あらすじ
「南の島へ行くぞ」突然のパパの言葉で石垣島へ旅することに。正直言って、あんまり気は進まない。家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年までは――(「南の十字に会いに行く」)。小学四年生の九月のこと、同級生の過失で私の右目は取り返しのつかない怪我を負った。世界はぼやけて頼りない姿に変わり果ててしまった。星降る夜に大事な友達と交わした約束も――(「星は、すばる」)他5編。7つの物語が星座のようにつながる、宇宙を巡る感動のミステリー! 読み終えたら世界が変わる! 〈日常の謎〉の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた一冊。
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スケールの大きさに圧倒。最終章で全てが片付くのが、どたばたしていて落ち着かない点もあるが…それを差し引いても面白い作品だった。ただのファンタジーではなく、苦々しいトラブルや、宇宙にまつわる知識も織り込まれ、読みごたえのある一冊。
キーパーソンである超有能美女の記述も、ここまで貫いていると心地よい。
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加納朋子さんのハートウォーミングストーリーですね。
星をめぐる七つの物語が最後にはファンタジーあふれる希望の物語になります。もちろん加納さんですから、ミステリーも含まれていますから、読み応えのある素敵な短編連作です。
目次
南十字に会いに行く
星は、すばる
箱庭に降る星は
木星荘のヴィーナス
孤舟よ星の海を征け
星の子
リフトオフ
解説 杉江松恋
さすが、加納朋子さん、物語構成が素晴らしいですね。短編をバラバラで読むと一見関連が無いように見えますが、すべてが最後の『リフトオフ』でしっかり繋がります。もちろん、伏線はちゃんと用意されています。
このところ、天文関係の本をよんでいるので、私にはとても馴染みの深い本になりました。
宇宙飛行士を目指す、美人で頭が良く、スポーツ万能の三拍子揃った一児の母がキーワードですね♪
次はどんな物語で加納朋子さんを楽しめるかな?
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連作
あまり考えずに宇宙に関する短編かと思って読み始めたが、それにしては一つ一つになんかが欠けてる印象があるんだけど、十分一つ一つの話も面白い。欠けてるものは名前だった。出る人と出ない人、あえて内緒で終わるのもあり。後半二篇でネタバラシ、あー、と思いながら、前のもちょいちょい読み返したくなり、なかなか進まなかったが、スッキリした。
全体的にほのぼのだけど、悪意や差別など大事な負のテーマも入っていてしっかり重みもあった。
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登場人物や物語が星にまつわる事が特徴の設定の短編集。
日常から学校生活、SFまで多彩な舞台で人生における浮き沈みをたくみに宇宙や星と絡めて本は進んでいくが、それだけではなかった。
6話の最後で大きなしかけが待っている、それまで読んでいた物語が違った形として浮かび上がってくるのだ。
例え一つ一つが離れていても星が空にきらめく様に、それぞれが輝きを放ちやがて線となってゆく。
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各話ごとにさまざまな困難や謎が描かれながらも、
最終的には「終わり良ければすべて良し」と思わせるような大団円で締めくくられる物語だった。
物語の展開には、やや都合がいいと思える部分もあったが、
それを補って余りある「そうきたか」と思わせる巧みな展開が印象的だった。
伏線回収の妙が予想を裏切りながらも納得させられる心地よさがある。
最後の最後でひとつひとつの出来事が繋がる感覚が楽しかった。
登場人物の職業設定も医者、宇宙飛行士、モデルなど一見まったく接点のない職業の人々が同じ人物とは思わせないように描かれており、
それが大きなミスリードとなって物語を引き立てていた。
想像をうまく裏切られた気分。
陳腐な言い方かもしれないが7つの話は小さな星図を思わせる。
優しい奇跡を秘めた一冊。
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一万円選書の3冊目。
これはこれはおもしろかったです。
カーテンコールを読んだことがあったがために、代わりに選ばれた一冊でした。
それぞれ星に関連した短編が集められたのだと思っていました。
最後の章で、なるほどすべてが繋がりました。
特に印象に残ったのは「孤舟よ星の海を征け」です。
急に宇宙船のファンタジー要素があるお話が始まってびっくりしました。
そして物語の始まりからは全く想像できなかった着地地点に驚きました。
もう一つ「星の子」も好きなお話です。
七星のために行動するお母さんの頼もしさに惚れ惚れしました。
絶対なんてものはどこにもない、それを力強く教えてもらいました。
There are a lot of stars in the universe even though we can’t see them.
All of them are shining.
