あらすじ
深夜3時42分。母を殺した娘は、ツイッターに、
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。
2018年3月10日、土曜日の昼下がり。
滋賀県、琵琶湖の南側の野洲川南流河川敷で、両手、両足、頭部のない、体幹部だけの人の遺体が発見された。遺体は激しく腐敗して悪臭を放っており、多数のトンビが群がっているところを、通りかかった住民が目に止めたのである。
滋賀県警守山署が身元の特定にあたったが、遺体の損傷が激しく、捜査は難航した。
周辺の聞き込みを進めるうち、最近になってその姿が見えなくなっている女性がいることが判明し、家族とのDNA鑑定から、ようやく身元が判明した――。
髙崎妙子、58歳。
遺体が発見された河川敷から徒歩数分の一軒家に暮らす女性だった。夫とは20年以上前に別居し、長年にわたって31歳の娘・あかりと二人暮らしだった。
さらに異様なことも判明した。
娘のあかりは幼少期から学業優秀で中高一貫の進学校に通っていたが、母・妙子に超難関の国立大医学部への進学を強要され、なんと9年にわたって浪人生活を送っていたのだ。
結局あかりは医学部には合格せず、看護学科に進学し、4月から看護師となっていた。母・妙子の姿は1月ころから近隣のスーパーやクリーニング店でも目撃されなくなり、あかりは「母は別のところにいます」などと不審な供述をしていた。
6月5日、守山署はあかりを死体遺棄容疑で逮捕する。その後、死体損壊、さらに殺人容疑で逮捕・起訴に踏み切った。
一審の大津地裁ではあくまで殺人を否認していたあかりだが、二審の大阪高裁に陳述書を提出し、一転して自らの犯行を認める。
母と娘――20代中盤まで、風呂にも一緒に入るほど濃密な関係だった二人の間に、何があったのか。
公判を取材しつづけた女性記者が、拘置所のあかりと面会を重ね、刑務所移送後も膨大な量の往復書簡を交わすことによって紡ぎだす真実の物語。
獄中であかりは、長年別居していた父の手厚いサポートを受け、多くの「母」や同囚との対話を重ねた。そのことが、あかりに多くの気づきをもたらした。
一審で無表情のまま尋問を受けたあかりは、二審の被告人尋問で、こらえきれず大粒の涙をこぼした――。
気鋭の女性記者が、殺人事件の背景にある母娘の相克に迫った第一級のノンフィクション。
感情タグBEST3
共感しすぎて涙が出た
「ああ、私の家と同じだ…」と思った。90点がギリギリ、95点以下で叱られる。学年10位以内は当たり前。そんな家で育った。
89点を取ってしまった時頭が真っ白になり、「母が交通事故に遭わないかな」と願う心境。まるで中学生の時の私だ。私は大学から家を離れたが、うまく離れられていなければあかりと同じ道を辿ったかもしれない。
そんな私ももう、30代後半。結婚して子どももできて幸せには暮らしている。母もかなり丸くなった。
それなのに、未だに昔のトラウマが消えなくて実家にはめったに行きたくない。理由なく母に会いたくない。何かにつけてまた怒られると思ってしまう。子供の頃の恐ろしい母の印象は、30代40代になっても決して消えやしない。
どうかこれを読んだお母様方は、子どもにこんな思いをさせないでほしい。勉強ができなくても社会の役には立てるしダメな子どもなんかじゃない。あたたかい目線でのびのびと、その子に合った成長を見届けてほしいと切に願う。
Posted by ブクログ
映画みたいな物語が現実で起きていたんだなと思った。
僕は読んでいて、書き手の方の真摯さが伝わってきたと感じた。
ノンフィクションで泣きそうになったの初めてでした。
やってしまったことは〜とか、殺すのはない、とか、思う人もいるだろうけれど、
きっと、目の前が真っ暗に感じて、どんどん心の視野が狭くなっていくような感覚になっていくんだろうなと想像すると、苦しみは本人にしかわからないのだと思う。
あと、5年くらいで出て来れると思うので、全然僕より出来ること沢山あるし、穏やかに過ごして欲しいと願います。
大袈裟かもしれないけど、
この時代を生きてる皆様と、共に生き抜きたいと思った。
Posted by ブクログ
全ての母親は子供を自分の所有物と思ってはいけないと思う。でも、育児してたらそんな当たり前のことがとても難しいことに気づく。
主人公のお母さんは共依存でヒステリーで、限度を超えてるけど、似たような母親って結構いるよなと思った。育児の全てを妻に丸投げしてる父親も、日本ではよく見る光景。核家族化した学歴主義の現代の日本の家庭の問題点を浮き彫りにした事件だと思った。親に厳しく躾けられた人や子育て経験のある人はみな、大なり小なり登場人物と重なる部分があるんじゃないかな?
