【感想・ネタバレ】関ヶ原(中)のレビュー

あらすじ

秀吉の死後、天下は騒然となった。太閤の最信任を獲得した能吏三成は主君の遺命をひたすら堅守したが、加藤清正、福島正則ら戦場一途の武将たちは三成を憎んで追放せんとする。周到な謀略によって豊家乗っ取りにかかった家康は、次々と反三成派を籠絡しつつ、上杉景勝討伐の途上、野州小山の軍議において、秀頼の命を奉ずる諸将を、一挙に徳川家の私兵へと転換させてしまう。

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Posted by ブクログ

戦国時代の現場中継を見ているようです。徳川家康VS石田三成それぞれの人間関係、策略が俯瞰できるところが面白い。両者の様子を見比べて、自分だったらどちらにつくかを考えると、まさに究極の選択で、どちらとも言い難し。ただ応援するとしたら、三成の気分になっています。この小説の中での家康はどうもすきになれない。(百姓の立場だったら、新しい世の中になってほしいから、家康かなあ。)家康はワンマンに見えて、重要なところでは必ず会議にかけて全体にはかっている。家康の方がやはり、一枚うわてなんだよなあ。三成、惜しいなあ。

三成にどうか頑張ってもらいたいと思ってしまう、この不思議。関ヶ原の戦いの結果は、歴史事項として既に分かりきっているのに、文章にのめり込んでしまうというか引きずりこまれる。このようになるのは、司馬遼太郎さんの、登場人物に対する様々な思いが入っているからなんだろうなあ。著者の魂が乗り移っているようです。

三成、大谷吉継、安国寺、三人の話し合いの場面、細川ガラシャの最期、特に印象的でした。

関ヶ原の戦いの結末を筆者は、どのような言葉で締めくくるのか、石田三成の応援団の一人として気になるところです。

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2025年05月15日

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・まだ戦いは始まらんぞ。
・上巻が石田三成メインだったが、中巻は徳川家康メインという印象。
・徳川家康の大きな構想を思い描く力がよくわかる。普通の武将ではこの時代そりゃ太刀打ちできんよなってなる。
・関ヶ原の戦いの結果を知っていてもワクワクする。
・下巻が楽しみ。

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2023年08月23日

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 上巻は石田三成が中心だったが、この中巻ではむしろ徳川家康が中心となってくる。「覇王の家」でも描かれていたような泥臭い家康が、いかにして石田三成との決戦に向けて段取りや裏工作を進めてゆくのかが描かれる。当然関ケ原の結末は知っているのだが、それでも一体今後どうなっていくのだろうということが気にあるような、続きも気になる歴史小説。

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2023年01月09日

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家康の作戦の緻密さ・徹底した根回し。これが江戸幕府特有の密偵文化の礎なのだろう。ひいては、日本人の気質にも脈々と受け継がれているきがした。

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2021年07月25日

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日本が東西、真っ二つに割れる中巻。
徳川方、石田方、果たして、どちらが味方を多く、持つことができるのか。
まさに、天下分け目。
両者の駆け引きが始まる。
関ヶ原の前哨戦を、非常に分かりやすく、読みやすいように解説してくれる。

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2020年11月10日

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ひたすら関ヶ原前の政争が描かれている。見せ場はなんといっても「小山評定」。家康の恐るべき智謀はサラリーマンとしては学びたいところである。

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2020年03月22日

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司馬遼太郎がまとめた、関ケ原の戦いを最後にした、石田三成と徳川家康の戦略の立て方をまとめた本。

中では、上杉景勝が戦を決意したところから、石田三成が大阪で挙兵するまで。

石田三成の正義を重視し人の気持ちを省みないやりかたと徳川家康の老獪なやり方の対比の表現が心に残る。

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2020年01月04日

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いよいよ石田三成は、会津の上杉氏とともに挙兵する。光成も家康も共に大義名分は、豊家を脅かす奸賊を征伐するためとなっているが、諸大名はどちらにつくのが自分にとって有利なのかを機敏に察知し、多くが家康に付いていくこととなる。P427に、司馬遼太郎が書きたかった本小説の本質が書かれている。「世間は、欲望と自己保存の本能で動いている。」このテーマは、著者の他の著作の多くにおいて描かれているが、本小説程、この本質を描くのに適した題材は無いであろう。この日本人の持つ特質は、戦国期の昔から現在まで変わること無く引き継がれており、おそらく未来永劫変わることはないのであろう。伝統的な日本企業あたりでは、今日もまた同じような政治的駆け引きが行われているのであろう。

中巻では、細川ガラシャ、小早川秀秋、真田父子などの時代の主役達が登場しはじめ、物語に彩りを加えてくる。

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2018年10月08日

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「関ヶ原(中)」(司馬遼太郎)を読んだ。
その時代に生きていたら私は絶対三成派についただろうな。(自分のことだからよくわかる)
『家康許すまじ』との義憤によって結局身を滅ぼすのだよ。
って、足軽風情で何言っとるか。(笑)

