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目次
蛍
★常夏とこなつ
篝火かがりび
野分のわき
行幸みゆき
藤袴ふじばかま
真木柱まきばしら
梅が枝うめがえ
藤のうら葉ふじのうらば
若菜 上
若菜 下
源氏物語という日本最高の文学も女が作ってる日本にフェミなんて不要だよね。日本からしたらフェミなんて2000歩遅いよ。
源氏物語、光源氏パートより、薫パートの方が好きなんだけど同じ人居るかな?
与謝野源氏ってさっぱりしててねっとりした陰影がなくてちょっと男性的だよね。
与謝野源氏読んだら、与謝野晶子についても知りたくなった。なんだかんだ与謝野晶子何も読んだことない。
「玉鬘の西の対への訪問があまりに続いて人目を引きそうに思われる時は、源氏も心の鬼にとがめられて間は置くが、そんな時には何かと用事らしいことをこしらえて手紙が送られるのである。この人のことだけが毎日の心にかかっている源氏であった。なぜよけいなことをし始めて物思いを自分はするのであろう、煩悶などはせずに感情のままに行動することにすれば、世間の批難は免れないであろうが、それも自分はよいとして女のために気の毒である。どんなに深く愛しても春の女王と同じだけにその人を思うことの不可能であることは、自分ながらも明らかに知っている。第二の妻であることによって幸福があろうとは思われない。自分だけはこの世のすぐれた存在であっても、自分の幾人もの妻の中の一人である女に名誉のあるわけはない。平凡な納言級の人の唯一の妻になるよりも決して女のために幸福でないと源氏は知っているのであったから、しいて情人にするのが哀れで、兵部卿の宮か右大将に結婚を許そうか、そうして良人の家へ行ってしまえばこの悩ましさから自分は救われるかもしれない。消極的な考えではあるがその方法を取ろうかと思う時もあった。しかもまた西の対へ行って美しい玉鬘を見たり、このごろは琴を教えてもいたので、以前よりも近々と寄ったりしては決心していたことが揺いでしまうのであった。玉鬘もこうしたふうに源氏が扱い始めたころは、恐ろしい気もし、反感を持ったが、それ以上のことはなくて、やはり信頼のできそうなのに安心して、しいて源氏の愛撫からのがれようとはしなかった。返辞などもなれなれしくならぬ程度にする愛嬌の多さは知らず知らずに十分の魅力になって、前の考えなどは合理的なものでないと源氏をして思わせた。それでは今のままに自分の手もとへ置いて結婚をさせることにしよう、そして自分の恋人にもしておこう、処女である点が自分に躊躇をさせるのであるが、結婚をしたのちもこの人に深い愛をもって臨めば、良人のあることなどは問題でなく恋は成り立つに違いないとこんなけしからぬことも源氏は思った。それを実行した暁にはいよいよ深い煩悶に源氏は陥ることであろうし、熱烈でない愛しようはできない性質でもあるから悲劇がそこに起こりそうな気のすることである。」
—『全訳 源氏物語 三 新装版 (角川文庫)』紫式部, 與謝野 晶子著
「八重の山吹の咲き乱れた盛りに露を帯びて夕映えのもとにあったことを、その人を見ていて中将は思い出した。このごろの季節のものではないが、やはりその花に最もよく似た人であると思われた。花は美しくても花であって、またよく乱れた蕊なども盛りの花といっしょにあったりなどするものであるが、人の美貌はそんなものではないのである。だれも女房がそばへ出て来ない間、親しいふうに二人の男女は語っていたが、どうしたのかまじめな顔をして源氏が立ち上がった。」
—『全訳 源氏物語 三 新装版 (角川文庫)』紫式部, 與謝野 晶子著
「「なんですこれは、中将の下襲なんですか。御所の壺前栽の秋草の宴なども今年はだめになるでしょうね。こんなに風が吹き出してしまってはね、見ることも何もできるものでないから。ひどい秋ですね」 などと言いながら、何になるのかさまざまの染め物織り物の美しい色が集まっているのを見て、こうした見立ての巧みなことは南の女王にも劣っていない人であると源氏は花散里を思った。源氏の直衣の材料の支那の紋綾を初秋の草花から摘んで作った染料で手染めに染め上げたのが非常によい色であった。「これは中将に着せたらいい色ですね。若い人には似合うでしょう」 こんなことも言って源氏は帰って行った。」
