小説・文芸の高評価レビュー
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人生を歩んでいく上での指針にしたい作品。
何十回も繰り返し読んで、自分の血肉にしたい。
以前、本屋大賞ノミネート作品の『エピクロスの処方箋』を読み感動して、夏川草介さんの作品に手を伸ばす。
人間の意志や努力でできることは限られているというの深く共感する。
なにかしらの問題は、現在の構造である場合が多い。そのような構造を変えるのは、かなり難易度が高い。そして、そういった不条理ともいえる構造の中で生きていくにはやはり人と人が手を取り合うことが大切なんだよ、ということを本から受け取った。
読んでいて、哲学や物事の考え方など勉強になる部分がかなり多い。
また、京都の街の見方、人の性格の表現の仕方 -
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主人公のシンクレールが、自分の内側にある本当の声に目覚めて、価値観を確立していくお話。
シンクレールがデミアンに出会って、それまで知らなかった世界にのめり込んでいく経過をドキドキしながら読んだ。
最初に読んだ時は、自分の内なる声を突き詰めた先に生きるべき道がある、周りの声に従って生きていくより孤独な道だけども人間はそうあるべきだ、というヘッセのメッセージなのかなと思った。
ただ最近読み返して、それプラスもっとシビアなメッセージを感じたというか、内なる声に気づいてしまった人間は一度殻の外の世界を垣間見た後、殻の中に居続ける選択を自由にできるわけではないんだなと。
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Posted by ブクログ
ネタバレ実家から毎日眺めていた比叡山を舞台にしたお話。
めちゃくちゃ面白い。
仏の道に入り、ともに千日回峰行を為さんとする恃照と戒閻の2人の人物を中枢に、彼らの同族嫌悪に近い厭悪や確執が、叡山という因循姑息な組織の上でどんな顛末を辿るのかを描いた小説。
規則という柵の中で死ぬことが許されず、恥を晒して生きてゆくしかない恃照にとって、出生を近くしながらもずんずんと自らの道を突き進む戒閻がどれだけ嫉ましく厭わしかったか、そしてどれだけ憧れ、堂入りを満することを願ったか。
長きに渡って、確執という殻の中で育まれてきた戦友同士の同情と信頼が一気に弾け出るラストシーンには、胸を打つものが大きかった。 -
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SF小説傑作、やっと読む機会ができました。本書は海の惑星ソラリスを研究するために宇宙ステーションに派遣された心理学者を主人公として描かれた作品です。ネタバレになりますのでストーリー関連についてはコメントしませんが、これこそ「未知との遭遇」を描いた作品という印象を持ちました。人間がどうやっても理解できない知性が存在しているのではないか、そしてそれは知性が高い、低いというスケールの問題ではありません。人間とは「違う」知性の存在です。これは現在大きなテーマである人工知能を考える際の視点にもなるでしょう。ソラリスという未知の存在、そしておそらく永久に?不可知の存在ではないか、というものに対峙した時に、
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イギリス文学最高峰のブッカー賞を受賞したという本、ようやく読む機会ができました。忖度なしで面白かった。私は「クララとおひさま」ではじめてイシグロ氏の本に出会い、これが2冊目ではありますが、共通して感じるのは「静謐さの中にある感動」。本書で扱われている時代は2つの世界大戦をはさむ激動の時期なのですが、あえて舞台は牧歌的風景の広がる英国貴族の屋敷(その意味でドラマ「ダウントン・アビー」を彷彿させる)。しかも主人公はその貴族ではなく執事です。このアプローチは「クララとおひさま」にも共通していると思います。クララとおひさまでは、貴族にあたるのがジョジ―という少女で、執事にあたるのがAI搭載ロボットのク
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スラスラと読めて3日程度で完読。主人公の結城さんよりも私は若く結婚で悩むことはまだないが、彼女に感情移入しながら読むことができた。
人間は誰しも孤独であり、自分の存在意義を必死に探そうと生きている。その意義を感じられる一つの方法が、結婚。結婚と言っても一括りにはできないが、自分がどんな姿であろうと愛してくれて、自分に価値があると思わせてくれるパートナーに出会えたという証という捉え方はできる。それが幸せと社会では一般的に考えているけれど、その幸せの証を得る方法は必ずしも結婚だけじゃないとこの本は気付かせてくれた。これから先多くの人が、自分なりの幸せの形を引け目なく築ける寛容な社会になってほしい -
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短いニュース記事が冒頭にあり、そのニュースの当事者たちの姿を描く構成の短編集。
引きこもりの息子が高齢の両親を殺す、マンション女児転落死 母親の交際相手を逮捕、出産直後に赤子を殺す母、中学生を轢き殺してしまった高齢女性、高齢夫婦が熱中症で死亡
全てよく聞くニュース。記事だけ読むと単純なストーリーを想像し、高齢なのに車運転するなんて、まだ子どもを産めるような女じゃなかったんだろと考えてしまうが、実際そんな単純なものじゃない、色んな裏側があるんじゃないの??ととにかく考えさせられる作品の数々。
とくにマンション女児転落死を描いた「そびえる塔と街明かり」、高齢夫婦の熱中死「四角い窓と室外機」の2編が
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