あらすじ
北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
Audible!!
2000年作品なのに、今聴いても全然古く感じなくて、気づいたら貴志さんの世界にすっかり引き込まれました。
冒頭はホラーっぽい不気味な雰囲気から始まって、奇妙な自殺が続いていくんだけど、その行動には“なぜか自分の嫌いなものをわざわざ選んでしまう”みたいな共通点があって、ゾワッとする。
話が進むにつれて、その恐怖がだんだん形を変えて、サイエンスミステリーっぽくなる感じが面白い。ホラーの怖さと、科学の冷たさが混ざり合ってく感じ。
『我々はみんな死を待ち侘びている
生きている間しか、死ぬ悦びを感じられない』
作中のこのフレーズがやばい思想だけど、妙にわかるような気もして不思議な感覚。
「死が約束されてるから、生が濃くなる」っていう考え方が、物語全体に漂ってる雰囲気とリンクしてて、不気味なのに魅かれる、、
ありきたりだけど、恐怖と快楽は紙一重ってことがバンバン伝わってきた(・_・;
ただのホラーじゃなくて、ちょっと哲学っぽいテーマをふわっと投げてくる、怖いのに静かで、美しさすら感じる作品でした。
Posted by ブクログ
黒い家の作者の本。
黒い家より怖さと面白さが凄かった。
ジワジワと来る怖さ…
専門的な話もいろいろあって凄い勉強になった。
謎残して終わるホラーじゃなくてちゃんと解決するのもいい。
天使の正体が判明した時の怖さは凄かった。
Posted by ブクログ
文章だけなのにグロさと気持ち悪さがすごい。当分の間は生ものは食べたくない。それにしても、寄生虫が人間を操るって説は昔からあったんだなと。三秋縋の「恋する寄生虫」とかも同プロットにあたるよね。我々の自由意思とはいったいなんなのか。存在するのか。コミカライズ版もあると聞いてびっくり。コミカライズされたと聞いて、本気で「読みたくない」と思った。
あんなもの、世の中に出しちゃいけない。
文字だけでもトラウマ級なのに、絵になったらどうなってしまうんだ。
なんちゅうもんを作ってくれたんだよ……。
Posted by ブクログ
貴志祐介1作目。
「ホラー」に分類されるジャンルの本を小学生の頃の『怪談レストラン』ぶりに読んだが、作者の意地でも流れを読ませない構成が凄まじい。生物や化学の専門的な話題が頻出するにも関わらず、その分野の勉強をほとんどしてこなかったに近い文系の人間でもストーリーの把握に困らない程度に理解ができた。蜘蛛が苦手なので信一の部屋が蜘蛛まみれになったあたりで読むのをやめようかと思った。読み進めるにつれてあらゆる伏線が綺麗に回収され、カルトとバイオテロが一体となり全てがグロテスクになっていく恐ろしさはかなり救いがなかった。
Posted by ブクログ
⭐︎4.5
さすがの恐ろしさ。おどろおどろしい雰囲気がたまらない。線虫とか気持ち悪いけど、科学的な根拠みたいなものもあってファンタジー全開って訳でもなく、リアリティがあって面白い。
宗教団体そのものはもちろん、そこへ入っていく青年の描写が特に面白い。ラストの意外性もあって良かった。貴志ワールド最高だった。
Posted by ブクログ
私にとっては長めな小説。
え!なるほど〜って何回かなる伏線の振り撒き方。
後半は怒涛の気色悪さと悍ましさ。
こう終わるのか〜って胸がジクジクした。
Posted by ブクログ
表紙のサル、読み終わった後に気づいて怖すぎる!まじでキモいし、突起がある描写でこれ絶対破裂するって予感があった。こんなにゾワゾワした小説は久しぶり、最高。
Posted by ブクログ
こわすぎる。
鳥肌が立ちながら読みました。
読んでから、肉は完全に火を通してないと食べちゃダメだ!と思った。
とりあえずこわすぎる。
そして面白すぎて一気読み。蜘蛛のやつときやばすぎ。想像したくなかったけど、そうさせてくる。蜘蛛を生で食べる。ヤバすぎる。
とんでもない本。良い意味で。
Posted by ブクログ
完全に好みだと思うがほんとーーーーーーーーに気持ち悪くてグロくてすきです!!!
