる。
酒井雅樂は、こんな悪いことしてまっせ。
ええんでっか?
うちはこの密書を、あちこちに見せまひょか?
みたいなことです。
・・・・で、これを、そのナンバー2さんが、酒井雅樂に告げる。
「原田甲斐が、これこれな密書をうちに見せてんよ。酒井雅樂さん、あんたこれほんまでっか?ほんまやったらちょっとあかんのちゃいますか?」
酒井雅樂はそれで、参っちゃうんですね。
「これあ・・・あかんわ。もう伊達兵部を使って、伊達藩に嫌がらせする作戦は、終わりや。強引に進めても、うちが失脚してまうかもしれへんからな・・・」
と、なります。
・・・・・だったら・・・
密書が手に入った時にすぐその作戦やってればよかったやんかっ!
・・・・・さらには・・・
今回だって伊達安芸が強引に動かなかったら、主人公、
まだまだ無駄に耐えてたんやろ???・・・・阿保ちゃうか??
▼そしてさらに。
原田甲斐は密書を胸に入れて、老中により聞き取りがあるので呼ばれます。
酒井雅樂の屋敷。
仲間の伊達安芸も一緒。
ここで、控えの間に居る間に、酒井雅樂の手のものに斬られて死んでしまいます。
原田甲斐も、酒井雅樂も。
酒井雅樂としては、
・密書そのものをとにかく取り返す
・密書のことを知っている主だったものを口封じする
という狙いです。これはまあ、分かります。
そして、
・まあ、それはやるけれど、もうナンバー2にも知られちゃったから、
伊達兵部を使っての悪だくみは、終わりにする。
という心情。これもまあ、十分に理解できます。
▼原田甲斐は、斬られたときに、びっくりするけれど、上に書いたような酒井雅樂の心情を、一瞬で理解します。
同じく斬られた仲間の、伊達兵部のところに這っていき、お互いに虫の息だけど、次のことを言います。
・良いですか、今起こったのは、私原田甲斐が乱心して、あなた、伊達兵部に斬りつけて殺した。私もその場で殺された。そういうことですぜ。それで、伊達家は安泰ですから。
(そうじゃないと、酒井雅樂の家来に襲い掛かって殺された、みたいな嘘が言われてしまう。その方が、伊達家が懲罰を喰らいかねない。密書を気にして、関係者の口を封じる、われわれと殺すということは、幕府の大臣のナンバー2などの目を気にしてるということだから、伊達兵部を使った悪だくみは、もう終わりにする、というのが酒井雅樂の心情でしょう)
で、これを、虫の息の伊達安芸が、駆け付けた人々に言う。
人々の中には、例のナンバー2が居る。
ナンバー2が
「そうかなるほど、本当は酒井雅樂の家来に殺されたんだな。だけどそうは言えないものな。お前たちの忠義は素晴らしい。これで伊達家は潰されないぞ。安泰だ!」
と、いうようなことを言ってあげる。それで原田甲斐と伊達安芸は死ぬ。
これ・・・・ちょっと無理があります・・・・。
だいたい斬られた瞬間に、「これでお家は安泰だ」と想像するのが全然分からない・・・。ああ、口を封じされて密書も奪われるから、悪事は止まらないのか・・・ダメだった・・・。 と、思ってもおかしくないのでは????
・・・・と、このあたりは、言いたくなります(笑)
美しい精神の物語にするために、かなり・・・・かなり・・・・強引に「劇化」してると思います・・・。
あっ、そういうことも含めて、仮名手本忠臣蔵、なのかも知れませんね。 -
Posted by ブクログ
安倍元首相の銃殺事件を想起させるあらすじと、宇垣美里ちゃんおすすめの本のため手に取った。
本の半分までは父親の仇・宗教団体へ一石を投じるために文部科学大臣を暗殺した暁の、幼少期時代や過去のトラウマ、暗殺に至るまでの物語が手記として語られる。後半は、金谷灯里と言う女性作家視点でこの事件やそこに至るまでの物語が語られる。
はじめノンフィクションかと思った男の手記が、上辺だけのフィクション。金谷灯里によって語られるのがノンフィクションで真実。
一緒に過ごす時間は短いが時間を超越する、愛の物語。暁生と灯里のたった1人愛する人をおもった物語。最後はどうなろうとも、それだけ愛する人に出会えたことはすごく幸せで生きた意味があったと思う。
もう一回読みたい!!
