【感想・ネタバレ】関ヶ原(下)のレビュー

あらすじ

天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った十数万の戦国将兵たち……。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか? 両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか? 戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の中に、決戦に臨む武将たちの人間像とその盛衰を描く、波瀾の完結編。

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Posted by ブクログ

登場人物がいっぱい出てくるが、やはり基本は徳川家康と石田三成。やはり家康は策謀家で、三成は能吏だが武道家ではないと言う点で、司馬は描き切ったのだろう。初芽は架空の人物だが、最後はいい味をだしていた。家康は本当は三成を殺したくはなかったと言うのは本当だろう。

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2025年12月07日

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今まで戦国時代の歴史に関心がなく、その時代に関する大河ドラマを見ることもありませんでした。今回、戦国武将たちのかけひきの有り様を初めて知り、興味深かったです。数日に渡って読んでいこうと思いましたが、関ヶ原の戦いに入ってからは、自然読むスピードがアップして、あっという間でした。

上巻、中巻と司馬遼太郎さんの詳しい実況中継で、リアルな映像が広がりました。下巻の最後では石田三成の悲痛な叫びに、司馬遼太郎さんの気持ちまで乗っかっているように思えました。

全体を見通す力、客観的に現実を見る目といった組織のトップとして必要な能力が、三成には確かに欠けていた。それが分かっているのに三成のことを悪く思えないのは、とんでもなく真っ直ぐで純粋なところに惹かれるからでした。

石田三成についていた、島左近、大谷吉継は三成の長所も短所も知り抜いていた。両者の心の広さはハンパなく、この小説で最も人間の器の大きさを感じた人物です。

小説のラストに、石田三成の恋人?初芽が登場します。交響楽が静かに終わるようでした。心に沁みました。

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2025年05月16日

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戦略がいかに重要なことなのかを改めて考えさせられました。家康の政略により三成がじわじわと追い詰められていく描写が儚いです。黒田長政による毛利秀元の参謀長格の吉川広家と小早川秀秋に対する工作、藤堂高虎による大谷吉継に属する小緑大名の西軍から東軍への寝返り約束の取り付けといった手を打たせている家康の緻密さ、老獪さが際立ちます。そんな不利な状況でも、三成を見捨てず、側で支え、共に戦う島左近や大谷吉継の姿には感動しました。

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2025年05月13日

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司馬さんの歴史小説では、史実でしか知らない人物が、人間になって立ち現れる。人間描写力がすごい。
石田三成と徳川家康、本書では関ヶ原の戦いの首謀者二人に光を当てる。戦いの成り行きとともに、二人はどう判断し、どんな手を打ったのか…。
すると、戦いの帰結の必然性が見えてくる。
三成は、官僚として非常に有能だが、人を受け入れる器が小さい。一方の家康は欲得で動く人間心理を理解し、人を操れる。
二人にからむ人物たちの人間模様も面白い。
結末がわかっているのにまるで現在形で動いているようで先が知りたくてたまらない。
先がわかっていても、人間三成に感情移入し、生き延びて欲しかった…

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2025年02月18日

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天下分け目の関ヶ原!とうとう完結しました。
徳川家康の緻密な戦略が凄い。
戦国武将たちのそれぞれの思惑。
司馬遼太郎氏の肉厚な描写に痺れました。

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2024年07月14日

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「おまえ、右手で握手したんやったら左手は何してたん?」
のくだりがあってこその関ヶ原の戦いやと思ってる。

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2024年06月22日

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昨年、1年見続けていた「どうする家康」。物語の大サビである「関ヶ原の戦い」が、なんとなくサラッと描かれていて、もう少し深掘りしたく読み始めました。

尾張派(北政所) VS 近江派(茶々) の代理戦争であったこと、滋賀の小さい一大名の石田三成が徳川家康と対等に戦えるまでになったこと、各諸大名にもそれぞれのドラマがあること(真田は生き残るために兄弟でどっちにもついたり)など、興味深いことが多いです。

西軍について敗北した毛利(長州)、島津(薩摩)、長宗我部(土佐)から討幕の動きがあることを考えると、関ヶ原って250年も影響し続けて、ほんとに天下分け目やったんやなと思うとります。

