あらすじ
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。寺尾聰主演の映画原作。
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近年の生成AIを利用する中で、記憶の削除という行為が博士の生きる世界に近いのではと感じた。生成AIにとってのコンテキストウィンドウ(文脈の許容量)の限界は、博士にとっての忘却と同じだ。
数学の定理は永続的だが、人は忘れてしまう。だからこそ、思い出そうとするきっかけが尊い。そんな気づきを、この物語は与えてくれた。儚いからこそ、今この瞬間の繋がりを大切にしたいと思える。
数学がこれほどまでに血の通った温かいものに感じられる、稀有な一冊。
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切ないような優しいような言葉に言い表すのが難しいきもち。
ただとても穏やかな気持ちになる作品だった!
博士にとって記憶は関係なく、数学と子供は愛すべき存在なんだなぁ。
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読み終わったあと、まだまだ世界は続くけどパッと広がって音楽が終わるような…なんとも言えない美しい気持ちになった。
博士がなんといっても愛しいし、ルートも母も、最後は義姉も温かくて好き。。
私は算数、数学が嫌いだけど、これをもっと早く読んでたら数字に意味を感じて愛することができたかも…。
初めて聞いた友愛数とか完全数とか、近くに子供がいたら自慢げに話してみたいと企んでいる。
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この言葉にはできない関係を、前に読んだ時には理解できず、なぜこの本が人気でなぜ映像化されたのか分からなかったけど、いまは最後、涙が出るほどよくその温度と切なさがわかる。
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事故で記憶を保てない初老の数学者と家政婦母子が織りなす、数学の魅力に溢れた心温まるストーリー。人間の持つ優しさが最大限に描かれているように感じられる。スマホが無い時代の作品であり、スマホがこの世に無い方が幸せな事や感動することも多いに違いない、とあらためて感じさせられる。
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数学で結ばれる、記憶を保持できない博士と家政婦と息子の温かい日常の日々。
数字は見方を変えて、隠れた法則に気づくことで、有機的で意味のある詞となる。そして、それを愛しそうに教えてくれる博士が好きになった。
まるで自分も4人目として博士と机を並べている気分になる。
博士の日々が幸せで本当に良かった。
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読みやすく、心が温まる作品だと感じた。
博士の置かれている状況は複雑だが、博士自身は純粋で分かりやすい。
それ故に、主人公、ルートへと温かさもまた伝播したのではと思う。
解説では、学問という括りを超えて、数学と文学が結婚したと表現していた。数は無機質なものと思っていたが、素数・友愛数・完全数を博士から教えてもらい、性格を持った人物のように思えた。
となると、数学自体も登場人物がおり、文学と同じ土俵にあるのではと新たな視点を得られた良い作品だったと思います。
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数学はよくわからないから、博士が丁寧に説明してくれるからありがたかった。
220と284は友愛数という、じっくり説明を読み理解して、なんかわからないけど、わぁー素敵と感じた。
✳︎自分自身を除いた約数の和が、互いにもう一方の数になる最小の「友愛数(親和数)」のペア✳︎
博士もルートも家政婦さんも、優しくて、素敵な話。
ずっと心があたたかくなる話でした。
義理のお姉さんは義弟をうとましく思っているのかと思ってたけど、そうではなかったことがわかり、切ない気持ちと、よかったという気持ちが両方。
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算数は分数でズッコケました
ってなことで、小川洋子の『博士の愛した数式』
