あらすじ
東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員・牛久とペアを組み捜査に加わった。捜査会議で、司法解剖医が出した死亡推定月日に、法医昆虫学者の赤堀が異を唱えるが否定される。他方、岩楯と牛久は仙谷村での聞き込みを始め、村で孤立する二つの世帯があることがわかる。息子に犯罪歴があるという中丸家と、父子家庭の一之瀬家だ。──死後経過の謎と、村の怪しい住人たち。残りの遺体はどこに!
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Posted by ブクログ
ゆーき本さん症候群に罹っていました。(シリーズものの順番をすっ飛ばすお茶目な不治の病です)
本作はシリーズ4作目なのにすっ飛ばしておりまして、最後の巻を読んでないなあとか思っていたのです。
でもですね、結果的には本作を最後に読んで正解でした。ゆーき本さんありがとうございます。(感染源のような扱い)
シリーズ中で1番面白かったです。あと赤堀と岩楯の恋愛未満の甘酸っぱさが最高潮。
今回も赤堀が最後にピンチになるという水戸黄門的な展開もありますし、何より殺人の動機がシリーズ中で1番好きでした。
(と書くと既読の方からしたら、こいつとんでもないサイコパスだなと思われそうですが、こういう動機って怖くて最高なんですよ)
今回の舞台は仙谷村。東京都心から少し離れた過疎化して来ている林業を生業とする村です。(西多摩の方らしいです)
こののどかな田舎でバラバラ死体が発見されます。それはもうバラバラ。しかもご丁寧に指紋を執拗に削り取ってあり、徹底的に身元がバレないようにされている。
更には動脈に狙ったような傷跡があり岩楯は血を抜き取ったのではないかと嫌な想像を巡らせます。
今回も試験的に導入されている法医昆虫学。赤堀と岩楯が、虫さんの声を頼りに捜査を進めていきます。
司法解剖の結果は死後10日前後。ところが赤堀が遺体に湧いていた虫の生態を調べた所、もっと前に殺されている筈だと意見が食い違います。
遺体の全ては見つかっておらず、目撃証言も無し。本来ならばビニール袋か何かに入れて隠そうとする筈の遺体の一部は剥き身で捨てられていた。
捜査は難航、岩楯は頭を抱えます。
今回は怪しい登場人物が多過ぎて、読み応え抜群でした。
都心から息子の持病を治す為に移り住んできた金持ちの一之瀬親子。金の出所は不明。息子の俊太郎は気怠げな超絶美少年で、齢17歳にして多くの女性を虜にしては諍いを起こしている。本人はあまり彼女達に関心が無いのがまた問題。
44歳になる息子、聡が障害致死事件を起こし、彼が服役後に逃げるように仙谷村に越して来た中丸一家。この村でも聡は数々の問題行動を起こし、両親は疲弊。
村の巫女様と呼ばれる世捨て人のような元調香師のちづる。村で唯一誰に対しても分け隔てなく、アロマセラピーで多くの村人を救っている。
皆さん個性強すぎ!赤堀に負けず劣らずキャラが濃ゆい!
おかげで岩楯の捜査がそれはもう難航する。赤堀の活躍により徐々に見つかって行くバラバラ死体。そこにチラホラと見え隠れする俊太郎と聡の影。一体何のためにこんなに執拗にバラバラにされたのか?
犯人はこの2人と関係があるのか?
もう、ずっと何故?の連続なので気になって一気読みしてしまいます。
さて、このシリーズと言えばウジちゃんの活躍が名物なのですが、今回は出血大サービス!!
頭上から雨のようなウジシャワー!!雨の音?と思ったら全部ウジちゃん!!
地獄絵図!!
赤堀が大分好みの女性なのでお近付きになりたいと思っていましたが、今回で認識を改めました。
心臓が幾つあっても足りません。そもそも虫が苦手な方には苦行のような本作ですが、今回は心臓麻痺を起こしかねない。
でもこのウジシャワーが捜査の進展に大きな役割を果たすんです。無駄なウジちゃんはいない!
