ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 三浦綾子 電子全集 母

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    小林多喜二の母の目線から書かれた小説。インタビュー形式で母セキさんが回想している感じで進んでいく。
    母の息子を思う気持ちが始終溢れている。
    三浦綾子さんの小説なので、やはり最後の方でキリストとの関わりも描かれている。

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    2026年09月22日
  • 母

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    小林多喜二の母の目線から書かれた小説。インタビュー形式で母セキさんが回想している感じで進んでいく。
    母の息子を思う気持ちが始終溢れている。
    三浦綾子さんの小説なので、やはり最後の方でキリストとの関わりも描かれている。

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    2026年09月22日
  • 優しい死神の飼い方

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    死神と呼ばれる存在が犬の姿をして、人々の未練を開放していく話。とある殺人事件が浮かび上がり、緊迫したシーンもあったと思ったら、ほっこりするシーンもあり最後はウルッときました。
    おすすめです。

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    2026年09月22日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    ネタバレ

    七緒の恋文が美しくてたまらない
    ヌマホ、笑笑笑
    可愛いなぁ
    これ劇場版あるみたいだし見に行きたいなぁ

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    2026年09月22日
  • ひとりずもう

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    #方向転換
    学生時代に感じた夏の輝きを思い出させる様な、虹色のお風呂場の描写、ただのお風呂場なのにキラキラしていてさくらさんの当時感じた高揚感が伝わってきて大好きな場面。
    なんでもできそう

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    2026年09月22日
  • 白い夜のセレナーデ~杉原爽香五十三歳の冬~

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    ヒロイン爽香が1年に1歳ずつ年齢を重ねるこのシリーズ、爽香が53歳に。
    シリーズ開始時は15歳だったのだから、なんとも息の長いシリーズ。毎年、今年は爽香がどんな事件に巻き込まれて、どんな活躍をするのか楽しみにしている。
    それにしても、勤務する会社の社長夫人に目の敵にされるというのは辛いところ。でも、爽香を知っている人は、ちゃんと分かっているからね。
    お年を重ねて健在の大女優も頼もしい。
    来年も元気な活躍を見せてくれることを期待。

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    2026年09月22日
  • トラはライオンに恋してる! 2

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    もう一度読み返したいと思った場面はリリがピアを助けようとしたところです。なぜかというといじめられていたのにピアを助けようとしていて感動したからです。また私だったら助けたくないな、こわいなと思うからです。

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    2026年09月22日
  • CIA禁書密輸作戦 冷戦を終結させた1000万冊

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    本好きは手に取らずにはいられないタイトルと帯。ポーランドというとアウシュヴィッツを連想するけど、ナチス崩壊後もこうやって戦って勝ち得て今があるのかと、恥ずかしながら初めて知った。

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    2026年09月22日
  • テミスの不確かな法廷

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    NHKドラマが蘇る。
    ASDの主人公が、そのこだわりゆえに難しい裁判を正しい方向に持って行く。
    刑事じゃないから、推理する、わけじゃないはずだが、
    結果的に裁判官が被告から情報を引き出し、正しい結論を出す。
    その中で芽生える恋。
    ドラマはあいまいだったけど、小説は案外素直に主人公が自分の気持ちに気づく。
    NHKドラマで続編やらないかな。
    読んでいて楽しくなる本。
    発達障害の理解をすすめた本でもあった。


    カレンダーボーイ
    恋ってどんなものかしら
    擬装

    解説 岩波 明

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    2026年09月22日
  • やさしさを忘れぬうちに

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    毎回泣かされるなぁ。「結婚を許してやれなかった父親」お互い意地の張り合いになってしまってそれで会えないまま・・・、家族だからこそ意地を張り合ってしまう。過去に戻っても会えないことがある、その原因は本人の気持ち。自分が失敗したから父親が自分に会いたいと本当に思ってくれたこともわかっただろうな。「バレンタインにチョコを渡せなかった女」年頃の難しい女心、そばにいれば劣等感を抱いてしまう相手、でも本当は誰よりも自分を大切に思ってくれていた。この話が一番心に残りました。

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    2026年09月22日
  • ザリガニの鳴くところ

