小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「Il faut imaginer Sisyphe heureux」と彼が「シーシュポスの神話」にて述べたように、世界の捉え方は一切、その捉える主体であるその個人の意思によって定められるのだと自身は感じるのである。死という有限、別れ。それら事情に涙が付随するのはそこに我々主体が悲しみをもたらす意味を付随するからであり、その付随する行為は無意識的に思われるようで極めて能動的な営みなのかもしれない。すなわち彼が「慣れ」という言葉を多用するように、世界に溢れる制約=不条理は決してその事象そのものが不条理たるわけではなく、むしろ不条理と捉える我々主体の上に成り立つ概念であり、したがって慣れてしまえば、
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Posted by ブクログ
看護師を目指して看護大学に進学した岡崎成通。
40人のクラスに男子はたった5人というなかで、覚悟はしていたものの講義や実習では男子というだけで敬遠されたりする。
それでも手を差し出してくれる人もいるし、必要としてくれる人もいて…毎日思い悩みながら成長していく。
成通の父も看護師であったが事故で亡くなり、そのときから弟も車椅子生活になる。
働き詰めの母に変わって家事と弟の世話をしながらの看護実習は大変だったと思う。
今で言うヤングケアラーでありながら、道を逸れることなくひたすら看護師になるという目標を向かって進む姿は尊敬できる。
何度か感涙してしまった…
青は、空と海の色…自然界に最初から -
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Posted by ブクログ
複雑な人間関係に悩んでいるときに読みたい本だった。綿谷りささん独特の描写がこの本でも輝いていた。例えば、「かわいそうだね?」の主人公・樹理恵は彼氏の元カノ・アキヨのことを嫌悪していることを表現するために、彼女の身なりのいいかげんさを描写した。直接的に言葉にはしていないが、その感情が伝わってきた。女性は自分の感情が明らかになると途端に強くなる。また、愛されることが必ずしも幸せなことではないのかもしれないと感じた。愛されることはプラスに聞こえるかもしれないが、同時に期待されるということでもある。それが本人の重荷になる場合もあるだろう。だから、片思いって楽しいのだろうか。親や兄弟といると何か苦しいの
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Posted by ブクログ
2026.4.12 3回目?くらいの再読。やっぱり自分の中でトップクラスに大好きな小説のひとつです。
世界的に有名な日本のピアノコンクールが舞台で、それぞれのコンテンタントの人生、血のにじむような努力と希望と絶望がみずみずしく描かれてます。コンテストは残酷でもあり、一度味わうともう一生忘れることのできない幸福にも満ちていて、その中で自分自身を大きく乗り越えていく様子に読んでいて何度も鳥肌が立ちました。
クラシックの知識はほとんどないですが、本当に描写が美しくて迫力があって、その場に居合わせているような没入感が凄まじいです。
上下巻もあっという間に読み切れて、終わるのが惜しいと思う作品です。音
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