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2024年05月04日

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関ヶ原合戦、西軍の奮闘、小早川の裏切り、死闘。大谷吉継が最期まで名将すぎて涙目。島左近の17歳の息子さえ戦場で華々しく散った、というのも切なかった。
石田三成が戦場離脱したのには「あれ?大谷吉継は自刃したのに?」と戸惑ったけど、結局自首して潔く処されたのは(性格的に)筋が通ってて良かった。
これまで読んだ司馬遼太郎作品で上位にくる面白さだった。

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2024年02月27日

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みんなからの嫌われ者、石田三成を自分も序盤からずっと好きになれなかったのだけど、最後の最後でその感情も全く逆になった。感動した。
本当に義を貫いた人だったんだ。

裏切って家康についた将たちは、その後どんな運命を辿ったのか気になった。
次読むテーマにしたい。

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2024年01月12日

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・関ヶ原の戦いに至るまでの人間模様がとても魅力的に描かれていた。
・気持ち的には石田三成に勝ってほしかったが、世を治める器量はなさそうなので、徳川家康の勝利で良かったのかもしれない。
・小早川秀秋は今の時代でも悪者として扱われるので、人の行動が与える影響力の凄まじさを感じる。
・様々な人間の思惑が錯綜するので、自分が歳を重ねて読み度に、共感する人物が変わりそう。

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2023年08月29日

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誰もが知る関ヶ原。その後の泰平の世を思えば家康が勝者であってよかったと思うし、小早川秀秋がどう評されようがその裏切りは正解だと思う。
だけど、司馬さんの関ヶ原を読むと義に生きた青くさい三成に勝たせてやりたかったとも感じる。

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2023年04月01日

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タイトルは「関ヶ原」だけど、そこに至るまでの家康と三成の駆け引き、工作が詳しく描かれていて、それぞれの大名の戸惑いや計算、心情が分かって面白い。戦そのものは、戦力や布陣から言ってどちらが勝ってもおかしくない状況だったことが分かる。
西軍の敗色が濃くなった中で、名に恥じぬよう自分の死に様を飾ろうという数多の武士たちの激闘がすさまじい。
結局三成の挙はなんだったのか、最後の場面でそれを評した言葉に、救われた気がした。

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2023年02月14日

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ネタバレ

関東から西へ向かう軍勢。去就を決めかねる各大名家。
江戸から動かない家康と岐阜の東軍。家康の策謀により崩壊する西軍。

九鬼や真田など各大名家の去就や、岐阜城の戦いなど関ヶ原へ向かうまでの物語が良い。この小説の石田三成は本当に不器用で、自分でドンドン味方を減らしていく…。あれだけ走り回った島左近の最期は割とあっけなくて残念。

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2025年10月21日

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日本人なら誰もが知っているであろう関ヶ原の戦いを舞台にした本作。
しかし合戦部分は下巻の1/3程度であり、内容のほとんどが決戦前の工作に費やされている。
敗走した三成が"義"について振り返る心理描写がとても印象的だった。

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2025年08月19日

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天下分け目の決戦から石田三処刑で黒田官兵衛がトリを飾る構成。中心人物はもちろん徳川家康と石田三成だが下巻に至っては脇の登場人物達の出来事も更に書かれておりフラットな形での関ヶ原戦記といえる。前田慶次も登場してくる(脇役中の脇役だけど)のは嬉しい。
個人的には島左近がキャラも立っているしかっこいい。三成の綺麗事主義だとヤバいし(ちゃんと諫言している)彼程の武将なら家康も喜んで受け入れたろうに、現状でできる最善を尽くして最期に大暴れするのが素晴らしい。死体が発見されなかったため生存説も出た様だがこんな修羅場を生き延びたとは考えにくいし生きてたら大坂夏の陣に出てきそうな気がする。
本書では教訓になるエピソードがある。山内一豊が自分より若い武将のアイデアをパクって家康に1番名乗りを上げ武功無くして殊勲と所領を得ている件だ。卑劣極まりない奴だがアイデアの重要性を認識できる力、言うタイミング、何よりも行動力がある。やはり大名となるだけの事はあるし見習うべき点もあると思う。

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2025年08月05日

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関ヶ原という膨大な物語を読み終えた。
達成感と喪失感が入り混じっている。