もちろん、0-100思考で先読みするのが苦手な主人公の特性は問題があっただろうし、こうなる前に他の道を模索すべきだったとは思うけれど。
最後の一文が素敵だった。これからは自分で道を切り開き、自分ののぞみを叶えてほしい。
Posted by ブクログ
一気読み
死んで欲しいと祈りながらも、喜ばせたいと望んだり、失望させてしまったことを悔やんだり、どんなに酷いことをされてもどんなに辛い目に遭わされても憎みながら親を愛してしまう裏悲しさ。
子は親が思っているよりもずっと親を愛している。
母親の方はどうだったんだろう。
自分の見栄の問題だけでなく、医師になることが本当に娘の人生の最良だと信じていたのかもしれない。
愛したいのに愛し方がわからなかったのかもしれない。
どうして助産師にこだわったのか、ずっとどんな気持ちでいたのか、知りたいことが沢山あるけど、もう聞く相手はいない。
きっとお母さんも育った環境が健全ではなかったんだろうなぁ。
ちょうど母と仲違いしたタイミングで読んだ。
もう二度と会うことがないかもしれない母のことを考えながら。
ノンフィクション小説初めてだったけど思ってたのとちがってとても読みやすくて面白かった
Posted by ブクログ
これがノンフィクションとは、といった衝撃作。毒親、というか毒通り越してる。見栄をはるために娘を使うのはよくない。「こんなこともできないの」というならまず自分がやってみろ、とおもう。親戚にうその手紙をかかせたのとかもどんびいた。
いつからか気づいた「子のほうが愛情信頼ぶかい」という現象はまさにこの親子に当てはまると思った。娘さんは大変よくがんばって、賢いからこの環境をうたがって逃げようともしたし強くて芯のある人間なのだと思った。こんな素敵な人材を適材適所に育てられなかった親や社会がだめだとおもう。
社会にたすけを求めても成人していると見捨てるくせに、就職は親の妨害があると成人していてもどこかの家の子、として片づける。
家族単位で語られるこの社会を疎ましく思った(それは前から)
殺人は確かに罪だけど、心の傷を負わせたことも罪に問うてほしい。
目に見えるものだけではからず、目に見えないものもちゃんとはかってくれるそんな世の中になってほしいと思います。
私は私の心の傷やトラウマのようなものを作った父親を一生許すことはないでしょう。一応、表面上は大学まで学費を出してくれたのでそれなりの親孝行はするかもしれません。あなたの介護が必要になったとき、わたしがされたことをして、痛い目に合わせて、でも私自身がフラッシュバックしたり罪の意識にさいなまれるのはいやだなあと思います。結局子供は無力で親に頼るしか生きていけない。わたしがもし親になるなら本当に気を付けないと、父がしてきたことや母がしたことを子供にしそうで怖い。すでに友人やパートナーに何回かしたことがあるので気を付けます。
Posted by ブクログ
この事件自体は知っていた。モンスターという呟きに衝撃を受けたのを覚えている。自分の意思が通らない生活、常に監視された中での生活は想像を絶する日々だと思う。
あかりさんは何度も逃げようとしたけど、その度に連れ戻される時の気持ちを考えると苦しい。携帯の使用が制限される中だと、虐待のシェルターとか児相に行く選択肢は生まれないんだなって。必要な人に必要な情報が入っていれば、もっと変わった未来だったと思いたい。
私があかりさんなら、情報がなにもない、得る気力もない中だった、同じことをしてしまうかもしれない。存在を消すことでしか、解決できない状況だったと思う。
この筆者は、これが初めての著書と書いてあった。これからの作品も楽しみにしています。
Posted by ブクログ
友人と通話中にこの本の話題になったことを機に手に取った。友人はキツすぎて途中で読むのをやめたと。