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    ミステリー、差別、環境問題など色んな要素が絡み合い、立体的に物語が進行していく。
    素晴らしい小説。おススメです。

    「湿地帯の奥には行ってはダメだよ、あんなザリガニの鳴くところには」

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    2026年09月22日
  • 沈黙

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    「殉教した人の話」を、この本を読む時にどれだけ知っているのか。これでこの本に抱く感想は変わるのではないか、と最近ふと思った。
    私はカトリックの一貫校でずっと宗教なる授業(一般でいうところの倫理という科目に該当する)を受けてきた。特に中高の宗教の授業では旧約聖書から新約聖書はもちろん、世界各国で平和を願い平和のために尽力した人や信仰を貫き殉教した人について学ぶ。隠れキリシタンのことも学ぶし、天正遣欧少年使節のうち殉教したのは誰かという質問にも答えられるし、第二次世界大戦の際にドイツで殉教した司祭の話も知っている。
    そしてそれは単に「殉教しました」というナレ死のような学びではなかった。逆さに吊られて死にゆく過程であったり餓死に至るまでの壮絶な過程を教えられる。信念を貫く勇気だとか綺麗事では語れない内容に、授業を受けていた当時は度々具合が悪くなったものだ。
    そのため、カトリックの教えや「殉教」については、信仰する宗教がないと言われている日本人のなかでも考える機会や得ている知識が多かったといえる。
    それを踏まえて読んだ『沈黙』である。私はこの本で読書感想文を書く予定だった。最後に沈黙したのは誰なのか。殉教と棄教はどちらが正しいのか。今思うと正しいかどうかの議論は上っ面の部分だしディベートではないので結論を出す必要はないのだが、心に残る違和感はこの議論に対する答えが出ないからだと当時は思っていた。感想文は書けなかった。
    今思うと、あの違和感の正体は空しさだ。神様とはなんなのか、神でなくても信じているものの正体はなんなのか。そこから離れた人の心、離れなかった人の末路。すべて空しくて哀しい。

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    2026年09月22日
  • 暁星

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    「湊かなえ先生、王道サスペンスありがとうございます!」が最初の感想。
    最近の先生の数作品は、ある種キャッチーさを求めたような、主人公の奇行性にのみ焦点を当てた作品が多く、読後感が満足いかないことが多かった。
    徐々に作品の内容が分かり、パズルが埋まっていくような所謂「王道サスペンス」は、最初数ページで売れ行きが決まってしまう近年の時代の潮流として好まれないため、最近は避けてきたのかもしれない。
    しかし本作品といえば、前半部分を読み切ったものにしか面白く読むことはできない構成となっており、また後半だけ読んでも面白いと感じることができないという巧妙に作り込まれた作品である。
    そしてサスペンスなのに、どこか青春小説を読み切ったような爽やかな読後感により、ついつい読み返してしまう。
    時代が違えば間違いなく本屋大賞はこの本のものであっただろう。

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    2026年09月22日
  • エピクロスの処方箋

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    仕事と人生について考えさせられた。どこで働くかじゃなくてそこで自分が何をするかが大事とか、仕事の難易度と、それが世の中のためになってるかどうかは関係ないとか。ちゃんと本質が見える人間になりたいし、そうなれるように努力したいと思う。

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    2026年09月22日
  • 私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている

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    面白かった!!
    すっかり古賀さんのファンになってしまいました。生活がきらきらしてるように見えたし、少しずつ大事に読みました。