寄生虫×新興宗教
文字通り身の毛がよだつ変体ぶり
貴志先生の想像力はとどまるところを知らないのか…ここまで偏執的にメディカルSFホラー???を作り上げたのが素晴らしすぎて、天晴れとしかいいようがない。
気持ち悪すぎてずーーーっと顔を顰めながら読んでました。
猿を見るのが怖いです。
アフターコロナで読めたのは僥倖でした。
未知の病原体に対する恐怖がとてもリアルに想起されて、こんなのどうやったら防げるんだろうとすごく真剣に考えてしまいました。
Posted by ブクログ
高梨光宏
北島早苗
蜷川武史教授
森豊助手
赤松靖助教授
白井真紀
上原康之
ジロー
土肥美智子医師
松宮
青柳謙吉
福家満記者
荻野信一
川村紗織里
松崎老人
椎名由美
美歌&絵瑠
鍋島圭子
黒木晶子
若杉美登里
畦上友樹
庭永先生
曾根教論
脇医師
仙波
斉藤美奈代
渡邊教授
田尻教授
依田健二教授
藤沢
田端瑞恵
荏原京子
吉原逸子
墨田医師
喜屋武雅弘九段
滝沢優子
浜口麻美
Posted by ブクログ
ホラーと思って読んだところ、むしろSFとしてめちゃくちゃ楽しんだ。SF考証や周辺知識が非常に豊富で重厚。ガチで線虫講義が始まった日にゃワクワクが止まらず。
キャラクター作りも手抜かりなし。早苗さんの医学知識や考え方も違和感ないし、よう調べてる。特に荻野君のエ○ゲやロ○画像のくだりは素晴らしい解像度。他人と思えない。
そのしっかりとした世界観の構築があってこそ、狂気の描写が活きる。高梨さんや荻野君の独白は読んでてニヤニヤが止まらない。
さすがの実力。新世界よりもまた読みたいね
Posted by ブクログ
目黒の寄生虫博物館に行ってから、寄生虫の虜になってみつけた作品。「黒い家」と「悪の教典」も面白かったので期待大で読み始めたが、その何倍も面白かった。ヒトや他の生物と同様に寄生虫も自らの生存率を高めるために進化してきた。怖いというより、ますます寄生虫に興味が湧いた。
匿名
帰国後から人が変わったようになり自ら死を選ぶ。寄生虫に侵された人間の奇行が終始不気味でした。自分が感染したらどんな死に方になるのか考えてしまいます。
Posted by ブクログ
非常に読みやすい文体で、伏線回収が美しすぎると感じた作品だった。
スピード感あるストーリー展開と、張り巡らされていた伏線が徐々に浮き彫りになっていくあまりの面白さに、とくに後半は物語にのめり込むように読み進めていた。
恐怖心が“快楽”になる。
精神病や、脳や認識に作用するドラッグや薬、もしくはオカルト、スピリチュアル的なものなのか?
私が考えうる可能性らを一刀両断されるような、斬新な着眼点と“天使の囀り”の正体。
「おめでとう。みなさん。守護天使は、みなさんの中に迎え入れられました。」
Posted by ブクログ
序盤は、天使の囀りと共に自身が強い不安やストレス、恐怖などを感じるものによって自殺に導かれていく人々(高梨 タナフォトビア→死に魅せられる)の存在に、オカルトめいたものを感じた。
しかし徐々に、その原因は精神病や洗脳などのオカルトめいたものではなく脳内の快楽物質を巧みに操る線虫によるものだった。
Posted by ブクログ
おもしれぇーーーーー
偶然、目黒の寄生虫博物館に行った次の日に読み始めたから比較的話をスッと受け入れることができたのはラッキーだった..ウイルス(?)の恐怖と人間の欲、倫理に苦しめられる主人公に、無意識に自分だったらどんな行動をとるか考えさせられる。状況描写がかなりリアルで映画観てるみたいだった。
Posted by ブクログ
最高で最恐のグロホラー。内側から侵食してくる様な生理的に気持ちが悪い描写をこれでもかとぶつけてくる。要するに寄生虫に侵された人間がヤバい!という話なのだが、そいつらの捻じ曲がった善性をキッパリと否定してくれる主人公のカッコ良さが目立っていてとても良かった。とにもかくにも、寄生虫の設定が綿密で、惨状がありありと頭の中に浮かび上がるのが良い。悍ましいにもほどがある。
…線虫バンザイ!
Posted by ブクログ
人によって恐怖心の大きさに差異あれど、恐怖の対象は大同小異のため非常に不快で悍ましいし、フィクションであると分かりつつも、医学、化学的に真相に近づいていくので説得力があり、幽霊やゾンビなどよりよっぽど怖くて、夢に出てきそう。
しかし、真実に近づいていく面白さと緊迫感で読む手が止まらず、後半は夢中で一気に読んでいたら深夜になり、風呂場が怖いのでレビューを書くことで現実逃避をしている。しばらく蜘蛛や、ムカデのような細長い虫も見たくない。
専門用語や医学的な説明が多いが、登場人物同士で交わされている会話として違和感がない且つ、無知な私にもなんとなく理屈が分かるように説明がなされるので、あまりストレスなく読めた
Posted by ブクログ
特に記述トリック等はなかったが、情景描写が大変上手く、最後30ページは心臓がドキドキして読み進めたい気持ちとここで終わりにしたい気持ちで揺らいだ。面白かったです。
ぞわぞわしまくりです
めちゃめちゃ怖くて先が気になって一気に読みました。読後の一番の感想は寄生虫無理!!ですね。ちょっと想像しただけでももう無理です。なんか頭蓋骨の内側がぞわぞわしちゃうような気持ちになります。あと蜘蛛もほんと無理!!。それと主人公の男運のなさが可哀想すぎでした。
絶対に映像化してほしくない
