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出産を間近に控えた姉に、毒に染まっているだろうグレープフルーツのジャムを食べさせる妹……妊娠をきっかけとした心理と生理の繊細、微妙なゆらぎをみごとに描く、第104回芥川賞を受賞した「妊娠カレンダー」。住人が消えてゆく? 謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ドミトリイ」、小学校の給食室に魅せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇は、すべて小川洋子の独特な静謐な世界を堪能できる珠玉の短篇集です。
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Posted by ブクログ
小川洋子さんの「博士の愛した数式」をあまり好きになれず、そこから疎遠になっていたけれども、これはとても良い!好き!妊娠カレンダー、姉に赤ちゃんができ、その母体の変化に翻弄される妹。悪阻という形で姉を捉えた赤ちゃん、でもその母体の変化ばかりでどこに赤ちゃんがいるのか不明、という妹から見た妊娠の不気味さ...続きを読む不思議さ。超おもしろすぎたー!あと新人っぽい、世の中に、は?を突きつけてやる!という気鋭さがある。
私は妊娠をしてみたいと思うことがある。 読みながら、白と緑しか思い浮かばなかった。 解説に完全自殺マニュアルのこと書いてた。あれそんな昔からあるんか
姉の妊娠中の記録が、妹目線で描かれている。赤ん坊の染色体を破壊させるかもしれないグレープフルーツジャムを毎日のように作り、食べさせる描写には震えた。ものすごく怖いのに、頁を捲る手が止まらなかった。
妊娠カレンダー
なにか怖いと思うシーンが何回かあり、思わぬ方向に話が進んでいくのではという冷静な興奮を与えてくれるストーリーだった。
自分が妊娠したのをきっかけに手に取った。 「妊娠カレンダー」 妹目線で、姉の妊娠について書かれた作品。妊娠の、得体の知れなさが表現されていた。自分自身、これからの身体の変化をどこか恐ろしく感じていたので、その感情とリンクして面白かった。ちょっと不気味に書かれているのがまたいい。女性ならではの作品だ...続きを読むと思った。 「ドミトリィ」 もう妊娠の話ではないのだなと、最初はあまり興味がなかった。でも、読み進めていくと、止まらなかった。先生の身体と、寮の存在が、どんどん悪い方向へ進んでいく。どうなってしまうのだろう、と怖かった。結局、怖さは消えたものの、なんとも言えない気味悪さが残った。後味は決して良くないけど、なんだか心に残る作品。 「夕暮れの給食室と雨のプール」 不気味、の一言。自分の周りにも、こんなに不気味なことが潜んでいるのかもと思うと、どうしようもなく気持ち悪くなった。でも、不気味さでこんなに心が動くなんて面白いな、とも感じた。自分の学生時代はどうだったかな、とすこし考えた。 情景が浮かぶような、丁寧な表現が魅力的。普段抱かないような感情が生まれて、文学作品の面白さに改めて気づいた。小川さんの他の作品も読んでみたいな。
芥川賞を読みたくて買いました。小川洋子さんはやはり有名ですしタイトルのインパクトが凄かったのですが、やはり感心させられるばかりでした。大衆文学ばかり読んでいる私にとってこの純文学はまた違った読後感と高揚感を与えてくれて最高でした。
小川洋子さんを友達にお薦めしたら早速読んでくれて、それに続いて借りた本。その日に一気読み これを読んで確信したんだけど、簡単に一言で面白いよ、というには覚悟が必要かな。。 どんでん返しのないつねに漂う不穏な雰囲気は、すごく内向的で独特。特に身体の描写が多く、それは緻密でいやでも想像をさせられてしま...続きを読むうし、そして多くの場面でふつうの人にとっては当たり前でないか意識したことのない感覚であって、不気味さを感じる。 妊娠カレンダーは題名の通り生理的な現状がテーマだし、ドミトリイで出てくる「先生」には両手と片足がない。 『まぶた』の中の短編に出てくる左腕が上がったまま動かなくなった弟。『猫を抱いて像と泳ぐ』では、少年は唇を閉じて生まれ、口を開く手術で脛の皮を移植したせいで唇に産毛が生える。そして壁に挟まれてミイラになった少女や、太りすぎてバスから出られなくなったマスター。 わたしはこの唯一無二の小川さんワールドに本当に引き込まれるし大好き。 でもこの本の「身籠った姉のために、毒薬の入ったジャムを、今日も私は作りつづける」という帯は、サイコパスさをとっかかりに大衆に押し付けてる感じがして違和感があった。妹がとくだん狂気じみているということではなく(実際に姉の方が精神疾患を抱えている)、日常に溶け込む不気味さをすごく研ぎ澄ませて丁寧に描いているということだと思うんだけどな。実質的には毒薬のジャム、なんだろうけどね。
第104回芥川賞受賞作、ということで。 受賞作と、他2篇。 91年に受賞、この文庫が94年に1刷ということで、35年の時を経ているというのは不思議に思えた。所々にその時代性は少しだけ顔を出すものの、全く古びていない。 3篇の短編集の共通して根底にあるものは、何とも言いがたい淡々とした不穏、不気味...続きを読むさと、観察者としての「わたし」、そして高く一貫した描写力だと思った。 個人的には「ドミトリイ」と、著者の文庫版あとがきの中の、新鮮な玉ねぎと猫の死体の話が一番面白かった。 「ドミトリイ」は特に途中からミステリーのような急展開になり、真の小説が生まれるのはそういうところにあるものかと、短いあとがきですごく分かるような、謎のような気分を味わった。
ほっこりしない、ほのぼのしない、じんわりしない、ほろりとしない、ぽかぽかしないこんな感じの文章が、私の陰に寄った感情にピッタリとくる。 無機質なのに美しい文章。 現実からほんの少しずれた世界。 感動を求めない静寂。 無理に明るい場所へ引っ張り出されない安心感。 この世界観に浸り過ぎると、抜け出せ...続きを読むなくなる怖さもあるね。
一年ぶりくらいに小川洋子の本を読んだけれど、ほんとうに美しい文章を書く…。文章が澄み渡りすぎて、きれいすぎて、なんかちょっと官能的な、怖いような。うまく言えないけど、なんせうっとりしてしまう。透きとおった悪夢って表現がほんとうにぴったりな一冊だった。夢が現実かわからない、ほのぐらい境目をたゆたうよう...続きを読むな感覚。はあ。良い。ため息出るわ。表題作がいちばんわかりやすくてすきだったけど、三篇ともよかった。溢れ出る小川洋子感。特に理由もなく、小川洋子作品を読んでいなかったけれど、ひさしぶりに読んだらまじでよかった。これからいっぱい読も。
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小川洋子
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