ほんとにその通り、とにかくキツい、感覚としては『どうすれば良かったか?』を観たときと同じキツさ。家族という最も親密な関係性だからこそ、愛おしくて、離れたくなくて、自分のようにツラい思いをさせたくなくて、正しい道を歩んで欲しくて……正の感情がいくつも重なりあっていたら、いつしか負の方向に進んでいっていて、誰もそれを止められない。
読んでいていくつか印象に残ったところ
・「読んでくださったんですか」自分の感情をわかってもらえないと諦めている人から出てくる言葉
・「お母さん、仕事の帰りに交通事故に遭ってくれないかな……」これがふとこみあげてくるって……想像を絶する
・センターで遠藤周作が出てくるも、本人は全く覚えていないというのが示唆的だしリアル。私も現役浪人含めていっさい覚えてない
・「娘あっての母親でしょ!?」という言葉が重い。ハハムスメという言葉は関係によって規定される役割だから、、、、
・いちばん震えたの、178ページ。もう、本当にふるえた
読んでいると、もちろん娘の境遇がしんどすぎるねんけど、同じくらい母の境遇もしんどいと思った。許されるなら、母と娘という関係じゃなかったらよかったのかもしれないね、同い年の同級生という体で出会っていたらこの不器用な2人は新たな関係を築き上げることができていたのかもしれない。
よく、社会や立場によって規定される人間どうしの関係について考える。血が繋がっていなかったら家族じゃないの?親密な異性とは恋愛するしかないの?とか。社会の生み出す規範に抗いたい自分がいるけど、同時に、ホモソにのみこまれてる自分もいる。
最近、社会学やってる知り合いに「純粋な関係性」という概念を教えてもらった。スゴい革新的な概念だった私にとって……はぁ、私の最近の夢は、文学修士とって、メディア業界にいったあと、もっかいアカデミアに戻って社会学修士をとることです。夢の夢のそのまた夢やけど、一応書いておく。
Posted by ブクログ
すごかった
どうにかならなかったのかなと思う。
刑務所を出てくる頃には40歳を過ぎるだろう。
幸せになって欲しい。
あらすじ
医学部受験のために9浪した女性が母親を殺害した。
なぜ9浪したのか
なぜ殺害したのか
なぜ母親を捨てる事ができなかったのか
教育虐待をめぐる悲しい実録。
今後の彼女の行く末が、どうにか自由で、幸せなものになることを心より願う作品。
Posted by ブクログ
自分と重ね合わせ、色々な思いを重ねて
一気読み。
これがノンフィクションであることの重大さ。
愛とは何か。罪とは何か。
きちんと受け止めるべきだし考えさせられた。
服役中に人の温かい心に触れるまでが描かれ、読み応えあり。
父親や先生の視点からも思いをしりたくなった。
Posted by ブクログ
医学部受験9浪を経験したあかりは、遂に母を殺した。その殺人の背景には教育虐待があった。
胸が張り裂けそうなほど壮絶な親子の人生をノンフィクションで描いている。犯罪事件は断片的でなく、横断的に知ることが、社会を守ることになるのだと思った。
忘れられない一冊になった。私が母になったら、もう一度読みたい。
「どちらかが死ななければ終わらなかった」
親子の確執は根深かった。最悪の事態になる前に、社会は彼女らを助けられなかったかと思うが、あの状況で第三者が親子の関係にメスをいれるのは言葉通り相当難しかったのだろう。
亡き人になった母妙子に、なぜコントロール困難な子を自ら長年縛り付けるしんどい道を選んだのか、と問いたい。
子供は親の所有物ではない。親の理想、夢を子供に託してはならない。子供が自らの足で旅立つことを見守り、あなたは自分のための幸せを選べたら、よかったのに。
あかりさん、罪を償った後には、自らの人生を心穏やかに暮らせることを願っています。
