【感想・ネタバレ】ヘヴンのレビュー

あらすじ

「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」 善悪の根源を問う、著者初の長編小説。

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ネタバレ

胸を深く抉られる物語だった。いじめの描写が非常にリアルかつ残酷で、読むのが苦しかった。特に、百瀬が僕をいじめる理由について、理路整然と語るシーンには絶望感があった。学校の教師や周りの大人が、いじめに気付く気配が全くない所も不気味だった。手術後の「僕」の目からは、これまでにないほど世界が美しく見えるが、それを伝えたいコジマはもういないという結末に、胸が締め付けられた。

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2026年06月05日

Posted by ブクログ

百瀬が語る、ありとあらゆることに意味などなく、自分の行動や意味を決定づけるのは自分自身であるという主張と、コジマの言う「斜視こそが君を君とたらしめるものだ」という言葉を「僕」はどう捉えていくのか。

人は皆、この世界に劇的な意味を見出そうとしがちだがそんなものはない。良くも悪くも存在する理由や意味なんて、自分で決めれば良い。実存主義的な考えを多方面から感じた物語だった。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

『ヘヴン』に響く、痛みの哲学

第一章:出会いと「しるし」
学校という閉ざされた地獄の中で、理由のない「いじめ」を受け続ける「僕」と「コジマ」。二人の出会いは、必然だったのかもしれません。

コジマは、自分が受ける苦痛を、他者とは違う特別な「しるし」なのだと言いました。痛みをただ恐れるのではなく、傷つくことでしか手に入らない「優しさ」がある。それを気高く「受け入れる」彼女の姿には、圧倒的な「強さ」が宿っていました。
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第二章:初めての外出、そしてハサミ
二人だけの初めての外出。現実の苦痛から逃れたあの美術館で、僕たちは確かに「ヘヴン」を見ていました。

僕は、彼女の拠り所、切るという行為をサポートします。
僕は、コジマに髪の毛を差し出したのでした。
少しずつ、2人の距離は近くなりました。

しかし、現実は容赦なく押し寄せます。クラスメイトの手によって、いじめはエスカレートするばかりです。
僕は、鼻が曲がるほどの重症を負うのでした。


僕は、いじめの取り巻きである、二宮に質問します。
なぜ、いじめるのか?

二宮の答えは、「そこに意味なんてない」という冷徹なものでした。
嫌ならば、逃げろ、怖いならば、声をあげろ!

僕の中で、何が壊れ、再構築がされ始めます。
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第三章:別れを乗り越えて、見えてくること
やがて訪れる、コジマとの決定的な別れです。
「僕」は斜視の手術を受け、コジマと共有していた外見的な「しるし」を失います。
コジマも去り、二人だけの季節は終わりを告げました。

ラスト。
包帯を解いた「僕」の目に飛び込んできたのは、まばゆいばかりに輝く緑の並木道でした。

過酷な日々を「乗り越えてわかる」、新しく見えてくること。
それは、世界は残酷であると同時に、息をのむほど「美しい」という事実です。

たとえ傷が癒え、すべてが過去になっても、コジマの想いは胸に込み上げ、彼らの意味は永遠に変わりません。

そう、読者のひとりとして、信じてやみません。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

いじめの描写があまりにも生々しくて、読んでいて胸がヒリヒリしてしまいました。かなりビターな内容ですが、学校のいじめの物語にとどまらず、人が理不尽さや矛盾とどう向き合い生きるかを問われているようで、強く引き込まれました。

読みながら考えたのは、
人はなぜ集団になると残酷さに鈍感になり、正当化してしまうのか、ということです。本来、人が人に暴力をふるう権利なんてないはずなのに…、理不尽な暴力の場面に何度もやるせない気持ちになりました。

特に印象に残ったのは、百瀬が語る「世の中の仕組み」と「世界はひとつじゃない」という言葉です。
認めたくはないけれど、
身近な人間関係だけでなく、歴史の中で繰り返されてきた争いや現在の殺伐とした世界情勢を思い浮かべてみても、
「人はそれぞれの立場で都合よくふるまっている。」
という指摘を完全には否定できないような気がしました。

だからこそ作中の「自分の気持ちは自分で考えるしかないんじゃないの?」という言葉にも静かに頷かされました。
他人を変えられなくても、自分が変わることができる。選択肢もある。そして、自分の生き方の優先順位を自分で決めることもできる…。

