小説・文芸の高評価レビュー
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この物語では、愛着と執着の違いが、人と人との関係を通して描かれていた。
愛着とは、大切な人が変化していくことも含めて、その人を受け入れようとする思いである。一方で執着とは、相手の変化を受け入れられず、自分の安心のために相手を管理し、変わらない存在としてとどめておこうとする思いなのだと思う。
朔さんは、非常に鋭い感性を持っている。そのため、周囲から距離を置かれがちであり、そのために、人の感情や関係の変化を受け入れるという点では、まだ十分に成熟できていない人物であった。
物語の初めの朔さんは、女性に対して執着に近い感情しか持ち合わせていなかったが、一香と出会ったことで、初めて人に対する愛着を -
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#余命一週間の探偵として
#ホリー・ジャクソン
自分の余命が残り一週間という、究極のタイムリミットを前に展開するサスペンスミステリ。刻一刻と迫る期限。テンポもよく中だるみも一切なし。こちらもページをめくる手が止まらない。今年読んだ作品の中で、時間あたりの消費ページ数の第1位かもしれない。
ピップシリーズとも共通するご近所さんミステリが今回も健在。やっぱりホリー・ジャクソンは、タフな女性主人公の描写が本当に上手い。ジェットの強さを目に焼き付けておきたいよ。
そして、今回も作者の謝辞が最高でグッとくる。これからも最高の作品たちを期待したい。
#読書好きな人と繋がりたい -
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『地雷グリコ』は、頭脳戦を題材にした小説で、読む前は何やら物騒なタイトルだし、ゲームのルールも複雑で理解が難しいのだろうかと思っていたが、その不安を良い意味で裏切ってくれた作品だった。
本作に登場するゲームは、誰もが遊んだことのある遊びにプラスアルファのルールを加えたものばかり。どれもシンプルながら奥深いゲーム内容になっており、そこに心理戦や観察力、発想力が加わることで、一手一手に大きな意味が生まれていく。「そんな勝ち方があるのか」と時には感嘆し、また時には得体の知れない恐ろしささえ覚え、気づけば夢中でページをめくっていた。
特に印象的だったのは、勝負が始まる前から駆け引きが始まっているこ -
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ネタバレいやー。やばいわ
シリーズ最後で、かなり期待して
読み始めたけど
誘拐と浦杉の娘の話があるだけで
珍しくあまり残酷なシーンもなく
なんだか物足りないと思ったのに
最後に見事な伏線回収!
海外におる小諸弁護士と
そんな連絡とれんくて大丈夫なん?とか
架乃の周囲は怪しい人ばかりで
これどうなるん?
絶対なんかあるよなと考えながら
読んでた私の期待を遥かに超える
すごい展開で終わった
もう私には真知代が正しく思えてしまいますよ
ホントに…
ちゃんと浦杉と架乃の件を終わらせただけで
すごいなと思ったのに
エピローグに、小諸弁護士の件をもってきて
またそこで、そっちかー!と納得させられた
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最初のマカン・マランシリーズが,出てから10年という節目で発刊された本作
読み始めると、戻って来たーという安心感でいっぱいになった
本中にもあるように旅をすることで、日常のありがたみを感じるというまさにそれ
旅をすることで、人や新たな景色、文化に出会い、我々がそこでゆったりとくつろいだり、綺麗な景色を見たり、美味しい食事ができる
文化にしても景色にしても、美味しい料理や素材にしても人の温かさについても、それぞれがそこに行き着くまでの過程があってこそ、今そこにあるということ
たくさんのことに感謝しながら、少しの幸せでも幸せだと感じられる自分で居られるよう、これからもゆっくりと山を下山し -
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単行本に続いて、文庫本で再読しました。
主人公の「僕」は中学2年生で、ある日、ふで箱の鉛筆と鉛筆のあいだに小さく折りたたまれて入っていた紙に、シャープペンシルで「私たちは仲間です」と書かれたメッセージを受け取ります。
主人公の「僕」は、斜視が原因でクラスの男子生徒たちから、日常的に暴力を伴うイジメを受けていました。その後も机の中に差出人不明の手紙は届き、そこに書かれた文章も少しずつ長くなって、次第に机の中に手紙があるかどうか確かめるのが「僕」の習慣になっていきました。
ある日、「会いたいです」という手紙が届き、これもイジメのひとつで誰かが待ち構えているのではないかと不安を抱きつつ、待ち合わ -
