小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレあまりも素晴らしかった。ロッキーを助けた後もずっとハラハラしていたけれど(それがグレースの幸せを犠牲にしているなら辛いと思って)、最後の最後、授業のシーンでグレースがちゃんと幸せもそこにある日常を積み重ねてきたことがわかってほっとした。まだ人生の時間は残っているし、ロッキーと共に地球へ旅してほしい。ロッキーに地球を見せてあげる、そんな想像もできる余韻が残された良い終わり方だった。物理はわからないのでほとんど文字を脳内に取り込んだだけで意味を咀嚼できてはいないけど、それでも心から感動した。物理の素養がある人だったらもっと楽しめたりするのかしら。
-
Posted by ブクログ
時々児童書も読んでみるのだけれど、私はもう大人になってしまったんだな、と少しさみしく思うことが多い。でも時々、大人になった今だからシンプルな日本語が響く、宝物みたいと感じる本に出会うことがある。
小学生の、秋ちゃんとモッチ、二人の女の子の話。少しだけ配慮が足らなくて、(小学生だしね)秋のレコードに傷をつけてしまったモッチ。明らかに言い過ぎた秋。(大切なものだったんだもんね)
二人の心のモヤモヤを、小学生が理解できる、やさしい言葉で紡いでいく。大人になると、モヤモヤする、と一言で終わらせて、時間も余裕もないからすぐに次の案件だ。
どちらかというと私はモッチみたいに、言わなきゃ言わな -
Posted by ブクログ
(上下読んでの感想)
“いつだって生は死に打ち勝つ”
その言葉が、最後に実感として腑に落ちる結末だった。
主人公エミルは、いわゆる「いい奴」ではない。
恋人ローラとの別れを引きずる姿は女々しくて、正直イライラする場面もあった。
けれどそれは、原因に気づきながらも見ないふりをしてしまう人間の弱さを、あまりにも正確に描いているからだと思う。
エミルを悩ませ続けた元恋人ローラもまた衝動的で、どちらが悪いとも言い切れない。
人間関係は白黒で割り切れるものではないのだと、突きつけられる。
作中にある「日常の中で眠り込んでしまう」という表現が印象に残った。
気づかないうちに今を見失い、過去の後悔や執 -
Posted by ブクログ
“いつだって生は死に打ち勝つ”
その言葉が、最後に実感として腑に落ちる結末だった。
主人公エミルは、いわゆる「いい奴」ではない。
恋人ローラとの別れを引きずる姿は女々しくて、正直イライラする場面もあった。
けれどそれは、原因に気づきながらも見ないふりをしてしまう人間の弱さを、あまりにも正確に描いているからだと思う。
エミルを悩ませ続けた元恋人ローラもまた衝動的で、どちらが悪いとも言い切れない。
人間関係は白黒で割り切れるものではないのだと、突きつけられる。
作中にある「日常の中で眠り込んでしまう」という表現が印象に残った。
気づかないうちに今を見失い、過去の後悔や執着に視界を曇らされてし -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読んだ時は「これは自分のことだ」と思いました。発表当時も多くの共感があったようで、例にも漏れず現代の二十歳過ぎの私も共感することが多くありました。共感した部分は女の人に結果的に溺れてしまうところでした。繊細な性格についても共感しましたが、強くシンパシーを感じた部分が女性関係でした。彼ほどの破天荒な、もしくは破滅的な交友はありませんが大なり小なり感情的な部分で気持ちが重なりました。
葉蔵の容姿が端麗だったことが彼を苦しめた一つの要因かなとも考えました。端麗さが幼少期での性的虐待につながり人間不信を加速させていました。相談できる家庭環境でなかったことも大きく関与していて葉蔵は当時は被害者でし -
Posted by ブクログ
戦争を理解するためではなく、戦争を起こさないために読んだ一冊だった。
本作は、戦場の残酷さや理不尽さを容赦なく描きながらも、単なる戦争小説にとどまらず、「人はどこまで人間でいられるのか」という問いを突きつけてくる。特に印象的だったのは、理性が失われていく極限状態の中で、それでもなお守ろうとする“自分の中の一線”の存在だ。
セラフィマの選択は正しかったのか。幼馴染を撃ち抜いたあの瞬間、彼女は尊厳を守ったのか、それとも何かを失ったのか。その答えは簡単には出ない。ただ一つ言えるのは、戦場では「正しさ」そのものが揺らぐということだ。
私自身も考えた。もし大切な人が尊厳を踏みにじられたら、自分はど -
Posted by ブクログ
読むという行為で音を感じるのは初めての感覚かもしれません。
また小難しくない単語を使った音楽のように流れるような文体が、物語の雰囲気に合っています。
神様の視点に近い天才的な才能を持つ天衣無縫の少年 風間塵
母の死という不幸により表舞台から消え、時を経て舞い戻ってきた、風間塵に近い音楽性を持つ元天才少女 栄伝亜夜
語り手の中で一番読者に近い視点を持つサラリーマンで音楽家を目指す 高島明石
世界に受け入れやすいスター性と天才的な音楽センスを持つ青年 マサル
この4人を中心に進む国際ピアノコンクールは、コンテスタントや音楽関係者たち、観客など視点が様々に変わり、それぞれの想いや思惑が語られます
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。