算数が苦手なわしは数式ってタイトルが入ってると手が震えて手が中々出なかったけど、良い本ってのは知ってたから積読してたけど、丁度出張のお供が少なくなってこの子が待ってましたと、わしをニッコリ見つめている様な感じがして連れ出す事に。
ブルブルと震える手でページを捲るとなんだか優しさが溢れる文面に惹き込まれちゃう。
小川洋子さんはホテルアイリスしか読んでなくて、ちょっと難しいってイメージがあったけど、これは愛に満ち満ちてて、グッとくる良い本じゃったね。
√もええ子じゃし、数字や数式を美しいって感じる感覚を味わってみたくなるね。
確か映画もあったよね❓ それも観てみたい。
躓いた分数からまた算数勉強しようかな
2026年12冊目
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帯に300万人が泣いた!とデカデカと下品に書かれており、なんだこれと思ったのが最初の印象。
見事に覆された。
あまりにも儚くて、脆くて、切なくて美しいお話しだった。それでも確かに存在していた関係に、静かに心を打たれた。
記憶が80分しかもたない博士。
シングルマザーの家政婦と、その息子・ルート。
三人が、数学と阪神を通して、静かに関係を結んでいく物語。
小川洋子さんの描く「数学の美しさ」に心酔していく登場人物たち。そのまなざしや、ふとした仕草に宿る感情の揺らぎ。ものや人の機微を、ここまでやさしく、繊細にすくい取れるのかと、ただ圧倒され続けた。
博士は子どもに対して決して上から教えない。大人の権威を振り翳さない。しゃがんで、同じ目線で、同じ世界に立とうとする。理解させるのではなく、共有しようとする姿勢。だからこそ、数学は教えられるものではなく「一緒に見つける美しさ」になる。
家政婦は物語の中心で光を浴びる存在ではない。名前も最後まで明かされないし、見た目の描写も無い。けれども、博士の繰り返される言葉でさえも大事に受け止め、博士の出題する数学の問いに対し必死に向き合い、美しさに気づいたときの素直な反応が、博士の世界にやわらかな陰影を与えている。その家政婦の純粋なかわいらしさは素敵だなあと思った。
博士、家政婦、ルートの3名の関係は、家族愛、恋慕の愛、友愛でもどちらにも当てはまらないのに、こんなにも美しい関係があるのかと思った。
博士は初めから息子ルートに対してはとっても優しいが、家政婦に対してあまり興味が湧いているように見えない。
しかしながら、家政婦の二度目の雇用でふいに訪れるあの場面。
これまで数学にしか関心がないかのように、常に思索の中にいた博士が、料理をする家政婦の姿をただ静かにじっと見つめている。
そして告げられる。
「君が料理をしている姿が好きなんだ」と。
記憶に残っているはずもないのに。
それでもなお滲み出る想いに触れた瞬間、張りつめていたものがほどけ、涙が溢れた。
理由もわからず、記憶にも残らないのに、ただ見惚れてしまういう。その純度の高さに、少し怖くなるほどだった。
一つ、物語の中で好きな表現として、「犯したミスの小ささと博士の背負ってる罪の重さがいかに不釣り合いか」とあった。測れないものを無理やり測ろうとする美しさと怖さ。人の認知の難しさ。
そして最後。理由は説明できないが、ただ涙が溢れた。理解されなくてもいい、覚えていなくてもいい。ただその瞬間、寄り添えたことに意味があるのか。
また藤原正彦さんの解説も素晴らしく、物語に深みを更に感じさせるのである。是非皆様一読あれ。
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とても気持ちの良い終わり方だった。言い方がうまく見つからないけれど、余分な涙を流す必要がなかった。
本名や、未亡人と何があったのか明かされないところなどからも、この物語はこの厚みで、この文字数で100%なんだなって勝手に感じた。愛情、寛容、数学の面白さ、など、たくさんの喜びを感じる読書体験でした。
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子供の頃に何度も何度も読んだ本。人生で1番読んだ回数が多い本かもしれない。当時はこれが「名著」であることなんて分かっていなかった。
受験勉強やら、就職やらで読書から離れた期間があり、それでも教師という私の職業柄、本の素晴らしさに再度気付くことができた。そんなこんなで、しばらく色んな本を読み漁っていたが、この本は何度も読んだことがあったので、法律上大人になってからは一度も読んでいなかった。ここまで自分も成長(?)してきているのだから、なぜ昔の自分があんなに魅了されていたのか分析くらいできるようになっているだろうと思って、現在に至る。