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2018年07月06日

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ネタバレ

秀吉の死後、騒然となった天下。秀吉の遺命を堅守しようとした石田三成。周到な謀略により豊家を乗っ取りにかかった家康は、反三成の武将を籠絡していく。前田家に謀略をかわされた家康は、上杉景勝討伐へ。三成の挙兵後、小山の軍議において、諸将は徳川家の私兵へ転換させてしまう。

石田三成が不器用すぎて読んでいて少しイライラ…。左近ももう少しちゃんと諌めないと…。しかし家康や加藤清正、福島正則たちに対する評価が酷い…。しかし読んでいると夢中になってしまう。

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2025年10月18日

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いよいよ決戦に向けて各人の思惑や思考が表出され出してきて面白くなってきた。戦いの前の作戦や分析が垣間見られ出してきて歴史から勝敗の結果だけはわかっていても、そこに至るまでのプロセスや登場人物たちの心情の機微を楽しみたい。

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2024年04月18日

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ネタバレ

p141.風雲
家康は、風のなかで立っている。
どっしり構えていた家康が、初めて心を乱された。
さすが直江兼続。パチンコで主役を務めるだけある。

その他
小山評定での発言ひとつで徳川政権後の石高が変わる面白さ。
家を残すための必死さ、謀略など。面白い。

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2024年02月23日

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三成が奉行の座を追われ、家康が上杉討伐に動き出す。三成の挙兵を待っていたかのように小山評定に。
三成と家康の派閥工作が丹念に描かれているけど、いくら何でも、これらがすべて家康と正信の脚本通りとするの思いっきりがよすぎるよなぁ。ま、そのおかげで講談みたいに面白いんだけどさ。

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2024年01月25日

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上巻は9日かかって読んだけれど、中巻は2日と少しで読み終えた。派手な合戦に至る前のその裏で各々の諸将たちの腹の探り合い。仁と義と利とが脳裏に渦巻く中で、友情をもって不利な戦に赴こうとする将もいる。この時代、命というものはかくも重みがなかったのかと、かくもいさぎよく死を受け入れることができたものかと粛とした心境になる。
 それにしても石田三成の嫌われようは悲惨で残念でもある。何せわたくし、卵焼きは好きだけれど巨人も徳川も大嫌いで西軍ひいきの身であるからして。
 生き上手、出世上手になるにはただ、正義正直誠意だけではダメなのだ。タヌキ、狐になり腹黒くならなくてはならないのは今の世の中でも同じなのだろうか。

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2023年09月23日

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「男の最大の娯楽といっていい、自分が興るかほろびるかという大ばくちをやることは」

……引用は、石田三成の家臣、島左近の台詞から。三成は正論を振りかざすが故に諸将に嫌われ、「あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときにはわが思う目がかならず出る」ように、利をもって諸将を手懐ける家康の立場を更に有利にしてしまった。しかし、“利”ではなく“義”で行動する者(島左近然り、上杉景勝、直江兼続然り)もいて、彼らは現世で栄えはしなかったものの、その生き方は後世に憧れの対象となる……果たして、どちらが男の幸せなのだろうか。

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2023年09月10日

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大河ドラマに触発されて再読。
時代背景や人間模様がとても丁寧に書かれていてとても楽しいです。
人を動かすには、ついていきたいと思わせる力と、欲しい物を与える力が必要なんですね。

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2023年07月06日

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関ヶ原の戦いがいよいよ始まるまで描かれた。本田正信の謀略のおかげで徳川側に豊臣側大名達が味方していくのは政治の大事さを感じた。三成もそんな政治ができたらまた歴史は変わったのかもしれないが作中に何回か出てきたように民衆は富を散財する豊臣政権に疲弊して吝嗇の徳川を好んでいたそうだから、民意は三成につかなかったのは意外。如水や真田昌幸がこの騒乱に乗じて天下を狙ってるのも野心の高さが表れていで面白かった。堀忠氏が小山での軍議で土地城を全て献上する策を山内一豊が盗む流れも策を巡らす戦国時代っぽい

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2024年11月19日

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西軍の三成と東軍の家康。どちらにつくのかという各人の思惑が交差する。
ただ考えているのは、自身の利と家名のことばかり。それは現代の政治家にも通じるところがあり、とても滑稽に感じる。
そんな中、いよいよ三成が挙兵。
決戦の下巻へ。

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2021年09月01日

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中巻は家康が上杉征伐に向かおうとする少し手前からのスタート。上杉景勝と直江兼続の主従関係の素晴らしさがいいと思います。中でも家康を激怒させた兼続の挑戦状はお見事!さすがに関ヶ原にクローズアップされているだけに、普通の歴史ものなどでは、一瞬で経過するところが詳しく描かれていて、また普段は脇役的な武将もしっかりと描かれているのがいいと思いました。次巻はいよいよ関ヶ原の戦いです。

