小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて何回でも読み直したいと思った一冊。
マニュアル通りに生きていると、考えることをやめてしまう…新たな人間関係を築くことに億劫になり、自分の殻に閉じこもり続けてしまうと、内に内に一つの価値観に縛られ続けて、新しいものの見方ができなくなってしまう気がします。
学生の時は、毎日同じひとと授業を受けないといけなくて、関わりをやめたくてもやめられなかった。大人になってからは、自分が付き合いたい人とだけ付き合うことができるようになった。
他人と関わらないという選択ができるようになったのと同時に、関わりたい人を選ぶこともできるようになったんだなと気付かされました。
ひとりが怖くてたくさんの友達を作るよりも、ひとりでも大丈夫と思えるような大事なものに出会う方が大切…本当にそう思います。
社会人になって友達が少ないことに悩むことが多かったけれど、人間関係を前向きに捉えられるようになりました。
-
Posted by ブクログ
本棚にいて欲しい本が、また一冊増えた。
なんとも言えぬ空気感が、ただそこにあるふたりの温度感が、ひたすらに心地良い一冊だった。
劇的な"なにか"があるわけではない、けれど、すごく心が揺さぶられる瞬間が何度もあった。
春夏秋冬、四季ごとに一度会うだけの、一緒に旅をするだけの人。
普通、ではない、でもお互いにとっての普通が、普遍が、希望が、切望が、静かに流れていた気がする。
『ふたりの窓の外』というように、窓の外に見つめる物が、情景が、だんだんと少しずつ近づいていく様子が、丁寧に描かれているのが嬉しくも歯痒く、もどかしく美しい。
これからきっと、四季だったものが月になり日になり、一生になっていくんだろうふたりが、ページを進めるたびに愛おしくなった。 -
Posted by ブクログ
『マリエ』を手に取ったのは、「離婚って、幸せになるための選択なんじゃない?」という一文を見かけたことがきっかけだった。ちょうど大切な人と別れ話の最中で、私自身「別れること=悲しいこと、不幸なこと」だと思い込んでいた。だからこそ、離婚というさらに先のフェーズさえも「幸せになるための選択」になり得るのかと気になり、ページをめくった。
物語の中で特に私の胸に刺さったのは、「私の幸も不幸も私が決める」という一節。
作中でマリエは、孤独死した昔の知り合いが周囲から勝手に「不幸だった」と決めつけられることや、自分が離婚したときに「大変だったね」と同情されることに、世間一般の考えと自分の感覚のズレ、そして「気持ちの悪さ」を覚える。その違和感からこぼれ落ちたこの言葉は、今の私の状況と痛いほど重なった。
私自身、周りから否定されて、決して手放しで応援されるわけではない状態にいる。世間の物差しから外れていると言われるたびに、これでいいのかと不安になり、つらさを感じていた。けれど、マリエのこの言葉に触れ、「幸も不幸も、他人が決めることじゃない。私が決めるんだ」と思えたとき、縮こまっていた自分の心をようやく許せたような気がした。周りに何を言われようと、私は自分の決めた選択を積み重ねる人生にしたい。そう強く背中を押された。
その一方で、作中で描かれる結婚や恋愛、条件をめぐる人間模様には、正直なんとも言えない複雑な気持ちになった。誰もが自分の心のよりどころを必死に探していて、その姿を見ていると「人間って、どこか生々しくて汚いな」とも感じてしまう。
それでも私は、心のどこかで「世間一般の考えのように、結婚して、子供を産んで、温かい家庭を築くことで幸せになりたい」という願いを捨てきれずにいる。打算や綺麗事だけでは語れない人間の弱さやずるさを突きつけられながらも、それでも自分がどういう幸せを掴みたいのかを、改めて考えさせられた。
世間が描く「正解」のレールから外れたとしても、あるいは王道の幸せを願うとしても、最終的に自分が選んだ道を「幸せだった」と言えるかどうか。それこそが人生において一番大切なことなのだと、『マリエ』は教えてくれた。誰かのためでも、世間体のためでもなく、自分の手で幸も不幸も選り取っていく。そんな覚悟を胸に、これからも自分の人生のハンドルを握りしめていきたいと思う。 -
Posted by ブクログ
購入したのは数年前だけどこれまで積読しててなんの気無しに読み始めたらちょうど主人公が同い年でびっくりした。
これはこれはこれは読みながらもう
ぐーるぐる思考がというよりも目が回ってきた
全くもって自分の話ではないのに、
自分の話として読んでしまいまた目回る、、、
「自転」はまさに自分の悩みとか選択とかそういう??
