あらすじ
『雪女』、『ろくろ首』、『耳なし芳一』などの海外でもよく知られる怪談文学の誕生には、著者の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)だけではなく、その妻の小泉セツが、大きな役割を果たしたと言われています。
没落した武士の娘セツと両親に見放され欧米をさまよったハーン。言葉の通じなかったふたりが出会い、心を通わせ、「怪談」を誕生させました。
苦しくてもあきらめなかったふたりの生き方に、誕生のひみつがあります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
令和7年後期朝ドラ『ばけばけ』に寄せて、児童向けの小泉八雲とセツ夫人の伝記を。
朝ドラと同じような内容もあるし、児童書のため読みやすいです。
朝ドラではラフカディオ・ハーンは「レフカダ・ヘブン」という名前になっていますが、ラフカディオはレフカダの英語読みで、レフカダは彼が生まれたギリシャのレフカダ島で、ギリシャ語で「彷徨う」という意味。
「ヘブン」は、日本でハーンが「ヘルン先生」と呼ばれたからかな。
❐セツ
明治時代になり没落した武士家庭。実の両親は小泉家だが、親戚の稲垣家の養女になった。父の事業失敗により学校に通えなくなる。もともと女子で教育を受けられるのはごく一部の優秀な者だけだった。セツは実の親小泉家の機織り会社で働く。セツは織り上げた布の一部を「見本」にして注文を取って織るやり方で効率よく働いたそうです!
最初の結婚は、あまりの貧乏にお婿さんが逃げ出して終了。(朝ドラのように美しい話ではない。)
❐ラフカディオ・ハーン
アイルランド人父とギリシャ人母の間でギリシャのレフカダ島で生まれた。父の出身地ダブリンに移るが、母はギリシャに戻ったことで別れる。父も家を出て再婚した。幼少期から要請やお化けの話を信じていたが、育ての伯母はその傾向を嫌っていた。その伯母は財産を無くし、単身アメリカに渡る。
身一つで働くが、最初の結婚相手が白人農場主と黒人奴隷との間の有色人種だったため社会からのけ者にされて、結局離婚。
フランス領インド諸島のマルティニーク島に移動、その後日本に来る。
父親代わりのワトキンさんからはワタリガラスを意味する「レイブン」と渾名された。
日本では「ヘルン先生」と呼ばれた。
セツはハーンの女中から心が通じ合って結婚(初めは事実婚)。
・小泉八雲という名前はセツの生家の小泉と「八雲立つ…」の和歌から八雲を取った。
・二人は、英語でも日本語でもなく二人だけに通じ合った日本語と英語を混ぜ合わせたような言葉で話した。
・ハーンはセツに怪談を読むのではなく「あなたの話、あなたの言葉、あなたの考え」で語ることを欲した。
・ハーンが怪談(Kwaidanくわいだん)をまとめるにあたっての物語性の工夫や日本語表現の英語訳はどのようにしたか
・ハーンが気に入った日本らしい日本とは?
・夫の死後、セツに歴史家の三成重敬がハーンとの思い出の書を勧めた。(作者の三成清香はご親族?)
背景の違う二人が出会って心を通じあわせて、二人だけの言葉を作って、家庭を作って、それが日本滞在記や日本の怪談を再話した「怪談」になった。
朝ドラファンにも、日本文学に興味のある人にも読みやすい本です。
Posted by ブクログ
朝ドラ「ばけばけ」が楽しいので。中高生にとってわかりやすいレベルで書かれている=初学者の大人が読むのにちょうど良くもある。
ドラマで語られた怪談が登場すると嬉しい。
セツさんの生涯は決して派手ではなく、日々の生活を丁寧に生きていくことの延長に、『怪談』の誕生があったように思えた。
Posted by ブクログ
ラフカディオ・ハーンさん、小泉セツさん、それぞれの人生は平坦ではありませんでした。その2人の馴れ初めが語られていきます。
コミュニケーションをとる上での、言葉の困難さを乗り越え、会話のやりとりの中で物語が成立していく過程が、ほほえましく描かれていました。
セツさんがいたからこそ、たくさんの物語が生まれたのだなあ。
妻のセツさんがイギリス人になるのではなく、ハーン自身が日本人になって家族を支えることを決意したエピソード。ハーンの心の温かさが伝わり感動しました。小泉八雲という名前が以前よりも、尊く感じます。
幸せな結婚生活は13年間でした。2人の純粋な心と夫婦愛に感情移入してしまい、涙がとまりませんでした。
以下、余談です。
先日、アイルランド在住のアメリカ人の友人からメールがきました。ラフカディオ・ハーン庭園を訪れたとのことで、写真が添付されていました。庭園説明のレリーフには、“The Great Interpreter of Japan 世界に日本を紹介した第一人者として”とありました。ラフカディオ・ハーンの名前より、小泉八雲の名前が上に刻印されていたこと、とても嬉しく思いました。
小泉八雲は、日本を心から愛していました。『怪談』も読み直したいですし、他の著作も読んで理解を深めたいです。小泉セツさんのことを思い浮かべながら。
Posted by ブクログ
一目見た時から気になって!
初めてお二人のことを知りました!
英語好きとしては、セツさんの学習法が興味深かった!
今回新しくお二人のことが知れてよかったです!
あと子どもの時に知った怪談を
改めて読んで薄れていた物語を思い出せたのも良き!
みんなにもぜひおすすめしたい(^^)