小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ貯金はかろうじてできるものの、経済的な観念が全くない俺。今はまだマシになった方で、つい10年ほど前まで、小遣いもらったら呑み屋で酒飲んで本買って積んで映画観てバーゲンで着もしない服買って…、全くバカである。
そんな俺が、この本を気にしだしたのはやっぱり、老後のことなんだろうなぁ。俺よりはしっかりしていると思う妻に財布を託しているんだけど、二人ともそろそろ定年やらセカンドライフやらが明確に視野に入ってくるお年頃なもんで、今までのように月の収支がトントンならそれでよし…ではあかんのだろう多分。
この本に出てくる女性陣のように、自分たちのライフコストと来るべき備えをきちんと考慮して、将来にも備えつつ今もしっかり自分を持って生きる、そうなれれば理想なんだが、なかなか難しく。
フワついて生きている代表のように出てくるキャラクター小森安生だが、彼にしてみても自分の生き方はしっかり考えているわけだし、稼いだ分相応に生きているんだからエラいよな。まぁ娘が連れてきたら叩きだすだろうけど多分。 -
Posted by ブクログ
現在と過去、様々な人たちの話が交わる中で、久遠と尾崎の2人の話が進んでいく物語だった。登場人物みんなにしっかりフォーカスされているので全員とても魅力的でヒューマンストーリーとして読み応えがあった。長編ではあったけど半日で読み終わってしまうほど文章が洗礼されていて中弛みもなく最初から最後まで楽しめた。久遠と尾崎があそこまで淡い青春をしながらも大人になった時の2人の雰囲気は色々な経験を経た2人にしか出せない雰囲気でそれがひしひしと感じさせられた。自分も小学生の時の初恋の人と再会してまた、仲良くなって人がいる。訳あってまた疎遠になってしまったけど、次会うときには「好きなってよかった」と言えるような人間になりたいと切に願う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!!分厚い本で読み切るのに時間かかるかなと思いきや、続きが気になる衝動からかなり早く読み切ってしまった。
新幹線内での出来事だけでこの一冊にまとめられるのは凄い。勿論ただの新幹線ではなく、事件が起こりまくりの新幹線だけど。
以下、思い切りネタバレ。
七尾は順番が逆だけど999で読んでいたので、相変わらず好感が持てたし毎回の不運に遭遇する際にクスッとしつつも、機転がめちゃくちゃ効くのは見ていて爽快だった。最後も無事に生還できて良かった(まあ分かってはいたけど)
檸檬と蜜柑は2人とも息が合っていてキャラ的にもかなり好きだった。檸檬がずっと機関車トーマスの話をしていてバカっぽいにも関わらず、最後は王子が怪しいということに気付いて殺そうとしたので、「やっちまえ!!!!」と思って興奮したが、結局まさかの七尾が仕込んだ睡眠薬でやられてしまう、、泣 個人的にはこのシーンが一番ショックだった。檸檬は好きだったし王子に対してはめちゃくちゃイライラしていたので、、笑 それも伊坂幸太郎の狙いなのかも。
王子は書くまでもなく常時イライラさせられていた。こんな子供はこの世にいてほしくない。最後の結末の詳細は書かずに読者にお任せ、というスタイルだったが、個人的には最後苦しめられて殺されるところまで見たかった気持ちもある。笑
木村は一般的にはクズ人間だけど、ちゃんと息子想いで良い父親だったと思う。最終的に生還していたのも良かった。そして両親が強くて本当に良かった。
このように感想として書くことができるほど個々のキャラクターがしっかりとしており、とても読み応えのある一冊だった。
実はグラスホッパーをまだ読めていないので、今後読むことが楽しみ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦争に女性が参加している国があるということは知らなかった
しかも軍人として狙撃手として
でも世の中は女性に対する差別も性暴力もある時代なのは変わらず、しかし彼女らは男性から受ける心ない言葉や扱いにも負けなかった
人類史上最悪の戦争を、自分の信念のために生き続けて生き残った
並大抵の覚悟ではない
もちろんその覚悟が凄惨な出来事から生まれている訳ではあるが
復讐のために生きる
だが、これは何かを成し遂げるために必要な膨大なエネルギーを生むものであり、彼女が真の敵を撃つためにきっかけとなったことである
何かを成し遂げるためには自分にとって大なり小なりきっかけが必要となる
それはある日突然やってくるかもしれないし、つかみに行くべきことかもしれないし、本来は望まれるものではないかもしれない
主人公の境遇は本来は望まれるべきものではないが、とりあえずそれは置いておいて、
いい意味では、自分が何かを成し遂げて変わっていくきっかけは、何かを体験してみる、新たな人との出会いをするなど、自分でつかみに行くことが大事なことなのように思えた
PS.
