小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ読書感想|黒石 新宿鮫12
大沢在昌の人気シリーズである新宿鮫シリーズの12作目にあたり、現在までの最新作である本作は、2作目の「毒猿」以来久々に敵役となる殺し屋をタイトルにした作品となった。
出版にあたって著者の大沢在昌に取材をしたウェブサイトによると、前回の『暗約領域』で話が複雑になりすぎて、かつやや長くなってしまったことから、今回はシンプルな作品にしたかったのだということだ。
実際に作品としては、”黒石”という殺人者と徐福というその裏側にいる黒幕が組織の要となる人間を次々と殺していくという、かなりシンプルな話ではある。
その舞台となる組織は、ここ2作品で重要な位置付けとなっていた中国残留孤児二世・三世をネットワーク型に結びつけている「金石」だ。この金石という組織は、もともとは中国残留孤児の子孫たちの互助組織のような位置づけだったのだが、中国と日本の両方の顔を持つ人間が犯罪行為を行ったことから犯罪を包含する組織となってしまったようだ。
そして本作では、その緩やかなネットワーク組織をピラミッド型組織に変えるために、徐福と呼ばれる人間が暗躍することになる。
この徐福という人間の正体を明らかにするというのが、ミステリーとしての今作の一つの面白さになるのだが、しかし著者はそこに強い力点を置いて話を進めていたようには見えない。
むしろ本作では前作の最後で殺されてしまった新本ほのかという女性を、実質的なヒロインとして、これまでの2作品で登場してきた人物たちの人間関係や裏側を丁寧に描いていくという作品になっている。
また、今回は黒石というある意味サイコパス的な人間を鮫島の反対側の真正面に配置したせいか、警察内部でのやりとりというのはあまり印象深くは書かれていない。ただし、前作においては桃井の代わりに登場した阿坂を敵対視していた薮は、本作では彼女の刑事魂に触れて、かなり親密感を持つようになっている。
作者によれば金石の話は一旦ここで終了し(主要人物のほとんどが死んでしまったので仕方がない)、過去に鮫島と因縁の生まれた陸永昌もしばらくは日本に来ないだろうということで、もし次の作品が描かれるとしたら、また違う犯罪者を描くことになるとらしい。
大沢在昌ももう70歳なので、それほど早く作品を書かない気もするのだが、ぜひ陸永昌との因縁には終止符を打ってこのシリーズを終えて欲しいと思っているのだった。ただ終わり方が見えないだけに、もしかしたら、警察官を辞めるというところで、物語が終わってしまうのかもしれない。 -
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ネタバレ(※)後半、物語の核心に触れます。
これはよかった。ジーンときた。
古代エジプトでの事件。信仰とミステリーがからんでめちゃ面白い。
私のFacebookで流れる謎考古学おじさん、吉村作治さんの解説がいっそう深みを持たせてくれる。アクエンアテンは、、、そうだったのか。
自分の人生を生きなさいという父イセシの言葉が心に沁みる。エピローグまで読むとなおさら。
カリちゃんの過酷な状況ながらも物事を冷静に見て、さらに自分を省みる姿には尊敬しかない。どうか幸せになってほしい。
ああ、そうそう。
タレクはセティの秘密に気づいてるよね。
カリはナイフを取ろうとセティの棺に手を伸ばした。
胸のふくらみに気づいて「セティ、あなたもしかして」と言ったのではないか。なにしろ26歳やねん。
そしてタレクがセティを棺におさめるときの独白。「俺は、お前を―」
こんなベタベタ過ぎる上の句なので下の句は決まっている。
せつないけど、これでよかったと思える終わりだった。 -
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言葉がリズムよく直接的で思わず
「ふふっ」と微笑みながら
読み進めていましたが後半になるほどに
目頭が熱くなり涙がこぼれていきました。
祖父の義景はすぐ怒鳴るところ
仕事ばかりで家庭を顧みなかったこと
自分の考えを押しつけ
彼らを傷つけていたことから
桐矢も 三人の娘や 他の孫たちも
頑固な祖父を敬遠されていた。
祖父は子供の頃
いろいろな家に預けられ
大人にかわいがられたことがなかった。
それゆえに 子どもをかわいがる方法が
自分の家族を大切にする方法が
祖父にはわからなかった。
心の中では家族をとても大切に思っていたのに
その気持ちを伝える術を知らなかった。
そして祖父は男らしくあろうとして
自分自身を不自由にしていたように感じた。
そして頑固ではあるが 懸命に生き 傷つき
彼なりのやり方で愛した
不器用で弱い人間だった。