—『全訳 源氏物語 三 新装版 (角川文庫)』紫式部, 與謝野 晶子著
「「こんな問題ではお上の御忠告にも昔の私はお服しすることができなかったのだから、口を出したくはないのだが、今になって考えると、その時の御教訓は永久の真理だったとよくわかる。長く独身でいれば、実現されない幻を描いているかのように人も見るだろうし、それが宿命であるかはしらないが、ついには何の価値もない女といっしょになってしまうような結果を生むことにもなっては、初めよし、後わろしになってしまう。思い上がっていても若い間はほかから誘惑があるからね、多情な行為におちやすいものだが、堕落をしないように心がけねばならない。宮中に育って、自由らしいことは何一つできずに、ただ過失らしいことが一つあるだけでも世間はやかましく批難するだろうと戦々兢々としていた青年の私でも、やはり恋愛をあさる男のように言われて悪く思われたものなのだ。身分が低くて注目するものがないなどと思って放縦なことをしてはいけないよ。驕慢の心の盛んな時に、女の問題で賢い人が失敗するようなことは歴史の上にもあることだからね。思ってならない人を思って、女の名も立て自身も人の恨みを負うようなことをしては一生の心の負担になる。不運な結婚をして、女の欠点ばかりが目について苦しいようなことがあっても、そうした時に忍耐をして万人を愛する人道的な心を習得するようにつとめるとか、もしくは娘の親たちの好意を思うことで足りないことを補うとか、また親のない人と結婚した場合にも、不足な境遇も妻が価値のある女であればそれで補うに足ると認識すべきだよ。そうした同情を持つことは自身のためにも妻のためにも将来大きな幸福を得る過程になるのだ」」
—『全訳 源氏物語 三 新装版 (角川文庫)』紫式部, 與謝野 晶子著
「あとで東宮は淑景舎の方の手から所望をおさせになったために、女三の宮から唐猫が献上された。噂されたとおりに美しい猫であると言って、東宮の御殿の人々はかわいがっているのであったが、衛門督は東宮は確かに興味をお持ちになってお取り寄せになりそうであると観察していたことであったから、猫のことを知りたく思って幾日かののちにまた参った。まだ子供であった時から朱雀院が特別にお愛しになってお手もとでお使いになった衛門督であって、院が山の寺へおはいりになってからは東宮へもよく伺って敬意を表していた。琴など御教授をしながら、衛門督は、「お猫がまたたくさんまいりましたね。どれでしょう、私の知人は」 と言いながらその猫を見つけた。非常に愛らしく思われて衛門督は手でなでていた。宮は、「実際容貌のよい猫だね。けれど私には馴つかないよ。人見知りをする猫なのだね。しかし、これまで私の飼っている猫だってたいしてこれには劣っていないよ」 とこの猫のことを仰せられた。「猫は人を好ききらいなどあまりせぬものでございますが、しかし賢い猫にはそんな知恵があるかもしれません」 などと衛門督は申して、また、「これ以上のがおそばに幾つもいるのでございましたら、これはしばらく私にお預からせください」 こんなお願いをした。心の中では愚かしい行為をするものであるという気もしているのである。 結局衛門督は望みどおりに女三の宮の猫を得ることができて、夜などもそばへ寝させた。夜が明けると猫を愛撫するのに時を費やす衛門督であった。人馴つきの悪い猫も衛門督にはよく馴れて、どうかすると着物の裾へまつわりに来たり、身体をこの人に寄せて眠りに来たりするようになって、衛門督はこの猫を心からかわいがるようになった。物思いをしながら顔をながめ入っている横で、にょうにょうとかわいい声で鳴くのを撫でながら、愛におごる小さき者よと衛門督はほほえまれた。」
—『全訳 源氏物語 三 新装版 (角川文庫)』紫式部, 與謝野 晶子著
「恋ひわぶる人の形見と手ならせば汝よ何とて鳴く音なるらん」
—『全訳 源氏物語 三 新装版 (角川文庫)』紫式部, 與謝野 晶子著