小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレそれぞれ独立した短編集。
主人公はベテラン世代の男性ビジネスマンが多く、時代も自分が知らない昭和がほとんど。
令和では身近にあるスマートフォンやSNSといった単語、ワークライフバランスを実現しようとか多様性が大事だとか、そういう思想は一切ない。
なのに、なんの違和感もなく物語に入っていける不思議なリアルさが絶妙で、ちょっと怖い。
展開が広がる前に、すでにそういう怖さがあるのに、読み進めるごとに物語そのものの怖さが加わって、ラストまでずっと緊張は上がりっぱなしだった。
この物語に共通する怖さは、目的を成し遂げるために、とんでもないことをしてしまう人間の欲深さ。
真相には、いつもじわじわと辿り着 -
Posted by ブクログ
ネタバレaudibleにて
いやぁ、すごい作品だった。
今村さんって、テレビのコメンテーターで見かけたことがあって気さくなおっちゃんみたいな印象しかなかった。
天才か!!!!
表現がなんか、かっこいいんだよな。
本当に素晴らしい作品を生み出してくれてありがとうございます。
次はNetflixを観ます。
歴史小説には苦手意識があり、敬遠してた。
そもそも、歴史についてあまり詳しくないから楽しめないと思っていたから。
好きなジャンルは、サスペンスやミステリー、ホラーとかそういうもの。
歴史×デスゲームという設定に興味を惹かれた。
それなら、あまり歴史に詳しくなくても楽しめそうだから。
情景が浮 -
Posted by ブクログ
東京、葛西のトランクルームから、女性の全裸腐乱死体が発見される。
屍体にたかったウジ、ハエから、手がかりを見つけ出す法医学昆虫学捜査官で大学准教授の赤堀涼子が活躍する。
腐乱死体に集まるウジの発生状況や成長段階を調べることで、死亡推定日時を高い精度で割り出す。
そして、その死体から、サギソウのタネも見つかる。
赤堀は、アリを見つけ、そのアリの巣を探索する。
アリが運んだ幼虫の抜け殻は、ハッチョウトンボだった、さらに、その幼虫は雌雄モザイクだった。
ハッチョウトンボの雌雄モザイクが、遺伝的に継承される。
そのハッチョウトンボの幼虫がいたところで、その死体は遺棄されていたはずだ。
赤堀の推理