小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
中盤からは、最高のサスペンス小説を読んでいるようだった。
ある人物の狂気で歪んだ心理描写は、150年も前に書かれたと思えないほど、今読んでも全く古くなくて驚く。
そして、裁判と判決。
弁護士の存在感が凄かった。
弁護士パートは心に残る言葉を次々と投げかけてくる。
これまで長い物語を読み進めてきて、最後に著者から自分に問いかけられているようにも感じた。
長男 ミーチャ:直感と情熱
次男 イワン:知性と懐疑
三男 アリョーシャ:信仰と人を愛する
自分の中にも彼らの要素が共存しているように感じる。
それぞれの危うさを意識しながら、どう生きていくか…読後もそんなことをずっとぐるぐると考えている -
Posted by ブクログ
ネタバレいやぁ、伊坂幸太郎はいつ読んでも面白い……。
人の「本能」を過激化させる「ジャバウォック」という存在をキーにして、人の善悪を問う、ある意味伊坂幸太郎の集大成のような作品だね。
人は、善か悪か……と二元論で語ることは出来ないけど、どういう人間であって欲しいか/ありたいかを語ることは出来る。その中で、自分たちの嫌な部分をホルモンや「ジャバウォック」のせいにするのか、という。
世界自体があいまいな量子パートでは、何が正しくて何が嘘なのかが(終盤まで)あやふやだった。量子という名前自体がそれを表しているよね、量子のようにハッキリと存在しているわけではないわけだ。
同時に人間という存在も、どこまでも -
Posted by ブクログ
文庫本らしからぬ分厚さに読み切れるか怖気づいてしまったけど、気づいたら没頭して読み終えていた。とても面白かった!
質屋オーナーの殺人事件から始まる、雪穂と亮司の19年間を追った叙事詩。
物語には、雪穂と亮司の心理描写がなく、周囲の人たちから語られる行動と憶測でしか、想像するしかない。ふたりの周囲で起こる数々の事件は、不愉快で不可解なものばかりだし、証拠はなくともふたりが何らかの形で関わっていることが明らかだし、読み進めるごとに危険で不気味な人間像が出来上がっていた。
それぞれの事件が、ふたりの関係性が、どのようにつながるのか知りたくて、気づいたらどんどん読み進めていた。
終盤にかけて、 -
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ケン・ローチ監督の映画「オールド・オーク」を観てからシリア関係の本を何冊が読んでいる。この本は映画と同じイギリスに来たシリア難民の話である。
主人公のアーヤは才能豊かなバレエダンサー、アレッポでも著名なバレリーナにバレエを習っていた。そして内戦で命からがらシリアから逃げ、途中海で遭難しかかりながらイギリスに着く。ところが父親とは生き別れ、母親も体調が悪く、弟はまだ幼いという頼れる人がいない中、運良くイギリスのバレエスクールに通えることとなり、徐々にアーヤの精神も回復し、未来に向かって力強く歩き始めるという話であった。
たびたび挿入されるバレエの動作、また踊り手の精神がバレエの根幹をなすという -
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読後の第一印象は、「とにかく濃い」。
面白いが、軽く読めるタイプの作品ではない。
確実にエネルギーを持っていかれる。
脂っこいご馳走を食べるようなイメージ。
特に印象的なのは、料理と食事の描写。
そこには執着や欲望、生き方が滲み出ている。
現代は、女性に求められるものがあまりにも多い。
容姿や体型はもちろん、仕事も、家事も、対人関係も。どれも高い水準が暗黙のうちに求められている。
男性にも同様のプレッシャーはある。
ただ、少なくとも「容姿」に関しては、女性の方がより厳しい視線にさらされている場面は多いのではないか。
私は男であるため、今の世の中は女性が生きやすい社会になってきていると単純 -
Posted by ブクログ
ついに完結。長かったけどその分満足感サイコーです。
四巻目にして、やっと能島村上の姫、景の初陣。
煌めく白刃、上がる血飛沫、炸裂する焙烙玉。炎に矢に銃弾に包まれた船の上で海賊衆と泉州侍が入り乱れる…。
これは主人公、七五三兵衛でもいいんじゃ?笑
海賊として、漢として最高にカッコイイ人物でした。自家存続を掲げ、戦う姿はまさに海賊。荒々しさは天下一品で、見ているものを戦慄させる恐怖。
飄々としている余裕さ&それに伴う実力。でも海賊王と呼ばれる漢は別にいるって、武吉どんだけ強いんでしょう笑
そしてそれに負けじと戦う能島村上の姫、景。
強いなあ。怪我してもう無理だってなりながら -
Posted by ブクログ
上巻を80ページ読んだところで止まっていたところ、本の返却日が近づいたので急いで読みはじめたところ止まらなくなりました。
読む前は上巻のキリの良いところまで読んで、また借りようと思っていたにも関わらずです。
この本の、音楽を読むという新しい体験ができ、非常に読み応えがありました。
また異色の経歴のコンテスタントたちの人間味があったり、逆に人間を超越したりしている感性が面白かったです。
皆それぞれコンテストの中で進化していき、誰が優勝するのか最後までハラハラして読めました。
最終的に順位は自分の予想と合っていたので順当な感じはありましたが、予想外の人物がある賞を受賞してたのはうれしかったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『ここではないどこか』へ行く人と、『ここで』生きることを選ぶ人。あっさりと死んでしまう人と、苦しんでも死なない人。それぞれの人生の魅せ方がうますぎる。田舎町を水槽に例えてるのも不思議な気持ちになった。
個人的に、カメルーンの青い魚からすでにこの小説には惹かれてたけど、溺れるスイミー→海になる あたりで1番胸熱になった。
欲を言えば啓太のこともっと知りたかったかも。でもさっちゃんとりゅうちゃんの、深夜2時、とあるSAでカップラーメンを食べたのを見たって宇崎が言ってたシーンで、啓太は幸せなふたりから生まれてきて、きっと今後も幸せになれるだろうと勝手に想像できたからまあいいか。
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