妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング! 魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
Posted by ブクログ 2023年03月03日
この作者の方が書く男性同士のやりとりが魅力的だということが気になってきました。別にBLっぽいわけではないのですが。
超常現象で願いを叶えてもらった人は、うっかり選択や心掛けを間違えたから不幸になるんじゃない。自力で何とかしようと努力している人と比べて、願いを叶えられてしまったこと自体が不幸なのだと考...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月25日
ずっと気になっていた恒川さんの本をとうとう読んだ。
母が絶賛していたけれど、私の好みにもドンピシャで、やはり私も母の子なのだなあと今さらながらに思った。
両編とも、異界と人との交わりを描いていて、不気味で、怪しくて、不思議で、それでいてちょっと懐かしくて、切ない、そんな雰囲気が漂っていた。
個人的...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月29日
『夜市』表題作。ゾクゾクする様な話ではなく、幻想的な雰囲気が漂う作品。少しの驚きと、エンディングの余韻が味わえる。次の展開が気になってスラスラ読む事ができた。
『風の古道』人間と、そうでないものが行き交う「古道」に二人の少年が迷い込む。『夜市』と同じで幻想的な世界を描いた作品。序盤に張られた伏線が回...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月03日
佐伯ポインティさんがYouTubeでおすすめしてた本です。
あらすじを紹介されてて、とても面白そうと思い購入してみました。
中には本のタイトルにもなっている「夜市」だけではなく「風の古道」という物語も書かれていました。
「夜市」はもちろん面白かったのですが、私は何より「風の古道」が好きでした。
夜に...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月25日
異世界をテーマにしたホラー短編。
本書に収録されているのは2編で、一つが「夜市」もう一つが「風の古道」。
前半の夜市はある青年が知人の女性と連れ立って、人ならぬ者たちが集う夜市へ赴く話。
彼は子供の頃に夜市へ迷い込み、そこから逃れるために、そして自分の欲しいものを手に入れるために弟を売ってしまう。...続きを読む
匿名 2023年02月14日
ジャンルとしてはホラーだがそこまで怖くないので、初めてのホラーにオススメ!
そして、世界観が幻想的で美しい。
ノスタルジックで少し切なくなるような作品が好きな読者に読んでいただきたい。