(でもシャワーは勘弁してほしい)
虫やタヌキの力を借り、岩楯の鋭い視点と粘りの捜査でじわじわと真相に近付いて行くのですが、待っていたのは衝撃の真実。
今回は登場人物達の背景も含めて人間の狂気というものがテーマになっている気がするのですが、最後に留めを喰らわされた感じです。
良い具合に壊れています。これは刑法第39条で罪を逃れられてしまうのでは…。
余韻を残す終わり方も最高でした。
そして可愛くスカートとハイヒールで登場する赤堀に、やっぱり好きだと揺れ動く心(遂に二次元に逃避し始めた)
いよいよ全てを読み終えてしまい淋しい限りですが、本シリーズは海外に比べてまだまだ遅れている科学捜査の一環として、法医昆虫学という分野を見事にミステリーとエンタメに組み込んだ作品でした。
何よりも、様々な虫が登場するのですが、それらの生態がきちんと事件解決に導いてくれる所が抜かりない。
どの巻も安定感は保ちつつ、岩楯と赤堀の心情を掘り下げてくれたり、岩楯の相棒が変わる度に新しい展開も楽しめるしよく出来たシリーズものだなと改めて思いました。
お勧めして下さったみんみんさん、ありがとうございました!赤堀ロスになりそうなので川瀬さんには続編をお願いしたいのですが、完全に止まってるようですね。失恋か…(二次元の壁を越えたとしても岩楯がいた)
メビウスの守護者
どっぷりと赤堀涼子さんにハマっております。この作品も昆虫に加え香料が出てきますが、どちらも専門的でその分野に精通された人だけが気付く要素があり、まさにそれが事件の鍵!結末も事件解決だけでは終わらず余韻が残る。面白さ倍増でした
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官シリーズ第4作目。
赤堀先生の登場シーンは必ず笑ってしまう。
絶対にブレない。法医昆虫学への情熱とか責任とか感じる。
ウジにもだいぶん慣れてきた?と思ってたけど、あの雨音は絶対にリアルで聞きたくない(༎ຶ⌑༎ຶ)
そして7cm近くあるGの存在を知りゾワゾワした。
前回『シャコ』がゲストだったけど今回は『タヌキ』
最後の最後まで犯人に辿り着けず、殺人の理由はこれまでで最も猟奇的。
そしてシリーズを通して登場するのは『生きづらさ』を抱えた子供。
作者がシリーズを通して伝えたい事あるのかな。
Posted by ブクログ
第4弾!
大雨って…
水滴やない??
でも、大量に粒が落ちて来る。
バラバラと…
何やと!水滴やなく、ウジちゃん…
信じれん!
発狂するわ。
いかに、法医昆虫学が凄いとしても、こんなシュチュエーションになるような科学に関わるのは、ムリ〜(−_−;)
今回も例の如く、腐乱死体から…
でも、部分的なもんだけ…残りは、近くにあるはず?
ないけど?
えっ!
で、赤堀さん登場!
しかし、はじめは、ショッキングやけど、地道な調査とかは、王道な感じのミステリー手法。
今回は、ワニさん登場なく、牛久さん。
人は、動物の名前なんや。
ワニさんとは、正反対な感じやけど、個人的には、ワニさんの方が好み。
しかし、体バラバラの原因とか、殺しの動機がな…
大どんでん返しに合うのは、ええけど、後味悪〜(−_−;)
まぁ、こういうのが、めっちゃ好みなんやけど!