「公転」は社会というか、仕事というか、環境の部分?
本当に本当に毎日忙しなく回っています。
もう年齢も年齢。たくさんたくさん考えてる。
たくさん考えてたくさん話して、それでも分からないからずっと考えてる。
自分の将来のこと、仕事、親のこと、家族のこと。
これからのお金のこと、生き方のこと、恋愛のこと。
人間は本当に考えることがたくさんありますね。
「連帯」という言葉はハッ!!!とした
これは、まさに今読んで良かったな〜〜いう作品だった!!
あと内容とは別に、仕掛けというか…冒頭とラストの書き方もなるほど!!となって面白かったです。
解説でちょっと涙出てきた。山本文緒さん、もっと色々な作品を読みたい作家さんだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
21章からはじまる。
七瀬「小石が犯人でしょう」
3人を殺した?
20章
士郎さん、亡くなってる。
七瀬、なぜ小石がここにいるのか訝る。
19章
ペットビデオで家を確認してみると、小石が。
18章
3人目の被害者。
烏丸の胸から願依の胸へと伸びる矢印が、烏丸の動きに合わせて揺れた。
願依の胸からは、矢印は伸びていない。だが、言葉の端々から烏丸への信頼の片鱗を感じた。
芥川士郎というメッセージ。
第一の事件──東野瑞希。 第二の事件──青山馨。 そして、七瀬の推測通り、第三の事件は島田千尋が狙われた。 全て、士郎から聞き出した、あの会食のメンバー。
17章
願依は絞り出すような声で、告げた。 「昨日、三人目の被害者が出ました」
16章
MGコンサルティング社の女性社員をターゲットにした、連続傷害事件。
15章
七瀬が刺された。
七瀬もMGコンサルティングの社員だ。第三の被害者ということになる。
場所は、小石が気を失っていた公園。
蓮杖は別の質問をぶつけてみることにした。 「小石さんは、竜児さんが犯人だって、思いますか」 「どうだろうね。家を抜け出した日と襲撃の日付が重なってて、同じ会社の社員で、ってなると怪しくは見えるかもね。断定はできないけど」
14章
蓮杖、小石の家で小石を介抱。
なぜ、公園に放置されていたのか。
小石は記憶にない。
七瀬が刺された。
13章
小石、蓮杖の胸から自分に恋の→が向いている。
気づいたら、公園のベンチ。
小石の胸からも蓮杖に向いている。あれから、意識しまくってしまう。
12章
目出し帽を被った男。ナイフ。
七瀬が腕に怪我。
それを見て、小石は気絶。
11章
七瀬は一応周囲に誰もいないことを確認して、色恋案件の依頼人──雫に発信した。
「一回失敗しちゃってるのに、申し訳ないんだけど……今日の調査、一晩だけ休ませてほしい。どうしても今日の夜に、しなきゃいけないことがあって」 『いや、急にどうしたん』雫が訝しげに言う。『そりゃ、私だってきつい依頼してるな、ってのは分かってるけど。七瀬以外のメンバーに交代して、やってよ』 「私以外のメンバーも含めて、時間が必要で。今日だけ、自力で竜児さん見張ってくれない?」
10章
「被害者は古賀澄花ちゃんっていう、私の一つ下の後輩なんだけど。昨日の晩に、会社近くの道端で切りつけられて、左腕に傷負ったらしくて」
一人目と同じく、『女のくせに』と言っていた。
昇進した若手女性社員を狙っている?
