小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
木嶋佳苗事件を下敷きにしていることや食べ物の描写の素晴らしさももちろんそうなんだけど、
主要登場人物の女性三人の生き方に思いを巡らせる読後。
少しでも体型が変わると「太ったね」と言われ、優しさやケアや家事を求められ、つねに「見られている」女たち……
フィクションだから誇張されている部分もあると思うけれど、著者のジェンダーに向ける眼差しというか、怒りのようなものを感じ取った。
男からは崇拝されているように見えるけれど、結局は同性の友達はいないカジマナ。
男社会でバリバリ働き、自立しているように見えるけれど、自分の生活こととなると疎かになってしまう里佳。
キャリアを捨て結婚し、子どもを望むしあわ -
Posted by ブクログ
プロローグから最後の一行まで、溢れる涙を止められずに一気読みしました。「読書をしていて、こんなに泣くことがあるのか」と自分でも驚いてしまうほど。
私自身、ずっと自分のことを「足りない」人間だと思っていました。楽しいことや美味しいものに出会ったとき、真っ先に顔を思い浮かべてもらえるような、誰かの特別でありたい。そう願うのに現実はなかなか上手くいかず、「それでもいい」「今の自分が好き」と割り切るよりも、周りと比べて焦ってしまう日のほうが多い毎日です。
そんな、自分でも持て余していたままならない気持ちを、驚くほど丁寧に、そして優しく掬い上げてくれる作品でした。
前作とあわせて、私にとっては大切な -
Posted by ブクログ
"本は人を思うことを教えてくれる"
作中に登場するこの言葉は、今を生きる金言だと私は思う。
作品自体は2時間~3時間でサクッと読めてしまう。
本をあまり読まない人にも、長編の箸休めとしても薦めたい作品。
特に名作と呼ばれる古典文学に苦手意識を持つ人は、読むきっかけになるかも。
作者あとがきでも触れられていたが、確かに今は人を思う余裕がないように感じる。
本を読む...つまり人の考えをなぞる余裕がなくなってきているように思う。
かく言う私も、昔は人の心がよくわからず、人間関係にすごく苦しんだ。
そして本を読むことで、人が思うことを理解できるようになってきている。
確か -
Posted by ブクログ
生きるのがあまり上手じゃない人の手に届いてほしい作品です。
キラキラした芸能の世界にいる著者が、そのパブリックイメージのままエッセイの中にいると思って読んだら驚かれることでしょう。
それくらい、自身のネガティブな部分についても真摯に語られています。
ネガティブな部分を省みることもあれば、ネガティブな部分があるからこそ見えるものの大切さが語られたり。
強引に読者の手を引いたり、背中を押したりせず、隣に座って話をしてくれている感じが心地良いです。
読み終えると、自分の中のネガティブな部分の見え方が少し変わっていたり、生きるのが上手そうな人に対して抱く劣等感の様なものが少し小さくなった気がしました -
Posted by ブクログ
「青春って、すごく密なので」
新型コロナ禍で話題となった、仙台育英高校野球部の須江監督の言葉をふと思い出した。
30年の冷凍睡眠から目覚めた今日子と、17歳の双子明日子と日々人の、ひと夏のかけがけのない青春。
大人になっていく希望も子どもではなくなっていく悩みも全てを内包した青春、その大人と子どもの間の貴重な期間を友達や彼氏と過ごすことを今日子は奪われてしまった。大きく流れる時代に取り残された孤独を抱えながらも、明日子と日々人との出会いが、彼女の青春を取り戻していく。
明日子と日々人もまた、青春を生きる中で、今日子によって貴重な青春の日々に光がもたらされていく。
そんな青春の尊さを本書
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