小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
──大人ってどうやってなるんだろう
家庭を持つこと、子どもを持つこと、家を建てること。
もちろん、それらは大変に立派である。
しかし、大人とは、煩わしいものを削ぎ落とし、身軽になることでもありはしないだろうか。
例えば、徹夜で仕事をしたり、夜が明けるまで痛飲したり、月給のすべてを趣味・娯楽に費やしたり、牛丼の大盛りをペロリと平らげたり。
いまは到底、胃にも心にも重たい。
そのような現実を後悔しながら、粛々と受け入れていくのが大人の階段なのだ。
すべての悩めるモラトリアム中年へ。
ぜひこの本を読んでほしい。
きっと人生の棚卸しになると思うから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても哀しく、とても嬉しく、とても儚いのは、強く共感してしまう部分があるからなんだろうな。
櫂の昭和みたいな男らしさとか、暁海や唯ちゃんの女らしさとか、裕一の効率的な生き方とか、二階堂絵里のジレンマとか...
誰も綺麗じゃない。誰も美しくない。
だけど、綺麗じゃない美しくないものがどうしようもないほど愛おしい。誰にも理解されなかったとしても。
小説で主人公にこれほど長い時が流れるものは多くないと思う。どれもが現実味を帯びている。正直前作よりもずっと良かったと思う。前作がなければ今作もないけれど。
暁海の成長が嬉しく哀しい。もしも、もしも櫂が生きていたのなら、どんな人だっただろう。生きていれ