匿名
創刊当時から気になっていた作品。
この過酷で壮絶なストーリーが実話だということが信じられない。信じたくない。
目を逸らしたくなるような、読んでいるこちらがしんどくなるようなやり取りなのに夢中で読み進めていた。
"子供に幸せになってほしい"と願う全ての親に読んでほしい。子供の幸せとはなにか。あなたの言う"幸せ"が本当にその子にとっての幸せなのか。
親の子供への愛は無償でなければならない。見返りは求めない。
匿名
怖かったです。
周りには理解されにくい、閉ざされた中での母と娘のやり取り、もっと周りに頼ったら?と、何度も思いましたが、長い年月このようなやり取りを繰り返していたら、心が正常な判断ができなくなるだろうと思い直しました。
衝撃的でした
刊行当初、SNS等で話題となり気になっていた一冊です。
あかりさんの、犯行に至るまでの過酷な浪人生活と事件発覚後の心情が記されています。
私は教育虐待という言葉をこの一件で知りました。
あかりさんのSNSアカウントは現在も残っていて、事件当日であろう日に投稿されたツイートには多くの共感や励ましの書き込みがありました。
あかりさんは間違いなく実の母親を殺害した犯罪者であるけれども、この一冊を読み通して、私自身あかりさんの境遇や犯行の動機に同情する1人となりました。
ある一定数の共感を得る犯罪、悪というのがなんなのか。またそれに対しての償いとはなんなのか。
そういう事まで考えてしまいました。
匿名
母親がずっと「高学歴」に囚われていることが伝わってくるが、高学歴は、子供に自由を与えず、虐待を伴ってまでして得るものでは決してない…ましてや子供が成人してもなお理想を押し付けるなんて……学歴とはなんなのだろうと考えさせられる。将来あかりさんが出所したら、明るい未来が待っていることを心から願います。
匿名
一気に読んでしまいました。
ノンフィクションなのが信じられないくらい、読んでいてしんどくもあり、苦しかったです。
こうなる前に誰か助けられなかったのかと思ってしまいます。
親にとって子どもとは何なのか
実話を基にされた本ということで興味を持ちました。一番思ったのは、あかりさんは本当に長い間一人で戦っていたということ。私自身、大学生受験の際に浪人生活を経験しましたが、一年ですら本当に大変でした。あかりさんは、お母様の意向で9年もの長い間、受験生であったとは、、、想像を絶します。殺人を犯してしまったこと、決して許されることではありません。でもそこに至ってしまった経緯は、複雑で過酷で、あかりさんの心情を慮ると本当に辛い気持ちになります。沢山の人にこの事件を知って欲しいです。
読みやすくわかりやすい
LINEのやり取りや実際の会話が入っているので、読みやすくわかりやすかったです。
死なずによく生きぬいてこられた娘さんだと思いました。
親も思い通りにならない自分の人生を受け入れて成長していかないといけないと思います。
Posted by ブクログ
少し前にニュースでも話題になり、気になって読んだ。過干渉、歪みと言えばそうなんだろうけど、それにしても何故ここまでの惨事になってしまったのか、どんな心境だったのか知りたかった。
自分が叶えられなかった願望を投影する。娘の人生を支配しようとする描写は残酷で目に余るものがあった。
ノンフィクションとして圧倒された。読んでいて明るくはなれないけれど、せめて自分の子どもには追い込まれた時の逃げ道を用意できるような親になろうと思った。
Posted by ブクログ
正直子の人生にここまで干渉したがる親の気持ちは全く分からないし、良い学校に行けば幸せになれるとも思わないけど、作中であかりさんが言っていたように母娘どちらかが死ぬまで終わらないくらい引き返せないところまで行ってしまっていたことは9年の浪人生活と日々のやり取りからわかる。見栄を重視する母親のせいで外部からの介入も期待できず、本当に2人だけで破滅していくのが苦しかった。
