小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
読まなきゃいけないから読むという本ではなく、引き込んで読ませる。
ファンタジーでは戦う意義を見出せるが、実際のところは、この世界に、悪人は誰なのか、という答えすらない。戦場では死ぬとただの無であるし、理不尽しか存在しない。
文字なのに、めちゃくちゃ怖いものが迫ってくる。
しかし、読者だからで、実際は怖いとすら思う前に、死んでいく。1回の狙撃にしかならず、特に撃ってごめんとか、辛いとかもない。撃たれる意味も撃つ意味もない。
やってることは同じになのに、平和な世の中に人を殺すのと、戦争している時に人を殺すのは、全く意味が違うと感じる。ファンタジーのように終わりもなく、戦友が1ミリの油断でいな -
Posted by ブクログ
「多様性」という言葉が溢れる現代社会へ、これは鋭利な刃物のように突きつけられる強烈な問題作である。
物語は、性に対して異質な欲求を持つ二人の男女と、世間の「普通」の中で生きることを強いられる検事や主婦といった複数の視点から展開する。一見、交わることのない彼らの人生が、ある事件をきっかけに絡み合い、読者はその度に、自分が立っている「正しさ」という名の不安定な足場を揺さぶられることになる。
作者が問うのは、社会が承認し称賛する「想像できる範囲の多様性」と、そこから排除される「不都合な多様性」との境界線だ。人は、自分の価値観から外れるものを差別し、排除することで、自分の「普通」や「正しさ」に安心を -
Posted by ブクログ
何に価値があるがを一人一人考える必要がある時代
HOWでなく、whatとwhy
物事をどこから見るかが教養、リベラルアーツ
BC6〜4
哲学者大量発生
農業の生産性があがって、考える時間ができた
4c
キリスト教→教会権力
フランス革命→人権
二度の大戦→国家のために
ミクロを組み合わせればマクロが理解できるかというとそうではない
理解するの定義の違い
数学→オペレーションの分類ができたら
物理学→予測ができたら
工学→現実におとせたら
社会学→共感できたら?
日本はキリスト教国じゃないのに近代化できた世界でも珍しい国
立法権が神にあって、政治的に法律を決められないから近代化で -
Posted by ブクログ
読みはじめて思う…。
この作品読んだことあるかも…(笑)
でもきっと読んだ当時、文章が横滑りして、頭に入らなかったに違いない(;´∀`)
みなさんの本棚でよくみかける作品だったので、気になってもいたのですが、みなさんに愛されるの、納得ですっ!!
米澤穂信さんの作品は、『刑事の生き様』で最近ふれさせてもらって、ツボだったんですが、この作品…凄い…。
短編で構成されているのですが、すべて面白い
背中がゾクッとなりますが…。
夜中に読むこともおすすめしません…
タイトルになっている満願の意味…
願いが叶うこと
期間を満了すること
読み終わったあとで、心から思います…
素晴らしいタイトル✨ -
Posted by ブクログ
このシリーズ、中抜けしながら15冊程度読んだけど、過去一良かった。やや食傷気味、このシリーズもいい加減マンネリだなぁと思っててごめんなさい。
表題作「神の呪われた子」宗教2世絡みの某裁判の報道とリンクして、リアル過ぎて、しんどくて泣けた。。自分も宗教2世だったアヅ。貧困家庭の子どもたちのために食堂を開いている。お腹を空かせた子どもに寄生して自分が元気をもらっているって吐き出すけど、たとえ、そう思ってても良い。それで救われる子どもが居るのも事実だから。
最後の鈴木エイトさんの解説も良かった。現実にはマコトもタカシも居ない。だけど、違った形で子どもを救う方法はたくさんある。自分も何かできないか -
Posted by ブクログ
いや凄かった。ありとあらゆるテーマ、人間社会の問題や物語のベースとなるものが詰まっている。
児童虐待、身内殺し、階層社会、宗教の限界を描きつつ物語は最後の法廷劇でクライマックスを迎える。
正直、父親殺しの話、くらいの知識しかなく読み始めたので、最後までどうなるか分からずハラハラドキドキしながら読みました。
正直消化はできていないし分からない。
以下メモ。
スメルジャコフがフョードルを殺したのは、結果なぜだったのか。金ではなかった。知能は高いが同じ兄弟として扱ってもらえず、自分の出生を憎み、その原因を作ったフョードルに復讐したいと思っていたとしても不思議ではない。
何でミーチャは有罪にならな -
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歌舞伎というなじみのない世界を生きてゆく男の物語。非常に重厚な小説だった。語り口は古典劇の口上を聞くような感じであり、また一般の人にはあまりなじみがなくて退屈しそうな歌舞伎の舞台の場面の描写も非常に臨場感にあふれていて、実際に歌舞伎を観るよりも迫力があるのではないかと思ってしまう。主人公の喜久雄は芸の道を究めてゆくのだが、最初は多くの仲間に囲まれていたのが、年を取ってゆくこともあり、また自分がどんどんと芸の高みに登ってゆくこともあり、それにつれてだんだんと孤独になってゆく。その姿が非常に寂しそうで印象的だった。その姿はこの小説を原作にした映画でも描かれるのだが、映画ではあまり描かれることがな
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歌舞伎というなじみのない世界を生きてゆく男の物語。非常に重厚な小説だった。語り口は古典劇の口上を聞くような感じであり、また一般の人にはあまりなじみがなくて退屈しそうな歌舞伎の舞台の場面の描写も非常に臨場感にあふれていて、実際に歌舞伎を観るよりも迫力があるのではないかと思ってしまう。主人公の喜久雄は芸の道を究めてゆくのだが、最初は多くの仲間に囲まれていたのが、年を取ってゆくこともあり、また自分がどんどんと芸の高みに登ってゆくこともあり、それにつれてだんだんと孤独になってゆく。その姿が非常に寂しそうで印象的だった。その姿はこの小説を原作にした映画でも描かれるのだが、映画ではあまり描かれることがな
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Posted by ブクログ
ネタバレ足袋の老舗「こはぜ屋」が、足袋の業績悪化を危惧し次なる一手としてランニングシューズ業界に参入しようと孤軍奮闘する。
色々な仲間を得て、自社の従業員の力も借りながらついに目標であるトップランナー・茂木選手に「陸王」を履いてレースに出てもらうのだが…。
勧善懲悪が得意な筆者であるが、それほど色は濃くない。経営というものの困難さを前面に打ち出しているストーリーだ。物事はうまく行かない。うまいくいったかと思ったら問題が山積してしまう。失敗しているからこそ、見える景色もあるし支えてくれる存在にも気付かされるのだ。
うまく行っている時に人が集まってくるのは当たり前。辛い時に寄り添い励ましてくれた「陸王」の -
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マリエさんの少し強がりで、寂しさを素直に伝えられないところが私みたいだと思った
由井くんが言ったように、もっと寂しさを出す女の子の方がモテるのだろうな
男尊女卑、女性蔑視という言葉はあるものの、最近は良くないものだという風潮になってきた。
その一方で、それはただ風潮なだけで現実世界では女性として生きることがどれだけ苦しい立場にあるかということをしみじみ感じた
離婚したくなかったけど、離婚を決めた理由が
相手が不幸そうだった
というもの。
確かに一生共に過ごそうという契りを結んだ相手が、自分といることを不幸だと感じているのであれば離婚するかもと共感
これは離婚じゃなくて、恋愛でいう別れも同