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2021年07月18日

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天下分け目の大合戦に向けて着々と工作が図られていく過程は読み応え抜群。三成も周到な準備をしているけどこの時点で既に家康側に圧倒的利があるとは何とも皮肉。かの有名な小山評定の全貌を解明することができて満足した。今作で一番印象的に残ったのはやっぱり細川ガラシャのエピソードかな。あんな悲惨な経緯があったなんて思いもしなかった。絶世の美女と謳われる女人は不幸な目に遭うのが世の性みたいなところがあるが、それが露骨に表れていた気がする。余りにも切ない彼女の生涯。ご冥福をお祈りします。夫の細川忠興、許すまじ。

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2021年01月12日

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面白くなってきました。細川ガラシャさんのエピソードはつい最近に歴史ヒストリアでも観たなあ。山内一豊の二度のラッキーなエピソードも面白い。小山の軍議に大小名が一人、また一人と…そして彼らのプロフィールが紹介される。

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2020年12月24日

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関ケ原の前哨戦がメイン。

『功名が辻』にも出てくる有名な評定や、こちらもよく知られている「犬伏の別れ」などのエピソードが登場する。

ここでも三成は知恵者だが肝心なところが抜けている、言わば「策士、策に溺れる」さまが描かれている。

さらに黒田官兵衛の九州での進撃も。

これらが全て「関ケ原」なのだろう。

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2020年12月14日

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今回も馴染みのある人物たちが登場してくれた
鬼島津とか山内一豊とか本田忠勝の娘とか真田幸村とか、、、
小早川はあんまり好きではない笑

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2020年07月14日

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小山評定までが中巻である。

読み進めるほどに、読むのがだんだんと遅くなってきた。
それは物語が退屈なのではなく、石田三成が魅力的に書かれているからである。
関ヶ原の戦いの結果は皆が知るところであり、石田三成の敗北となる。

読み進めるということは石田三成の敗北に近くなるということで、彼の敗北を見たくないけれど先が読みたい。そんな感じ。

しかし石田三成のような小大名が日本の歴史を決める大戦を主導したということは驚くべきことであるように思える。

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2019年03月18日

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家康の策謀に対峙する兼続と三成の全国を巻き込んでの挟撃作戦。たった19万石の沢山城主が、西日本の有力大名を大坂に終結させる。いよいよ役者が揃い作戦開始。中だるみを覚悟していたが、リズムよく進む。下巻突入!

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2018年10月27日

Posted by ブクログ

じわじわとその時に近付いていっている感じがたまらない。細川伽羅奢、真田昌幸、山内一豊とか名だたる役者それぞれのことが丁寧に描かれているし、家康の緻密な策略は、戦いを略するまさに戦略というものを感じ、味わい深い。ついに決戦を迎える下巻、期待高まる!

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2018年05月26日

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作者の家康憎さが随所から伝わってくる。石田三成視点で話が進むため、読み手もやはり石田三成に気持ちが入ってしまう。もし家康視点の話があるのなら、彼なりの解釈のもと石田三成を邪険に思うのであろう。島左近が徹底して石田三成に仕える姿勢は格好良い。石田三成には分が過ぎる従者と言われるのも納得かもしれない。島左近には、最後まで石田三成の味方であってほしい。

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2019年01月16日

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狐の三成と狸の家康がバチバチに情報戦をしているが家康が一枚も二枚も上手。
家康の謀にまんまと三成が乗せられ、戦さに持ち込まれてしまうのはわかっているストーリーだけどヒリヒリする。
この中巻ではいよいよこれから関ヶ原の戦いがはじまるぞという場面で下巻に続くのである。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

石田三成メインで進むかと思っていたがキチンと徳川家康も主役として描かれている。石田三成側だおどうしても島左近が中心というか双肩を担う印象が強いが徳川家康の場合、本田正信の様な知力と政治力に特化した謀臣がいても(本書における役回りは大きいけど)あくまでも手駒の一種の様に見据えている面が見受けられる。石田三成の方が人間性として義の人であり当時としては珍しく友情にあつく女性(多分本書創作上の人)にも純な気持ちで応えるという点で家康より清潔なのだが、気がつけば家康の方が武将の気持ちを分かっている事になっている。秀吉が晩年耄碌したからか不明だが信長死後に瞬く間に版図を摂取しているし小牧長久手の戦からみても油断のならない人物なのに処理しなかった事が関ヶ原の遠因と見てよかろう。

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2025年08月04日

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豊臣秀吉の没後~関ヶ原の決着までの時代の移り変わりを、石田三成と島左近、徳川家康と本田正信という東西の主役の視点から描く。上中下巻の大作で、主人公だけでなく彼らと接する諸将に順にスポットライトを当てて人物を丁寧に照らし出している。
中巻では関ヶ原の合戦の準備が進んでいくが、世渡り上手で人心掌握術に長けた家康と切れ者だが人づきあいが下手で嫌われ者の光成の対比がなんとも切ない。

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2025年06月03日

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