あらすじ
“廃墟テーマパーク”にそびえる「兇人邸」。3月の深夜、班目機関の研究資料を探すグループとともに、その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見されるなか、比留子が行方不明に。惨劇を眼前にしても、思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出する道を選べずにいた。さらに別の殺人者がいる可能性が浮上し……。葉村は比留子を見つけ出し、ともに謎を解いて生き延びることができるのか?! 『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第3弾。/特別対談=綾辻行人×今村昌弘
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Posted by ブクログ
ハラハラしながらも、続きが気になりつづけ、中だるみも一切なく一気に読み終えました。
後半はミステリーたっぷりで
続編が気になる終わり方で
私には珍しく、だんだん面白くなってくるシリーズです。
今までのシリーズ作品3冊ともに、
ミステリー要素もストーリー性もバラバラで徐々に好きになった作品でした。
Posted by ブクログ
シリーズ三作目!1作目から全て読んでますが正直毎回現実では有り得ない設定が出てきますがそれが超面白い!今回もまた面白い!過去との繋がりがどう影響してくるかたくさん考察しながら読みました。4作目が楽しみです
Posted by ブクログ
「剣崎比留子シリーズ」の3冊目。
ミステリにはお約束の、舞台となる建物の見取り図と登場人物一覧が、両面印刷の1枚のカードになって挟まれているのがナイス。
葉村と友人たちとのちょっとした謎解きが冒頭に置かれた後は、さっそく、“事件を引き寄せる体質”を見込まれた比留子が班目機関の研究資料を探し求める企業の関係者に誘われて…というところからスタート。
葉村を伴い彼ら&その傭兵とともに廃墟を売り物にするテーマパークの中の建物「兇人邸」に侵入してからは、早くも矢継ぎ早の展開。
異形の殺人鬼に、死体はゴロゴロ、比留子は行方不明…、ちょっとしたホラー映画の絵柄が脳内に浮かぶ。
結構ややこしい話なのだが語り口は読み易く、見取り図カードのお陰でいちいち巻頭に戻るストレスもなく、ズンズンと読み進めることができる。
またまたクローズドサークルながら、屍人荘は“偶然発生した“、魔眼の匣は“故意に作られた”、今回は“留まることを選ばざるを得ない”ということで、脱出の道も選べない。
ほどなく見つかった比留子の立ち位置がまた特殊で、冒頭で葉村が次のミステリ愛好会のテーマと言っていた「安楽椅子探偵」の位置に嵌り込む。
いやはや、毎回違った設定と趣向で楽しませてくれるものだ。
どうやって葉村は比留子を助け出し、謎を解いて生き延びていけるのか!?、と想像もつかなかったのだが、最後もまた映画を観ているようにたたみかける展開で、ラストの捨て身のアイデアには驚愕。明かされた異形の殺人鬼の正体にはやりきれない悲哀が漂う。
今回も探偵とその助手としての葛藤が出てくるが、そうした中で比留子のキャラクターや葉村との関係性はより分かり易く描かれていたように感じた。
重元さんって、誰だ?
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言わない優しさ。
愛する人を心配させないために、大切な人が危険な目に遭わないように、相手のことを思って言わないこと。
それでも相手に想いを伝えられる期間には限りがあって、それは明日かもしれない。後悔しないうちに。
剣崎葉村のバディはやっぱり大好きだ!!!
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成島…社長。調査を依頼。
裏井…その秘書。
剛力京…潜入したフリーライター。
葉村と比留子は廃墟遊園地に建つ兇人邸へ侵入する。そこでおそましい研究と首斬り殺人に巻き込まれていく、、、
毎度のことながら特殊設定とミステリーの絡め方がすごい。あとちょっとで気づけそうだった。巨人と遭遇しないように逃げながらっていうのがゲームぽかった。
Posted by ブクログ
剣崎シリーズの三作品目。巧妙なミスリードと良質なキャラクター、作者のエンタメ性が光る一冊。
剣崎シリーズの中では最も新しい時系列の今作は、パニックモノのようなスリルと班目機関の研究に関わってくる事件とが独特のワクワク感を与えてくれる。
最後の一文には声が出ましたね。
Posted by ブクログ
前から買っていて、腰を据えて読みたくて、やっと読めたー
建物の見取り図が出てくるミステリは苦手なのだが、このシリーズは最初の衝撃が大きくて、次はどんなのだろう?と読み続けている。今回はこうきたかぁ…!
