あらすじ
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。妻はいったい何者で、誰が殺したのか? 激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。いったい彼の周囲で何が起きているのか……? 戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!
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面白かった。
導入部で一気に心を持って行かれ、次々に明かされる事柄、そして彼らにとっての正解は何だったのか…犯人はなんとなくわかったが、そういうこと⁈って感じにはなった。
この2人の今後の物語、いつか読みたい。
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面白かった!
この人の名前は〇〇だけど、戸籍を交換しているから本当は△△で…
と度々整理しながら読まないと、こんがらがりました。
犯人が誰かも気になったけど、それより戸籍を手放し違う戸籍を手に入れなければいけなかった人達のやむを得ない事情や、内面の動きがしっかり描かれていて良かったです。
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初めて読む作家さん。
書店で見かけて面白そうと思って手に取りました。
戸籍売買、犯罪加害者の家族、無戸籍などなど、盛りだくさんですが一気に読めてしまいました。
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別人の戸籍を買って暮らしていた主人公。妻が殺人事件に巻き込まれたことで、それまでの生活が一変するという作品。
興味深いテーマを、うまく物語にしているなと感じた。
Posted by ブクログ
序盤から物語の終盤まで謎が繋がっているため、続きが気になり読み進める手が止まりませんでした。
登場人物の関係が二転三転することで物語を複雑にしていき、誰も信じられない怖さを感じる作品です。
最後は少しミステリーの話過ぎるというか、やり過ぎな気もしますが、面白い作品でした。
Posted by ブクログ
夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎の妻が店内で惨殺されていた。
捜査しているなかで、妻エリカが戸籍を偽っていたことがわかり、動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
彼の場合は、兄が暴力団の幹部候補を刺殺したせいで、執拗な嫌がらせを受け職場を追われることも何度もあった為に戸籍を買い別人として生きていた。
妻のエリカの死後、彼女と戸籍を交換したのだという女性が現れ…。
妻のエリカが何故、誰に殺されたのか?それは彼女の過去のせいなのか、もしくは服役していた兄絡みなのか?
そのあと、娘の杏奈も殺されてしまうのだが…。
刑事が捜査するなか、和泉もエリカと戸籍を交換した咲月と一緒に調べるうちに無戸籍児のことや戸籍売買の元に辿り着き、和泉浩次郎を探すことで見えてくる事実に愕然となる。
刑事から逃げながらすべての真相に気づくまで、ハラハラのし通しだったが、どんな事情があろうともなりすましは結局、誰でもない主張することのできない借りの姿なのだとわかる。
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我が国には約10,000人の無戸籍者がいると推計されている.実は戸籍は世界的には珍しい制度らしいのだが,日本のさまざまな手続きは戸籍が前提となっているので,無戸籍の場合には大変に不便である.不便であるにもかかわらず無戸籍の人たちが存在するのは,止むに止まれぬ事情があるためである.
一方,戸籍の売買も行われている(らしい).新たな戸籍を入手することで,例えば転居の記録を辿ってたどり着くというルートを断ち切り,新たな人生のスタートをきるわけである.
主人公の妻が突然殺される.ところが妻は自分が知っていた名前の人物ではなく,全くの別人で,どうやら他人の戸籍を使って生きていたことが判明する.ここに戸籍売買や無戸籍が絡み,ある事情から警察を頼れない主人公の,事件を解明し,妻の人生を辿る苦闘が始まる.
のめり込んで,あっという間に読み終えてしまいました.