最後には娘三人と孫たちに
祖父の本当の愛情を知ってもらえて
本当に良かった。
この物語は「分かり合う」というよりも
わからない他人の人生をいかに自分のそれと
同じように尊重し愛するか。
時代によって変わりゆく「正しさ」を
どう信じていけばいいのかを
問いかけているように思えます。
最後に桐矢の
「あたえられたものを最大限生かして
ささやかな幸福を感じながらいきていく。
昔も今も それがぼくの一番の願いだ」
という言葉から
祖父の大好きなカレーを
一緒に食べながら会話をし
共に暮らした日々は桐矢を成長させた
なにものにも変えがたい
かけがえのない日々になったのだと
感じられました。
微笑ましくて
温かい時間をありがとうございます。
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Posted by ブクログ
みかこさんの息子、けっこう動くな。人種差別発言で仲が悪い2人がわざと鉢合わせになる状況をつくったりしている。受け身で動いてない。積極的に人の間を取り持とうとしていて積極的。
日本でいきている私にはページをめくって知らない世界にであうたびに、私はのうのうと生きてるんだなと思った。知らない世界(坂の上のあっち側(やばいがわ)とこちらがわ)の表現があって、けっこうしんどい。
読んでいてカルチャーショックの連続。
『ユニフォーム•ブギ』で貧困層のティムに、制服をあげるシーンでティムがどうして僕にくれるの?と聞いたシーンで、ぼくが「友達だから」と言ったシーンはとてもいい。
とても肉厚な本でした!2も読みます! -
Posted by ブクログ
夏:さかのぼればそこであい
研人が共演した歌手の小松さんの実家から見つかったのはイギリスで行方不明になった名画。絵と共に名家も堀田家で預かる愛。
秋:残されて追いかけて手を取って
山口県への旅と尾行。隼人くんと凛さんの愛。
冬:猫に未来にこんばんは
研人のバンドメンバーの渡辺くんの彼女の七海ちゃんの猫愛。ヤマノウエ家は猫たちのために。
春:アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド
「はる」の2Fに住む元春くんと和ちゃんの妊娠。二人は藤島ハウスに来ることに。LOVEだねぇ。
すごくつながる(まあ、小説だから当然つながるんだけど)素敵な愛。
こんな家族も最高だな。いつまでも読んでいたい。 -
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ネタバレ最低に自己中心的で自己保身が原因の犯行ばかりで秀逸だった、さすが芦沢さん
直木賞、獲って欲しかったな
主人公は定年退職して悠々なはずの元刑事
事件性のある出来事は放ってはおけない
①元刑事の娘のママ友に自転車を盗まれ、返ってこず、彼女はDVストーカー元夫に公園で刺されており
スマホのGPSをONにしてしまった(原因)は保育士の他のママ友だった
見守りを預かっていた彼女の子供を見失い、父親に場所が分かればトラブルになるだろう、自分の責任は問われないだろう、と、
彼女を犠牲にした
②一番胸糞悪かった
物件を探す元刑事 不動産屋にて…
過去の事件で自殺した女性が出たマンション
その人に罪はなかったのに、突然死した男の妻が異常体質、粘着質、嘘吐きで女性を追い詰める
職場、自宅まで
女性は婚約が破談になりそうになり自殺
その際に女を見かけたという匿名の目撃情報により、自殺でなく殺人が疑われた(原因)は階下の主婦によるもの
自分の夫が購入を決めてしまった物件、今のマンションの査定額が落ちて審査に通らなくするために、他殺の可能性を警察に示唆した
遺書も隠しており、一週間後に警察に提出
どの女も浮かばれず。異常な奴の元夫の証言が胸糞ピカ一
③引越しする元刑事 引越し業者のパワハラに…
不法滞在ベトナム人達の悲劇
一人自殺、老人が殺害され、もう一人が被疑者
犯人は引越し会社の奴
不法滞在者への無意識の差別が元刑事にも警察全体にもあったという話
不法滞在になるにも理由がある、聞いていた話と違う酷い待遇、薄給 悪質なブローカー、受け入れ先のブラック企業
④二番目に胸糞クソクソ
抱っこ紐のバックル外し
本当にそんなことする奴おるんかってほど有り得ん
痴漢で疑われた男の妻が、元刑事の妻に真相解明の助けを依頼してくる
此奴の夫が痴漢の真犯人を唆し、逃げろ、自分が罪を被る、と言い、
迷惑防止条例違反(糞)であれば示談成立で不起訴、
実際はこの男がバックル外しの犯人、傷害致死罪よりマシだとかいう算段で痴漢の罪をかぶろうとしただけ
人を騙す奴は地獄に堕ちたら良い
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