ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 命の砦

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    言うまでもなく,著者は医師でもある。著者が経験したあのコロナ第1波の医療現場の混乱や葛藤を,設定はフィクションながら事実を描いたもの。記録文学とは言えないだろうが、当時の記憶を留めるものとして、貴重だ。時を余り経ずに,書かれたことの意義は深い。当時のことを思い出しながら読み上げたが、わずか6年前のことながら,自分の記憶はすでにあやふやになりつつあることに気付いた。本書が長く記憶されることを祈る。

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    2026年08月31日
  • PRIZEープライズー

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    2026本屋大賞第3位受賞作。

    どうしても直木賞が欲しい作家、天羽カインと、その編集者の千紘との物語。

    読み進めていく中で、この作家と編集者との距離感が微妙で、ハラハラするような危険な香りが漂ってきそうでドキドキさせられる。またこの距離感が面白いというか何とも言えない。

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    2026年08月31日
  • 星を編む

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    『汝、星のごとく』では語りきれなかった3篇の物語。
    変わらず美しく透明感あふれる世界に心が震えました。

    北原先生の過去には胸を締め付けられ、
    櫂を支えた2人の編集者の存在には深く心動かされ、
    そして暁海と北原先生のその後に再び涙しました。

    血のつながりのあるなしでなく、人と人のつながりって素晴らしい。
    互いを思いやりながら、長い年月の中で少しずつ形を変えていく夫婦の関係が愛おしかったです。
    生きるってつらくて、切なくて、それでも温かくて、愛おしい。

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    2026年08月30日
  • 最後の一色 下

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    史実の武将を題材にした歴史小説であるが、武田信玄や織田信長ほど有名な武将ではなく、知名度の低い小大名を主人公に据えているため、読む前はあまり期待していなかった。しかし、その生涯があまり知られていない武将だけに物語を紡ぐのに適した人物であり、『信長公記』や『綿考輯録』などのエピソードが織り込まれているため、物語にリアリティを持たせている。前巻では主人公一色五郎の超人的な武力と、ヒール役に徹した細川忠興との対比が物語を盛り上げていたが、一転、後巻では二人の友情にも似た人間的な触れ合いが描かれつつ、最後の最後で大どんでん返しが待っており、史実を扱った歴史小説としては意外な展開の連続で飽きさせなかった

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    2026年08月30日
  • 少年ABCの完璧な選択

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    ミステリというよりかは青春小説のような味わい。
    登場人物たちの心理を考えれば、真犯人はすぐ分かってしまうが、分かった上でも十分に楽しめる。むしろ分かっていた方が先が気になるかもしれない。
    学生時代にかけがえのない友人がいたすべての人が読むべき本だ。

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    2026年08月30日
  • ファイア・ドーム 下

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    最後の、記者として腹を括った透真の思いは、職種は違えど“言葉”を扱う作者自身の思いであり誓いなのだろうな、と感じた。

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    2026年08月30日
  • ファイア・ドーム 下

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    人の悪意から始まったが、善意で締めくくられて良かった。
    後味がわるかったら、眠れなくなるところだった。

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    2026年08月30日
  • イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン

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    安定の1冊。
    サチさんの前口上も、
    食卓での自由な家族のやり取りも、
    不思議なぐらい色々なトラブル?に巻き込まれていく日常も。
    当然、毎回毎回同じではないけど、
    安心してページを開ける1冊。
    心の拠り所のような。
    サクッと帰れちゃう、気軽な実家のような。
    今の日本じゃ廃れているような、古き良き大家族。
    憧れではあるよねー

    今回はなんといっても、研人君と芽莉依ちゃん。
    いいエンディングをありがとうございます。

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    2026年08月30日
  • 久生十蘭短篇選

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    国書刊行会の8月の本で『黄泉から』を読んだことや、別の作家のエッセイの中に度々登場していたため存在は知っていた久生十蘭。彼の小説の美技に魅せられた読者を『ジュウラニアン』とか『ジュラニアン』と呼ぶらしい。