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ある日、妻が殺された。警察から妻の戸籍は別人だと告げられ驚愕する。驚愕した理由はその事実も去ることながら自身も同様に戸籍を買ったなりすましだったからだだ。そこから話が始まり、妻の過去を調べていくと様々な事実が判明していく。久々の気持ちの良い伏線回収で楽しかった。4.2
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不気味な表紙と不穏な雰囲気のタイトルに魅かれ購入。
イメージした気味悪さは強くなく、誠実な主人公が謎解きを進める展開。
他人の戸籍で生きている人が続々と登場するなあ~、
戸籍のブローカーも実在するのだろうな〜、
・・・・と読み終えた。
Posted by ブクログ
なりすましというタイトルでは表現しきれないほどたくさんの問題を提起した作品だと思う。戸籍売買の闇も恐ろしいが、そうせざるを得なかった事象が哀しい。無国籍児の問題など国がもっと真剣に対処してほしい。
作品じたいも誰が妻を娘を殺したかを突き止めるミステリーとして面白かった。
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妻、娘との三人暮らし。ある朝、夫婦で経営するカフェに、保育園に行く娘を伴って赴くと、仕込みのため先に出勤していた妻が、惨殺されていた。捜査の過程で、エリカと名乗っていた妻が、その名前を語っていた別人だと判明して驚く夫。じつは夫も他人の戸籍を買って、名前を偽って生活していた。妻と戸籍を交換していたという女が現れ、その女とともに本当の妻の名前を探して本籍地などを訪れ、警察の知りえない情報を次々と手に入れる。警察の捜査は進まず、ついで、娘まで殺害されるが、自分も名前を騙っていたため、警察に情報を与えることは出来ない。独自に犯人を捜すため、妻の本当の姿を知るため、奔走する。
戸籍を偽って生活する人のさまざまな事情(犯罪加害者の家族、ストーカー被害など)や、無戸籍児(元夫に知られたくないため、出生届を出すことが出来なかった子供)の問題、それからお金のために戸籍を売るホームレスなど、次々に新たな真実が明らかになってゆく。こんなに、「なりすまし」が集合するかね、とは思うものの、息もつかせぬ展開というのはこういうことかと感服した。
Posted by ブクログ
戸籍が大きく関わってくるミステリーで、事件発生のロケットスタートっぷりが最高。越尾氏の作品あるあるな気がしてるんだが、物凄くキャッチーなスタートを切って、今作はぶっ飛んでるな!と思わせながら、その後は凄く慎重に話が進んでいくため説得力が充分で、骨太な作品が出来上がっている。今作は内容がとてもややこしいが、点を一つ一つ繋ぐように最終局面に向かっていくので、まだ理解し易いかと思った。そういやちょっと前に読んだトリカゴが頭を過ったが、それよりもトリッキー。クライマックスの盛り上がりも良かったし、結構な充実作。
Posted by ブクログ
店頭でたまたま見つけてあらすじが興味深かったので購入!戸籍売買の映像作品を見たことがあるが、それよりも踏み込んだ内容だった気がする。こういうことが現実で行われているのかと気になった。第8章までとてもテンポ良く進んでいき、とても面白いが最終章からの駆け足具合とフィクションだからできる感が少し物足りなく感じた。
Posted by ブクログ
戸籍売買や無戸籍児という社会問題がテーマのミステリ。殺害された妻が戸籍を偽っていた、そして主人公自分も同様に偽っているという冒頭から引き込まれ真実が分かってもまた新たな謎がうまれるという先の全く読めないストーリー展開は面白かった。そして主な登場人物がほぼなりすましという衝撃。登場人物達のキャラがかなり濃い(なんなら主人公がいちばん薄いかも)ご都合主義なところを気にしない方がより楽しめる。
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最初から中盤にかけての物語の進むスピード感は良かったが、最後が畳み掛けるようにスピードアップしてちょっと残念。ただ全体的に面白く読み応えがあった。
Posted by ブクログ
大変楽しく拝読させて頂きました!
読み終えて、狭い交友関係の中でそんなになりすましている人が?!と驚いてしまいました。
しかもAさんが実はBという名前で…それも違ってCという名前で本当はDでした。なんて、
どんでん返しどころではないひっくり返り具合で、読みながら頭の中が大混乱しました。
作中でさまざまな理由で戸籍がない人、
ちがう戸籍が欲しい人がでてきて
どうしたら彼らが生きやすい世の中になるのかとも考えさせられもしました。
戸籍が簡単に作れてしまう、というのはもちろん良くないが本当に必要としている人たちも
作ることが困難になる制度は改善の余地があるのでは…と考えてしまいました。
登場人物たちがみな他の戸籍を使うことがなければ、最初の事件は起こらなかったはずなのに、と
物語ながら悲しくなりました。
しかし読み応えがあってとても面白かったです!