何かを極めその丘を登りきった先に見えるのは何なのか、地平線が見えるのか
リュドミラ・パヴリチェンコは残ったものは何もないと語った
戦争が終わったら愛する者か熱中する趣味を見つけよと言った
自分が納得する大きなものは愛する者がいることだったので、それを失った彼女は狙撃の腕を極めても何も残っていないと語ったことが印象的であった
何かを成し遂げた先にあるのは地平線か無か、それは成し遂げる前に見極める必要もありそうだ -
Posted by ブクログ
「悲しみとか怒りとかいう思いよりも、呆れかえった馬鹿々々しさに身悶えしました。」
感情を表す言葉はちゃんと出てくる。それなのに、読んでいると感情がきれいに整理されていく感じがしない。悲しい、怒っている、苦しい、という言葉では処理できないカオスを、家庭というかなり狭い場所の中でずっと見せられている。
しかも文章は読みやすい。だから混沌としているのに、どんどん先へ進んでしまう。この、処理できないものを処理しないまま読ませていく感じ。
「命は大事」「女性は強い」みたいに分かりやすい意味を置いて読もうとすると、どんどん作品から置いていかれる。今とは家庭環境や男女関係が違う。一方で、太宰作品に出てくる男には妙に共感する。
何かにつけて理由を無理やりこじつけて、結局は欲望のまま生きる。欲望を欲望のまま認めず、自分の行動にそれらしい理由や思想をつけてしまう。これはめちゃくちゃ男だと思った。
自分でも自分をうまく説明できない。つかみどころがない。どうしようもないと分かっていても、欲望や感情に引っ張られる。そういうところが自分と重なることが多い。ただ、それだけで大それた感想を言えるわけでもない。そこは太宰作品らしくて、あんまり好きじゃない部分でもある
太宰を「無頼派文学」と一言で名付けるのは嫌いだ。
文学史上の分類として必要なのかもしれない。でも「無頼派」という言葉を先に置くと、酒、女、破滅、自堕落みたいなイメージだけで作品を読めてしまう。そうすると、妻から見た男の馬鹿々々しさや、欲望を思想に変換してしまう滑稽さ、家庭の中にある処理不能な混沌が見えにくくなるし、読みが浅くなるとおもう。
この短編集は「無頼に生きる男たち」の話というより、どうしようもない人間がどうしようもない理由を抱えながら、それでも生活だけは続いていく、その混沌を見ないと勿体ない気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまでAudibleでたくさんの作品を聴いてきたけど、胸が詰まって泣けてくるのは柚月裕子作品が多い。
静かに胸にじわじわ登場人物たちの感情が染み込んできて、あるポイントでそれが決壊する。
この作品は、短編が繋がっていて、少し冗長だなと感じたところもある。
でも、小さいパーツが繋がって、最後の章が活きるんだろうなと読み終えて納得。
佐方貞人という人物を深く知って、もっと好きになった。
まだ他の作品を読んでないけど、死なないで活躍を続けてほしい!
いい本に出会うと、こんな素晴らしい作品を生み出して、世に出してくれた人たちみんなに感謝したくなる。
ありがとうございました!!!!!!
あと、やっぱりいつも装丁が素晴らしいですよね。
検事バッジ、かっこいい。
このシリーズはまだあるようなので、本当に楽しみ。
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