次も読む!(^-^)v
ウジジョって…あかん(^◇^;)
Posted by ブクログ
シリーズ4作目ですが、これまでと変わらぬ面白さがありました。
今回は舞台が奥多摩ということで親近感もありました。
山の中で見つかった腐乱したバラバラ死体というのはショッキングな設定ですが、このシリーズ作品では死体に集る虫がある意味では主人公ですから、グロテスクな描写も魅力の一つかもしれません。
当初は理解されず、「わけのわからないことをいう女」と見られて軽んじられる赤堀が、「虫の声」からの推理にもとづいて事件の手がかりを見つけてゆき、周囲が次第に彼女のことを意識し始める、という構図は何度読んでも爽快です。
赤堀が真相に先に気がついて真犯人に迫られ、そのことに後から気がついて岩楯刑事が慌てて駆けつける、という流れの中で、赤堀を失うかもしれないと岩楯が恐怖する様子は、これまでよりも二人の関係性が強くなっていることを強く感じさせますし、互いに信頼し合っていることもこの作品の魅力の一つだと思います。
真犯人も、たびたび捜査線上に浮上する不審者も、それぞれに狂気を秘めていましたし、その狂気の果てに生まれた「香り」が広く世界に受け入れられている、その事実を知っている岩楯たちが不快感を感じるというエンディングはこれまでのシリーズと比べても少しすっきりしない感じもありましたが、私たちの暮らす社会の中でも「知らぬが仏」ということはままあるでしょうから、ある意味でリアルなのかもしれません。
Posted by ブクログ
ドハマリしております(^ ^;
今回も、かなり猟奇的な事件で、しかも舞台が東京都は言え田舎の山の中(たぶん架空の地名だが)。関係する人間も限られていて、その分関係性が濃くて一筋縄ではいかない。
かてて加えて村人がかなりの変人揃い。それぞれに色んな事情を抱えているのは分かるが、何とも「お近づき」になりたくない人々がぞろぞろと(^ ^; また今回岩楯刑事の「相棒」となるのが、地元警察で山岳警備隊員も兼ねる若者で...これもまたいい意味で「田舎モン丸出し」で(^ ^ より「閉鎖された社会の異常性」を際立たせるのに役立っているような(^ ^;
例によってグロいシーンは容赦ない(^ ^; 森の中で雨の音が聞こえたら、迷わず走って逃げることにします(^ ^;
Posted by ブクログ
2020/2/21
そろそろ飽きるかと思ったけどとんでもない。
天才やな。
ここへ来てものすごい犯人像出してきた。
ゾッとしすぎて笑ってしまったわ。
無罪放免になるかもしれないけど大丈夫なん?今後どうなるん。
悪意を持って人に害をなすタイプじゃないけど悪意なく何でもやるから予測不能のヤバさよね。
んでそれ人間じゃないとアカンか?
美少年を浄化するためやったら人間じゃないとアカンのか。
でもそれじゃない浄化の仕方がいいよ。
壊れた人が壊れた人を治そうとするの怖いよ。
初めましての恐怖感やったように思う。
このシリーズ、岩楯刑事の名言も楽しみで。
今回は「幼稚な万能感に酔ってるんじゃねぇぞ」だね。
気持ち悪さを一言で表してる。素敵。
赤堀先生の奇行ハイライトはウジの雨だな。すごい。
そして前作の乾燥蟻はいまだに時々思い出して噴き出す。
日々に笑いをもたらしてくれて本当にありがとうと言いたい。
ウジやら腐乱死体やらできっと無理だけど実写化するなら岩楯刑事は江口洋介がよいと思うー。
赤堀先生はもうちょっと考える。
ボーンズやったんやから日本でもやってもいいやん。
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官シリーズ第4弾
舞台は東京都西多摩で管轄の半分以上が山岳地帯。
遺体の状況はあまりにも残酷で 動機は哀しい怒りに満ち溢れ 証拠を残さないやり方は鮮やかで 推測される手口はあまりにも残忍だ。
読後は心がざわついたまま。
話の中から抜け出せない。
執拗な執念の末に出来た商品の製造の全てを公表した後、世界の反応はどうなってしまうんだろうと勝手に話が進んでいく。
司法解剖医と法医昆虫学者の見解に開きがあり、もちろん真っ向勝負。ブレない。虫の声を聞き逃すまいとする真っ直ぐな姿勢は本当に清々しい。
Posted by ブクログ
川瀬七緒『メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官』講談社文庫。
シリーズ4弾。なかなか面白いシリーズで、毎回楽しませてもらっている。本作もよくぞ法医昆虫学とミステリーとをシンクロさせ、面白い作品に仕立てたものだと感心する。
法医昆虫学捜査官の赤堀が主人公というだけに、ハエや蛆虫が登場するのは必須で、どうしてもグロい描写が描かれることになる。今回の事件は男性のバラバラ死体が発端。
東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員の牛久とペアを組み捜査に加わった。捜査会議で、司法解剖医が出した死亡推定月日に、空気の読めない法医昆虫学者の赤堀が異を唱えるが否定されるが…
明らかに怪しい人物…驚愕の真相…
Posted by ブクログ
今回はかなり猟奇的な雰囲気が漂う事件で、かつ真相も尋常ではない心理によるものでしたが、赤堀さんの観察眼、知識、推理力と粘りはこれまでの作品以上に秀逸でした。
マニアックな舞台設定のせいか、作品の魅力に比べて知名度が低い印象ですが、これからも続けて欲しいシリーズです。
匿名
今回も酷い事件でした。
赤堀さんが虫から事件真相に近づく!興味深く、気持ち悪さも凄かった!