葉村君とひるこさんの心情が好き。
Posted by ブクログ
行方不明者を探しに訪れた廃墟遊園地で繰り広げられる殺人事件
こっわ!密室廃墟で大鉈振り回す巨人に追われながら本格推理。怪物によるスプラッター×人間による殺人、混ぜるな危険の恐怖融合がヤバすぎる。遊園地の陽気さと相まって追い詰められる感がものすごい
比留子シリーズ3巻。今回が一番すごかった。追いかける恐怖。建物も複雑で何度見取り図見たことか笑。文庫化で綾辻さんとの贅沢なミステリー対談が付きました
Posted by ブクログ
このシリーズ、段々面白くなってる
約束のネバーランドのような施設を思い浮かべて読み進めた 大人の身勝手さに子供が犠牲になる
感情がスッキリはしないが次も読みたいと思ってしまう作品
あと、重元って誰⁉︎ 記憶から抜け落ちててビックリでした…
Posted by ブクログ
シリーズ第3段。安心の面白さです。
変わったつくりの館で事件が発生するクローズドサークルもの。シリーズ恒例の人智をこえたものとも戦うことになります。
葉村くんと比留子さんの不安定だった絆が今作でお互い腹を決めて深まったように感じます。
今回の真犯人は嫌いになれず、エンディングではなんとも切ない気持ちになりました。そして続編が気になる終わり方でした。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目、怪物が潜む兇人邸で起こる殺人事件、他のシリーズ作品よりもホラー的な要素が強い気がする、怪物から逃げるハラハラドキドキ感もあり面白い、ミステリ要素だけで言ったら個人的には前作の「魔眼の匣の殺人」の方が面白いのかなとは思うけど、全体的には「兇人邸の殺人」の方が面白かったかな、ラストら辺も個人的には好きな終わり方だった、あと読んでて思ったところがあるんだけど、相沢沙呼先生の霊媒探偵城塚翡翠シリーズの城塚翡翠と剣崎比留子って見た目とか雰囲気似てるよね笑
2人ともお嬢様だし()
Posted by ブクログ
屍人荘の殺人がとても面白かったため、このシリーズは続けて読んでいる。
本格ミステリでありながら、人外の存在や超人的な能力を持つ者が登場するという、一歩間違えればルール破りになりそうな設定を扱っている点がこのシリーズの大きな魅力だと感じる。
それでも、ミステリ部分はきちんと本格として成立しており、今回も独特の世界観と推理の両方を楽しめた。
超常的な要素があるからこその閉鎖空間や緊張感も、このシリーズならではだと思う。
Posted by ブクログ
斑目機関の研究者であった不木玄助によって運営されているという廃墟テーマパークへの潜入に同行することになった剣崎比留子と葉村譲。だが闇夜に乗じて不木の屋敷、兇人邸へ忍び込んだ彼らの前に姿を現したのは、超人的な能力を有する異形の存在だった。死傷者が続出する中、一行は屋敷に閉じ込められてしまう...
剣崎比留子シリーズ3作目。
陸軍731部隊を思わせる楽しいバックボーン設定。荒唐無稽な特殊設定を読者に納得させるための周到な構成力とそれを支える文章力。有栖川有栖の初期作を想起させる喪失と再生の青春ミステリ感。明快な状況説明ととにかく登場人物をきちんと憶えてもらおうとする親切設計。
最近はご無沙汰気味ではあるものの、かつて西澤保彦を始めとして散々読んだ特殊設定ミステリだが、このシリーズが一番肌に合うかもしれない。
今作は3作目にして予想外にアクション要素が強めのサバイバルホラー感あふれる展開。緊迫した状況の中であくまでロジカルに解決に向かうのはこれまでの作品と同様だが、比留子の脱出法まで異常にロジカルに突き詰められていたのには唸ってしまった。
さらりと披露されるあるトリックは綾辻行人っぽくもあり、かつての新本格ミステリファンにとっては非常に楽しめる作品だった。
Posted by ブクログ
前半怒涛の恐怖展開で怖かった
こんな状態
捕まってもどうなっても
自分から助け求めるでしょ
あんな巨人目にしたら
助かった後のことなんて
考える余裕ないでしょ
人の欲望って"コワッ"って思った
予想外の結末で
いろんな意味で泣けた
Posted by ブクログ
ミステリと化け物が追っかけてくるという特殊設定でここまで面白くできるのは流石。謎だらけの殺人とどうやって化け物から逃げるのか…という2つの問題をどう打開するのかワクワクしながら読めた。剣崎と葉村のホームズとワトソンの関係がほんとに好き。このシリーズもっと続いてくれ 個人的にはミステリは最後に怒涛の謎明かしが好きなのだが、これのように徐々に分かっていく謎ってのも良き。
Posted by ブクログ
久々に読んだ本がなんとも怖い。。
内容が気になって先に読み進めちゃうけど、とっても怖かった。巨人の正体と生き残りの正体にはびっくりした。
生き残ることを優先するべき局面でも推理するべきか否か、すぐ選べそうだけど、悩む葉山
Posted by ブクログ
舞台設定が営業中のテーマパーク内でのクローズドサークルという所が興味深かった。
流れの中で比留子さんが動けなくなり、安楽椅子探偵となる点も前作とは異なり良かった。
最後も続きが気になる終わり方なので続編にも期待。
Posted by ブクログ
こんな場所て、クローズドミステリーが成立するなんて思わなかった。
今回は剣崎と葉村が離れているにも関わらず、何とか結果を迎えました。二人のやりとりには何か色々と考えさせられるものがありました。
廃墟テーマパークにそびえる奇怪な屋敷。
そこに入ったが最後、
姿を見ることは二度とない。
シリーズ累計140万部!!