Posted by ブクログ
「母という呪縛 娘という牢獄」
医学部受験に固執した母に抗えず9浪した娘が母を殺害した事件
その背景を書いたノンフィクション
当時、この事件で「教育虐待」という言葉を知った
家庭構成が似ているからか、少し間違えばこの人は自分だったかもしれない
親からの過剰な期待
いい子でいようとする自分
期待に応えられない落胆
そのどれもが知ってる境地で
どこでなにが間違っていたんだろうと答えのない絶望がやるせなかった
Posted by ブクログ
読んでいると胸が痛くなって読み進めたいけど一旦止めておこうという数日間が続いた、、、
母と娘って本当に強く結ばれてるのだなと
あかりにはこれから幸せになってほしいな
Posted by ブクログ
この母娘の異様な関係に誰も気づかなかったんだろうか、気づいていて救えなかったんだろうか、父親は、親戚は、教師は、友人は、社会は、この二人の関係をどう見ていたんだろう。
母に迷惑をかけないように、罰を受けないように、と娘が繰り返した嘘や不正、母から受け継いだ選民思想。解放されたいと願いながらも、共依存関係にある二人。気づいて救うには難しいケース。
30年もそうすることが当たり前で生きてきたあかりさんには、どうかどうか広い世界を見て知って欲しいと思う。
母親も母という呪縛から解放されるべき人だったのだと思うけれど、娘を牢獄に閉じ込めた母親を殺したことを私は責めきれない。
Posted by ブクログ
しんどすぎて読むのやめようと思ったけれど、最後まで読んでよかった。
ニュースで見ただけだと犯人の心情なんてわからないからこの人はどんな気持ちでどう足掻いてたかなんてそこまで深く考えないけど、こうして読むと、簡単に扱ったらいけないなあって思う。
犯人に理解してくれる人がいてよかったと思う。
Posted by ブクログ
親子の間で起きたトラブル。そんな言葉では表すことが出来ない程、壮絶な日々が綴られていました。
自分にとっての親という存在は、愛情と感謝、そして安心を与えてくれる存在でした。
この事件の犯人である、あかりさんが父親、家族というものを、初めて認識するのが殺人を犯してしまった後だった。
この時に至るまで、この父親にも娘への正しい愛情という感情が欠如していたのでは?と思わざるを得ませんでした。
面白かったという言葉だけでは片付けてはいけない程、色々と考えさせられる本でした。
Posted by ブクログ
愛の形が歪であることは確かだが、2人にとっての愛の正解が何かよくわからなかった。
お互いの愛の認識がズレると上手く愛情を受け取れないことはもちろん、メンタル的にも病むんだなと、、、
母と子となれば人格形成に問題が出るのは当たり前だけど、あかりはよく9年我慢したと思う。
我慢して我慢して疲れたからこういうことになってしまったんだな。
自分に通ずる所があり、哀しく思った。親という子を導くべき存在が正しい目線で物事を見れないこと、歪んでしまった価値観を押し付けてくること、もう助けようがないところまできてしまってること
Posted by ブクログ
重く苦しい話だった。医学部9浪事件。当時ニュースで話題になって知っていたため、この本が出版されてからずっと気にはなっていたが、ノンフィクションでリアルな描写が読んでいて辛くなるだろうと予想し(私自身も重なるような経験があり)なかなか読む気になれなかった。
「どちらかが死なないと終わらない」、「遺体を解体しないと責められる気がする」 あかりさんのこのような証言から、タイトル通り、この親子がどれだけ呪縛されていた関係性だったのだろうと胸が締め付けられた。
