小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
シリアの男性と結婚した 写真家の日本女性の
眼から見たシリア内戦、そしてシリアの家族を
描く。
夫の家族は 両親、15人の兄姉、甥姪の四世代で暮らす総勢70人程の大家族。
ラクダ100頭を飼う ベドウィン一族。
そこにアサド政権による市民の弾圧が襲う。
夫の家族にも。6男と9男が民主化運動に参加。
逃亡生活を。6男逮捕され行方不明。夫は 徴兵され政府軍兵士になるも 軍を脱出。難民に。
シリアの家族は 砂漠を転々とし、トルコへ。
10男と甥は 欧州を目指す。
アサド政権やシリアの内戦は 日本でもさまざま
報じられ 酷い状況だとは知っていた。
所詮 遠い国の出来事。憤る以外何にも出来なかった。
この作品は シリア難民の妻、二児の母、写真家として シリア、シリア人のリアルを描く。
読んでいる途中 何度 彼らの置かれた理不尽さ、過酷さに涙し、悲嘆したことか。
54年間にわたって支配したアサド政権は倒れた。しかし 彼らの国は破壊し尽くされてしまった。500万人と言われる難民は故郷に帰れても
待ち受けるのは まだまだ苦難な生活。
一部の強欲なトップ達によってもたらされる内乱、戦争は 何ももたらさない。国の崩壊と
辛酸を舐める人民のみ。
歴史は繰り返す。どうしてその歴史から人間は学ばないのだろう。
-
Posted by ブクログ
2014年刊。同著者の『これで古典がよくわかる』の妹分。
それにしても、くどい! くどいんだけど、読むのに慣れてくると、そのくどさが快感になる(橋本治の思考回路にチューニングしたってことか)。オビの宣伝文句には、「古典は『慣れる』とわかる」とある。これは、そのまま橋本治の文章にもあてはまる。
「ながめせしま」の小野小町、いろんなバージョンの浦島太郎、語り系vs.読む系の平家物語など、あっと思うところを突いてくる。
姉の『これで古典がよくわかる』(ちくま文庫)は目ウロコ本だったが、本書もかなり目ウロコ。併読すると、古典に対する見方ががらりと変わる。 -
Posted by ブクログ
彼女の言葉を臓腑の最も深い部分でしっかりと味わい、転がし、体に染みこませ、私は彼女の名前に ×印を記す。
─────────────────
最後の最後まで新情報盛り込まれててほんとに天才かと思った
何回裏切られただろう
メッチャ面白かった
「人間」の深い部分をガシガシ抉ってる感じ。怖い怖い。でもそれがほんとうに面白い
そして就活期の落ち着かない気持ちを鮮明に思い出しました、たしかにやっぱりおかしいよねあのシステム、、、!
私はどちらかというと性悪説信者なので
「何せ、一見して素晴らしい人格者だと思える人であっても、心の中に何をしのばせているのかはわからない。仏のような顔で笑いながら、胸に悪魔を飼い慣らしている人間は大勢いる。どころかほとんどの人間が仮面を被って生きている」
ここに大きく頷いてしまったけど、
「所詮は月の裏側の一部分。(中略)所詮は私という人間のほんの小さな一側面に違いない。」
って心から思えるような人間になりたい。な。やっぱり。
─────────────────
鬼籍に入る(きせきにいる)・・・死んだ人の名簿に名を連ねる -
Posted by ブクログ
黒柳徹子に対し、こんな視点で観察した事が無かった。彼女の革新部分と考え方に脱帽。ザ・ベストテンの何気ない言葉ではあるが、彼女の思想の素晴らしさを思う。
土井たか子が、生活保護費の男女格差をなくした事、国籍法の父系主義をなくした事を知らなかった。凄い功績。
大橋鎭子は、とと姉ちゃん。10才で父を亡くし、起業、暮しの手帖創刊。
吉永小百合の代表作キューポラのある街を何故か鑑賞している。いつ、どこでだろう。
中山千夏が意見したら、国旗を法制化した時点で、国旗が陳謝なものとなるであろう。どう扱うか考え行動する事で、文化が生まれるのだから。
平野レミがシャンソン歌手とは、知らなかった。 -
Posted by ブクログ
三浦しをんの、ちょっと変わったお仕事小説。
ホテルマンと書家が出会って‥?
タイプの違う彼らが、いつしかバディに。
西新宿にあるこぢんまりした老舗ホテルに勤める続力(つづき ちから)。
真面目に仕事に取り組んでいるが、自分ではただ普通にやっているだけで、特に何に熱があるわけでもないという感覚だった。
家族とも友達とも気まずいわけではないが、すごく会いたいというような関係でもない。
ホテルでは字を書く仕事が結構あり、筆耕士(書家)と契約して、その時々の目的に合わせて書いてもらう。
ある日、続力は、初めての依頼のために町の書道教室の先生を訪ねる。
遠田薫という男は、かって契約していた人の書道教室を継いでいたのだ。
自由奔放な雰囲気の遠田薫に驚くが、なぜか居心地がいいような。
子供達の生き生きした様子の自然なことったら。
そして、遠田書道教室には猫がいる。うふふ。
猫のカネコも、いい味、出してます。
副業として手紙の代筆もしている遠田に、文章を考えるよう無茶振りされ、仕方なく応じると、これがなかなかうまくいって名コンビに。
かってない楽しさを感じるのだった。
特に不満や物足りなさを抱えていたわけではない力だったが、穏やかな人柄や誠実な仕事経験の積み重ねが、ここへ来て花開いたということでしょうか。
友達がそう多くなかった理由は、群れるために群れるような価値観ではなかった、ということかも。
西新宿のホテルに泊まったことあるし(老舗じゃなかったと思うが)、世田谷線にも乗ったことあります。好ましき雰囲気で描かれているので、嬉しくなりました。
ついでに書くと、母は書道を教えていたこともあります。たまたま。私にはその才能はないけれど、端で感嘆して見る気分もかなりわかる(笑)
先代の遠田夫妻が、優しい人達で良かったなあ…!
遠田薫の才能に目を奪われた力。薫が全く違う波乱の人生を送ってきた男だったと知る。
子供たちともすっかり馴染んだある日。
遠田から、急に「仕事を辞める」という連絡が来る。それは‥
現実味もありつつ、ほのぼのとした世界。
30代も半ば過ぎになって、予想していなかった友情が芽生え、それは危機ももたらすが。
応援したくなります。
そう来なくっちゃ!だわ(笑)
さすが、しをんちゃん♡(←勝手に親しみを感じてます)
心地よく楽しめる作品でした☆ -
Posted by ブクログ
上手くまとまった面白い短編集、というよりかは「ちょっと面白い設定とかSF考えたからちょっと見てくれや」みたいな、発想博覧会的な趣がある。
量子サッカー(フィールド全体に波動関数としてボールが存在しており、プレイヤーたちが自由に動きそのエネルギー状態を遷移させることで、相手のゴール内にボールの存在確率を50%以上に収束させるスポーツ)とかその典型例だと思う。
もちろん人情的な話もあり、悲劇もあり、かなり幅広い短編sが収められている。
ディアスポラとかゼンデギとかその辺の長編から始めるよりかはこういう短編から読み始めた方が、グレッグ・イーガンの作風と振れ幅を知れていいのかなとは思う
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。