9章
七瀬は結婚して、元の黒井という苗字から、芥川という苗字に変わっている。 「芥川って言いづらいでしょ。言う度に文豪の顔がちらつくし」 「別にちらつかないですし、ちらついてもいいでしょ」 「だめだよ。例えば私が夫の愚痴言って、蓮杖が共感してくれて、ああ嬉しいなって思ったとして。実は蓮杖の頭には文豪の顔がちらついてて話にまったく集中できてなくて生返事だった、みたいなことが起きたら、すごく嫌だもん」
「取りあえず、呼び方の件は分かりました、下の名前で呼びます。ああ、でも教えたとおり、尾行中は符帳で呼びますから。僕は上田で、七瀬さんは……矢部で」
高校生、佐藤澪。前の依頼で知り合った。
芥川七瀬、本業が休職中は調査員。
第8章
七瀬、調査員に申し込みにくる。
蓮杖と昔、付き合ってた。かつては、七瀬が浮気して別れた。
小石は推理案件。
蓮杖と七瀬とは別案件。
7章
七瀬、九吾の姉。
七瀬、旦那の士郎とは離婚したいと伝えている。
6章
小石の妹、願依。
烏丸、記者。烏丸の胸からは願依への恋の→は見えているが、逆はない。
願依、連続毒殺事件を調査している。姉ちゃん、助けて。
5章
願依、両親が離婚後、父の方の苗字。小石は母の方の苗字。
願依、烏丸とはセックスしない。
蓮杖と小石も告白的なことはしたが、変わらない関係を続けている。
4章
九吾、面接。小石探偵事務所に。
黒井九吾。
手を怪我している。
3章
小石「何の知り合い?」
蓮杖「友達の弟」
2章
依頼人、伊堂雫。三十一歳。夫の不倫調査を希望。
「わたしの見立てだと、旦那さん……竜児さんは、たぶん不倫してるね」
矢印は、二本出てた。行為の有無は分かんないけど、浮気は確定。先月から変わってなければね。
雫の胸には何も→が伸びてない。
22章
蓮杖「僕は小石さんが犯人だとは、最初からずっと、一片も思ってないです」
→まー、読者も絶対シロだとは思っているな。。
「まず、一人目……東野さんの件ですが、願依ちゃんも、小石さんも──東野瑞希さんが亡くなったのが、今年の十一月二十日とは言ってないんです」
「東野さんが殺されたのは、たとえば去年──二〇二四年の十一月二十日の可能性もある」
「そっちも、一年前かもって?」 「いえ、こっちは願依ちゃんが説明する際、前日のことである旨が言及されていたので、一年前ということはありえません」 「だったら、日時は確定でしょ。願依は確かに、十二月三日の夜、二十時ごろに青山馨さんの遺体が発見されたって、言ってた。毎日電話してるのに出ないから、義理の母に確かめさせたって……そのタイミングで小石は、調査を急に休んでた。一致してるよ」 「その話は、あくまで配偶者の日向さんの視点での話です。十二月三日の二十時ごろというのも、日向さん主観での日時でしかない」 「主観での日時ってなに。実際の日時と何が違うの?」 あからさまに苛立つ七瀬に、 「日向さんがもし、海外に住んでいたとしたら。
三番目の被害者、島田千尋は男性。シャツを引きちぎって、左手にボタンがあったということから推理。
小石が銭湯で毒を飲ませるのは不可能。
東野瑞希、青山肇も男性。
中村真奈さん、古賀澄香さんの傷害事件、七瀬が犯人。
狙われているのはマネージャーにあがった女性。犯人は男性の声で喋っていた。
というのは七瀬から聞いたこと。それらが嘘。
七瀬が襲われたのは自演。協力者に依頼して傷つけてもらった。
竜児、あやしかったが犯人ではなかった。中村真奈さん、古賀澄香さんとは不倫。
士郎、生きてた。
1章
九吾、七瀬に指折られた。
九吾が七瀬のタブレットで旦那を殺害しようとしているのに気付いた。
小石、架空の連続殺人をでっちあげる。その最後の被害者が士郎。
23章