一度は修復されたと思えた母娘の関係性が再び壊れた時のあかりさんの絶望感はどれほどだっただろう。
母妙子がこのような人格となった背景が分からず、知りたくなった。
父や高校教師があかりさんをこうなる前に救えなかったのかと疑念を抱いたが、もし自分の近しい間柄でこういう境遇にいる人から相談されたら、自分はどこまで親身になれるだとうと考えた。
もちろん、殺人を犯したのは罪であるが、刑期を終えたら、幸せな自分の人生を歩めることを願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
母と娘
実際に起きた惨劇の経緯と心の葛藤の手記
あかりは母に謝ってばかりなのが気になる
謝る必要なんてないと思いながらも
そうしないと生きていけない
そうさせてしまった母の罪は重い
衝撃作です
Posted by ブクログ
読み進めるのがしんどいくらい重たかった。
タヒにたい、⚪︎スしかない、と思ったことのない人生だが自分が同じ立場に立った時、同じことを思う気がするほど、辛かった。
Posted by ブクログ
安全基地であるはずの家庭が脅かされる
母とはなんだろうか
娘さんの気持ちを考えると
一言では言い表すことが出来ない
作中のお母さんが、娘さんに依存してるのは確かだった
母は母の人生を
父は父の人生を
子供は子供の人生を
生きていくのが大事だなと痛感させられた
1冊!私は私
Posted by ブクログ
重い、母の気持ちがとにかく身勝手で子どもの頃から支配していたため大人になってもその支配から抜け出す術がない
父がもう少し踏み込んで娘を早くに救ってくれたら、と思ったが
父にもどこまで分かっていたのか
9年もの浪人というだけでも病みそうなのに、精神的、身体的に自由になれなかったこの娘の牢獄生活は確かにしんどい
罪を償って当たり前の人生を歩んでほしい
Posted by ブクログ
なんか読んでてとても辛かった。自分も中学受験、大学受験をしてきたからなんとなく今回の女性の気持ちが分かる。親のエゴを押し付けすぎるのはほんとに良くないんだな。自分の親がここまで過激だったらと想像するだけで恐ろしい。この人に兄弟とかいればまた何か変わったのかも。
自分が親の立場になった時に自分の理想や希望を子供に押し付けないように気をつけたい。最後まで女性に寄り添ってた父親に感激する一方でもっと早くから手を差し伸べてあげてよとも思う。
女性も万引きや切符の偽造とか社会性が低いような行動しているけどこれも母親の束縛が影響してるんだろうな、
Posted by ブクログ
もう少し周りに助けてくれる人がいたら、と思わずにはいられへん内容やった。毒親すぎたけど、そうなってしまった原因や育ってきた過程があると思うと母親にも少し同情する。
あかりが投稿した「モンスターを倒した。これで一安心だ。」このツイートを見にいった。改めてこれは現実に起こった出来事と実感、、、胸が痛んだ。
逮捕後、二審での被告人尋問のシーンではあかりの当時の気持ちがまっすぐ伝わってきて思わず泣けた。懲役10年は長いけど、出所したらもう誰にも縛られずに自分のための人生を歩んでいってほしい。
Posted by ブクログ
母親のほうこそどう育てられてきたのか? ほなちゃが5点つけてるし、どんな内容なんやろ?
と思って読んでみた笑
娘が母親を殺害したのは、至極当然に思われる。
むしろ、その後母親に対しての謝罪の気持ちを持っていることの方に疑問を感じるくらい。
この母娘の関係の結末は当然の帰結として、
むしろ母親こそ、どうやって育てられてきたのだろうか?
どんな親子の結末として、その母親ができあがってしまったのだろうか?
