小説・文芸の高評価レビュー
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これは私の救いの物語でした。
読書ノートをこの作品の感想や抜粋等だけで3ページも使ってしまいました。
初めて読んだのは5年くらい前。タイトルと作家さんから恋愛小説だと思っていた私は思いがけないストーリーにのめり込んでしまいました。そして、再読。
環菜の気持ちがわかりすぎて苦しくて辛かった。映画も見たけど、やっぱり原作のほうが好きでした。
環菜がある日父親を殺してしまうところから物語は始まります。なぜ父親を殺さなければならなかったのか、臨床心理士の主人公、由紀とともに環菜の過去を探っていきます。食い違う証言から、話し手や受け手の目線が変われば同じ物事の話をしていても全く違うことのようになってしま -
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私も在宅看護をはじめてから患者さんの最期と向き合うことが多くなった。誰にでもいつかは訪れる死。死が近い患者さんと関わるときはどうしても緊張する。看護学校で終末期の授業を受けたけど、あの授業に一人ひとりとの向き合い方の正解はなかった。生きている人間の歩んできた人生は教科書には載っていないから、知ろうとする。それはAIにはできない人の温かさのある看護だと思う。この本を通して、終末期患者さんとの関わりって普段向き合っている患者さんとの関わりと同じで良いのではと思えた。私にとって看護の基礎とは「患者さんの気持ちを考えて丁寧に向き合っていくこと」その関わりはどの患者さんにも必要なんだと思う。患者さんのた
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北海道を舞台にした三世代家族小説。
『火山のふもとで』に引き続き、好みだった。。!
時系列というよりは、登場人物たちの記憶のアソートのようなものに感じられた。一つ一つのシーンが繊細かつ濃厚に描かれていて、読み終わった後も断片的な情景がふと思い浮かぶような余韻の長い小説だった。特に、歩と始が幼少期に訪れた冬の教会、歩が授かった終油の秘蹟のシーンが神秘的で頭に残った。
度々北海道の雪景色が描写されていて、冬読むのにぴったりだった。とりわけ私は、自身の故郷なので、共感できる感覚や体験、考え方が多く、身近なものとして読み進められた。一方で、地方小説ではあるが、「誕生」「成長」「老い」「死」など人生 -
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ネタバレ読もう読もうと思っていたのに、なぜか読めてませんでした。
二作目は高校生〜大学一回生(関西は一年生って言わないんですな)のお話。
今まではGOING MY WAYな成瀬でしたが、今作ではそんな成瀬のまっすぐでブレない姿勢が人を救うような内容が描かれていたような印象です。
成瀬本人はその人を助けたいというのではなく、自分の意志を貫いているだけだと思いますが、そんな常に前を向き歩みを止めない姿勢が登場人物の心情に変化をもたらしたようにも思えました。
自分の意志だけで相手も前向きに変えてしまう。
そんな影響力が成瀬にはある。
カッコいいですね。相変わらず。
ちなみに、最後の話は時間軸も -
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成瀬シリーズに引き続き、過度な装飾のないシンプルな文章でとても読みやすい。
タイトルを一見しただけではいまいち展開が想像つかなかった。
在宅ライターである40歳独身の男がとあるきっかけから婚活パーティに参加することから始まる。なんとなく「婚活」にナイーブな感触があるので気安さに欠ける近寄りがたいイメージがあったのでその実態もわからずにある印象だった。
しかし本作を読んで、実際は人と人の出会いやコミュニケーションを楽しみ、どんなかたちであれその後のつながりをつくる場所であること。そしてそれを陰ながら全身全霊でサポートをするプロフェッショナルの姿に感銘を受けた。とても素敵な仕事である。
「パー