あらすじ
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング! 魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
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Posted by ブクログ
まさかホラーで、涙が出そうになるとは思わなかった。ぎゅーっとなった。怖いって感じではなくて、幻想的でどこか美しいお話。「夜市」「風の古道」どちらも素晴らしかった。
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面白かったです。ぐうの音も出ないってこういうことなんだなと思いました。これを低評価する人はいないんじゃないでしょうか。だって、誰にも論破できない。
これがデビュー作ですか。信じられないな。頭がおかしいです。失礼、異常者ですか。違う違う、天才といったらいいですか。そんな言葉でおさめていいのか分からないほど、内部の構造が理解不能です。もちろん、良い意味です。
圧倒されちゃいますね。へぇ、同じ時代に生きてるわけですか。なるほど、冗談ですよね?
わたしは難しいことは分からないですけど、これは正しく純文学であると、そこだけは分かります。今すぐ教科書に載せてください。載ってる?まだ?早く、急いで。こんな美しい物語を、我々だけで消費してはいけません。頼みましたよ。頼みましたからね。
Posted by ブクログ
小さいころに体験した不気味さと不思議な体験を作品に落とし込んでいる。
直接的に怖いのでなく、自分の想像を膨らましてく過程で、ぞわぞわとする感覚。
子どもの頃に天井の木目などが人の顔に見え、眠れなくなるという怖さだろうか。
文章は情緒的で、小難しくなく、風景の想像を膨らましながら読めるので面白い!
何気ない日常でも、ふと道を外れたら、ほかの世界に迷い込むかもしれない。
もしかしたらこの世界と紙一重かもしれないと思わせる絶妙な加減だった。
そして物語に解釈の余地を残しているのが、なおさら不気味であり、魅力だと思う。
Posted by ブクログ
淡々と書かれているのに、ぐっーと不思議な世界の境界線に一気に立たされる感じがすき。気がついたらしっかり異世界のなか。最後の一文で、心を掴まされた。
Posted by ブクログ
ホラーと言うより、不思議が前面に出ていたように感じた。
見えないすぐそばにある、人間とは異なる存在、異なる場所。
時々交わってしまう不思議との出会い。
表題作も良かったけど、後半の“風の古道”のほうが個人的に好みでした。
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人間が決めた規律やルールではない、"そういうもの"という絶対的な決まり事によるままならなさが、しんしんとした空気感で語られていて、ホラーとファンタジーと現実のマーブル模様のような作品だった。好き。
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何年か前に試し読みして気になってたけど買ってなかった本
ホラー小説と言いつつもホラーさはあまりなく
それよりもぐんぐん読み進めたくなる展開にワクワク
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『夜市』の弟と『風の古道』のレン。
自分の意思とは関係なく他者に運命を定められてしまったけれど、それを受け入れて、そこからは自分の意思で生きていく強さに惹かれた。
この世には沢山の道があるように見えるけれど、自分の歩く道は今歩いているこの道しかなくて、無理に別の道に行こうとするとおかしな場所に迷い込んでしまうのだろうな。
Posted by ブクログ
夜市は様々なものが売られている異世界の市場。
買い物をしないと元の世界に帰れない。
大学生のいずみは、高校時代の同級生裕司に誘われて、よくわからないまま夜市に出かける。
そして、裕司が子供の時に、弟を人攫いの店に買い物代金の代わりに渡して、自分だけ異世界から戻ったことを知る。
その日、裕司は弟を連れ戻しに来たのだった。
兄弟は再会するのだが…。
なんとも不思議な物語であっという間に引き込まれた。
久しぶりに、もっと読みたいと思わせてくれる作家に出会った気がする。
この本には、もう一つ物語が収録されている。
楽しみ。
Posted by ブクログ
すっきりした文章で、感情も情景も雰囲気も伝わってもの凄く読みやすかった。
ファンタジー寄りな雰囲気の中に、日常のすぐ隣にあるようなゾッとする冷たさが良い。
2つもと悲しくて綺麗な話。
Posted by ブクログ
⚫︎夜市
偶然迷い込んだ夜市で兄は欲しい能力を手に入れるために幼い弟を売った。なんともモヤモヤする出だしだったが、最後の結末は良かった。よかったのかな、でも少なくとも兄弟が最終的にお互いにとって最善と思える選択をしたという点において救いを感じた。
⚫︎風の古道
興味深いのは、古道を行き交う人間ならざるもの(神様、鬼などの異形)がまるで風景かのようにシンプルに描写され、あくまで古道から元の世界へ戻ろうとする者、古道で生まれ古道でしか生きれない人間に焦点が当てられている。ホラーやオカルトになりすぎず、少年時代の古い冒険が、瑞々しさや切なさを伴って朧げな記憶のアルバムのひとコマとして再生される。人と人との別れが死ではなく四つ角でたがうのも印象的だった。