『屍人荘の殺人』シリーズ第3弾
綾辻行人×今村昌弘 特別対談を収録
“廃墟遊園地”に建つ奇怪な屋敷「兇人邸」。班目機関の研究資料を探すグループとともに、深夜そこに侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは無慈悲な首斬り殺人鬼だった。同行者が次々と惨殺され、比留子は行方不明になってしまう。絶体絶命の状況下で葉村は比留子を見つけ出し、謎を解いて生き延びることができるのか。『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第3弾。対談=綾辻行人・今村昌弘
Posted by ブクログ
目次
第一章 アンラッキー・ガール
《追憶 I》
第二章 兇人邸
《追憶 II》
第三章 予期せぬ死
第四章 隔離された探偵
第五章 慧眼
《追憶 Ⅲ》
第六章 惨劇の夜、再び
第七章 生き残り
《追憶 Ⅳ》
第八章 裏切り
第九章 最後の仕掛け
特別対談 綾辻行人×今村昌弘
本格ミステリを書き続ける
♢屍人荘の殺人
♢兇人邸の殺人
♢名探偵と助手
♢本格ミステリを書き続ける
『明智恭介の奔走』収録の「最初でも最後でもない事件」を期間限定で(2026年10月31日まで)
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"生ける廃墟"と呼ばれるテーマパークに建つ奇怪な屋敷「兇人邸」。
斑目機関の研究資料を探すグループとともに、深夜そこへ侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首切り殺人鬼だった。
「屍人荘の殺人」シリーズ3作目。
今回の舞台は遊園地内に建つ屋敷・兇人邸。
何人もの来場客やスタッフがそこで殺されたという噂がありま、一度入ったものは出てこれないと言われるいわくつきの建物です。
屋敷の中では首切り連続殺人事件の惨劇が繰り広げられているのに、外はのどかなテーマパーク。園内放送の音が聞こえてきたりするギャップがなんとも不気味。
出る手段はあるのに、外がテーマパークゆえ簡単には出られない。そんなジレンマもよいです。
それぞれが全く別の思惑を持って動いているため、どんどん複雑になっていく事件の様相がハラハラして面白い。
犯人といい動機といい、密室を打破する方法といい、読後感はちょっとやるせない余韻が残ります。
Posted by ブクログ
3.0
正直に言うと、好きなタイプの作品ではなかった。
ミステリーを読むとき、犯人がどのような方法で殺人を行ったかとか、複雑な建物の構造を理解することにあまり興味がわかない。
この作品はそうした要素がメインだったため、好きになれなかった。残念。
ただ、作品そのものはとても読みやすくテンポも良いため、最後まで無理なく読むことができた。
登場人物の名前に関する仕掛けと巨人の正体について予想を外しており、自分はまだまだミステリー初心者だなと思ったし、このシリーズの主人公コンビのことは気になるので、次回作が出たら読むんだろうなあ。
Posted by ブクログ
「屍人荘の殺人」、「魔眼の匣の殺人」に続く、班目機関の存在を背景とした剣崎比留子を探偵役、葉村譲をワトソン役とするシリーズ第3弾。冒頭は、葉村が友人の小山、矢口との間で、ちょっとした推理対決をする。前2作と比べるとかなり軽い導入だが、頭の体操をしたあと、本筋へと入っていく構成になっている。
かつて、班目機関の施設で研究をしていた不木玄助という人物が、「廃墟テーマパーク」として一部で話題になっている馬越ドリームシティ内の「兇人邸」に住んでいる。そして、その建物には、施設で研究対象となっていた子どもの生き残りがいるという噂があった。班目機関の研究成果を手に入れたい成島IMS西日本社長・成島陶次は、剣崎比留子の「事件を引き寄せる体質」を利用し、「何かを起こす。」ことで、兇人邸への侵入が空振りに終わるのを防ごうとする。成島は、「事件を引き寄せる体質」を持つ剣崎比留子を利用すれば空振りには終わらないと考え、六人の傭兵とともに兇人邸へ潜入してほしいと依頼する。剣崎も、「どうせ事件を呼び寄せるなら、傭兵に守ってもらった方が安全だろう」という理由でこれを受ける。