読んでみた。
魅了されすぎて分析する余地もなかった。
なぜこの本はこんなに自分を魅了するのだろう。
次こそは冷静に読めるといいなあ。
Posted by ブクログ
阪神ファン必読。作中に出てくる選手の中で、現役時代を知らない選手もいるものの、作中に阪神の話がたくさん出てくるので特に興味を持って読むことができた。逆に言うと、私は学生時代数学に苦手意識を持っていた。そんな私でも、数学というものの面白さの一端を垣間見ることができた。映画の宣伝などで「80分しか記憶の持たない博士」の要素が強調されていたが、それはこの温かい話のための一要素であり、親子とこの博士の数学を通じての温かいやりとりに心がほっこりするそんな話だった。決して悲しい話でなかったのが良かった。
Posted by ブクログ
80分で記憶が消えるのは、良くも悪くもあるんだなと感じた。
物語の最初から見える、ルートの人の気持ちを汲み取る能力は10歳なのにすごいものだと思った。
記憶を思い出すために付箋を貼る動作をする、合間合間に博士が同じことを尋ねる描写を入れるなど細かいところまで書かれてて情景が浮かびやすかった。
Posted by ブクログ
言わずと知れた名著。
どうやったら文にこれだけの温もりと包容力を
持たせられるのか。
ほんとうに場面としては何でもないところで
涙が出てくる。
『ルート記号の中に数字をはめ込むとどんな魔法が掛かるか、三人で試した日のことはよく覚えている。四月に入って間もない頃、雨の降る夕方だった。』
たったの2文で数字と記号の世界から、
緑の芽吹く色彩の世界へとつなっていく。
この文章を日本語で読めることが幸せ。
心温まる
言わずと知れた名作。
不器用ながら愛に溢れた博士と親子の交流に、心が温かくなります。
博士の過去などを詳しく描かず、匂わせる程度なのも良かったです。
最高の出会い
主人公とルートにとって、博士はかけがえのない存在になっていく過程にほのぼのした気持ちにさせられました。毎日、会うたびに博士は二人のことは覚えていなかったけれど、丁寧に接する博士は温かい心の持ち主なんだなあ。ルートはのびのびと成長したことが窺われ、安心しました。博士と出会っていなかったら、別の人生を歩んでいたでしょう。博士に会えて良かったね。
数学が1番好きなのですごく刺さりした。
数学を入れ込むとどうしても論理的で冷たくなりがちですがこの作品は心が温まる作品です。引き続き数学を勉強したいと思います笑
ずっと気になっていた作品
かなり前から存在は知っていたのですが、なるほどこういうお話だったんですね。
博士と、男の子とそのお母さんと、3人が共に関わり合い成長していく姿に感動しました。
美しい数式
いろいろな数式や定理について調べながら読みました(結構大変)。
記憶が80分しかもたない博士を中心とした心温まる話に感動しました。
良い本に出会いました。
日向坂46の小坂菜緒さんが推していたので読んでみたのですが感動しました
スラスラと読みやすく、情景が頭をよぎります。
昭和生まれの私にはどこか懐かしさを感じる部分もありました。
やさしい
数字を、数式を、数学を美しいと初めて感じられた。私は終始ゆったりとした空気感を感じながら読みすすみましたが、読み終わるのはあっという間でした。
匿名
作者は数学の美しさに対して、心をひかれていて、それを博士を通して表現しています。
博士と家政婦とその子供との交流はとても暖かいものを感じます。
博士は長時間記憶を保つことができません。それは、異形なものであり、そのような不具者を描くところに作者の真骨頂があります。
この作品では不具者を描いてもグロテスクにはならず、それが一般受けしたのだと思います。
Posted by ブクログ
記憶ではなく、数字に対する敬愛とルートに注ぐ愛情が結びつけた素敵な物語だった。
博士にとって目の前の数字と子供は、記憶がなくても常に変わらない、普遍的な愛情の対象だったのだろう。
Posted by ブクログ
記憶が持たない博士と家政婦とその息子の話。
数学と阪神タイガースで繋がった3人は家族ではないが、優しい愛に包まれていた。
純粋なルート君や、2人から貰ったカードをぶら下げている博士が可愛かった。
最後にはその数学に魅せられたルート君が数学の教師になったのも良かった。
江夏の背番号が完全数であるというのがこの物語をより一層面白くしているテーマである気がした。
Posted by ブクログ