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7章からなる天体や宇宙にまつわる短編集。
1章ずつが読みやすく、読み始めはそれぞれ独立した物語かと思っていたが、最後に全てが繋がり温かな気持ちになる。
中心人物となる女性がすごく魅力的でヒーローみたいなキャラクターだけど、その周りの人たちからの視点で物語が進んでいき、それぞれの屈託した気持ちが共感できたり、そこから前を向く姿に励まされる。
落ち込んだ時に読むと元気が出ると思う。
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大好きな加納朋子さんの、短編集…ではなく連作。連作である事は文庫本裏表紙で予告されていますが、もうそれだけでワクワクしますよね。加納さんが一番得意とするヤツです。
ところが読み進めても、どうしてなかなか繋がっていかない。1話と2話は登場人物が全くかぶらないし、3話はとうとう学園ミステリ。どうやら星が共通のテーマかと遅まきながら感づいたところで、5話で舞台は加納作品初の(多分)宇宙へ。え、この話どうやってまとめていくの…。
と、混乱しつつ楽しませて頂きました。最後にはもちろんきっちりと、きっちり過ぎるほどに繋がります。感服致しました。
繋がるの繋がらないのばかり書いてきましたが、個々のエピソードもきらりと輝いて素敵です。4話のよく考えると割と深刻なのに、なんだか楽しそうなテンションが微笑ましかったです。
お気に入りの作家さんからまたお気に入りの作品が生まれる。至福の一言です。
Posted by ブクログ
七つの話が最初は全くの繋がりが無いと思っていたけれど、読んでいくうちに徐々に話が繋がりだし、最後にもう一人の主人公?が出てくる
軽快な話しもあれば、少し重めの話もあったので飽きずに読むことができた。
Posted by ブクログ
最後に全ての物語が繋がって感動。見事な伏線回収。さすが!
軽いストーリーの中に,それぞれが抱える辛さがあって,苦しく感じられるところもあったけれど,最後はとてもスッキリする。
星座のようにきれいにつながった物語たちに,読み終えた後とても満足した。
Posted by ブクログ
YouTuberの読んだおすすめ本で気になったので読みました。星や宇宙が好きな私にとっては、モチーフがあるというだけで読む価値がある…!
なんて思ってましたが、大当たりでした。
星や宇宙に関連したモチーフが連なる短編集かと思いきや、最後までずっとひと続きの話で、時系列は異なるけれどある1人のヒロインが歩んだ半生と、彼女が出会い影響し、彼女を支えた人達を、色々な視点で美しくまとめた群像劇でもありました。
ずっと温かいだけの話ではないですが、何者でもない人たちが何者かになっていく、それぞれの人生の繋がりが本当に美しい大団円に繋がって、読後感が抜群でした。
久しぶりに心地よい、小説ならではの充実感を得ました。
面白かった〜!!
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加納さんの物語に出てくるパワフルで、前向きな登場人物たちが好き。
短編ひとつひとつにもちゃんとドラマがありつつ、最後にピースがぴたりとはまって大きな物語の姿が見えてくるところが気持ちいい。
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怒涛の伏線回収。
それがとても気持ちよく感じる人もいれば、とんだご都合展開だとシラけてしまう人もいるかもしれない。
某人物に関しては本当に怖いくらい上手く物事が進むため、素直な人ほどより楽しめる小説だと思う。
人間歳と共に色々と疑り深くなっちゃうので、若いうちに読んでみるのがいいかな。
全編通して、星のようにささやかな光、希望を感じるお話で、心穏やかに読み進められた。たまにはこんな連作短編集もいいなと思った。
最終話は強烈な光に見舞われるけれども 笑
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星や宇宙をテーマにした連作短編集。
どの作品も人間の深いところまで描かれていること私好みで楽しく読み進めることができたが、どこか違和感があるなと感じていた。そんな違和感も6・7編にて、すっかり晴れました。全てが纏まっていく感覚がすごく良かった。
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連作短編集と聞いて読み始めたので、話がどう繋がるのかを考えながら読んでしまった。ミステリで使ったら反則ぎりぎりのものが多い分、最後細かく説明して回収してるのはくどいけどわかりやすい。漫画の最終回みたいな絵に描いた大団円も含めて中学生くらいから幅広く読めそう。
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登場人物の名前が星に関係していたり、それぞれの章が星に関連した内容になっていた。
それぞれの章の中で解決するミステリーも面白く、話の区切りとしても違和感がなかったり、人物の名前が繋がらなかったり、独立した内容の短編集だと思っていた。
1冊の物語は実は繋がっていましたと、はっきり種明かしされる最終章がすごい。
今までの話がどんどん繋がっていき、登場人物達の未来を見ることができたような感動があった。
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最後、気持ちいい~~~!