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私たちは無意識のうちに子どもファーストを押し付けていないか。
24時間保育園のつづき園で働き始める文乃先生が、子供や両親、園のやり方を知りながら成長したり、自分の抱える問題と向き合ったりする話。
自分と重なる部分は『こどもがいる』ってことだけなのに、なぜか共感する部分が多くて、おそらく親には多かれ少なかれ、子供に対する罪悪感があって、また他の親子を見るともっと子供に対してこうしたらいいと勝手に思ってしまうところがあるのだと思う。事情は本当に人それぞれなのに。
文乃先生もはじめは自分の思い込みから、相手を徐々に知っていくことでより良い保育や、人間として成長しているように見えた。そして彼女の -
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ネタバレそれぞれのお話にタイトルがちゃんと付いてたから、「見る」ことがテーマになってるお話の集まりかと思ってました。
全然違った、色んなとこで私の予測は裏切られた(笑)
最終話の始まり見て(登場人物の名前のとこ)、また最初とか途中のお話とかに戻ったりして…
こんなに小さい本なのに、すごく楽しめました。
長編読んだのと同じくらい余韻がすごい、というか、長編だとちょっとぐったり疲れてしまうこともあるから、もしかしたらこのくらいのコンパクトさが私には良かったのかもしれない。
「功徳」の樹さん、ふりがな振ってなかったから勝手に「じゅり」くん呼びしてました(笑)
そしたら次のお話だと、ちゃんとふりがな付いてた -
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読売新聞を購読していた時、人生案内の回答者がいしいしんじさんだった回は必ずブックマークをつけていた。良いのは回答の内容だけでない。詩のようにしなやかに、戯曲の登場人物のように相談者に懸命に問いかける、あの文章がたまらなく良いのである。読んでいてひとつの短編を読んだような読後感さえ感じることもある。
この本には回答のみならず、いしいさんが人生案内を受けることになったいきさつやこんな気持ちで人生案内を書いていた、というバックグラウンドまで載っており、いしいさんの家族への、犬への、周りの人々への、顔の見えない相談者への、温かな、時に冷静な目線がうかがえる。
もうひとつ、最相葉月さんの人生案内も好きだ -
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ネタバレポハピピンポボピアが最後まで覚えられなかった。。
コンビニ人間が大好きだったのでずっと読みたかった本。世間のことを工場と呼び、世界への違和感から自分を宇宙人と信じてやまない子どもの話が前編。
大人になってもまったく変わらず拗らせている。そしたらまさかの同じ考えの人間がもう1人。洗脳なのか伝染なのか、でも妙に納得のいく話。後半、由宇も宇宙人に戻ってきてからが特にめちゃくちゃ面白かった。
ずっと自分のものではなかった身体を、地球星人を食べることで取り戻した瞬間は感動まで覚えた。
生き延びなくても生きることができるのか。真理。
ずっと意味わからない話をとても納得のいくように書かれており、自分の考 -
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ネタバレ面白かった。
親と共依存で意思のなかった、しかし自己愛だけは強い、真実が自立していく物語。狭い世界しか知らない人間は、自分の知っている世界の中での常識の範疇でしか物事を捉えられず、自分と他人を「違う人間」だと切り離し、傲慢になってしまうのかもしれない。
傲慢さと善良さ。善良でいることが自分の知る世界を狭め、傲慢さをも招いてしまうということ。
前半は真実の「意思」の無さや真実の両親の真実への依存っぷりにイライラしたが、後半の真実が新しい環境(逃亡先)に身を置き、新しい人と知り合う中で価値観が変わっていき、成長していく姿が読んでいて心が温まった。最後も感動。 -
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高木彬光『帝国の死角 第二部 神々の黄昏』中公文庫。
高木彬光の代表作の1つに数えられているようだが、数十年前に角川文庫で高木彬光の作品を読んでいた時には全く興味を持っていなかった。
第一部と第二部とで、こういう仕掛けになっていたとは驚いた。第一部を読み終えた時は壮大なスケールの冒険小説だと思ったのだが、第二部は一転、推理小説となっている。それにしても、最後の最後に待ち受けていた裏切られたような結末には心底驚いた。
天皇の密命を帯びてドイツに渡り、終戦後に日本の地を再び踏むことなく、海軍少将の鈴木高徳が亡くなってから20年後。鈴木の息子の二郎は日本の出版社に務めていた。そんな鈴木二郎の