そこに一番の興味が湧いた。
Posted by ブクログ
ノンフィクション
2018年にあった事件なので記憶にまだある人も多いのではなかろうか
医学部9浪の娘が母親を殺害、バラバラにした上で死体遺棄した事件
帯の紹介文読んだだけでなんとなく予感はしてたけど
この母親の思考回路と行動が私の母にそっくりで
昔を思い出してものすごくゲンナリしてしまった
まぁ私の母も結構まぁまぁなあれだと思っていたけど
この本の母親はウチの数倍激しい上位互換
コレはヤバい
でも程度の差こそあれ、こういうベクトルの親って一定数いると思う
この本の「母から怒られるパターン」にあった
詰問、罵倒、命令、蒸し返し、脅迫、否定、
ってのはこの手の人間が親だと大抵の人は「あぁ〜…」っってあるあるだと思う
本当にウチの母がよく言ってた言葉(笑)
「今までお前にかかった金、全部返せ!」はウチも逆上するとよく絶叫してたね
折檻もこの本だと鉄パイプだもんな〜
鉄パイプなんて家の中に普通にあるもんじゃないから
わざわざ折檻用に用意したのかと思うと、その執着ぶりにゾッとする
さすがに我が家は鉄パイプではなかった
布団叩きの柄の部分か掃除機のパイプだった(布団叩きの方が圧倒的に痛い
この事実だけでも、まだマシだった、助かった、と今更ながらホッとした
高校の文理選択時の三者面談の件も似たようなもんでびっくり
ウチも「高校留年させても理系に」「医学部は国立」とか妄言言って何度も担任困らせてたけど
理系厳しい段階で国立医学部とか本当寝言なの、なんでわからんかな
同席してるこっちが居た堪れない
で、帰宅後は担任への文句と私への八つ当たり
あぁ今日はこのコースね、ってわかって時計チラ見しようもんなら余計怒られるからじっとしてたなー
でも無反応だと逆上するので、真摯に聞いて(るフリ)、反省して(るフリ)、
その上で、お母さんが望んでる言葉を必死に探してベストなタイミングで言うっていう感じだったね
こういう人はさ
自分の意に沿わない進路は全部潰すってのも平気でやるし
お眼鏡にかなわなかった友達からの電話や手紙は全部ブロック
郵便物は全部事前に開封確認
娘のカバンや引き出しはもちろん定期的にチェック
ってのを息をするように自然とやるんだよね
で、自分の気に入らない物が出てきたら即捨て
てか他の家もこうなんだってかなり長いことそう思ってた
(違うと知った時の衝撃よ
当時私もものすごく追い詰められてて
この環境から逃れるには
寮付きの仕事場探して家を出るか、
相手か自分かどちらかが死ぬかってのを本気で考えていた
結局こういうタイプの親って
子供は人間というよりも自分のアクセサリーなんだと思う
本当はそんなの意味ないのにね
この本の母親より全然マシだったらしい私の母だったが
こんなレベルでも私はかなりしんどかったので
9浪で母親と二人暮らしじゃ逃げ道ないし
本当によく耐えたと思う
この人は責任感があって臆病で優しくて優柔不断な人だったのだろうと思う
いろんなものを奪われすぎると反抗する気力がなくなるっていう典型的な状態だったんだろうな
まぁ…なんとも言えない気分になってくるんでこの辺で〜
私は単に運が良かったんですよ、本当に
私は今まで生きてきた中で今が一番楽しくて幸せです
さようなら、お母さん
Posted by ブクログ
恩着せがましい人間なので、戒めのために読んでおこうと思った本。
昆虫の足を千切るように娘のやる気や自立心を粉々にする母親。これは心の殺人。彼女のしたことは許されないけど、どうか心安らかに。
ただ母親のそのさらに母(祖母)との関係性や父親も問題の一端だと思う。
Posted by ブクログ
一気読みした
読む前は憂鬱になる話かと思ったけど、思ったよりも落ち込むことなく読み切れた
すごく読みやすかった
自由や将来への希望、自分の意思というものを知った娘にはもう母親の呪縛には耐えられなかった
懲役10年というのが長いか短いかは分からないが、彼女の第2の人生が少しでも良くなることを願っている
Posted by ブクログ
想像を絶する教育虐待が何十年も続けられていたことに胸が痛くなった…
これがノンフィクションなのが恐ろしい、、
でも、同時に「子どもの成功=自分の価値」と信じ込んでしまう構造は、私たちの社会の中にも少なからずあるように思う。
学歴・職業・見た目など、「他人からどう見られるか」で自己評価が揺らぐ母親像は、極端ではあっても決して遠い存在ではないのだろうな。