小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレこれはまた凄い小説を読んでしまった。YouTubeで「絶対に読んで欲しい作品」として紹介されていたので、なんとなく書店で買ってみたところが大当たり。しかもほとんど前知識がない状態で読めたので感動もひとしお。
しかし好き嫌いが分かれる作品だとは思う。私はS君が蜘蛛に生まれ変わるところもすんなり受け入れられたので、本当のところはどうなのか、というミステリー的な展開を純粋に楽しむ事ができた。冒頭の「ラテックスのつくり物のようにすべすべした、あのお腹」「あの綺麗な丸い眼」という表現から、ミカは爬虫類ではないかと考えていたが、まあ当たりという事にしておこう。お母さんがやたら可愛がってお化粧してあげたりしているミカは何なのか、という疑問に対する答えは、ちょっと普通すぎた気がするが。
実際の自分を受け入れられずに、都合よく作った物語の中を生きている、というのは自分も感じていた事だけれど、こんなに面白く上手に表現出来るなんて凄い!と素直に感動した夜でありました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼氏に捨てられて、声の出なくなった倫子は、仲の悪いおかんのところにもどり、予約制の食堂を始める。出てくる料理はどれも馴染みはないけど、文章を読んでいるだけでおいしそうでほっこりした。
この食堂の料理を食べると願いが叶うと言われ始めるが、それはひとえに倫子の心遣い、真摯に食材に向き合う姿勢のおかげだと思う。
登場人物がみんな親切で温かくて、幸せな気持ちになった。
おかんが急に結婚することになり、そしてなんと余命が近いことを知らされ、おかんのペットのブタちゃんを解体して、披露宴の料理に倫子が変えていく。
おかんが死んだあと、いつも12時に12回鳴く不思議なフクロウ爺が鳴かなくなる。まさかと思って屋根裏を見ると、そこにはフクロウの目覚まし時計と、おかんからの手紙が。
手紙にはおかんからの初めての娘への愛がつづられていた。不倫の子だから倫子、ではなかったことも明かされ、倫子はまた食堂を再開する。
料理がつなぐ人間関係が、丁寧な暮らしのなかにそっと仕込まれて、すごく満足感があったので、珍しく星5にしましたよん。
倫子が幸せになるといいな!!
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Posted by ブクログ
見返りを求めないスタンスでいたはずで、だからずるいとか悔しいとか寂しいとか思っちゃダメで、でも思っちゃう自分を卑しく感じて…本当に恋をした人の心の行ったり来たりがなんてリアルなんだ。触れたい、抱きたいって言葉が淫靡さを保ったまま切なく使われる感じがたまりません。また写真ってのが憎い。美しいその一瞬を切り取って残し続ける残酷さ!
30ほども離れた歳の差の傍から見たら歪なひとつの恋愛だけど、本当に恋をしたことがあれば誰もが藤子に共感してしまうような
恋をする前の自分にはもう戻れない、と言うけどきっとそれは成長のひとつと分類してもいいんじゃないかな。新しい感情を獲得したことを喜んであげたいなと。
千早さんの言葉の選び方が好き。
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