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    2026年09月22日
  • マリアビートル

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    舞台は東北新幹線。乗客は、殺し屋など、わけありの人たちで、それぞれの思惑が意外な形でぶつかり、交錯し、心理戦、頭脳戦が繰り広げられていきます。
    個性的な殺し屋がいろいろ登場するのですが、なかでも特にわたしが好きになったのは、二人組の殺し屋「蜜柑」と「檸檬」です。
    文学好きの蜜柑。
    『きかんしゃトーマス』好きの檸檬。
    二人は蘊蓄を交え、哲学的ともとれる言葉を口にします。
    「こういうキャラクターが好きでしょ?」と作者にわたしの心を読み取られたかのように、楽しくておもしろい気持ちにさせられる二人組でした。
    そのほか、興味深いキャラクターの中に、悪魔的な少年「王子」がいます。王子は、明確な答えの出ない質問を、試すように、見下すように、大人たちに投げかけます。
    「どうして人を殺してはいけないの」
    わたしは逆に「どうして人は人を殺してしまうのか」と、殺し合う殺し屋たちの物語を読みながら考えてしまいました。
    そこで、この小説のタイトル「マリアビートル」です。
    殺し屋の一人が、てんとう虫を見ながら、マリアビートルという英語での呼び名について思いをはせる場面があります。小説の中で味わったほうがいいと思うので、ここでは詳しく書きませんが、殺す側の心の中に繊細な感受性が描かれていて、いいなと思いました。

    文庫本の残りのページが少なくなり終わりが近づいてもハラハラ感が増し、「これ、ページ足りるの?」「懸念していた問題は解決するの?」と心配になりながら没入して読みました。そして、無事に読み終わり「おみごとでした」と思いつつ、本を閉じました。

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    2026年09月22日
  • スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版

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    医者が行う現実の「告知」と理想の「創生」と

    天久先生のシリーズを読み進め、今作品は天久先生と小鳥遊先生の出会い。天久先生自身の「特性」や、巻き起こる事件での「診断」が描かれる中、物語は思いもよらない展開をしていく。個人的には刊行順の中では今のところ一番好きな小説。

    今回の事件は他者に理想を魅せながらも自分の意のままに操る描写が多く、医者というものは改めてその力と知性で人の生き死にをどうにでもできる恐ろしさを感じた。医者としての倫理観やどのような捉えでいるのか、それはどの職業にも言えることでもあるが、命に関わるものは容易く全能感に浸れる、命というものの重さを改めて感じた。

    ミステリーとしての推理の構成については複雑にさまざまな事件が交わりつつも骨太の骨格はしっかりとしており、先に真相に辿り着き「そうだよな」と思える納得感も、真相に辿り着けなくて「そうだったのか」と思える驚きもバランスよく、いい意味で読者に推理をさせる爽快感と、推理がうまくできなく真相を知った時の快感を感じさせていた。

    天久先生の描写も読み手としては知っていることも、時系列的に一番早いこの小説では、より丁寧に描写されており、今までの小説の肉付けもされているんだなと思った。自分が苦手なこと、得意なことをしっかり理解して、それを生かして仕事ができる。

    そのような自己理解、自己受容そして環境調整をなされている天久先生は相当な自分への立ち向かいがあったとも感じる。近年、さまざまな合理的な配慮が意識される中で他者に全てを押し付けることは集団において、組織において不可能なこともある。「自己理解、自己受容」と「環境調整」は両輪であり、どちらかだけが過度に苦心するのはよくない。互いを分かち合えるためにもまずは自分をしっかり理解して、そこから他者と交わるためには何ができるかを考えるのが大切だと思う。

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    2026年09月22日
  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

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    二転三転からの、まさかのどんでん返し。
    まんまと騙された。

    そして最後には、まさかこんなに感動させられるとは……。
    めちゃくちゃ面白かった。

    私評価は、限りなく満点に近い★5つ。

    なぜ今まで読んでなかったんだろう。
    まだ読んでない人には、ぜひ読んでほしい一冊。
    何も知らずに読んで、この「騙された!」をぜひ味わってほしい。

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    2026年09月22日
  • シャーロック・ホームズの冒険

