小説・文芸の高評価レビュー
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山崎豊子、、人生88年の中でこのレベルの小説を何作品も執筆していることが信じられない。すごい。
山崎豊子小説は、沈まぬ太陽、大地の子に続いて3作目。江口洋介のイメージが強かったけど、主役の財前五郎を演じたのは唐沢寿明だったのね!
白い巨塔では、教授選挙、医事裁判、学術会議選挙、と、普通ならそれ単体でテーマになるであろう大きな出来事が息つく暇なく次々と展開されるため、読む手が止まらない。その長編の中で、初期に描いた登場人物の行動を、動機や伏線としてその後展開されていく仕掛けのおかげで、キャラクターの価値観や背景をすんなり理解しながら読み進めることができる。
面白いなと思ったのは、主人公が「イ -
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学校へ行けなくなったまいが、おばあちゃんとの暮らしの中で少しずつ心を整え、成長していく姿がとても良かった。静かで温かい気持ちになれる作品だった。
“魔女修行”として描かれていたのは、特別なことではなく、早寝早起き、きちんと食事をすること、身体を動かすことなど、生活の基本だった。こういう日々の積み重ねが、心を整えることにも繋がるのだと感じた。
野いちごのジャム作りやラベンダーの上で乾かすシーツなど、自然に囲まれた丁寧な暮らしの描写にも癒された。
特に印象に残ったのは、「自分の意思で決めること。決めたことをやり通すこと」が大切だという言葉。そして、「感情や直感に振り回されないこと」も忘れたくない -
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東日本大震災がきっかけで罪を重ねてしまうが目的を果たすために北へ向かう青年の話。タイトルが内容をそのまま表している。最近読んだ本の中では一番面白かった。
東日本大震災直後はこれから先どうなるのかも分からない混乱が長く続いたので、警察の人手も少なく捜査の手が伸びにくいなど犯罪者にとって利点がある状況を活かして逃げる青年。とにかく運が無く事件に巻き込まれて罪を重ねるので青年に感情移入してしまう(もちろん罪を償う必要はあるが)。
青年を追う刑事も震災の被害者で家庭内不和があり、どちらも応援したくなった。
青年が子供と共に立ち寄った集落の避難所に警察の捜査が入った際、子供が青年にとても懐いていた、とい -
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料理人としてフレンチレストランを開業する間近で、妻を亡くし絶望していた田所圭介。
彼は、妻の残した鍵のかかった小箱と写真を持って、写真の場所を見つける旅に出る。
道の駅で、車中泊しながら各地を巡る間に、さまざまな訳ありの人達と触れ合うことになる。
いろんな人と触れ合うことで、徐々に自分の気持ちや思いを打ち明けるようになった田所。
そして、彼自身が得意とする料理を少しずつ振る舞うことで前向きになり、最後には写真の場所や妻の思いも知ることとなる。
車中泊をする人たちの理由もそれぞれで、みんな何かを背負って生きている。
今の暮らしがベストで、ずっと続けられるとは思っていないだろうが、どうす -
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SNSの「正しさ」の炎上社会に反撃する物語。しかしこの小説自体でメタ的に反論しているので、物語であるとともに思想書・社会論のような作りになっている。
物語はかなり昔のストレートな「美しい話」のようになっているが、これも思想書としての著者の「論法」なのかもしれない。
実際には、この「正しさ」を克服する方法も目処もあまり論じられていないかもしれないが、今後の社会への一石には充分値する作品。
物語の重要人物が子供時代にかなり残酷な不幸に見舞われる(フィクションとはいえ読み進めるのをちょっと躊躇するくらいな凄い描写)が、これを救ってくれる人物が現れる。この人の職種、立ち位置としては一般的に「グズの外道 -
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『イン・ザ・メガチャーチ』、信頼できない語り手、オールナイトニッポン0、と進んで、今『時をかけるゆとり』を読み終わったところ。朝井リョウにハマりすぎている自分が怖い。
本作、大学生のときに書かれたということだが、にわかには信じがたい。崇高なことを言ってみようとか、ナナメの視点を提供しようとか、あるいは思い切りウケを狙おうとかいう大学生らしい上滑り感がほとんどなく、ちゃんとお金をもらって書いたプロの文章として完成している。しかも本作執筆時直後に戦後最年少で直木賞を受賞しているというのに、ちっとも浮つかず、最初から最後まで尻の話で一貫している。ただ達観しているけれども、学生らしいキャピキャピ感や -
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ネタバレ日に四度電話をかけてくる日あり息子の声を嗅ぐように聴く。「愛の不時着」に見る「はにかみと思いやりのずらし話法」。「クソリプ」の分類図(笑)。「保育園落ちた、日本死ね!!!」の原文(初めて読んだ。クルものがある。)。賢い人って「笑顔である事。幸せである事。正直である事。誇りを持つ事。」。不満というのは、ぶつける相手がいるという大きな幸せのうえにある小さな不幸。作品は副産物と思うまで詠むとは心掘り当てること。遠くからみてもあなたとわかるのはあなたがあなたしかいないから。言葉は受けとめる側のコンディションにも左右される。言葉の達人、俵万智。
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台湾での子供時代がいきいきと語られていて、その分つらい。面白かった。
アガンのお母さんは働かない夫アホンを横目に見ながら、アガンとダーダー、そして隣のうちの子である私ユンの面倒を見てくれていたが、夫に見切りをつけて離婚することにした。アホンの弁護士はユンの父だったが、アホンの素行が悪すぎてどうにもならない。
アホンは床屋の奥さんに言い寄っていたが、床屋さんにとっちめられる。兄を亡くした母は過干渉になった。ユンは家から出るのがとても大変に。ジェイは継父に殴られて入院した。ユンはジェイの継父を毒蛇で殺すことにした。しかし間違って毒蛇が殺したのはアガンの父のアホンだった。
サックマンと呼ばれる -
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audibleで。役者の世界、梨園の厳しさに圧倒され、引き摺り込まれるように下巻に突入。
喜久雄に半次郎を襲名させることに決めた訳が、下巻では明かされている。丹波屋に戻ってきて花井半弥として屋号を継ぎ、順風満帆かと思われた俊介に降りかかる不幸。それと対比するように浮上する喜久雄の運。どのように言われようとも、芸を磨き舞台に立ち観客を虜にする喜久雄。喜久雄の会話部分が少なくなっていくにつれ、孤高感が増し、哀しいほど美しいのだと感じてしまう。
しかし、狂気に取り憑かれたかのように役者であろうとする男たちを、必死で愛し支えた女たちの戦いもまた、この下巻で心に残る部分だった。
ラストは、本当に、なんと