小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
「性的マイノリティの生きづらさ」を描いた作品……と思って読み進めると、もっと深くて恐ろしい構造にゾクッとさせられる。
作中で描かれる「アクアフィリア(水フェチ)」の人たちは、誰にも理解されない絶望的な孤独を抱えている。 だけど一方で、外からは「カメラや風景が好きな人」に見えるから、誰にも害を与えず、日常の中で堂々と欲求を満たせる自由度も持っている。
逆に、性的マジョリティ側はどうだろう? 自分たちが作ったコンプライアンスや「健全さ」という規制に縛られて、異性へのごく普通の欲求すら表に出せず、身動きが取れなくなっていないか。
そして印象的だったのは、検事である寺井の「どんな立場であれ、法という一 -
Posted by ブクログ
児童用。
小6娘や夫からも高評価だったので読んでみた。
「杉森くんを殺す」ってどういうことだ…?
そもそも杉森くんって実在?
自分の中の好ましくない幻影が杉森くん?
などと最初は考えを巡らせていたけど、物語が展開するにつれて明らかになる過去や杉森くんの正体。
読者は一番突き放された状態でスタート。んー?…もしかして…ああ…なるほどね…そういうことがあったのね…と少しずつ追体験しやすくなってくる。
ちょっとした言い回しの楽しさや高校生の若々しさも感じられながら、大切なテーマを児童文学でしっかり描いている。大人が読んでも文学としても面白い。
これは小中学生にも、その親たちにもお勧めできる作品 -
Posted by ブクログ
短編集ですが内1編だけ「糸ノコとジグザグ 」という作品にシリーズものの探偵御手洗潔が登場します。★5というのは1編だけでも嬉しいといファンの評価も含まれています。
その「糸ノコとジグザグ」においても御手洗潔の登場は多くありませんが、少ない描写であってもしっかり御手洗潔らしさに溢れており、またシリーズの他作品との繋がりも見逃せない理由になっています。もちろんファンサービスだけでなくミステリとしても楽しめます。
本短編集はとてもバラエティに富んでいるのが特徴で、そこに1編だけシリーズものが入るのもキレイです。共通した特徴を挙げるとすれば、相変わらずのとても読みやすい文章と、当時の世情などの描写が盛 -
Posted by ブクログ
日常は紙一重
ちょっとしたことが積み重なっていまの人生があるんだなということを再確認させられるかのような小説
短い時間軸ではなくて、それを積み重なる長い人生の時間軸で体感させられる感覚。
ただその日常も、不意な出来事で簡単に崩れてしまうし、変わっていく。
それがいいでも悪いでもなく、人生ってそんなものだよなと思わせられる作品でした。
だからこそ、色々動いてみることで人生って道が開けるよねとも取れるし、一方で、タイトル通りに熟した柿の実が自然に落ちるのを持つように、気長に時機を待つこと、も意味のあることだとも取れる内容だった。
重厚だけど、悲観的なわけでもない、
最後には心が大きく揺れ動く展開 -
Posted by ブクログ
拒食症とか同性愛者とか、いろんなレッテルを貼られることに嫌悪感を抱く主人公・まどか。気持ちはわかる。レッテルを一枚貼られると、それとしか認識されなくなる。もっと言えば、その一部だけをその人の全てとして、その人の全部を理解したと思われてしまう。これは不快。ただ、このレッテル貼りというのは、人間が社会生活を送る上で必要なシステムでもあって、情報を端的に要約して手に入れるということは、効率性を生む。でもそれは相手にとって都合の良い部分だけを解釈されて自分がどういう人間なのかを乱暴に決めつけられる、といったことにもなりかねないわけで、やっぱり不快。
まどか自身も、それを避けよう避けようとして、友人へか
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。