小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
すごく良かった。一気に読んでしまった。
”残酷でなかったとは言わないし、とても言えない。だが、ぼくはその残酷さを見据えながら、肉を食べていきたいと思っている。”
狩る者、調理する者、そして食う者として、命をいただいているということを忘れてはいけないのだと気づかされた。すっかり忘れていた自分が恐ろしい。
そして何より近藤さんの料理の表現がページを進めさせる。私もヒヨドリを食べてみたい。
命の大切さだけでなく、大高や潮田の人生における様々な考えが詰まっている気がした。
ビストロ・パ・マル シリーズといい、章題をみてワクワクしてから本編を読むのがとても楽しい。 -
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★5 その日、その場所で何があったのか… 在日朝鮮人帰還事業の現実を綴る社会派小説 #地上の楽園
■あらすじ
戦後、高度成長期になる前の大阪。在日朝鮮人の学生である孔仁学は、同級生から日常的に差別を受けていた。友人の玄勇太は優しく頼りになる男であったが、素行が悪く将来の見通しは暗い。
そんな貧しく耐えがたい日々に思い悩んでいた仁学は、ある一冊の本に出会う――寺尾五郎『38度線の北』 そこには、祖国北朝鮮が「地上の楽園」として紹介されており…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 もう何も言うことがありません、読んでおくべき作品です。
これまで報道では聞いたことがあったし、たくさん記事も読 -
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初めてのダンブラウンの作品。
映画を観ているような疾走感。ほんの数時間の出来事と信じられない。
ダビンチコードは映画で観た。ただ、家事しながら片手間で観たせいで全然わからなかった。これは片手間で観るものじゃないと悟った。
鈴木保奈美さんの読書番組でこの本を取り上げられて、ゲストの池上彰さんや翻訳者の方、鈴木保奈美さん達の熱弁を聞いていると読みたくなった。
きっと、この人の話は映画より意識を飛ばさずに済む本の方が良さそうだ。
翻訳者に、長いから翻訳大変じゃないですか?と誰かが質問すると、長いけど面白いから大変じゃないと。期待値が膨らむ一方。
そして、ダンブラウンご本人のVTRによるメッセージ。な -
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田山花袋といえば『蒲団』、と思う人が大半であろう。代表的な自然主義作家の一人として、人間の内なる醜悪さを化学の客観的精神でもって描き出した作家、教科書通りに彼を紹介するのであればこんな説明になる。しかし、彼は西洋的な自然主義的文学よりも紀行文やルポルタージュを多く執筆していた上、それらの作品の方が遥かに完成度が高いことはあまり一般に知られていない。
田山花袋における「自然」とは、人間に向けられたものではなかったと私には思えてならない。紀行文は勿論、初期の傑作『重右衛門の最後』における凛として瑞々しい自然描写のなんと美しいことか。彼の筆にかかると、山川の姿は誰も足を踏み入れていない純な雪景色の -
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面白かったです。
「近畿地方のある場所について」や「変な家」を変化球と例えるなら、本作はど直球のホラー小説。最近はモキュメンタリーとか「口に関するアンケート」なような変化球系がトレンドになっているだけに、こういう王道ホラーは逆に新鮮で楽しめた。
表題作からわかるように、本作は「夢」にまつわる怪異が登場する。
おそらく現実世界に100%満足している人なんていない。それどころか、ほとんどの人が現状に不満をもっていて、「つらい現実」てはない、いうならばifの世界に思いを馳せたことは誰だってあると思う。今回の怪異はそんな人間の心の弱さにつけこみ、人を襲う。
良かった点はたくさんあるけれど、まず一 -
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面白かった。
静かな、暗くはない、淡々とした文章が続く。けど、それが心地よく、読んでて癒された。
孤独は必要なもの、大切なもの、人それぞれが持ってて、それを抱えていくことを前提として生きていかないといけないもの。最近、孤独ってことについてあまり考えてなかったなと思う。忘れてた。意識してなかった。でも、普通にとても大切なことだと思い返す。
登場人物が5人くらい出てくるだけど、みんな相手に深入りをしない。それは、実際には、現実には、押しが弱いとか、逃げてるとか、相手のためじゃないとか言われがちだけど、それが肯定的に書かれてて、そういう人たちじゃないと、作れない世界もあるよね。それを否定されるの