小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
2025年11月公開の映画「ブルーボーイ事件」の脚本をもとに小説化された作品。
性同一性障害を精神異常者の治療と考えることで性転換手術が正当な医療行為である、とする弁護士の論理は裁判に勝つためならあり得るが当事者は自身を精神異常者とはとても認められない。
自分らしく生きることが阻害される人生を100%理解する事はきっとできないだろう。でも、自分らしさを素直に表現できないことの息苦しさ、生きづらさを理解する努力はこれからも続けなければいけないと思った。偏見がまた蔓延している世の中、LGBTQの人たちにとって少しは生きやすい世の中になっているのだろうか? -
Posted by ブクログ
アンテナを張っているつもりでも、本作のような名作を知らずに年月を経てしまうときがあります。今回映画の予告を見て、原作を読みました。
「人生の酸いも甘いも経験した年齢」とよく表現される年齢ですが、実はそれほど経験しているわけでもなくて。
本作を読みながら、昔の同級生と互助会みたいな間柄っていいな、と思ったり。
付き合い始めでも、素敵なレストランへ食事に行くようなデートを重ねるより、近所の居酒屋で気兼ねなく飲むような間柄がいいなって思いながら読み進めました。
でもね、もう最初の方で結論が出ちゃってまして…。
結婚がゴールだなんてシンデレラストーリーを望んでいるつもりはなかったのですが、この年代 -
Posted by ブクログ
めっちゃ好き。大好き。強引だとか、推理がどうとかいう意見も分かるけど、それは置いといてめっちゃ好きでした。
まず主人公の栗原さんが良すぎる。もともと他の雨穴さん作品でどんなキャラクターかは知っていたが、本作品では栗原さんの過去にも迫っており、
あの他者との距離感を保ちつつ向き合う姿勢を見せている、それでも冷たいところは冷たい沼男キャラがどのようにしてできあがったのかを知ることができた。好き。
警官のあかりちゃんも良すぎた。お互い、未知との遭遇みたいな感じで協力し合う感じがベタだけど大好き。
肝心なミステリーも、めっちゃゾクゾクした。「地図の作成はむしろ集落の女性の数少ない楽しみのひとつだ -
Posted by ブクログ
あんなすごい作品書く人はどんな人なのか、私はそういうことがとても知りたい類の人間なので、エッセイが出ると待ってましたとばかりに読む。
初めは寺地はるなさんも普通の主婦であられたのか…と読んでいたら、やはり、ん?!という記述にぶち当たる。(当然)ただものではなかった。
言葉えらびの鋭さに打ちのめされる一方、気さくな語りかけに安心したりする。
一日中、起きている時はいつも小説のことを考えながら生活していて、その中で家事をこなすということの失敗談もあるが、そこから生まれる発想の転換、哲学とも言える考え方の方向がわかってとても面白かった。
しかも、共感できる価値観が多かったのも、自分にしてみれば意外だ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を開いて最初に目に入ったのが、作者の受賞あいさつだった。
その内容に、正直なところ強い違和感を覚えた。
医者でありながら小説を書き、子育てもして、鮎川哲也賞まで受賞した――まるで「私ってすごいでしょう」と言われているように感じてしまったのだ。
大谷翔平が二刀流なら、自分はさらに上の“三刃流”だと言わんばかりで、いきなりマウントを取られたような気分になった。
作者の底意地の悪さのようなものまで想像してしまい、かなり嫌な感情を抱えたまま読み始めることになった。
そんな状態で読み進めたにもかかわらず、気がつけば物語に引き込まれていたのは事実である。
出生の秘密をテーマにした物語は重く、簡単に楽し -