小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったです。全然想像もしていなかった結末に、少し切なくなりながら読み終えました。
ミステリー小説を普段あまり読まないためか、所々理解が追いつかぬまま進んでいくとこに戸惑い(ミステリーってそういうことで、いいんですよね?笑)、途中で一旦読むのをやめましたが、最後はもうページを捲る手が止まりませんでした。
構成が最高ですね!本当に面白かった!!!
私は意外と、藤本幹也に心を締め付けられました。
想いを寄せる相手に、自分が認識している身体ではない自分しか見てもらえない、話はできるからこそろ、もどかしいし、切なかった。
そして、初美を、茉莉子を、みんなを守ってきたことも、もっと報われてほしかったなと。
解説の「鏡の話」は、今後胸に留めておきたい内容でした。
鏡は、任意の視線にさらされ、任意の像を写している。
客観的に映っているものを見るのではないー見るから映るのだ。
鏡に映る像を確定するには、何者かが鏡を見る必要がある……誰かが、ある方向から鏡を見ることによってしか、その限りにおいてしか鏡の像は確定できない。
人は見ようとしているところしか結局見えていないのだど、統合できない何かが存在していたとしても。 -
Posted by ブクログ
夢中になって一気に読める、というタイプの本ではなかった。読むのが少し大変なところもあった。でも、とてもinterestingな本だった。
自分が持っていない視点、自分に欠落しているものを照らしてくれるような本だったと思う。もちろん、もともと自分にない視点なのだから、読んだからといってすぐに分かるようになるわけではない。それでも、「ここにも希望がありますよ」「そんなに単純に考えなくてもいいですよ」と言ってもらっているような気がした。
できないことや、思い通りにならないことを、単純に不幸や失敗として捉えなくてもいい。その中にも、自分がまだ知らない生き方や、人との関わり方、世界の見え方があるのかもしれない。
この先を生きていくときに、何かの中に光を見出すきっかけをくれるような本だった。
この本に出会えてよかった。伊藤亜紗さんが見ている世界を、もう少し読んでみたいと思う。 -
Posted by ブクログ
無人の集落の再生プロジェクトは、それはそれは大変なことだろう。移住者が田舎に期待していることは人によって様々で、それが火種にもなるだろう。都会では我慢してきたことをここでは叶えたい、叶えられるべきという主張が強くなる。だから移住してきたのだ。だからそれが叶わないなら去る。居づらいから去る。至極当然だ。
そして誰もいなくなる。
『日常にありそうなトラブル』から事故や事件。どんな謎?どんな展開?読み進めてみると、気持ち良いくらいに潔く去る。解決したのか?
そして最終章で、解説からの言葉を借りると、オセロゲームのごとく一気に黒白反転して勝負あり。
『そして誰もいなくなった』
本書の問題は、移住者トラブルだけでは決してない。 -
Posted by ブクログ
十二国記のエピソード4。
今作はエピソード1で登場した陽子、芳国の王の娘・祥瓊、蓬莱から来た鈴の3人の視点で描かれています。陽子は慶国の王座に就くも役割を果たせず、苦悩の日々。祥瓊は王であった父が謀反により亡き者にされ、平穏な暮らしが奪われる。鈴は知らない土地に辿り着き、才国で下女として辛い日々を強いられる。
それぞれの苦悩が並行して進みますが、特に祥瓊と鈴の心情が痛いほどわかる!
祥瓊の『私は何も知らなかったのに、なぜ私のせいにするのか』という気持ち。鈴の『誰にも私の辛さはわからない。私が一番辛い思いをしている』という気持ち。不幸の穴に自分から落ちていく、不幸に浸っている、この感覚に身に覚えがあり、読んでいて痛かったです。それぞれが出会い、経験することで少しずつ変化していく3人。そして、下巻での戦いはワクワクする展開でした。ラストの陽子の言葉がとんでもなく最高です。個人的には、ハンキョの「御意」がツボ(笑)次作に続きます!
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