小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
最後まで読み応えがある旅行記だった。
キューバに行こうとは、今までも今も思いついたことないから、若林さんの旅行記を読みながら情景を思い浮かべていた。
自分の価値観が覆された、というのは、アメリカに行きたいとずっと憧れていたけど、若林さんの目線から見た「ニューヨーク」は資本主義社会の国のひとつであることが描かれていたから、また別の姿をした国があることがいい意味で発見だった。まだまだ、自分の知らないことあるな。
それが、親父の行きたかった国であった、ということもグッとくる。
素敵な生き様だと思う。悩む過程が、素敵だと思わせてくれる若林さんは、本当に今の自分を肯定してくれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレやや大人向けのハイ・ファンタジー作品です。
父親からも母親からも愛されてこなかった主人公・アルスル。
彼女は父親殺しの汚名を着せられ、一族の出身地へと送られます。そこで出会ったのは、大木に串刺しにされた白豹の「人外」でした。
人間をはるかに超える「力」を有する「人外」と共存している世界を舞台に、まっすぐに、ひたむきに生きているアルスルの姿には美しさがあります。
一見すると無口で自分の考えがないように思える彼女の言動は、じっくりと周囲を観察して考えを深めていることの裏返しでもあります。
アルスルは愛ゆえに狂気に堕ち、人を襲い続ける「走訃王」との戦いを宿命づけられますが、悲嘆せずに自分がなす -
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Posted by ブクログ
読みはじめてから、ずっと頭のなかのBGMは…
『うちら陽気なかしまし娘〜 誰が呼んだか知らないが〜(以下、省略)』(笑)
にぎにぎしいシニア女性の江子・麻津子・郁子さんたちが営む惣菜店『ここ家』が近所にあったらなぁ〜♡
通いつめるのにぃ〜。
だって…
『たたききゅうりと烏賊と松の実のピリカラあえ』
なんて絶対に家で作らないから
松の実、買ったことないし…(;´∀`)。
話はだいぶ逸れましたが
お仕事小説というより、女の生き様が描かれている小説です
登場してくるお料理は、どれも美味しそうで、お腹すきます(๑´ڡ`๑)←結局、コレに戻るワタシって(笑)
表紙カバー
文庫本のほうが好みだっ -
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネートやタイトルの興味から読んだ。多様性という言葉を推進しながら、暗黙の雰囲気や価値観がある世間を再度認識させられる本だった。
人間として世間一般から「普通」「正しい」と思われている嗜好だけが全てではないよなと自分ではわかっているつもりでいる。マイノリティの嗜好が認められない世界の様子が描かれる。そして自分もその世界の一員になってしまっていることを自覚する。頭をガツンと殴られるような感覚もあった。
個人的には、「普通」のルートから外れることを心配する検事が印象に残った。自分に子どもができたとき、多様性や個人の意思尊重という言葉で、子どもがやりたいことをどこまで認め、応援すること -
Posted by ブクログ
何だかすごくあっさりと書いているけど、スゴいことをしている人だよ、筆者は。「動物言語学」なるものの「提唱者」になっちゃったのだもの。
こういう実験をしたらこういう結果になって、論文書いたら雑誌に掲載されました、ってホントにあっさり書いてる。でも、『バッタを倒しにアフリカへ』や、あるいは彬子女王の『赤と青のガウン』を読むとそれがどんなに大変なことなのか、窺うことが出来る。
そして、国際的に評価される論文も書けるけど、一般の私たちに向けても分かりやすい文章が書ける。それが何より素晴らしい!
でも、変な人でもあるよ、きっと。3食白米だけでひと月暮らせて、キャベツひと玉を一回で(それも調味料なしで!) -
Posted by ブクログ
お金と幸せの答え、というテーマを追いかけた物語。宝くじに当たった主人公は、15年ぶりに再会したかつての親友に3億円を持ち逃げされてしまう。彼と3億円を探す中で様々なお金の話を聞くことになる。
印象に残ったのは2つ。1つは、「どれほどお金を持っているかよりも、お金の使い方で人間がわかる」ということ。お金にルーズな人間が嫌われたり、気風のいい使い方をする人が慕われていたりすることからとても納得をした内容だった。
もうひとつは、「欲がないといけない」ということ。主人公の別居中の妻は、お金を手にして失うのは欲である、という風に言った。お金が手に入ることで欲がなくなるというのは全く考えたことがなく、新し