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    ネタバレ

    ワトスンは『四つの署名』のメアリー・モーンスタン嬢結婚して、ベーカー街でのホームズとの共同生活を解消し、開業医になった。
    今後どうやってワトスンはホームズの記録作家になるんだろう?と思っていたら、医師の仕事の合間にホームズを訪ねて事件に同行するスタイルになったようだ。ワトスンの妻メアリーも、きっかけが『四つの署名』なので、夫がホームズと同行するのはむしろ喜んでいるくらいだ。
    ホームズは『緋色の証明』『四つの署名』では探偵の真似事をしている素人扱いされていたけれど、こちらの短編集ではかなり身分の高い依頼人もやってくるので名探偵として認められていったみたい。そんなホームズは相変わらず変わり者で「ぼくの友達はワトスンだけだよ」としおらしいことを言っている・笑
    なお『四つの署名』のあとがきでは「小説に出ているワトスンの結婚の時期に矛盾があって、3回結婚したことになる」だとか「ワトスンがアフガニスタンで怪我した戦傷が肩とか足とか変わってる」だとかの矛盾があるようです。全部読んだらたしかに最初は「ホームズとは疎遠で活躍を新聞で知るくらいだ」って言っていたのに途中で「私は結婚して開業医になったが、ホームズとは親しく親交を続けている」となったので設定変えたというか気にしてないんですね、って感じだ・笑 コナン・ドイルはもともとホームズは片手間?だったのがまさかの大人気になったようで、細かい設定気にしたくないんでしょう・笑

    『ボヘミア王のスキャンダル』
    コナン・ドイルは、時代的なものもあると思うのですがどうしてもキリスト教白人紳士以外を低く見ていると言う感じがして、女性への対応もそれを感じる。そんな中でホームズから鮮やかに一本取った女性がここに出てくるアイリーン・アドラー。
    彼女は美女で頭が良く度胸も良く人々を魅了する女優。かつてボヘミア国王と恋愛関係にあった。だがボヘミア国王は彼女の身分の低さから別れを告げて、王妃にふさわしい身分の女性と結婚することに。そこでアイリーン・アドラーは「二人で撮った写真を婚約者にお送りしますよ」と脅かしてきた。ボヘミア王はホームズに写真を取り戻すことを依頼しにきたのだ。
    結局アイリーンは鮮やかにホームズを出し抜いて立ち去った。その手腕にホームズも兜を脱ぐのだった。(あ、事件としては解決なので探偵の仕事としても問題有りません)
    物語では、ボヘミア王を自信過剰で表面的なものしか見ず、周りが自分に合わせることを当然と思っているように書かれる。ホームズにとっては「この素晴らし女性が、あたなのような俗物の男のものにならなくてよかったです」という感想を持ち、いつまでも彼女への敬意を持ち続けるのだった。

    『赤毛連盟』
    燃えるような赤毛の男、ジェイベズ・ウィルスンが「不可解な出来事に巻き込まれた」とホームズを訪ねてきた。
    ウィルスンは質屋を営んでいるが生活はかつかつ。スポールディングという助手がいるが雇った理由は他の男よりも安い給金で済むから。
    そのスポールディングはがウィルソンに新聞広告を見せる。それは「赤毛の男性募集。簡単な仕事での報酬をお支払する。『赤毛連盟』」という内容だった。ウィルソンは赤毛連盟の面接に受かり、質屋とは別の副収入を得ることになった。仕事も毎日4時間事務所に行って辞書を書き写すだけという簡単なもの。
    だが3週間ほど通った今朝、急に事務所が閉鎖していたではないか。赤毛連盟というのもどうやら架空の団体だったらしい?ウィルソンは副報酬が無くなったこと、誰が何のために自分を巻き込んだのかを知りたくてホームズを訪ねたのだった。
    コナン・ドイルのアイデアとしての「赤毛連盟」ってのが面白いですよね。人を食ったような仕掛けだが、その後ろの事件はかなり大掛かりでまさに「冒険」でした。

    『消えた花婿』
    ホームズのもとに、「婚約者が消えてしまったんです!」と、メアリー・サザーランドという若い娘が駆け込んできた。
    メアリーは、母親と、その再婚相手のウィンディバンク。メアリーにはタイピストの収入と、毎年もらう遺産の利子でお金には困っていない。義父のウィンディバンクはメアリーを家に閉じ込めたがっている。だがメアリーは義父の留守中に行った舞踏会で出会ったホズマー・エンジェルという男と婚約までしたのだ。だが結婚式に向う馬車の中でエンジェルは姿を消した。
    ホームズはメアリーの話を聞いただけでその失踪の真実を見抜いた。
    だがそれはメアリーに告げるにはちょっと残酷、というか、現代感覚でいうとなかなか気持ち悪いよなあ、、そこでメアリーには本当のことは伝えないんだけど、こんなところがやっぱりコナン・ドイルの女性軽視が見えて、この短編集第一作の「アイリーン・アドラー」とは扱いが違うのよね(^_^;)