本物語は、三成視点や家康視点…と東西の場面ごとに視点が切り替わり、「東対西」という大きな合戦の様子がありありと感じられた。

ことに、戦況の変化とともに揺らぐ登場人物たちの心情が印象的で、突如不利な戦になっても、意を決して敵陣に駆ける西軍の描写には、心を打たれた。

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2025年05月27日

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個人的に、初めて読んだ歴史小説がこの作品。
物語の時代の視点で描かれながらも、時折現代の筆者の視点に移ることで、史実を客観的に捉えながら、かつ当事者たちの視点で歴史を体感することができた。
関ヶ原合戦という一つのテーマに対して、合戦に関わった大小様々な大名たちの視点から多角的に描かれているのが印象的だった。
角度を変えると物の見え方が変わることの再認識と、"唯一絶対の解釈"が存在しない歴史の奥深さに感動した作品。
単に"歴史上の人物"として認識していた戦国大名たちも、一人一人が生身の人間であることを実感し、また言葉の描写の美しさにも心を惹かれた。歴史小説、そして司馬遼太郎作品に強い関心を抱くきっかけになった作品。

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2024年06月17日

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天下分け目の決戦を小説として読むことができ、非常に面白い内容だった。結局人は利で動かされるのは、いつの時代もこれが人間の性分かと思うとある意味辛くもあるが、考えさせられることが多い。石田三成の生き様をもう少し深掘りして歴史を学んでみたい。

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2024年04月21日

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ネタバレ

義と利
最期、石田三成が義を貫いた?思い出した?
シーンも感動です。

ボタンの掛け違いのように、思い込みで負けた光成。
石橋を叩きすぎる家康。

性善説の光成。
性悪説の家康。

少しの違いで歴史が変わるのかと思えた、
非常に読みごたえがありました。

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2024年02月29日

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結局、自身が動員できる軍事力がすべてなんだな。
家康250万石、三成19万石では諸侯を動かす力が違う。西軍の戦力が働けば話は違ったろうに。
で、これは今も変わらない。どんなに高邁な理想を掲げても、それを支える力がなければ理想は形にならない。
そしてもう一つ。人は義ではなく利によって動くもの。進歩がないねぇ。

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2024年01月25日

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西軍は負けてしまったが、戦の内容としては、かなり良いところまで行ったんだなと思った。大谷吉継の最期にグッときた。

家康は人がほしいものを与え、「利」や飴と鞭をうまく利用する。家康の方がすべて上手で、西軍が勝ったところで乱世は終わらなかったかもしれない。

それでも、この戦の「義」は三成にあったと思うし、死ぬ最期の瞬間まで、その姿勢を貫き通す姿がとても尊かった。

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2023年11月16日

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ネタバレ

関ケ原の戦い。その結末を知っていても、細かいことは知らずにいた。実は戦をする前に勝敗は決していたともいえる。  
 幼いころからテレビで見ていた時代劇はたいていが潔癖な正直者正義漢が勝つものだった。しかし、この戦国時代はもっともっとどろどろの義や恩よりも利や保身を探って動く実に腹黒い政治力によって生き抜き合戦があったようだ。
 そんな中で西軍の大谷吉嗣や島左近たちの命を惜しまない男気のある戦いぶりは実に爽快だった。その家来たちも負けるとわかっていながら大将の「逃げよ」という勧めにも従わず、堂々と死地に赴いていく。この潔さは胸をうたれ、深く余韻が残った。
 一度は逃げた石田三成もかくまってくれた農民に被害が及ぶのを憂い、やがて東軍の追手のもとに身を捧げている。皆、いさぎよく死んでいく。
 現代は生きてるだけで儲けものという言葉をよく聞く。もちろんそういう時代である。だが、この小説の時代は死ぬことの美学があり、あっぱれな死に様は名誉尊厳とともに後々の今になってもなお、息づいている。
 もしこの時代に将軍としての身分があったなら、自分は決して家康のような切れ者にはなれないし、悲しいかな石田三成のように生き下手で人間感情に鈍い武将であったと思う。できれば友情、義を重んじいさぎよく死んでいった大谷吉嗣に憧れる。決して小早川のような後代数百年後まで馬鹿にされるような将軍にはなりたくなかったと思う(わからんけど)。
 最後の初芽と黒田 如水を登場させてこの物語を締めくくったのは血生臭い戦の物語をそこそこきれいに洗い流してくれたように思う。
 上巻は8日間で。中巻は3日。下巻はほぼ1日で読んだ。

