小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ー蠱惑的で邪悪で甘美な、どうしようもないエロス。
またマハさんに、やられました。
ぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み手は19世紀末のロンドンへ。
晴れ間のないような空気の汚れた煙るロンドンにある母と姉弟のいる小さな1室が見えてきてきます。
画家のビアズリーと姉のメイベルの芸術に対する異様なまでの渇望の日々。
ワイルドとの出会いで変わっていく2人。
そして豹変して、止まらないメイベル。
「サロメ」なんて知らないし、この表紙の絵も知らない。
だけど恐ろしいまでに魅せつけてきます。
ぞわぞわする展開と、おぞましい程の力を持つ絵。
この絵に狂ってしまう人々。いつのまにかサロメが誰なのかに気付き恐ろしくなる読者。
ああ、でも気づいているのは読者だけ。
さすがマハさん。どこまでが本当のことで、どこからが違うのか分からないです。
そして何より恐ろしいのが、このサロメの絵。
異様な程の邪悪さと美しさと怖いもの見たさとで、全てが詰まっていて、信じられない世界観。
そして、この1冊に書かれていることは、この1枚の絵を見れば完結してしまうまでの物語性。
25歳で亡くなったビアズリーの末恐ろしさを感じます。 -
Posted by ブクログ
『月の影 影の海』で王になった陽子、その続編の物語となります。
王になったからと言って、全てが思い通りになるわけではなく、
むしろ異邦人であることをいいことに、イイように転がされています。
本人もそれが分かっているだけに、なおのこと苦しくて、、
というか、景麒ももうちょっとどうにかねぇ、、とも言いたくなりますが。
なお、陽子の他にも二名ほど主人公がいて、全部で三人。
一人は、陽子より100年ほど前に流されてきた海客・鈴、
一人は、先の芳国の公主であった・祥瓊、
実年齢的に「少女」と言っていいのかどうかはわかりませんが、
それぞれの苦悩と向き合い、一皮むけるまでの物語となっています。
終盤に展開されるカタルシスは、相変わらずにが心地よく、一気に。
今のところ、シリーズ中では一番好きな物語です。
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