毎回出てくる相棒にも興味あり、今回は新しい相棒牛さん、前回のワニさんといい、動物の名前が面白かった。
Posted by ブクログ
今回もウェアダニットが炸裂したが、半分ほどは普通の推理小説とのハイブリッドだった。今回も最後の急転直下があった。動機に今回は少し凝っていてこの作者らしさを感じた。結末を曖昧にしたのはこの先を見据えているからなのか?
いずれにせよ、実写化されないシリーズ。
Posted by ブクログ
相変わらずいい味出していますよね、涼子先生!
この作品と一緒に「香水」の原作本は読んでおいた方がいいと思います
私は先に読んでいたので、ちづるさんのことを違和感なく受け入れることができました
先に読むのがいいか、後で読んだ方がいいかは何とも言えません
次の作品が楽しみです!
Posted by ブクログ
シリーズ第4作。一気読みした。このシリーズは外れないな。
今回の岩楯警部補の相棒は、よく通る良い声の山男、牛久刑事。通称ウシさん。声が良いって美味しい設定だと思うので、もうちょっと活かしてほしかったかも。
これまでの作品でもウジの湧いた腐乱死体の描写があったが、今回はバラバラ殺人ということもあって特に凄惨。犯人は途中から、消去法でなんとなく目星がついたんだけど、それでも真相には驚いた。
Posted by ブクログ
今回はあとからあとから新キャラが出てこず、ある意味村のような閉鎖的な物語。
なので途中で「犯人はこいつか?」と勘が働いた人も少なくないのでは?
誰も得をしないみんながみんな独りよがりの行為から成り立った今作の事件は、ただただ胸糞が悪い。この香水は「人間の死体を使った香水?!」とかそんな内容で間違いなく都市伝説になるでしょう。
そしてちづるの名付けた「メビウスの輪」。彼女が作中で言った意味だけで考えてよいのだろうか。もっと深い意味があるように思える。
香水の匂いについても「甘いような酸っぱいような」と描写され、「匂いが進化する」と言われる、
原材料の一つは腐臭によく似た芳香を持つランとのこと。
一ノ瀬俊太郎のための香水とのことだが、進化していく匂いは、正しく彼が気持ち悪い幼虫から美しい蝶へと変態したことを指すのだろう。
しかし、その美しさゆえに女性に纏わりつかれることは、腐肉に集るハエが重なる。
美しい彼と、その腐肉ランのインスピレーションが繋がったのか分からないが、皮肉なものだ。
自分の中の神を崇拝して、起きた惨事。
Posted by ブクログ
東京都西多摩でバラバラ死体が発見され、岩楯警部補は山岳救助隊員の牛久とペアを組み捜査に加わった。
捜査に協力する法医昆虫学者の赤堀涼子は、死体に付いたウジの生育状況から死亡推定日を割り出す。
しかしそれは司法解剖医が出した推定日と食い違っており、否定されてしまう──。
法医昆虫学捜査官シリーズ四作目。
今作も前作と同様に、死体に付いた虫のわずかな手掛りから事件の糸口を見出し、解決に導いていくという異色の警察サスペンスです。
ちょっぴりエキセントリックな言動で周囲を困惑させる赤堀ですが、まだ警察捜査方法として確立・信頼されていない法医昆虫学を認めてもらうために、地道で膨大な作業をこなし、仮説と検証を繰り返す様子には学者としての意地と底力を見せつけられたようで、感心しました。
一方で、岩楯警部補は現場の村で聞き込みを始めるわけですが、怪しい人物がいるものの終盤まで被害者の身元も犯行動機も特定できません。
そんな、捜査が遅々として進まない様子がリアルな臨場感を演出しており、迫力がありました。
いつものように岩楯と赤堀の掛け合いも楽しく、抜群の安定感でした。
また、終盤明らかになる、余人の想像を絶する苛烈な真相には思わず戦慄。
常人の理解を寄せつけない歪んだ欲望には、非道な世界への拒絶と愛する者への帰依を感じます。
一線を越えてしまった人間の狂気と執着をまざまざと見せつけられ、何とも言えない後味の悪さが残りました。
ただただ、面白かったです!