    『ボスコム谷の惨劇』
    シャーロック・ホームズはボスコム谷でおきた殺人事件の捜査協力に出向くことになった。殺されたのはチャールズ・マッカーシーという男で、状況証拠は全てチャールズの息子ジェームズが犯人だと示している。しかしマッカーシーと家族ぐるみの付き合いをしているターナー家の娘アリスがジェームズの無罪を信じてホームズの助力を願ったのだ。
    チャールズ・マッカーシーとジョン・ターナーはオーストラリア鉱山で働いたという。二人の資産状況は正反対で、ターナーは大地主となり、マッカーシーはその土地の一部を無料で借り受けていた。
    ホームズは、今度の事件の根底には二人の過去が絡んでいると見抜いた。

    『五つのオレンジの種』
    嵐の夜、ホームズに助けを求めてきたのはジョン・オープンショーという青年だった。ジョンにはアメリカから帰ってきてから引きこもり生活していた伯父イライアスに引き取られていた。だがある日「K.K.K」の宛先(今でも悪名高いクー・クラックス・クランです…)から五粒のオレンジの種が届いた。伯父は真っ青になり、自分の遺産を弟のジョゼフに、ジョゼフが死んだらその息子のジョンに行くようにした。そして溺死体として見つかったが警察では自殺と処理された。
    数年後、ジョンの父親のジョゼフのところにも「K.K.K」から五粒のオレンジの種が届いた。ジョンは警戒を呼びかけるが、数週間後に転落死体として見つかった。
    そしてついにジョンに封筒とオレンジの種が届いたという。
    秘密結社による裏切りだとか処刑だとかが絡んだ物語。

    『唇のねじれた男』
    物語の最初は、ワトスンの妻メアリーのお友達が「夫が阿片窟へ行って二日も帰らない」と相談にやってきたところから。ワトスンは妻メアリーを信用され頼りにされる女性☆とのろけている・笑
    ワトスンはその夫を探しに阿片窟へ行く。そして正体をなくしている彼を連れ帰ろうとすると声を掛けてきた阿片中毒の老人がいる…よくみたらホームズの変装ではないか!
    そこで男のことは馬車の御者に任せてワトスンはホームズの事件捜査に協力することに。なんでもセントクレア夫人が「夫のネビルをロンドンの阿片窟付近で見かけて、驚いて部屋に駆け込んだら、そこには顔に大きな傷があって唇がねじれた不潔な浮浪者がいて夫がいなくなっていた」と捜索を依頼に来たのだ。
    ホームズは、この阿片窟で殺人隠匿が行われていると考えて張り込んでいたのだ。

    …この事件は、ドラマグラナダ版(ジェレミー・ブレット主演)では夫婦仲直りしたけど、実際には大丈夫なのかこれ…。

    『青いガーネット』
    クリスマスの数日後、ワトスンはベーカー街のホームズの元を訪ねていた。ホームズはフェルト帽子を観察して「クリスマスの日に、守衛がこのフェルト帽とガチョウを拾ったと行って持ってきたんだ。ガチョウは彼にやった。さあ、このフェルト帽の持ち主はどのような人物かな?」というのだ。
    そこへ守衛が慌てて駆け込んできた。奥さんがガチョウを調理したら、胃袋から見事な青いガーネットが出てきたというのだ!それは数日前にあるホテルで盗まれた宝石だった。


    事件としては「盗んだ大きな宝石を、ガチョウに飲み込ませて隠した」というのはアイデアとして面白いなあ。そして現実でも密輸何かに使われてるんでしょう…。

    『まだらの紐』
    私が子供の頃に初めて読んだホームズものです。これが独立して一冊になってたのよ。代表作扱いだったのかな。

    ある早朝、ヘレン・ストーナーという女性が怯えて駆け込んでくる。
    ヘレンはサリー州で医師の義父ロイロット博士(亡くなった母の再婚相手)と住んでいる。義父は乱暴で粗野で庭にはインドから連れて帰ってきた獣を放している。ヘレンには双子の姉のジュリアがいた。亡き母の遺産は二人の娘が結婚するまではロイロット博士に権利があった。そのジュリアは2年前結婚式の数日前に死んだ。その少し前からジュリアは「夜中に口笛や物音が聞こえる」と言っていて、ある夜悲鳴を聞いたヘレンが駆けつけると「まだらの紐!」と言い遺して死んだのだ。
    そして2年経ったいま、ヘレンは結婚式を間近に控えていた。すると夜中に、死んだ姉が言っていた「口笛、物音」が聞こえるではないか!