オタクの描き方がステロタイプに過ぎるような気がするけれど、とにもかくにも気色悪い場面を描かせたら貴志先生の右に出る人はいないと思いました。
奇妙な読後感
読み終わった後は何というか「あー…」という感じでした。
この作者さんの作品を読み終わった後はいつも同じような感傷を感じます。
結末がハッピーエンドか、バッドエンドなのか、微妙なラインをフラフラしている感じで、何とも言えない気分になります。その感じがとても癖になるのでこの方の本には病みつきにさせられます。
内容ですが、主人公の恋人のメールから始まり、帰国した彼の様子がおかしくなっていく様を描きつつ、その原因について主人公が奔走していくというものです。さらに大雑把に説明してしまうならば、貴志祐介らしいホラーであったと思います。
私は自分の知らない知識を読むことが好きなので、その部分でもとても楽しめました。逆に、本筋とは関係の無い文章や解説を好まない人には、やや退屈なシーンが多くなるでしょう。
とにもかくにも、現代の小説らしく複雑な心情描写や情景描写は少なく、スラスラと読み進める事が出来るので、人間がおかしくなっていく様をちょっとした息抜きにでも少しずつ読んで見るのも、また一興です。
Posted by ブクログ
冒頭はなんだか小難しい話かも……?と思いあまり読む手が進まなかったが、読み進めていくうちに面白くなっていった。あれ……?もしかしてこうなっちゃう……?という悪い予感が当たっていく感覚が気持ちよかった。謎が解けていく感覚と、絶望感、最高だが読み終わったあとはなんだか疲れた。笑面白かったです
Posted by ブクログ
人に映像を想像させる文章が巧みすぎる。その一言に尽きるゾワゾワ感が終始続く小説でした。どことなくずっと漂う不気味さ。解決したはずなのにしてないような不快感。これぞ、貴志祐介さんのホラーなのかなぁと思いながら読ませていただきました。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
こういったバイオが絡む話は医学的な基礎知識を要する為、どうしても講釈じみたものになるが、中盤以降の読者を牽引するエンタメ性と作品構成は流石の一言。
500p超のボリュームの中で、いつどう怖がらせてくるかが意図的にぼかされ、計算高い一冊だった。
Posted by ブクログ
「青の炎」「クリムゾンの迷宮」に次いで読みました。序盤は少々専門用語が多いですが辛抱強く読んでいると、途中からページをめくる手が止まらない展開になってきます。未開の地に潜む生命の神秘と未知の恐怖に小説「ジェノサイド」を読んだ後と似たような感覚を覚えました。
Posted by ブクログ
悍ましく美しく、気持ち悪い作品だった。これから読む人は、この本に出てくるあるワードを検索しないように注意です。サジェストでネタバレ喰らいます。
起が長めだが、中盤から楽しい
序盤のメール文章のやりとりで、読む手が止まりそうになったけれど、中盤からの展開が読んでいて楽しい。
実際に自分があずかり知らぬ所で起きていそうな題材と鬱めいた文章があったことでリアリティが増したように感じる。
読み終わったあとも「もしかしたら…」と空想するくらいだった。大満足
これホントに怖い…
純粋なミステリーを期待している方は、かなりのホラーであることを覚悟してください。一気に最後まで読まないと眠れなくなります。読書速度に自信がない場合は、お休みの日に読むといいかも…!怖いし脳裏に焼き付くし、読み始めは本当になんで読んだのか後悔しかしませんでした。
というわけで、本当に面白いです。
ぜひ、こちら側にいらしてください。
Posted by ブクログ
説明が長いことが多くてつまんない部分もあったけど、最後の方で二転三転して物語が進んでいく感じは面白かった。でも、とにかく話が気持ち悪かった(ホラー小説だから、いい意味で)。
Posted by ブクログ
得体の知れない怖さが、最初から最後まで続く、そんな物語でした。
更に、不気味さやおぞましさを想起させるエピソードが印象的で、その表現力に凄みすら感じます。
数多くの専門用語も、フィクションであることを忘れさせるリアルさがあり、世界のどこかでこの様なことが起こるのかもしれない、そんな気持ちになりました。
作品ごとに違った怖さを演出する、作者の技量を感じる一冊です。
Posted by 読むコレ
スプラッター系のホラーはいくらでも
ザクザク斬り刻んでも全く読んでて大丈夫
なんですが、この手のホラー(?)は結構シンドいですね。
身体の中をまさに何かが這い回るような
気持ち悪さ満点です。恐いッス。
もちろんかなり無理のあるストーリーながらも
恐怖と闘いながらも、面白く読みました。
線虫の実態の箇所はまさに、昼ごはんを食べながら
読む! というアクロバットな読書でした(笑)。
しっかりと結末までハラハラ読ませる展開もサスガでしょう。
しかしサルを食べるって...凄いですね。
匿名
苦痛
私の好みに合わず、読むのが苦痛で挫折しました。
グロいとか怖いとかいうレビューを見て期待して読み続けましたが、とにかくつまらなかったです。
線虫が原因だとわかった途端、一気にさめました。
それでも読み進めましたが、興味がなくなってしまってからはもういいやってなりました。
なじみのない言葉が多く、頭に入ってこなかったのが理由かと思います。