この時点でかなり特殊な世界観である。前作『魔眼の匣の殺人』が「サキミの予言は当たる。」という前提でロジックを組み立てていたのと同様、本作も「剣崎比留子は事件を引き寄せる。」という前提の上で、成島は剣崎に依頼をしているし、剣崎も依頼を受け入れている。納得しにくい面もあるが、班目機関シリーズは、こういうミステリ、特殊世界ミステリなんだとして受け入れるしかない。
兇人邸では、「満月の夜に身寄りのない従業員が生贄に捧げられる」という噂がある。その情報をもとに潜入した一行は、そこで「隻腕の巨人」に襲われることになる。そして、不木玄助が殺害される。
本作の中心となるのは、「不木を殺したのは誰か」という謎と、「施設の生き残りは誰か」という謎である。しかし、剣崎は巨人のいる別館に閉じ込められ、本館にいる葉村たちと直接合流することができない。会話による推理はできるが、自ら現場を歩くことはできない。そのため、本作の剣崎は名探偵というより、極めて優秀な安楽椅子探偵として振る舞うことになる。
その一方で、物語の合間には四十年前の班目機関の研究施設における追憶が挟まれる。この施設は、『魔眼の匣の殺人』においてサキミが予言していた「極秘研究施設での大量殺人」の舞台でもある。
追憶パートでは、研究員の羽田、不木、そしてケイ、ジョウジ、コウタといった子どもたちが登場する。羽田は通常の人間を超える身体能力や回復能力を持つ子どもたちを研究しており、不木は特殊なウイルスを利用した研究を進めている。しかし、小動物殺しなどの不穏な出来事が続き、サキミは「査察の日に施設で大量殺人が起きる」と予言する。そして実際に惨劇が発生する。
現在の事件と過去の惨劇が少しずつ結びついていく構成は非常にうまい。自然と、「生き残りは誰なのか」「巨人の正体は誰なのか」を考えながら読み進めることになる。
また、本作には倒叙ミステリ的な要素もある。剛力京子が不木を殺害したことが比較的早い段階で明かされるからである。剣崎は葉村に犯人捜しをする必要はないと言いながらも、見事な推理によって剛力が犯人であることを見抜く。この不木殺しの推理は、非常にロジカルではあるものの、やや地味に感じた。
アリと不木の首を首塚に運ぶには、巨人は二度移動する必要がある。しかし、巨人は二度移動していない。隻腕の巨人には二つの首を運べない。不木を殺した犯人は不木より先に部屋へ入っていなければ不自然。そして、剛力だけがアレクサンドライトが赤く輝く場面を目撃できた。
論理はしっかりしている。しかし、エレガントさや意外性よりも、地道な消去法の積み重ねという印象が強い。
その後、雑賀が殺害される。本作には、不木殺しのロジック、雑賀殺しのアリバイトリック、巨人の正体、生き残りの正体、剛力の正体など、多くの仕掛けが存在する。個々の伏線やロジックはよくできているし、読者をミスリードする技術も高い。裏井の名前を意図的に伏せていた点などは非常にうまいと思う。
しかし、トリックやロジックはいいが、その前提となる人物の行動や状況設定に説得力が感じられない。例えば、ケイが隻腕の巨人となり、四十年間もあの夜の中で戦い続けていたという真相である。班目機関シリーズであり、特殊世界ミステリである以上、ある程度の荒唐無稽さは受け入れるべきなのだろう。しかし、それでも私は「いやいや、40年?それはさすがに・・・。」と思ってしまった。
また、そのために従業員を生贄として捧げ続けていたという設定も、どうしてもやり過ぎに思える。
裏井についても同様。裏井が「生き残り」だったという真相には意外性があるし、伏線もきちんと存在する。しかし、ケイとの「何があっても一緒」という約束を果たすために、「正当防衛で殺人をする。」のは行き過ぎだと感じる。共感できない。
雑賀殺しも、ロジックとしては成立している。しかし、物語の流れの中で自然に起きた事件というより、「トリックを成立させるために発生した事件」のように見えてしまった。
最後の、裏井が自らの首を利用して鍵を運ぶトリックもまた、同じ印象を持ってしまった。巨人に首を運ばせることで鍵を届けるという発想自体は面白い。しかし、このトリックを成立させるために、ここで急に裏井が正体を明かし、自ら死を選んだように見えてしまった。
