小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレもう、出だしから普通じゃない。自動車学校で教習中のハルとイサガワ教官の会話が、完全におかしい。
「実家暮らしか……家族は?」
「弟がひとり」
「母は逃げました……」
「父は一昨日自殺しました」
これだけでも「は?」だ。しかも、この後はもっとひどい。
「お父さんは埋めた?」
「まだ、何もしてなくて。天井の梁からは下ろ
したのですけど……」
この後、ようやく物語の設定が明かされ、納得するのだが、あまりのインパクトの強さに、ディストピアの世界にどっぷり浸かってしまった。コロナ禍を思い出させる世界観に加えて、ミステリーでもあるのだが、事件の真相そのものよりも、世界の終わりに直面したとき、人はどう行動するのか、自分ならどうするのか、という方に心を動かされた。
ハルは、自動車免許を取って、自らの運転で行きたいところがある。そのことがラストで明かされる。伏線があったにもかかわらず、私は気づくことができなかった。
それでも、世界が終わるという救いのない状況下で、自分の希望を持ち続けるハルの姿が、強く印象に残った。どんな状況に置かれようとも、人の心までは支配できない。そこに、人間の尊さを感じた。 -
Posted by ブクログ
精神に問題があると思われる連続殺人犯を追う話。
バトルシーンがやたら多い。中盤の3連戦が壮絶。
終盤のどんでん返し祭りが、読書体験として楽しい。理屈はかなり強引。「んなアホな!」と思うが、それを突っ込むのは野暮なくらいには勢いと楽しさがある。NARUTOくらい「実はコイツが……」って奴が出てきてウケる。
中盤までは普通のサイコスリラーっぽくて緩慢だが、終盤が読んでて楽しすぎるので、私的にこの手の作品の中ではかなり気に入った。
最後の最後、終わり方も凄い。感心した。どんでん返しの連続で頭から抜けつつあった要素を最後に拾う綺麗な結末。
渡瀬のビジュアルを鶴見慎吾で想像してたら、実際ドラマ版でキャスティングされてるらしい。こういうとき、なんか嬉しい。 -
Posted by ブクログ
帯の言葉が強烈で、これはすごい本だと思わず読んでしまいました。
久しぶりの朝井リョウさん、受け取るものが多すぎて読んで疲れてしまいました。
私の推しは嵐が最初で、そしてきっと最後です。
あれほど何かにはまって、追いかけることはもうないだろうなと思います。
毎年のライブに行けるか行けないか、そのために1年を生きていました。
ジャニーズの推し活って、お金を積ませないファン思いのシステムだったのかなと思います。
もちろん熱烈なファンのお金の使い方は凄まじいですが、お金を積めば積むほどというような売り方はしていませんでした。
本作において熱狂を作る側のビジネスとしての捉え方は、人の気持ちを計算して利用する恐ろしさを感じました。
そこまで我を忘れてはまるなんて恐ろしいと思う反面、少し羨ましいと感じます。
Sometimes I try to limit my point of view because there are too many things happening in the world. -
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▪️自分の人生を愛おしむために
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0.総括
青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』は、悩みや生きづらさを抱える人たちが、司書の小百合さんから渡される一冊の本と付録をきっかけに、自分の人生と向き合っていく温かな物語だ。
登場人物たちは皆、現状に対する焦りや葛藤を抱えている。
自分にできないこと、思い通りにいかない現実に思い悩み、時には他者や社会と戦おうとして疲弊してしまう。
しかし、この作品が教えてくれるのは、無理に現状を変えようと戦わない姿勢の大切さだ。
置かれた状況や自分自身の不完全さを一度素直に受けいれること。そこからしか、本当の意味での変化は始まらないのだと感じた。
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1.作中で描かれる本や言葉
主人公たちに直接的な答えを与えるわけではない。ただ、ほんの少し視点を変えるためのヒントをくれるだけだ。
本を読み、自分自身と向き合うなかで、登場人物たちは「今、自分にできること」を見出していく。
誰かに言われたからではなく、他人の評価を気にするのでもなく、最後にどう生きるかを決めるは自分自身なのだという強い意志が、彼らの歩む背中を押し、人生をゆっくりと輝かせていく。
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2.なぜ、わたしたちは、惑うのか?
私たちは日々、他人の目や社会の価値観に惑わされ、自分を見失いそうになることがある。
しかし、現状に抗って無理に戦う必要はない。
今の自分を静かに受けいれ、自分の足で一歩を踏み出す決意をすること。
それが、自分らしい人生を歩むための第一歩なのだと、本書は優しく教えてくれた。
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3.読み終えて
本を開くことで得たこの学びを胸に、私も自分の人生を愛おしみながら、自分の手で明日を選び取りたいと考えた。
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Posted by ブクログ
シリーズ第4弾。妻に先立たれ失意のどん底の四つ葉直大は、夫婦でやっていた洋食店も客足が遠のき閉店してしまう。生きる気力を無くし、死場所を探す旅に出る。旅先で真崎ひかりというおばあさんが、骨折し入院した友人の留守を預かり管理しているよつば旅館にたどり着く。ひかりばあちゃんの人を自然に元気にさせる魔術のような対応に、直大は旅館の仕事を手伝うことになる。料理も釣りも地域の人たちとの付き合い方も、ひかりばあちゃんの自然なふるまいに接するうちに、やりがいや楽しさを感じていく直大。あれよあれよという間に物事が前向きに展開していくいつもの展開は、安心して読み進めることができる。ひかりばあちゃんが前面に出すぎることなく、本人がだんだん自信を取り戻し元気になっていく。実は、魔女ひかりばあちゃんの自然な後押しが実を結んでいるというのが愉快で楽しい。
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