かつて、七瀬、蓮杖の心が自分から離れてしまっているのに気付いた。だから、他の男ども寝たことにして別れた。蓮杖がショックを受けていたら、それで自分を求めていたことがわかるから。
だから、結婚もした。
プロローグ
蓮杖との恋の→、消えてしまうのが怖い。
小石は今までの関係を続けることを選択。
エピローグ
小石「ここ10日間くらいで蓮杖くんに起きた、恋愛感情絡みの嫌なこと、怖いこと、傷ついたこと……今から言う言葉で全文上書きしてほしい」
わたしね、蓮杖くんのことが好きみたい。
→全体的に満足。前作を超えたかというと、そうでもないが、続編のハードルは超えた。
前作と違った意味で読みにくさはあるが、逆行小説なので。ジェフリー・ディーバーのオクトーバーリストみたいな感じ。ただし、完全な逆行小説ではないのが、作者都合が見えてしまって残念。そこをもうちょっとうまく完全な逆行にしてほしかったところ(無理な注文か)。
また、調査員が犯人なのかとも思ったが(前作は調査員プラスアルファはあったが)、シリーズものでは身内が犯人なのはありがちか? でも、蓮杖はあんなサイコパスとかつて付き合ってたのか?と疑問も持ってしまうが。。
表紙は、前作よりいいかな。小石が前作よりかわいいので。
特典のss
不幸中の幸い
財布忘れの話。
-
Posted by ブクログ
こちらも娘がおすすめ? していたので読んだ。
相変わらず娘のチョイスは面白い。
ほんで、たしかにこれは他者におすすめする。
おすすめはするけど、…まあなんやろう…、エッジはきいてるかもしれん…。
小説を書く、ものを感じるということを物理的に書いた本、て感じかもしれへん。
感動するということは、いうたら他者や物事に心を動かされること、と、わたしは認識してるけど、それをフワァというのではなくて、
こうでこうでこうなったから気持ちが動く
みたいなことを説明するというか…。
いや、説明ではないな…。
追体験はまったくできない。
わたしは小説を読むとき、登場人物に自分の何かしらを投入して読むほうやけど、著者の小説は究極の俯瞰と思う。
自分が感じる気持ちさえ俯瞰で説明してくるから、面白いねんな。
で、たぶん娘はそういうところがささるんやろう。たぶん。
大人(?)より若い子のほうがささるかもなあ。
これをいうとかなり語弊があるかもしれへんけど、わたしらが子どものころの児童文学がこういう雰囲気やったような…。 -
Posted by ブクログ
おいしいものを目で楽しみたく、かつ、生活を整えたい…(が、だらついている…)と、自分に後ろめたいときに読む本。笑。どういう本よ。
相変わらず面白かった!最高です。
たぶん、わたしは著者に、等身大の生き方でも自分に誠実であれば整っているよと言うてもらえるんやと思う。
いやそんなん当たり前やろやけど、いやいや、この情報化社会…。
お豆腐メンタルなわたしは
「50才ならこのくらいのことはできとかなあかんのちゃうか…」
「未来のためにこんなことを備えておかんとあかんのちゃうか…」
とか、思ってまうねんな。
ちゅうか若いころからずっとそう思ってる気がするけど(笑)。
でも、著者の本を読むと、
「それはそうやけどまずは目の前のことを丁寧に、愛情をもってすごそうや」
て、思える。
著者はそれを
「食」
を、通して語ってくれるから、食べるのが大好きなわたしにはさらにささるんやろうな。
ちなみに、秋川氏もそういうところがある。
他者に見せられるようなきちんとした生活をしていなくても、おもしろおかしい生活もしていなくても、今日、ごはんを食べて、おいしいなって笑えたらそれで満点やねんで、て、言われてるみたいな。
わたしを作るのはごはんやもんね。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。