小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
自分の病気がきっかけで両親がカルトにハマってしまった女の子から見た、家族と宗教と外の世界。
両親がハマってるカルトについて主人公が善悪のジャッジを下さずに「そういうもの」として認識してるのが、幼い頃からその環境に置かれてたらそりゃそうなるよなぁと妙にリアルに感じられた。
読みながら「この人がこの子を助けてくれるのかな?」って思った人たちがもれなくクズで逆に主人公を傷つけて、心が苦しくなった……
描写されてないけど、もしかしたら姉のまーちゃんが家出を決意するまでの間にも同じような悪意に晒されたりしたのかなと思ってしまった。つらい。
両親との絆を再確認したラストは美しいけど……うーん、やっぱり -
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ネタバレ色々伏線もあって、一度では解釈が難しい内容でした。
主人公である肖像画家と秋川まりえ
2人にしか見えない世界が見えることで、負の連鎖を断ち切る『輪を閉じる』迄の試練を各々に課されます。
そのプロセスが余りにも表現だけの世界のようにストーリーの展開が遅く感じられましたが、
人として完璧と思える免色さんには、大きな欠点が見えてきました。
時折出てくる謎のスバルフォレスターの男も主人公の別の顔として登場しているではと思い至りました。
なぜなら主人公は、肖像画家として描く前にモチーフと会話を通してじっくり向き合う時間を必要とし、本質を捉え作品にして行くからです。
最後に秋川まりえが、苦手としてい -
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ネタバレ「剣崎比留子シリーズ」の3冊目。
ミステリにはお約束の、舞台となる建物の見取り図と登場人物一覧が、両面印刷の1枚のカードになって挟まれているのがナイス。
葉村と友人たちとのちょっとした謎解きが冒頭に置かれた後は、さっそく、“事件を引き寄せる体質”を見込まれた比留子が班目機関の研究資料を探し求める企業の関係者に誘われて…というところからスタート。
葉村を伴い彼ら&その傭兵とともに廃墟を売り物にするテーマパークの中の建物「兇人邸」に侵入してからは、早くも矢継ぎ早の展開。
異形の殺人鬼に、死体はゴロゴロ、比留子は行方不明…、ちょっとしたホラー映画の絵柄が脳内に浮かぶ。
結構ややこしい話なのだが語り -
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読めて良かった。
自分は今、夫と二人暮らしで
稲垣さんの鬼ミニマム生活は
難しいけれど
いずれ何らかの形で自分が一人暮らしをするときに備えて
自分が手に負える生活様式にダウンサイジング=アップグレードする
幸せなイメージが具体的に頭に浮かんだ。
自分の手に負える簡素で清潔感ある生活を
少ないお金で回せるくらし。
絵とか音楽とか畑とかもしちゃったりして。
日ごろは一汁一菜の”ケ”のメニューに安心感を戴き
たまにコロッケ屋さんやレストランで”ハレ”料理を
楽しむこと。上手に人に頼ったり繋がっている
ご近所という大きな家族の中で生活しているような環境
いいなぁ。できるかなぁ。だれか一緒にやってく -
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ネタバレ大学一年生の時に読んで、東野圭吾にハマるきっかけになった本を再読。全然内容を覚えていなかったため、まるで初めて読むかのようにページをめくる手が止まらず、こんなに分厚い小説なのにも関わらず1週間で読んでしまった。
独特の読後感と、薄暗い雰囲気がこの方の小説の魅力であり、読み終わった直後はしばらく呆然としてしまった。登場人物や場面の切り替えが多く月日も20年分に至るが、非常に読みやすく、気づけば2人の主人公が交錯していく場面が後半に出てくるのを今か今かと期待しながら読んでいた。
何かを失うということは、それがなかった状態に戻るということではない。というような一節には大いに共感した。登場人物の男女関 -
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ネタバレこの本のタイトルってうまいな。
巧妙な手口の事件ではなく、日常に起こり得る事故や事件を、なんの計画もなく、付け焼き刃で隠蔽しようとして、結局はもっとひどい結果を招く。そんな短編集。
『ただ、運が悪かっただけ』
唯一、主人公側が救われている。
たまたま不幸な家族を見たと忘れていった方がいい。
『埋め合わせ』
プールの水。考えたことなかったけど、相当な時間とお金がかかることなのねぇ。
普通に給料もらってたら、とりあえず払える金額なのに、金払ってすみませんと謝罪すればよいものの、ここまで、マイナスになってしまうとは。
『忘却』
裏の顔はわからないものだ。自業自得といえばそうだと思う。知らぬ間 -
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ネタバレ砥上裕將の消防士小説、主人公は現場から指令室に移動になった秋月というベテラン消防士。消火現場やレスキューの迫力あるシーンも数々出てくるが、本命はそっちではなく、人間ドラマ。
この本の直前に読んだ「普通の底」では、普通であろうとした主人公が地獄に転落していく話だったが、この本では天災によって普通を失ってしまった町が、主人公たち善なる市民によって次第に普通を取り戻していく話。
同じ普通の生活を描いても、こうも違うのかとその差にびっくりする。違いはなんだろうと考える。
普通の生活を送れていることとは、それを守っている誰かが必ずいることを忘れてはいけない。そして自分の仕事や生き方も自分のためだけ -