あらすじ
“廃墟テーマパーク”にそびえる「兇人邸」。3月の深夜、班目機関の研究資料を探すグループとともに、その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見されるなか、比留子が行方不明に。惨劇を眼前にしても、思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出する道を選べずにいた。さらに別の殺人者がいる可能性が浮上し……。葉村は比留子を見つけ出し、ともに謎を解いて生き延びることができるのか?! 『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第3弾。/特別対談=綾辻行人×今村昌弘
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Posted by ブクログ
まごうことなき星5作品!
わたくしも館内図の書かれている栞を何度もみたうちの1人です。ケイ/巨人のことがわかるにつれて【追憶】の章も読み返す。読み返しては切なくなり、またストーリーを読みすすめては驚きハラハラし。。。
いつもはまんまと騙されながら、流されながら読むのが好きなんですが、今回はページを行ったり来たりして読み込んでいくのがとても面白かった!!
Posted by ブクログ
シリーズを追うごとに増していくバイオハザード味を、それを上回る質の本格ミステリでねじ伏せるという離れ業を実現しているすごい小説。世界探してもここまでやってるのはないのでは。
政府関係らしき人間も出てきてこれからどんどんヤバいことに巻き込まれていきそう、早く次が読みたい。
本当に文句なしだけど最後に出てきた人物のことを完全に忘れているのでまた読み返さなければ...
Posted by ブクログ
メインストーリー?(主人公)とは別に過去の事件や記憶視点に立つこともあり、これは後からどういう風に繋がっていくんだろうな?みたいなワクワク感があって楽しい!
後半になればなるほど、それがこの人が犯人かな?という推理にも繋がるけど、それが全然違ったりする笑
登場人物それぞれに怪しい挙動とかあったりするから、最後の最後まで犯人が分からないのも楽しかった!
ヒルコの推理も気持ちよくて、あとは最後の鐘を鳴らすシーンとか、殺人鬼の過去の友情的なシーンとかね。良かった!
Posted by ブクログ
個人的に待ちに待ったシリーズ第三弾の文庫化。発売日が待ち遠しかったー。
安定のクローズド殺人ミステリでしたが、まさかの安楽椅子展開とは!わずかな情報でしっかりと解き明かす推理は論理的で爽快でした。
いつもの、非現実要素も物語をスリリング差を何倍もあげて、ワクワクさせてくれますね。
まさか、巨人の正体がそっちだとはー。2回もミスリードさせられましたね。完全にやられました。にしても、切ない。。。もうちょっと不木に天罰が当たる的な展開がないと浮かばれないよ。
二人の関係性も安定してきたけど、相変わらず葉村くんの活躍が少ないのが気になるな。。。少しは成長してる感じはするけども。
このシリーズは、まだ全体像が見えないけど、長くなりそうですね。
Posted by ブクログ
特殊設定ミステリのシリーズ3作目。恐ろしい殺人鬼が闊歩する邸宅、というとなんか陳腐な気がするけど、それを利用した上で、クローズドサークルの型にもっていくのは驚いた。生き残りは誰か、の部分は正直メタ的な見方で予想ついてしまったからあれだけど、困難の分割の仕方がこれまた特殊設定を活かした発想で、なるほどなぁと。
次作も楽しみだ。
Posted by ブクログ
文庫化待ってました〜!本屋さんで見かけて嬉しくなってすぐ買った!
ハードカバーで出たときにあらすじだけ先に見ていて、巨人が出ることはわかっていたけど巨人の存在と建物の構造によるクローズドサークルなのかぁ。
登場人物は減っていくし読んでるうちに覚えていくけど、自分の理解力の問題で建物の構造が全然わからなくて、本に挟んでくれてた見取り図と何度も見比べた。すごく助かった。ありがたい。
第一夜の巨人の襲撃がやっぱり一番怖くて緊迫感があったというか、続きが読みたい!って気持ちにそこからぐっと引き込まれた気がする。
とうてい敵わない不条理による動乱の中で右往左往する人々の姿が良かった。
ワトソンとして彼女の支えになるぞ!って決意を抱いた葉村くんが空回りしそうで心配だったし、実際剣崎さんも『余計なことはしないで』って口ぶりのシーンもあったけど、最終的に二人がそれぞれ【頼れなかった/頼られなかった】後悔のあるひとに諭されて、ホームズとして、ワトソンとして、二人で頑張っていこう!って落ち着いたのがとてもよかった。
剛力さん≒ケイ≒生き残りかな?という先入観を勝手に抱いていたから、ところどころ挟まれていた断章の語り手である彼女自身が巨人だったことにも、断章が彼女が巨人として破滅へ向かう道筋の話だったことにもびっくりした。
コウタさんは、願った最善の形ではなかっただろうけれど最期にケイに会って本懐を遂げれてよかったね……。
彼の殺人の動機がピンとこなかったんだけど、葉村くんが何もできない自分に対する歯がゆさで「自分の力がないせいだってわかってる。でも、あなたに対して何もできないのなら、せめて同じ痛みがほしい」って話をしていたのを思い出して、彼も無力さゆえに同じ痛み(罪)を欲したんだろうなって、理解はできないけど納得はした。
巨人の去り際がなんだか悲しくて寂しかった。
第一夜の暴れようからずっと巨人は恐怖の対象だったけれど、彼女はずっと悪夢の中に取り残されて魘されていて、家族を守るために行動していただけだったんだな、と考えると、なんというか、むごい……。
ひとりの家族思いの女の子が、守ろうとしたはずの家族のショウジを真っ先に手にかけ他の家族も殺し尽くし、羽田先生も亡き今、もはや最後の家族であるコウタを手にかけて、そうしてラストではじめて何かに気付いたように建物の奥へ帰っていく。
家族の誰かに呼ばれたことを思い出したり、もうここには怖い猿も何もなくてお部屋に帰る時間だって思ったりしたのかな。
この後の彼女の扱いがどうなるのか、さらに実験動物として生かされてしまうのかこのまま殺されるのか、現時点ではまったくわからないけど、どうかなにも知らないまま安らかに眠れるように祈るしか……。
謎解きというか、人間関係的な方面で楽しく読んだかも。
屍人荘の殺人以来のあの人も出てきたし次も楽しみ!