    ホームズは曲げられた火掻き棒をまっすぐに伸ばせるくらい力持ちです。そしてよく言われていることだけど、コナン・ドイルはミルクでヘビを仕込めると思っていたのか!(一応突っ込んでおく)

    『技士の親指』
    名探偵ホームズと付き合いの長いワトスンだが、彼がホームズに持ち込んだ事件は二つだけだという。そのうちの一つだそうだ。(もう一つの事件も今後出てくるのかな?)
    ワトスンの診療室に水力技士のヴィクター・ハザリーがやってきた。ハザリーはハンカチで巻いた手を見せる。
    なんと親指が切断されているではないか!
    ハザリーは「昨晩凄まじい経験をしました」とヒステリー状態だ。さすがは医者のワトスン、ハザリーを落ち着かせて、「そういうことなら友達のシャーロック・ホームズのところに行きましょう」と誘う。
    昨日ハザリーの事務所にドイツ人のスターク大佐という依頼人が来た。スターク大佐はハザリーには家族がいないことを確認し、完全極秘で水圧気の故障原因を調べてくれたら高額報酬を払うというのだ。
    独立したものの全く仕事もお金もないハザリーはその仕事を受けた。言われた通り夜中に指定された電車である駅に着くと、スターク大佐ははザリーを馬車に乗せて「12マイル先」に連れて行く。
    案内された部屋で待っていると、どこからか女性が現れ逃げるように警告する。だが頑固なハザリーは「ここまできたら帰れません!」と意地で残る。
    もちろんスターク大佐の言う「水圧気」の話は大嘘で、犯罪に使う機械の修理の依頼でした。それにしてもハザリーは頑固にしても意地っ張りにしても、完全極秘で真夜中にどこともわからない場所に連れて行かれて謎の女性から警告され、あきらかに水圧機ではない機会を見せられたというのに引き返すどころか、スターク大佐やその仲間に挑戦的な態度まで撮ってしまうという、いくらなんでも無謀すぎる…


    『独身の貴族』
    この短編集には『消えた花婿』の事件が収録されていたけれど、こちらはいうなれば「消えた花嫁」事件です。

    大名門のセント・サイモン卿と、アメリカ人炭鉱資産家の一人娘ハティ・ドーランとの結婚式が行われた。だがその後の食事会で席を外したハティはそのまま姿を消す。
    サイモン卿から依頼を受けたホームズは「ハティは父が炭鉱で成功するまでは自然とともに育ちはっきした性質」「結婚式でブーケを落とした」「結婚式のあとに、サイモン卿に対して権利のある(ひそかに結婚していたとか?)ダンサーが現れた」というような話を聞いただけで真相を見抜いてしまった。まあ読者からしても短篇ってヒントを全部出してっくれるから推測はし易いです・笑。
    読んで面白かったのは、サイモン卿がいかにも名門嫌な奴でホームズのところに来たときも「私のような(高い)身分からの依頼人は初めてでしょうね」というのに対してホームズが「たしかにあなたのような(低い)身分の依頼人は初めてですね。この前は国王(ボヘミア国王でしょう)からの依頼でしたから」と言い返す、ホームズもなかなかな言いようである・笑 その後もサイモン今日は「私と結婚して得られる名誉を自ら捨てる女などいるものか」だとか言いまくっていて読んでいてもこんな人ばっかりの上流階級にはげんなり。
    結果としては…、うん、まあサイモン卿はよくぞ怒りを抑えたほうではあるのかな。