    厳選された短編集ともあって読み応えがあり、特に『黄泉から』、『泡沫の記』、『白雪姫』はとても幻想的だと思いながら読んだ。『予言』などは現実と夢の境界が曖昧になり読者が迷路に迷い込んでしまい、解説にもある通り泉鏡花をモダンに洗練したよう。夢野久作のような一人称語りの書き方が好きなので『猪鹿蝶』も楽しく読んだ。 15の短編が収められているが、ほとんどに共通しているのはどれも『死』を描いており、

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    2026年08月30日
  • ファイア・ドーム 上

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    ネタバレ

    自分に関係ない人の不幸話に陳腐な推理が付け加えられ、それがさも真実であるが如く広まっていく恐怖が集約されてた。でも自分の興味のある噂はどうしても深掘りしたくなっちゃうものだよね…悪意が無いからこそ確かにタチが悪い。

    娘が殺され孫も現在行方不明。噂に傷つけられ中傷を浴び続けてきた忠治が美冬にかけた「あんたは何も悪くない」で涙が溢れた。ボロボロだった美冬が光汰朗家族に救いを見出せたのは美しくて良かった。

    ってか、いや、透真さぁ、「1人にならないで」「誰かと一緒にいて欲しい」じゃなくてお前が一緒にいてやれよ…!!!家に行ってくれよ…電話かけてあげてよ…守ってやれないって悟って引くの早すぎだよ…(

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    2026年08月30日
  • ライオンのおやつ

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    ネタバレ

    涙が止まらなかった。人間誰しも孤独だが、彼女の事を大切に思っている人が必ずいた。1年前におじいちゃんを亡くした私にこの本はとても刺さった。何となくこの1年間思い出しては悲しくなったことが何回もあった。人間死ぬことが悲しいこと、良くないことと取られがちであり、私や雫さんも経験からそう思っていた。マドンナの「いい旅を!」の部分で、天国でも故人が好きなように楽しく過ごせていて欲しいと心から思うことが出来た。
    「生きることは誰かの光になること。自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやってお互いを照らしあっているのですね」孤独で悲しい人生を送っていると思っていた雫だが、父や娘、六花、タ

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    2026年08月30日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ガラスの骨壷、いいなと思う。
    そこにあることが、思い出を繋ぎ止めるということは確実にある。それは、写真であっても骨壷であっても、何を遺しておきたいかという残された側の意思だ。
    才能とかセンスとか、それは好みの問題だと言えるとこと言えないとこがあるけど、羽衣子に好みの問題だと言ってくれたのは、正しく必要な言葉で、普通がよくわからないのと同じように、正解もよくわからないということなのだと感じる。

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    2026年08月30日
  • 都会のトム&ソーヤ(5) 《IN塀戸》下

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    ネタバレ

     栗井栄太ご一行のつくったRRPG「IN塀戸」に参加している内人と創也の冒険の後半戦。
     あの自信家な創也が謎解きを途中で内人に譲るなんて!と思ったら、まさかの創也が「ニュー」だったなんて! しかも内人に何度も寄生しようとしてたのに失敗続きだったとは、内人のおばあちゃん仕込みのサバイバル能力、さすがです。
     本編の他にも内人と創也のお父さんズのお話も、この父たちにしてこの子たちあり、って感じ。2人にもまた出てきてほしいです。
     時見の力をもった真田女史が健一に恋をしたきっかけのエピソードとかも面白かったです。
     栗井栄太と創也たちとの「ぎゃふん」と言わせ合戦の今後にも注目。

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    2026年08月30日
  • 生きる言葉(新潮新書)

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    とても面白かった。そして短歌に関心を持った。
    本書の中に出てきた歌集を今度読んでみよう。