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2025年05月17日

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「男の最大の娯楽といっていい、自分が興るかほろびるかという大ばくちをやることは」

……引用は、石田三成の家臣、島左近の台詞から。三成は正論を振りかざすが故に諸将に嫌われ、「あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときにはわが思う目がかならず出る」ように、利をもって諸将を手懐ける家康の立場を更に有利にしてしまった。しかし、“利”ではなく“義”で行動する者(島左近然り、上杉景勝、直江兼続然り)もいて、彼らは現世で栄えはしなかったものの、その生き方は後世に憧れの対象となる……果たして、どちらが男の幸せなのだろうか。

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2023年09月10日

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ついに関ヶ原の戦が始まった。兵の数、立地などを考えれば西軍の有利だといわれたが実際は家康の謀略により西軍のほとんどは家康に与していて始まる前から結果は決まっていた。三成が負け家康が勝った要因としては情報に三成が重きを置いてなかったことと、三成が利より義で人は動くと思っていたことだろう。家康がいつ江戸を経って進軍しているのかも把握しておらず、また小早川秀秋が秀吉からの寵愛を受けているから絶対に裏切らないと思い込むなど慎重さが足りなかったのかな。結果負けてしまったが三成が挙兵することで秀吉の名誉も保たれ全く意味のないことではなかった。宇喜田秀家、三成、大谷吉継らの軍の勇猛さはとても面白かった。

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2024年11月19日

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大河ドラマに触発されて再読。
時代背景や人間模様がとても丁寧に書かれていてとても楽しいです。
人を動かすには、ついていきたいと思わせる力と、欲しい物を与える力が必要なんですね。

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2023年07月06日

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 関ヶ原の戦いを扱った歴史小説の最終巻。読み終えてから少し時間が経ってしまったので、読んだ時の感想の細かいところは忘れてしまったが、最後まで面白く読めた。この司馬遼太郎の本の中では、石田三成は決してすごく格好いい人物としては描かれていなかった。

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2023年05月01日

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いよいよ、関ヶ原の合戦の場面になる。
信州上田城で徳川秀忠を足止めにした真田昌幸、黒田長政が家康からの褒辞を父如水に報告した時の一言「家康から右手を押しいただいた時、そちの左手は何をしていたのだ」と言った黒田如水、有名なエピソードを改めて読み、歴史の旅を楽しんだ。
もしも関ヶ原の合戦が長期戦になり、黒田官兵衛(如水)が天下取りに乗り出したら、もしも小早川秀秋が裏切らなかったら、その後の歴史はどうなっていたのか。
歴史って面白い。

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2025年11月08日

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豊臣秀吉の没後~関ヶ原の決着までの時代の移り変わりを、石田三成と島左近、徳川家康と本田正信という東西の主役の視点から描く。上中下巻の大作で、主人公だけでなく彼らと接する諸将に順にスポットライトを当てて人物を丁寧に照らし出している。
最後の関ケ原の合戦では、光成の無二の親友でありほぼ唯一の理解者の大谷刑部も特攻をかけて散ってしまう。ままならない世の中に翻弄されながら最後まで光成に義理立てして西軍の意地を貫く姿には心打たれる。
本書は全編通して「義を利が圧倒する」というテーマがあるように思える。義に生きた武将たちの無念の生き様が赤裸々に描かれた大作である。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

disney+の将軍を観て、司馬遼太郎の関ヶ原を読み返しました。情報戦・調略により、東軍の勝ちは確定しているのに、色々そうだったんだ的な気付きも多く愉しめました

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

今年の大河ドラマは「どうする家康」。司馬遼太郎が家康を書いた『覇王の家』を読んでも関ヶ原合戦の部分はあまり書かれていない。それはもうすでに他の本に書いたからだと言う。それで『関ケ原』を読み返してみることにした。
石田三成の視線から見た関ケ原合戦がよく分かった。

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2023年11月26日

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