まぁ、そこそこ読んで良かったかなと思った。禅問答のような形で少年が1日で記憶を失ってしまうおじいさんと対話する形式だったはず。内容は本質的だが文体は平易だったので自分に子供ができたらそこはかとなく勧めたい。
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どんな時も変わらない愛ほど素敵なものはないんだなと思いました。博士の、謙虚なところや、自分がどう行動するべきかをしっかり理解しているところ、尊敬します。
Posted by ブクログ
読み終わった時の心地良い余韻に心が満たされていく
角ばっていた氷がゆっくりと丸みを帯び愛おしい姿に変わる、そんなストーリー
登場人物は多くない
博士 数字をこよなく愛する80分しか記憶出来ない老人
家政婦
ルート
未亡人
江夏豊
数字
読み終わる直前まで1日ずつゆっくりと進むが、ラストはその遅れを取り戻すかのように年月が進む
終わらないで欲しい気持ちと結末を知りたい気持ちが入り交じり、寂しさと温かさに包まれていく。
Posted by ブクログ
博士と家政婦の「私」、その息子「ルート」との交流を描く作品。博士の記憶は80分しか持たないから、彼とのコミュニケーションはメモなどを駆使しつつも毎度振り出しに戻らざるを得ない。それでも阪神タイガースと数学を拠り所に交流を深め家族愛のような愛を深めていく。数学の美しさに息を呑み、掛け値も下心もない無償の愛に泣ける。こんなに人にやさしくなりたい。
Posted by ブクログ
映画を先に見て知り、面白かったので購入。
数学の知識が無くても読みやすく、初めて数学に対して『美しい』という感情を抱いた本。
“80分しか記憶が持続しない博士”と数学を通して人との繋がりを作っていく、温もりある作品√
Posted by ブクログ
息子へ)
本屋大賞第1回目の大賞受賞作品。
80分しか記憶が持たない数学者と、家政婦とその息子の話。息子の年齢は、ちょうど今の君と同じくらいで、10歳。この点でも、お父さんは感情移入して、本書を読んだ。
ほのぼのした中に、サスペンス的要素、家族とはを考えさせれるヒューマンドラマ要素の入った小説。
結末がシンプルに終わったところが少し残念だったが、十分楽しめた読み物だった。
本って素晴らしい、小説ってすばらしい、本屋大賞対象受賞作は信頼できるっっ、といった感想だ。
本屋大賞受賞作品としては2作目。
本屋大賞は2004年から始まったから、既に10冊は出ている。しばらく本屋大賞を楽しもうとおもう。
(お父さんの本の買い方)
BOOK・OFF \105円
(読め、もしくは、読むな)
読め!
(君が・・・歳のころに)
中学生くらいから読めるだろう。。。
Posted by ブクログ
数学に詳しくないけれど、数学って素敵だな、学び直してみたいなと思った。
記憶喪失ってどんな感じなのだろうか?と想像してみたがわからない。
主人公よりも、博士に一番身近にいた人が一番苦しかったのではないかと思う。
Posted by ブクログ
80分しか記憶が持たない博士と母子家庭の母親、息子とのささやかな心の交流が静かに心に染み渡る名作。特に意外性のある展開や事件が起きるわけではないので安心して読めるのも良い。
自分の弱さに向き合いながらも他者に貢献することで生まれる幸せがあることを実感させてくれた。
匿名
あたたかいの一言
博士の切なさと家政婦さんのあたたかさを感じられるお話。読み終わった後に温かくなりたい人はこの本を読むべき。読み終わりまでルートと書いているところが個人的に好きだった。
Posted by ブクログ
フェルマーとかオイラーとか専門的な数式や公式、さらには阪神の話も出てきて、難しくて読みにくい箇所はあった。
ただ、常に謙虚な博士には好感がもてたし、そんな博士をいつまでも大切に思い支え続けたルートくんも、いい子に育ったなと感心した。
Posted by ブクログ
記憶が80分しかもたない博士をお世話する家政婦の私、その息子のルートの日常を描いた話。途中から数式が難しくて少し読みにくかった。でも、博士たちの日常は温かくていいなと思った。
Posted by ブクログ
数学の面白さと博士がルートに向ける気持ちの深さを愛おしく感じながら読めた
記憶が保てる時間の中で、いかに自分の過ごしてきた日々を繋ぎ止められるかを考えさせられた
Posted by ブクログ
どれだけ大切で愛おしい記憶や思い出でさえ限られた時間の中で消えゆいてしまう儚さと博士の苦悩が痛いほど伝わってきた。しかしながら、3人が築きあげた関係性、温かい時間は博士の心からも、√そして母の記憶からも決して消えることなく生涯残り続けるのだろうと思う。