    言葉って、日本語って、深くて難しくて面白くて不思議で素敵だな。
    私も少し言語学を学んできたし、言葉を扱う仕事であるからこそ、言葉の危うさも繊細さも魅力的に感じる。
    時代の変化によって意味も解釈も変化してくる言葉もあれば、時代を越えても共感され詠まれ続ける言葉もある。

    万智さんは、言葉を伝える・言葉で表現する力はもちろん素晴らしいけど、言葉を受け取って紐解いて解釈する力もずば抜けておられる。

    そして息子さんの感性と言葉の力もすごいなー。



    言葉の力は鍛えられる

    過不足なく伝える

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    2026年08月30日
  • 忍びの国

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    伊賀忍者の狡猾さと、狡猾さゆえの残虐性?狂気?が伝わる。久々に面白かった。主人公の口調が軽く、読みやすい。終わり方が残念だけど十分に楽しめた。

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    2026年08月30日
  • 大使とその妻 下

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    ネタバレ

    素晴らしい作品。源氏物語のラストような、新たな物語が先にあるように期待を持たせるところとか。続明暗を書かれている方なので狙ってのことなのだと思います。水村美苗さんは天才的だと思いました。グレツキの交響曲3番の第一楽章のコントラバスの重音の進行を聴きながら読み進めましたが、最後の手紙が届いてくれてよかった。失われた日本を求めて、を貴子さんと共にゲビンが完成を目指して行く続編が目に浮かびます。

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    2026年08月30日
  • 永遠をさがしに

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    ネタバレ

    友達から借りた本。
    原田マハさんは絵画を題材としたものを書く人…という認識があったので、純粋に『音楽も?!』と思いつつ読み始めました。

    今まで読んできた原田マハさんのものよりもずっと読みやすく冒頭から話にのめり込みました。

    音楽エリートの家に産まれ物心つく前からチェロを教え込まれていた娘。
    母親のために弾いていて自分は全然楽しくない…と、チェロを11歳で諦めやめてしまう。
    そして母は家を出てしまった。
    15歳の時、演奏旅行に出て留守の多い父親が再婚することになり新しい母親ができた。
    頑なだった娘の気持ちはほぐれて新しい母親とも仲良くなりどこか壁を作っていた学校の友人とも親しくなった。

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    2026年08月30日
  • ことり

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    社会の多数から見たら社会に馴染めないとみえる鳥の言葉がわかる兄と、その唯一の理解者である弟の物語。なんとも言えない切なさが残る読後感。

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    2026年08月30日
  • 悪しき狼

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    重厚!濃厚!日大三高!

    いやー、なんかもうネレ・ノイハウスが達者になったなーって
    まず、もうそういう偉そうな感想が来ましたよ
    エピソードの繋ぎがうまい
    滑らかになってきた気がすーる

    そしてオリヴァーですよ
    なんか自分を見つめ直して、心の中のモヤモヤが晴れてきたみたいで、ようやっと帰ってきました
    優秀なリーダーがね
    やったぜ

    でもダメダメなオリヴァーもわいは嫌いじゃなかった
    むしろ好きだった
    フォーエバーダメ男オリヴァー

    そしてわいが今回すごいと思ったのは、なにやらシリーズを通しての、敵というか悪い奴らの存在が見えて来たってことなんだが、絶対シリーズの一作目を書いたときはそんな存在想定し

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    2026年08月30日
  • 私はいったい、何と闘っているのか

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    んーとね、星5!
    油断することなかれ、この本、いやこのありふれた小市民性、凡人性の紡ぐ連綿と続く一日の積み重ねである伊澤春男の物語は誰しもの心の隅を掠め触れるお話。
    凡人の捉え方と描写、軽いユーモアとアイロニーが秀逸すぎる。この本はもっともっと評価されるべきではないか。
    悲しいかな著者の芸人としてのインパクトが強過ぎ問題がネガキャンとなって未読者の食わず嫌いを誘発している感が否めない。
    バレろ…世の中に気づかれろ

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    2026年08月30日