星と宇宙にまつわる短編集。
最初の2~3作は小学生~高校生が主人公で青春小説のような雰囲気があって、面白いのだけどここで読むのをやめる人もいるかもなという印象だった。
「孤舟よ星の海を征け」で急に毛色が変わって、あと2作はもう怒涛の勢いで読み終えた。
都合がよすぎると感じる部分もあったけれど、読み終わったあと良い気分になれるというか、前向きな気持ちになれる素敵な作品だった。
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加納朋子さん、ちょっとお久し振りの22冊目。
星が出てくるお話が7つ。南の島、山奥のホテル、田舎町の高校、古ぼけたアパートの下宿屋、小惑星に衝突された宇宙船…、色々なシチュエーションの中で語られる話は、最後になって今まで見えていたものがガラリと変わったり、ちょっとした驚きがあったり、隠されていた謎が明かされたりと、どの話もこの作者さんらしい捻りがあって楽しめる。
とりわけ、第3話「箱庭に降る星は」の、完全無欠に見えて泣き落としには弱く、みんなの問題を解決しながら自らは屈託を抱える、そんな副会長の姿が魅力的。第四話「木星荘のヴィーナス」の超絶美女の女子大生・金江さんの天然振りも愛らしい。
加えて、第2話の“オイラ”くんの名前がナイショのままだったり第3話の副会長も最後まで名前で呼ばれることがなかったり(後から読むと、実は一度呼ばれていたのだが)には、これはきっとこの作者さんお得意の構成で、今回もまた関係なさそうな話が最後の話でつながって、彼や彼女の名前もそこで明かされるのだろうなと思いながら、そこも楽しみに読み進む。
そうは言ってもどうつながっていくのか全く分からなかったのだが、最終話「リフトオフ」、そうきたか。これまでの登場した人々がどんな人生を送ってきたかが知れて、ほのぼのとした気持ちで読み終えることができた。
ここでもまた『北極星はいずれ、他の星に変わっていく』が出てきた(第6話)。この本ではこれ以上説明がなかったが、「この夏の星を見る」で教えてもらっていて良かった。
視力検査を丸暗記したエピソードがあった(第2話)が、よしんば丸暗記できたとしても、本当に視力が悪い人はどこを指しているかが見えないので正解を言い当てるのは難しいと思う。
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加納朋子の空をこえて七星のかなたを読みました。
星や宇宙飛行士がテーマの短編集でした。
加納朋子の短編集ではそれぞれの短編で同じ登場人物が活躍するものが多いのですが、この短編集ではバラバラだなあと思いながら読んでいました。
ところが、最後の短編を読んでから、もう一度それぞれの短編を読み直すことになってしまいました。
こんなスーパーレディは実在しないよな、とは思いましたがファンタジーとして楽しみました。
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種明かしはしないほうがよい
星や宇宙にまつわる、7つの短編集。一番最初が良くも悪くも読みやすくライトで、こんな感じで続くのかー、、と思ったが、だんだんとストーリーに引き込まれていった。そしてラスト。これは種明かしはせず、ここまでを楽しく読めた人が読むのが良いと思う。
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短編7話、どうにも話が薄っぺらくて退屈…と思ったけど、帯書き通りの展開になった時一気にその印象は逆転します。こうなるともう終わりよければ全てよし!館シリーズのデトックス笑
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一つの小説でSFから恋愛小説、ラノベ作品まで楽しめるような本。
どんなに無個性に見えても一人一人にしっかり人生があって、それはかけがえないものなんだなと思った。
Posted by ブクログ
話はそれぞれ優しくて切なくてイイなぁとしみじみ読んでましたが、私が少々苦手な…
点と点を線で繋ぐ系で読者を驚かせたいノベル。なのかなぁと…青山美智子氏の雰囲気も似てるかも。
役の名前があまり出てこない上にあちこちに散らばっててうまく合体できない。かと言って読み返すほど興味がもてない。
こういうのは短編の方が私は好きですが、それだときっとこの本の良さは生まれないんですよね。
Posted by ブクログ
最後に怒涛の伏線回収がなるほどね〜となった!
時系列も若干バラつきがあるので、
どことどこが繋がるんだろ〜と
想像しながら読むことが出来た!
少し迷子になりそうなところもあったので、
星3にしたけど、
星が好きな層にはしっかりとハマりそう。
メッセージ性としては
なんだか今自分がやっていることとか、
目指してることとかに対して、
あまり重く考えすぎずに
進んでいくしかないんだなぁと。
絶対的なことはこの世に存在しなくて、
今この時は今しか体験することが出来ないから、
そこをいかに自分の財産として意識し、
経験していくかが大切なんじゃないかと感じた。
なんかこう、
何も責めなくていいんだなぁと思える1冊だった。
キーワードの「星」を通じて、
さまざまな登場人物が緩く奮闘するようすが面白かった。
人気なのは、2章の「星は、すばる」だろうなぁと。
Posted by ブクログ
スラスラと読める短編集。
それぞれの話はつながっているが、時系列がバラバラで、その関係性が後半になるにつれて見えてくる。
深みはあまりないものの、楽しく読める一冊だった。
最後にはこれまで登場した人物が一気に集まるが、相関図などがなくても把握できる内容になっている。
宇宙に行くことで大切な人が帰ってこられるのかという不安はありつつも、最終的にはみんなが幸せで希望がある、綺麗な話だった。