小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ページ数が多い小説なので1か月ぐらいの付き合いになるかと思っていたが、冒頭でつかまれて1日で読み終えた。
タイトルの「傲慢と善良」の「傲慢」部分に刺された。何かの余裕で決断を先延ばしにしてしまう架にも、自分を妙に高く評価してしまう真実にも、どちらにも感情移入してしまう。女性同士の悪意や、子離れできない親のどろどろとした部分の描き方が本当にうまくて、思い当たる場面が多すぎて胸が苦しくなる。
婚活と恋愛を軸にしたサスペンスとして「この先どうなるんだろう」と読ませつつ、この小説の一番怖いところは、読者自身の内面に矛先が向くところだと思う。読む手を止めて、自然と「自分はどうだろう」と振り返っ -
Posted by ブクログ
石田夏穂さんの小説は、見事に斜に構えた物語が大変魅力である。
本作の中で「世紀の善人」の''安井の仕事''は、全くもって理不尽でありながらも、視線を合わさず生きぬきながら無神経な男性社員たちを暗く見つめる。
そしてついに反撃に出た安井の行動と結末のカタルシスは、抑圧から自らを解き放つ安井への応援となっていった。
「わたしを庇わないで」のデブという言葉が、デブを庇う人間の裏側の感情を皮肉にも見事に表していく。
アヤノに対してデブを口にしない偽善者との戦いが、読者も意にしない展開が皮肉に溢れて読み手を飽きさせなかった。
人や社会や会社を独自な視点から痛 -
Posted by ブクログ
よかった。
看護師を目指す主人公が大学で看護について学ぶ4年間を描いた物語。
男性が看護師になることへのハードル、看護することのやりがいや難しさ、責任が、作り込まれた世界観によって説得力を持って伝わってきた。
また、主人公やその同級生、実習で出会う患者さん、それぞれにドラマがあって物語に深みが出ていたし、胸を打った。
看護師になるという目標に向けて一生懸命、前向きにがんばる姿がかっこよかった。
がんばりを強制されたり、がんばっているのにさらにがんばれと言われるのはしんどいけれど、自分の意思で目指す場所に向けてがんばるのはいいなと思った。
☆4.5 -
Posted by ブクログ
『別に賢くなりたいから本を読んでるんじゃない。
あえて言えば登場人物たちに勇気づけてもらえる
から読んでいるのかも。』15才の息子に言う。
(成瀬の面白さ』に衝撃を受けた中学生の息子に、
2冊目を渡した時に、(本の楽しさ)の話になった
時だ。
『その登場人物たちと一緒に喜んだり悲しんだり
腹を立てたり、で、こっちが応援したりしている
つもりなんだけど、気付くとこっちが、背中を
押されたり、自分のことやこれまでの人生とかを
肯定してくれたり、勇気づけてもらってる感じ。
間違ってないって。それで良いって。』
いつもは、『うちの父ちゃん、また変なことを
言い出したぞ。』みたいな顔をなるのだが、