小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
児童文学のファンタジーと思って読んだら、少しホラーで、サスペンスでもあり、ミステリーでもあり、とってもダークな大人向けファンタジーですね???
あらすじにもある父親の死はちょうど小説の中間くらいで起こるんですが
そこから、タイトルである『嘘の木』が本格的に物語に登場します。
そこからが!もう!!面白すぎ!!です!!
とにかく登場人物みんな味があっていいし、
物語全体のまとう雰囲気もいいし、
終わり方もとっっっても好きでした。
最後までモヤモヤして、父親の死の全貌を予測しながら読むんだけど、かすってもいなかった笑
最後はスッキリーー!です。ドーパミン出ます。
本当に児童文学ですか??
個人的には -
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説は、色んな人の見方・考え方を感じれるなと気付く作品。
それゆえに、物事に真実はなく、誰がどう切り取ったかによるものなのだなと感じた。
物語の軸は、1本の筋が通っておりわかりやすい。
様々な人から語られるストーリーが、まるで自分がその人と対話しているような錯覚を覚える。
最終章が「連鎖」とあるように、終わり方は少し闇を残す形となっている。
最後のストーリーでは、
最後の一文までは、幸せな家庭を築いていると感じられた。
だが、
・友人を職場のおばさまを排除するための鉄砲玉にしたこと
・小学校からの友人が同棲して幸せな生活を送っていたこと。その後、魔王を倒してもらうほどの恩人になったこ -
Posted by ブクログ
極上のエンタメ小説だ。あまりの暴力に顔をしかめてしまうところもありましたが、引き込まれたしスルスル読めちゃってすごかった。
これまで触れたヤクザもののイメージの蓄積もあるけど、作中での描写が丁寧で、主要キャラのイメージが脳内にしっかり描けたのも楽しかった。
ミステリー文学賞を獲っているのも納得の展開でびっくり。展開に目が離せない。シスターフッドハードボイルド小説って新鮮。
ジェンダーのことも触れられていて、世の中ほんとにクソだなと思うけど、それらを取り込んでそれでも生きていく依子たちがかっこいい。読んで良かった。あとがきと解説も良かったです。 -
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Posted by ブクログ
死に向かっていくお話ではあるけれど、不思議と温かさも感じられた。
5ページ目の“明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁと。幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない。”は、
今当たり前のように生活できている自分にとってハッとさせられる言葉だった。
あと、おやつにまつわる思い出のエピソードがどの人も素敵だった。
実家に住んでいた頃、母親がよく作ってくれていたパウンドケーキを思い出したなぁ。
一時期、毎朝に感謝をノートに書いていて、今はやっていないけどまた再開しようと思えた -
Posted by ブクログ
この本を読み、「楽しい」と「幸せ」は似ているようでまったく違う感情だと気づかされました。
「楽しい」は刺激が強く、人生に濃い味を与えてくれます。友達と笑い合う、挑戦が成功する、評価をもらう、できなかったことができるようになる。
そうした瞬間には躍動感や達成感、承認欲求の満たされる感覚があり、ドーパミンが大量に分泌されます。
一方で、「幸せ・幸福」はもっと静かで薄味です。のんびり、平和、ほっこりとした穏やかさ。強い刺激はないけれど、じんわり心が休まる感覚です。
本書を通じて自分の人生を振り返ると、私はお恥ずかしながら「楽しい=刺激」を優先するタイプでした。
お金、恋愛、セックス、美味し -
Posted by ブクログ
今回も麻野さんの推理がすごかった。
社内恋愛の話は、彼女の誤解だろうなとは思えたけど、真相までは全く辿り着けず。
あの情報だけで推理できちゃう麻野さんの思考はすごい。
不登校になっちゃった小学生の話は、なんとも言えない気分になりましたね。
悪気がなくても人を傷つけてしまうことがあるし、一度ついた嘘を訂正するのは勇気がいること。
最終的にめでたしというか、良い方向に収まってよかったです。
そしてタイトルにも入ってるカレーのお話。
麻野さんの過去が少し入ってので、どこかで繋がるんだろうなとは思いましたが、結果は予想外。
与えられた先入観って怖い。
この短い話の中でも、先入観を持って見てしまうも