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赤堀さん相変わらずのいい味だしています。
トコジラミ・ミバエ・ウジ・虫・虫・虫の展開には
段々慣れてきたけれど。
今回のウジの雨粒からのウジシャワーにはぞわっとしました。
それにしても、今回、異常をきたした精神状態に陥った人が多すぎる。
香りに魅せられたちづるの正気と狂気の境目はどこなんでしょう。
ちょっと嗅いでみたいけど、メビウスの香水にはぞわぞわっ。
一之瀬くんの今後も気になるところである。
Posted by ブクログ
ウジとハエにはかなり耐性ができたと思ってましたが…今回の量と群がり方は半端ないです!ハエを怖いと初めて思いました。今までの事件って、少なくとも殺す方にも殺される方にも、少しはその気持ちはわかるって、そうなる過程が理解できなくはなかったんですが、今回のは寒気と狂気ばかり感じて余り同情もできなかったかな。殺した相手のことを香料にしか思ってなくて、多分殺した認識もないんじゃないかなと。やっぱり怖い。登場人物がみんな一線を越えたような人ばかり。こういう人たちには何も通じないから裁きを受けさせるといっても…ね…。どうしようも無いのな。赤堀さん、死ななくてよかった。
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官シリーズ第四弾。
今回は何だか、気が滅入る事件だった。
虫の真実を追う赤堀は、やはり面白いのだけれど、現場となった村の登場人物が感情移入しにくかった。
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官シリーズ第4弾。
東京西多摩の山中で、腐乱した男性のバラバラにされた腕が発見された。警視庁の岩楯警部補は、四日市署の警官で山岳救助隊員でもある牛久巡査長とコンビを組み捜査を始める。
毎回、岩楯と組むバディの所轄警官が楽しみの一つでもあるこのシリーズ、今回の牛久は山岳救助隊員だけあって肉体派、地元愛に溢れた熱血漢。ただ、結婚相手への理想が非現実的で子供じみていてなんだかな~。やっぱり、プロファイラー志望のメモ魔・ワニさんにはかなわない。
山間の村に隠されたよそ者への悪意と疑念、大量発生した蚊の謎、大雨の日にタクシーで訪れた男の正体・・・事件の背後にも目が離せない。
リケジョならぬウジジョ、フラジョ(腐乱女子)と呼ばれたいという赤堀の分析は今回も冴えわたり、解剖医の発表した死亡推定日に異を唱えそれを結果的に証明してみせる。
シリーズも4回目となり、蛆には慣れてきたところだけど今回の蛆の量は半端じゃない。山深く分け入った頭上から雨のような音をたてて蛆が降る、降る、降る・・・
このシリーズドラマ化してほしいけど、やっぱり実写化は無理だわ~( ゚Д゚)
Posted by ブクログ
シリーズ第4弾は、昨年個人的に何度か訪れた西多摩地域が舞台でした。山の中を散策したことを思い出しながら、あの辺りで本作で描かれた陰惨な事件があった(本作はフィクションですが…)と妄想すると、背筋に冷たいものが走ります。
捜査の展開としては、少しずつ状況が明らかになっていくも終盤まで事件の真相に直結する証拠が発見されず、遅々とした進捗だったように思います。そのため、話の吸引力がやや欠けているように感じてしまいました。
しかし、終わり近くでようやくミバエの出どころが分かったあたりで急展開。真犯人の目的とその行為(惨殺したことではなく、あるモノを作り上げたこと)のグロテスクさ・おぞましさが半端なく、そのインパクトはかなり印象に残りました。