小説・文芸の高評価レビュー
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1995年の夏、火災から救い出された堂上今日子。低体温治療で30年もの間眠らされてきた彼女が明日子と日々人の家に来ることになる。
そこから、明日子・日々人・父親(やっちゃん)と今日子との不思議な共同生活が始まり…。
30年前の描写は懐かしい。ソックタッチ、MDプレーヤー、ベル…。30年前と現代との言葉(微妙、ドヤる、ウケる…)や文化(スマホやSNS、ネットショッピング)のギャップを明日子や日々人と今日子のやりとりからひしひし感じました。
今日子が家に来るまで凍ってしまったように家族の交流がなかった門司家が少しずつ溶けていき、家族の時間が動き出していく様子が印象的でした
みんなで居間でゲー -
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『文化の脱走兵』に好印象をもち、大きな期待感で手にしました。ロシア文学研究者・翻訳者である奈倉有里さんの最新エッセイ集です。本作も、発想と視点の豊かさに引き込まれました。
奈倉さんの文章は、どうしてこんなに心に沁みるのでしょう。多分、本や文学へのあふれる想いはもちろん、私たちの今抱える不安や孤独を超え、平和への決して押し付けがましくない温かな祈りに近いメッセージが伝わるからではないかと思います。
本への渇望の記憶が今の自分を形づくり、その希求が本の究極形となり今につながっているとか、書店で新潮文庫(岩波文庫も)の背表紙を眺めることが好きだったことに触れ、文学が生きる営みと同義で学校に -
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ネタバレやっと読めました〜
ずっと読みたいと思いつつ、後回しにしてしまっていた本。そのことをちょっと後悔。
一見自立してそうで、自信もありそうな主人公が、連続殺人の容疑者への取材を通して、自分がぐらぐらと揺らぎ、思いもよらぬ形での再構築がなされる様。その展開の持っていきかたが斬新で非常におもしろかった。
里佳も玲子も、半ば不安定な中で「でもここが自分の居場所だ」って信じていたわけだけど、梶井の価値観に触れ、感じなくてもよかった(笑)敗北感を感じ、でもその過程を通して「自分は本当はどうありたいのか」という問いに真正面から向き合い、迷いながらも手探りで自分の居場所を作っていく。その逞しさ。
とある有 -
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タイトル通り不思議な世界に連れ込まれる四遍の白昼夢のお話。「多肉」だけが不穏な空気感で、ゾワゾワした。アガベに取り憑かれた男が、妻、息子、母を失い、仕事、金、人との繋がりも全て遮断しアガベとだけの世界で生きていく。その先に待ち受けていた最後は?
篠田節子さんといえば「女たちのジハード」。
若い時に読んで共感と感動の嵐だった!
そして、2年前のこの一冊。気づけば篠田節子さんも70歳をこえている。描く世界のなんと深淵で慈悲深いことか!円熟した作家さんというのは、こういう文章とストーリーが書けるのか!
今回は、また違った感動に震えた。
「屋根裏の散歩者」
お気に入りの賃貸戸建に住み始めたが、屋根 -
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『踊りつかれて』(塩田武士)
作者は新聞記者として長らく活動した後、作家になった人と聞いています。綿密な取材を重ねた彼の本には、グリコ森永事件を扱い犯人から脅迫の録音に使われた子供の声を追った「罪の声」や、写実絵画をテーマに扱った「存在のすべて」は印象に残っています。
塩田さんの新作との事で読んだ本作も長い物語の最後まで読んで、静かな印象を受けました。
最初はSNS時代のリテラシーのない人を警告する目的だと思って読みはじめました。私は悪意のある小説とか、悪魔ものは、あまり好きでありません。この小説は最初、ネットで人の事を自分の不満の捌け口として非難中傷した人達の悪意と、それを私刑にしたものを -
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2026本屋さん大賞第3位の作品。
自分が知らない世界を覗き込めたようでとても面白かった!
まず、登場人物がそれぞれ際立っていて良い。
クセのある作家の天羽カインと
編集者の千紘、編集長の石田三成、そして、夫。
(愛車がゲレンデヴァーゲンというだけで浮かんでくる人物像表現が最高!)
天羽カインと編集者千紘の
心が通いあう素敵な時期のように映る中盤においても、どことなく危ないものが傍に控えている文章表現が素晴らしい。(柚木麻子のButterのカジマナと記者里佳の関係に近い感じの危なさ)
6の場面で文豪たちの話や、直木賞の起源、太宰治の芥川賞懇願の話など、歴史的なエピソードも良い感じに含まれ -
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※過去に読んだ小説です。うろ覚えで書いています。
ものすごく面白い小説でした!
僕の大好きな小説の一つです!
十角館の殺人から始まり、殺戮にいたる病、葉桜、ハサミ人間と色んなトリックや仕掛けのある小説を読んでいった後に、この水車館の殺人を読みました。
まさに王道のミステリー小説とはこのことなのかと感じさせてくれる小説だった覚えがあります。
読者に対する仕掛けは、大それたものはなかったですが、それが良い。過去と現在を読み進めながら、なぜ?どうやって?が疑問として残り、最後にそういうことだったのか!と納得させられる。
ちゃんと驚かされる、そして面白いと感じさせる小説です。ものすごく綺麗な思考の -
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ネタバレ森若さんと太陽が結婚し、一段落ということで、番外編第2弾。
真夕ちゃんはもはやテッパン。
アレッサンドロ?活動再開で良かったね。
というか、真夕ちゃん、森若さんが好きすぎる。
そしてまさかの鎌本!
前々巻くらいからキモさが倍増してたけど、まさか、ホントに、ガチで森若さんが好きだったのか……。
30代後半なのに、恋の仕方が痛すぎるし、あの自信はどこからくるんだ……。
ずっとアピールしてたみたいに言うけど、何もしとらんよ。
太陽は、合わないタイミングを無理やり合わせて、森若さんの扉をこじ開けたというのに。
亜希さん
山崎さんに後継者として見込まれるw
そして、山崎が後継者として「考えていたや -
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シリーズ8冊目。
新之助がまさかの豪族一家殺傷事件の下手人(?)になり、娘二人を人質として逃げる逃亡劇。
街全体を敵にまわすことになってしまった時、自分だったらどう思うか。精神的にも並大抵のものではない。
でも常に誰かを助けることを第一に考える、火消のモットーからは外れない人だというのを、ひしひしと感じる。
情報が限りなく少ない江戸時代で、いかに真の下手人までにたどり着けたこと、また麒麟児と呼ばれる剣術は最高の賜物。奥義・転(まろばし)で敵を締めあげたのは、すごく格好良かった。
すべては才能でもあるが、源吾が新之助にしっかり伝承した証なんだよなぁと感慨深くもあった。
また源吾たちと京都で
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