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら、ニュースで耳にするまでICCの存在やその所長が日本人女性であることさえ存じ上げず、なぜこのような国際的に重要度の高い機関に対し、大国アメリカが制裁を加えたのか理解したく本書を手に取りました。
ICCは法の下に平等に戦争犯罪を裁くことで、世界に平和と秩序をもたらす存在であるのに、しばしば政治的経済的問題が複雑に絡み合い、干渉を受けてしまうということが起きているのかなと理解しました。
私は法に携わるような仕事はしておりませんが、一市民として、ICCの活動を支援する立場でいたいと思います。現在、アメリカ・ロシア・中国などの大国は加盟国ではないものの、このような機関が存在しないとミドルパワー以下は強者の論理に平伏すことになります。赤根さんや、ICC職員の方々のように人として高い倫理観を持って正しいことを行いたいと感じました。
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生まれも育ちも奈良で、誇り高き奈良県民を自負してるけど、シンプルにめちゃくちゃ面白かったし、なかなか勉強になった。
ていうかこちらはうん十年間奈良県民やってるけど、作者さんの方がずっと充実した奈良ライフを送ってるの普通に悔しい。色んなイベントに参加する心意気、見習わねば…!
エッセイってやつは、基本当たり外れが激しいと勝手に思ってるんだけど、こちらの御本は地元ネタ満載、というか地元ネタしかなくて、めちゃくちゃ当たりだった。ほんとに全人類に読んでほしい。
ちなみに一番のお気に入りポイントは、ちょこちょこ描かれてる鹿がめちゃかわいいところ。
あの…ほんとに続編お待ちしてます…何卒…。 -
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ネタバレ上巻からの緊迫感はそのままに、広報室のメンバーや記者との関係性も深堀され、わだかまりが解消されるシーンには目頭が熱くなりました。三上広報官、松岡捜査一課長 参事官の関係性がとにかく良いのよ。「この人の下で働きたい」。そんな上司に出会いたいし、一生に一度は言われてみたい言葉でもありますよね。
刑事部、警務部、本庁、記者、遺族とそれぞれの思惑がひしめき、誰がどの情報を知ってるのかを考えだすとわけがわからなくなってきますが、それが綺麗に収束するのがとても爽快でした。序盤色々あった問題は結局のところ何一つ解決していないのにこの爽快感は何だろう。三上が積み重ねていった「自分の立場で何が正しいのか」を追求する姿勢。仲間を大事にする姿勢。これが響いたからかもしれません。誤解や対立があった人同士が、少しだけ理解し合う瞬間に強く心が動かされたのも無関係ではなさそうです。
物語の最後では秘密を多く抱える者が生き残る、漏らせば足元をすくわれる的なことが書かれていました。隠蔽を肯定するわけではないが、秘密を明かすことの美徳、明かさないことの美徳の両面を見た気がしました。学校教育を振り返ってみても、児童書を読んでも、秘密を秘密のままにすることの美徳など目にした記憶はありません。悪いことをしたら罰せられる。勧善懲悪のみが美とされている。ただこの三上さんらは保身の為に秘密を守っているのではなく大切な人を守るために秘密を守っている。しかも自分の落ち度ではないのにもし破られれば自分が矢面に立つ覚悟ものぞかせている。あゆみのことだってそう。あゆみのことを第一に考えているから、むやみに真実を追ったり、誰かを問い詰めたりしない。どんな理不尽に追い込まれようとも社会人としての矜持、人間としての矜持を忘れず職務を全うする。生き方の手本となる作品でした。 -
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ネタバレ二度目。
まずもって、18歳から18年間結婚せず、同じコンビニでアルバイトを続けているというだけで変人扱いされるような社会はおかしい。現実社会はもっと多様で寛容だと思っているのだが、僕が甘いのだろうか?