要するに、兇人邸の殺人は、個々のパーツはよくできている。不木殺しの推理も、雑賀殺しのトリックも、巨人の正体も、生き残りの正体も、それぞれ単独で見れば、良いロジックで、意外性もある。
しかし、それらを一つの物語として組み上げたとき、どうしてもいびつさを感じてしまった。
そもそも、いくら廃墟テーマパークとはいえ、その中で巨人を匿い続けるというのも引っかかる。従業員を生贄として捧げ続けるのも、「なんで」という感じ。四十年間も同じ夜を繰り返すか?。剛力という人物も、ミスディレクションとしては機能しているが、どこか作者の都合で配置されたように見えてしまった。裏井やケイの行動原理そのものに納得しきれなかったから、トリックや真相まで浮いて見えてしまったように思う。
評価は難しい。個々のロジックは端正で、伏線も意外性もある。しかし、全体として見ると、荒唐無稽な設定と本格ミステリ的な論理のバランスがうまく取れていないように感じた。
『屍人荘の殺人』も十分にバカミス的な作品だった。しかし、あちらは荒唐無稽な設定そのものが作品の勢いと面白さにつながっていた。本作はバカミスとして突き抜けるわけでもなく、本格ミステリとして納得させるわけでもない。その結果、「大胆な特殊設定ミステリ」というより、「バカバカしい話」に見えてしまった。
★2ではない、★3。個々のパーツはもっと上手く組み合わせれば、かなり良い作品になったと思う。この荒唐無稽さが上手く機能したのが『屍人荘の殺人』であり、上手く噛み合わなかったのが『兇人邸の殺人』だったのかもしれない。
最後に、『屍人荘の殺人』で登場した重元が姿を見せ、物語は次作への引きで終わる。班目機関の謎は依然として多く残されており、続編への興味は強く刺激される。一方で、あまり間を空け過ぎず、早めにしっかり完結まで描き切ってほしいとも思う。シリーズの縦軸は魅力的であるだけに、このまま宙ぶらりんになってしまうのは惜しい。それこそ、綾辻行人の「館」シリーズみたいになってほしくはないと思う。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。一作目から登場する謎の機関も絡む設定。今作が一番スケール大きいように感じた。
科学者の傲慢で生み出された怪物&不可解な殺人事件はスリリングであり練られていて先が気になる。剣崎バディチームもバッチリ。意味深なラストにまた続きが気になる。
Posted by ブクログ
非現実なクローズドサークルが見ものの本シリーズ。
巨人と接触してはならない、巨人を外に出してはならないという制約で作られた舞台はお見事。
ただ非現実とミステリが絶妙なバランス感覚だった前作と比較すると、本作はミステリ要素よりファンタジーやパニックホラー要素の印象の方が強い。
巨人の背景は鉄板モノだがやはり悲しい。首切り前提の決死の覚悟が辛すぎる。
Posted by ブクログ
シリーズ3冊目。
特殊設定が勿論ありのミステリ。今回もなかなか思い切った内容。
部屋の配置が複雑で、図面が付いていて良かった。2人が基本離れ離れなのが良くも悪くもで、個人的には前2冊よりは、という感じでした。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
ミステリー+パニックホラーの特殊設定ミステリ。
兇人邸の見取り図複雑過ぎ。読んでる途中でどこで何が起こっているかわからなくなり断念しかけた。
今回、剣崎さんは安楽椅子探偵のポジション。登場回数も控えめで、活躍する場面が少なくてやや残念。
ラストの鍵の運搬トリックにはかなり痺れた!
Posted by ブクログ
屍人荘、魔眼の匣に続いてシリーズ3作目となった。
正直に言って話が複雑で私の脳では処理しきることができなかった。見取り図が付けられていたので多少は補完しながら読むことができたが、それでも全容を理解しながら読むというのは難しかった。
兇人邸というテーマパークの中にある元お化け屋敷、そこに潜む人間離れした巨人と彼の研究の“生き残り”とは誰なのかを突き止め、逃げ場を失った葉村君、ボス、成島などが脱出を試みるストーリー。今回は比留子さんは密室に閉じ込められた安楽椅子探偵という立ち位置。剛力さんの素性を推理するところはちょっと無理あるやろとは思う。