Posted by ブクログ
越尾圭『なりすまし』ハルキ文庫。
『協力者ルーシー』『シスター・ムーン 協力者ルーシー 2』と2作読んだが、どちらも非常に面白い作品だったので、新刊の刊行が気になっていた。
戸籍売買、無戸籍児といった社会の暗部を背景にしたミステリー小説である。日本の総人口は約1億2千万人であるが、無戸籍者は1万人居ると言われている。様々な事情はあると思うが、無戸籍児を産むのは親の怠慢や育児放棄が原因なのだろう。
さて本作の感想であるが、先の全く読めないストーリーはなかなかのリーダビリティの高さである。しかし、主人公の和泉浩次郎が妻と娘を失った後の悲しみが見えて来ず、そこに少し違和感を感じた。もう一つ、和泉浩次郎が娘の保育士を凛と名前で呼ぶ辺りにも男女の関係がある訳でもないのにと変な違和感を感じた。
ある朝、和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて、夫婦で経営しているブックカフェに出勤すると、一足早く出勤した妻のエリカが店内のソファで何者かにより刺殺されているのを発見する。
警察が捜査を進めるうちに、 エリカが戸籍を偽っていたことを告げられ、和泉は激しく動揺する。実は和泉自身も他人の戸籍を買い、他人になりすましていたのだった。
和泉の本当の名前は七瀬堅吾と言い、6歳上の兄の忠志が暴力団組員を殺害したことから、その暴力団につけ狙われ、闇取引きで和泉浩次郎というホームレスの戸籍を買取り、別人になりすまして暮らしていたのだ。
妻のエリカは一体何者で、誰が殺したのか気になりながら、焦燥する和泉だったが、そんな和泉を嘲笑うかのように娘の杏奈も刺殺される。
杏奈の通う保育園の保育士である神崎凛が杏奈を連れて、和泉の元に向かう途中、ふと目を離した隙に杏奈の姿を見失ってしまったのだ。
妻のエリカと娘の杏奈を失い、途方に暮れる和泉の前に加々美咲月と名乗る女性が姿を見せる。その女性こそ妻のエリカと戸籍を交換した女性だった。しかし、妻のエリカの本当の名前は加々美咲月でもないと言う。
妻のエリカは一体何者だったのか。妻と娘を殺害した犯人は一体誰なのか。
本体価格880円
★★★★
Posted by ブクログ
気になるテーマの作品だったため、スラスラ読むことができた。
ただ、登場人物の名前がでてきても、これは誰だっけ?となることがあり、わからなくなる点はある。
終わり方が少しかけ足だったなと思った。
Posted by ブクログ
あまりに戸籍の売買が多すぎて、途中からわけわからなくなった笑 ただ和泉や咲月が他人になった経緯に関しては同情させられた。こういう人たちは然るべき手続きなどして新たな人生を始める権利があるべき。
Posted by ブクログ
2025/05/16予約1
殺された妻は戸籍を偽っていた。実は夫も戸籍を購入して他人のなりすまし。妻は知り合いと戸籍交換をしていて、その戸籍も手に入れたものだった…題材が興味のある分野だったため期待して読み始めたが、現実感が感じられず途中からなえてきた。
辻堂ゆめ『トリカゴ』
のほうが好みだったかも。
戸籍売買など気になる問題なので、この先も他の著者の作品も含め読んでいきたい。
Posted by ブクログ
ブックカフェを営む和泉が店に行くと
妻のエリカが死んでいた。
警察は事件の捜査でわかったとして
妻の戸籍が他人のものであったと告げる。
驚くが、その驚きには別の意味もあった。
なぜなら和泉も実は
他人の戸籍で生きてきたからだ。
怖っ((((;゚Д゚)))))))
エリカのほうは戸籍を交換した咲月が訪ねてきて
少しずつ過去が見えてきたけれど
和泉は「業者」から買ったので謎が多い。
ふたりは過去の中に殺人の動機があると考えて
警察の目をかいくぐりながら調査することに。
途中で第二の殺人も起きてしまうし
辛い展開なのに、読み進めてしまう。
生き残った側は生きていかなくては
ならないのだもの。