それはそれとして、主人公恵子は社会への適応の仕方が分からないので、コンビニのように極度にシステム化された空間の中でしか生きていくことができない。特殊であり周りに同調することが苦手なゆえに、同調することに価値を置く人々が用意した単調な装置にしか適応することができないというのは悲しい逆説である。
それでも僕は恵子を応援する立場で読んだ。最後にコンビニ人間として改めて生まれ直すのはハッピーエンドだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作で、表の世界から裏の世界に転職した凄腕営業マン・鳥井は、出世など少しも望んでいないのに、殺人請負会社社長の座をかけ、残酷な殺し屋・鷹見との理不尽な出世レースに参加させられる。力では全くかなわないのに、どんなに追い詰められても冷静でいられる鳥井の、底が見えない感じが恐ろしい。
誰とも打ち解けずに、ただ一人、ひたすら営業成績を上げ続けていた頃からは想像できないが、人を育てる才能もあったようで、部下である殺し屋たちにも慕われる良い上司。以前より、ずっと充実していて楽しそう。無事社長となった極東コンサルティングの社訓「自信こそが、人生の扉を開く唯一の鍵」は、表の世界でも通用する良い社訓だと思う。 -
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ネタバレ呼んだ後のしゃべくりをジェミニでまとめた笑
『傲慢と善良』全体の感想と学び・FBまとめ
1. 読書中のリアリティと違和感(読後感)
* ストーリー展開と設定への反応
* ストーカーから逃げるオープニングの緊迫感から引き込まれた。
* 登場人物(美奈子界隈や架など)の頭の良さや鋭い会話から「そういう界隈なんだろうな」と感じた一方、架の「ストーカーは嘘」「70点」といった発言や倫理観には強いイライラを覚えた。
* 30歳になっても親から厳しい門限を課される「箱入り娘」や閉塞的な毒親の描写には「ありえない」と違和感を覚えつつも、地元の閉塞感や「周りの当たり前が染み付く感覚」自体には一定の理解・身に覚え(だからこそ札幌や東京へ出た経験)があった。
* 主人公の名前をずっと「マナミ」だと勘違いして読んでおり、最後に「マミ(真実)」と知って驚いた。
2. 本から得た気づきとご自身の体験
①「傲慢」について
* 無意識に選ぶ側に立っている感覚: 自分自身もこれまで「この人と結婚できない」と判断してきた自覚があり、自分のわがままさや傲慢さを認識していたため、「自分が選ぶ側である」という点へのギャップや衝撃はそこまでなかった。
* 「ピンと来ない」の本質: 「ピンと来ない」という感情が、実は何かにかこつけて相手を否定し、自分が選ぶ側に立とうとする傲慢さの表れであるという指摘にはハッとさせられた。
* 理想と傲慢の境界線(問い): 身の丈に合わない理想を追い求めることの何が悪いのか。傲慢を受け入れた上で理想の相手を結ばれることを望んでも良いのではないか。「身の丈に合わせる=ただの妥協」になってしまわないかというモヤモヤが残った。
②「善良」について
* 意思のなさ=善良さ: 過去に付き合った人たちに対して感じていた「自分の意思がない」「僕がいつまでも引っ張っていかなきゃいけない」「自分が辛い時に頼れる安心感がない」という不安や冷めが、作中で言われる「善良さ」と一致していることに気づいた。
* 世界への不安と自立への脅迫観念: 「この世に本当に意思のある人間はどれくらいいるのか」という問いに強く共感。世の中に意思を持った人間がほとんどいないのだとしたら、「1人でも孤独に戦える強い人間にならなきゃいけない」と感じると同時に、それはどこか虚しく、不安な世界だなと感じた。
* 「喧嘩ができる人」への望み: ずっと「喧嘩ができる(自分の意思や譲れない価値観を持ってぶつかり合える)人がいい」と思ってきた背景には、相手に意思を持っていてほしいという切実な思いがあったからだと繋がった。
③「結婚と決断」について
* 自分もこのまま行くと、架のように39歳まで結婚できないルートを辿りそうだというリアリティを感じた。
* 結婚をどうやって選ぶべきかという決定打(架側の視点)は結局最後まで言語化されず、事件やタイミングという「ボタンの掛け違い」で決まった感がありモヤモヤしたが、「人生や結婚なんて案外そんなものかもしれない」と受け止めた。
3. Geminiからのフィードバック(FB)
「自分は傲慢だったのか?」という問いに対して
【結論】部分的に防衛的な「傲慢さのクセ」はあったが、本質的には相手と対等に向き合おうとする真面目さを持っている。
* どこが「傲慢」だったか(防衛的な傲慢さ):
過去の彼女に対して「意思がない」「頼りない」と評価し、一歩引いて結婚対象から外していた姿勢。これは無意識に「自分=導く・評価する側」「相手=満たしてくれるか測られる側」に立ち、傷つくことや重荷を背負うリスクから自分を守ろうとする(防衛的な)傲慢さがあったと言える。
* なぜ「完全な傲慢」ではないか(本質的な誠実さ):
本当に傲慢な人は都合の良い扱いやすい相手を求めるが、「喧嘩(本音のぶつかり合い)ができる人」を求めている点は、相手を一人の人間として尊重し、対等に関わりたい証拠。また、「意思がないなら自分が強くならなきゃ」と悩むのは、相手を捨てて終わるのではなく自分の責任として引き受けようとする誠実さがあるから。
* 「理想を追う=妥協なのか?」への回答:
「高望み=傲慢」なのではなく、「自分は評価される側に回らず、相手だけを点数付けする姿勢」が傲慢の正体。条件や点数合わせで相手を選ぶ(買い出しのような)選び方だと一生「妥協」と感じてしまうが、お互いの弱さや傲慢さを曝け出した上で「この人と生きていく」と腹を括る決断ができれば、それは妥協ではなく「納得」になる。
今後の向き合い方のヒント
「意思のある相手か?」と評価の目で測る前に、「この人の前なら、自分も弱音を吐いて引っ張られる側になれるか」「カッコ悪い自分を見せられるか」という視点を持ってみると、「引き受ける覚悟」が生まれ、妥協ではない関係性を築くヒントになるかもしれません。
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