    『エメラルドの宝冠』
    ワトスンはベーカー街の窓から、身なりは紳士だが焦った顔でフラフラよろよろしながら道を歩く男を見かけた。それを聞いたホームズは「きっと私への依頼人だろう」と言う。ホームズ、自分を訪ねてくるのは怪しげな見かけだって分かってるのね・笑
    紳士は大銀行の頭取アレグザンダー・ホルダー。昨日イギリスでも肩手に入るような高貴な男性(王の親戚とかかな?)の訪問を受けた。彼は「今すぐ現金が必要だ。担保にはこの国宝であるエメラルドの宝冠だ」という。ホルダーは宝冠を預かり大金を貸し付けた。
    紛失どころか傷つけただけでも国家の名誉に関わる大事な品だ。ホルダーは銀行の金庫では盗まれるかもしれないと思い、肌見放さず持っていようと家に持ち帰ることにした。
    ええええーー、現代勤め人感覚では色々とついていけない…。国宝を個人の借金のカタにする名門人物、それを持ち歩いて家人にペラペラ喋り、誰でも開けられるような部屋の誰でも開けられるような戸棚に入れおく。いやいやいや、そのまま銀行の金庫に入れて心配なら見張ろうよ!(その状況でも盗まれるのが江戸川乱歩の二十面相シリーズ・笑)家に持ってきたならせめて目を離さないでよ!
    この時代、国宝を担保にするのも、その国宝を勝手に持ち歩いて傷ものにしちゃうのも、上流階級だから認められる。彼らには法律が及ばないが、法律以上の「名誉」を重んじるので約束を違えることはしない。
    しかし銀行として預かった担保を持ち出し傷物にしながら「名誉を失ってしまう!」だけを気にするのは、現代読者としては納得いかないものが…(^_^;)
    そう、案の定宝冠は傷つけられたんですよ。3粒のエメラルドが剥ぎ取られ、その場にはホルダーの不詳の息子アーサーがいた。アーサーは犯行を否定するが、自分がなぜ宝冠を手にしていたのかは何も答えない。
    その話を聞いたホームズは…


    『ぶな屋敷』
    ホームズはバイオレット・ハンターからの「仕事を受けるべきかどうか相談させてください」という依頼の手紙を見て嘆いている。「私の探偵業が学校上がりの就職相談になるとは!」
    だが現れたバイオレットの話を聞いたら俄然やる気を出す。彼女の話は「地方のお屋敷ぶな屋敷から住み込み家庭教師の依頼があった。お屋敷のご主人ルーカッスルさんは、条件として「指定された服を着たり、指定された場所に座ったりすること。そして髪の毛を切ること」でびっくりするような高額報酬を払うという。ホームズは「あなたが私の妹なら、この話は断るように言います」というが、身よりもなく女一人で生きていかなければならないバイオレットは「生活のために受けるしか無いのですが、なにか起きたら助けに来てください」と依頼する。
    数週間後、ぶな屋敷で勤め始めたバイオレットから電報が届き、ホームズとワトスンはぶな屋敷に向かう。ルーカッスル夫妻はバイオレットに誰かの服を着させて窓辺に座らせたりして、庭には獰猛な犬が飼われて、屋敷には隠し部屋があるという。
    きっとその隠し部屋には女性が監禁されて、バイオレットは身代わりなのだ!
    …バイオレット・ハンターも、シャーロック・ホームズシリーズの女性の中では扱いが良い。ホームズの「あなたが妹なら辞めさせます」という言葉を聞くと、友達もいない変わり者のホームズだけど自分より弱い家族がいたら頼れる庇護者になったんじゃないのと思った。(でも事件が解決したらバイオレットへの関心をなくすところがいかにもホームズ・笑)そしてその後もバイオレットがしっかり生きていることが分かって良かった。

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    2026年09月22日
  • シュレディンガーの密室

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    クローズドサークルにシュレディンガーの猫を足して
    綺麗に整えたミステリー。
    少し理系チックな文章も多いけど、
    正直わからなくてもなんとかなる笑
    夕木春央先生の『方舟』に似てる感じがするが、
    それぞれの色があってそれぞれの良さがあった。
    必ずあとがきまで読んでほしい。
    ちょっと変わったクローズドサークルに
    挑戦したい人におすすめ。

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    2026年09月22日