この作品、特に「風の古道」が纏う独特の雰囲気や、行ったこともない場所なのにどこか懐かしさを覚えるこの気持ちをなんと表現したらいいのかわからなかった…のでレビューをすること自体迷ったがこの読後感を拙い言葉でもまとめておきたいと思い投稿する。
Posted by ブクログ
重なって存在する別のルールで回る世界。もしかしたらいつか自分も踏み越えてしまうかも、なんて不安とわくわくを感じられた。
「夜市」「風の古道」どちらの話もとても良かった。
何も解決せず、ただそこに存在し続ける。
後味もなんとも言えなくて最高だった。
Posted by ブクログ
上司が貸してくださった。
スッキリした文だし、この世の世界ではないのに、イメージが頭に浮かぶ文章でとてもよかった
話の中で楽しい気持ちと悲しい気持ちが、交互に来るような物語だった
Posted by ブクログ
人ならざる者の世界に迷い込んだおはなし
迷い込んだら簡単には出られない
じわじわヒタヒタ怖さがやってくる
なのになんだろこの魅力
迷い込んでみたいとすら思ってしまう
日常のすぐ裏にある異世界
信じるならばちゃんと存在すると思う
日本の怪談話の特徴なのか湿った空気感が漂う
物悲しくて切なくて美しいおはなしだった
Posted by ブクログ
解説にもあるように、ホラーだけどとてもファンタジーとしての色を強く感じた
薄ら怖いのにワクワクして好奇心が抑えられない、つい迂闊に踏み込んでしまって後に引けないどうすることもできない怖さ
「生きている人間」の無力さや愚かさ
非科学的で証明できないけれど、同じ世界線のどこかに人智を超えた彼らが存在してるのかな
Posted by ブクログ
佐伯ポインティのYouTubeのオススメででてきて、あらすじが気になったので読んでみた。
THE・少年×夏×ホラーって感じで薄暗いぼくのなつやすみ感…文章でじとっとした夏の夜の雰囲気出せるのすごい。中学の国語の教科書に1つは載ってるミステリアスな話みたいだった。ホラー死ぬほど苦手なのでビビってたけど、普通に読みやすかった。
匿名
ジャンルとしてはホラーだがそこまで怖くないので、初めてのホラーにオススメ!
そして、世界観が幻想的で美しい。
ノスタルジックで少し切なくなるような作品が好きな読者に読んでいただきたい。
夜市、お勧めです。
夜市を人から勧められて、久しぶりに本を読もうと思って本屋に行ったら、取り寄せと言われたので、ブックライブで購入して読みました。サクサク読めて、面白さに引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。ミステリーではあるんでしょうが、童話ぽっいような、人間味溢れる所もあり不思議な世界の話しで、今どきの異世界漫画のような情景が読みとれて凄く面白かったです。
また、同じ作家の他の作品を読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
現実と異世界が入り混じったホラーで、なんだか昔話を読んでいる様な気分でした!
2つの短編集でしたが、どちらも先が気になる展開ですぐに読み終わりました。
Posted by ブクログ
ホラー文庫だけど、おどろおどろしいホラーというわけではなく、この世界の裏側にあるような異世界に迷い込むお話2篇。ファンタジーよりかも。
事象そのものよりも、それによって表面化される心情の揺らぎが少し怖い。同じ立場ならどうなるのか、色々考えちゃいます。
Posted by ブクログ
ホラーとファンタジーの融合作品。
夜市と聞くと賑やかで見物客でごった返したイメージで読み始めたけど、そこはまったく逆の世界観であった。一度踏み入れたら何かを買わないと元の世界には戻れないルール。自分の欲のために大切なものを手放したことはとても大きい。そしてその大切な物を取り返すには...。
伏線もきちんと回収された幻想的な世界観読むことができた。
Posted by ブクログ
中編が2作収録されています。私は夜市より風の古道のほうが好みでした。今まで読んだ恒川さんの作品には全て「ここには警察も刑務所もない」という内容の一文が出てきました。それが、恒川さんにとって大切な現実社会との差なのかな。興味深い。
Posted by ブクログ
表題作が面白かった。夜の繁華街ってなぜか不気味に見えるし、親と一緒の時ですら「早く帰らないと」って焦りが湧いてきた覚えがある。そういう居心地の悪さ、でも好奇心をくすぐられる迷路みたいな感じがホラーと融合してて、何だか懐かしかった。
Posted by ブクログ
雰囲気も余韻も凄く好きな作品でした。
ただ短編集なのかそう出ないのか分からないまま読み進めてしまい、タイトルも相まって最後は1つ目の作品と繋がるのかな、と思い読み進めたらそんなこともなく。
勝手に肩透かしを食らってしまったので★-1の★3です。
Posted by ブクログ
ふんわりホラー。
不思議な世界観だった。
解放されて走り出す子供の描写が良かった。
デビュー作にして、直木賞候補になったポイントは何だろう。
この捉えどころのない空気感だろうか。
Posted by ブクログ
ホラーだけどあまり怖くはない。
急に脅かしてきたり幽霊が出てきたりはしません。でも、ジンワリ怖いというか切ないというか…独特なホラーでした。
今年は読んだことのない有名作品を読もうと思っていて、ずっと気になっていたこちらの作品を読みました。単行本は2005年刊行ということで、20年以上前の作品なんですね。恒川さんの著書を読むのは『ジャガーワールド』に続いて2作目。ホラー作品としては初めて読みます。本書に収録されてる2作品とも不思議な独特の雰囲気…ちょっと乙一さんぽいとも思ったけど、でももっと淡々としているかな…。他のホラー作品も読んでみたいです。