主人公が自分と向き合い、踏み出す一歩は大きくはないかもしれませんが、かすかな希望や救いを感じて、読み終わって、なんとなくホッと胸を撫で下ろしました。

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2026年03月19日

Posted by ブクログ

斜視を理由にイジメにあっている男子中学生。
ある日、「私たちは仲間です」と書かれている、差出人不明の手紙が届く。
互いにイジメられている者同士が、男女の垣根を超えて奇妙な仲間関係となり…
家庭環境も色々あり、他には誰にも言えずにイジメに耐えていく二人。
けれど、斜視が手術で治せると知って…。
善悪や強弱の価値観を一人一人に問い、それぞれが出来ることと出来ないことの境目、一人一人の行動や発言の意味など、世の中の全ての価値観において深く考えさせられる。

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2026年03月10日

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ネタバレ

 この作品における「いじめ」は、テーマというより一つのモチーフとして扱われているように感じた。いじめが許されないのは当然だが、作者が描こうとしたのは、卑劣で非情な環境に置かれた人間がどのように生き延びようとするのかという、もっと根源的な部分だったのではないかと思う。とはいえ、凄惨ないじめの描写はあまりに辛く、一語一句丁寧に追うことはできなかった。

 コジマが父との繋がりを絶やすまいとして風呂に入らず、服も洗わない行為が周りに理解されることはない。しかし中学生の少女にとってそれは、理屈を超えた、自分らしく生きようとする精一杯の自己主張なのではないだろうか。

 また、百瀬の無慈悲で過度に冷笑的な世界観には強い嫌悪を覚えた。それでも、彼の言葉にはどこか説得力があり、世に対する希望が揺らいで暗い気持ちになった。

 いじめが発覚して物語は終わるが、コジマは進んでいじめを受け入れ続けたことで本当に救われたのだろうか。最後に彼女が裸でいたのは、「汚れ」を媒介にしないでも自分自身に価値を見出せたということだったのだろうか。

 多くのことを考えさせられたが、辛い思いをした人間だからこそ他者に優しくできることもあると思う。百瀬の言うように善悪は所詮、社会の秩序を保つための絵空事にすぎないとしても、人の心を蔑ろにする者は、他人を救うことは決してできないのだと思いたい。

 読み応えがあって素晴らしい作品だった。

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2025年12月05日

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百瀬の言ういじめ論なかで説明される「欺瞞と嘘で塗り固めた暴力性」に違和感があった。たしかに、彼の主張には誤りが多く含まれる。それを一つ一つ反論し説き伏せることもできる。しかし、それを乗り越えても、納得させられそうな気持ち悪さを拭うことはできない。なぜか。


川上未映子曰く、
"創作の動機として、常に倫理全般への欲望があります。信仰や善悪や生命倫理……その中でも生殖は発端という感触があります。妊娠して出産をするというのは、いったい何が何をしていることなのか。それはいいことなのか、そうでないのか、あるいはそういった評価と関係ないことなのか。書くことで理解したいとかではなく、自分が問題だと思うことを、その時できる技術の限りをもってやっておきたい"

ここを出発点にしていろいろ考えたい。生殖はいいことでもわるいことでもない、ただそうしたいからという欲望の帰結であるけど、その帰結のつながりや組み合わせが信仰とか善悪を生む。生殖そのものが中立だとしても、「他者を産み落とした瞬間、苦痛と暴力に参与させる」のだとしたら、生殖は中立でいられるのだろうか。生殖がウロボロスの出発点となり、因果を循環させる。なら、生殖は無関係とはいえず、無垢で尊い営みではない。それはあまりにも残酷な他者への仕打ちとさえいえる。

百瀬のいう「欺瞞と嘘で塗り固めた暴力性」とはまさにそこを突いている。善人の振りをしているけど、ヒトは自分の欲望のために、大なり小なり他者へ苦痛と暴力を与える。あなたは振るわないかもしれない。それは運がいいだけか、自分の暴力に鈍感なだけだ。誰しも暴力からは逃れられない。だから、そこを突かれると気持ち悪さを拭いきれない。

そうだとして、すべてのものが弱肉強食で支配されることに肯定するのか。欲望に従うことを肯定するのか。そうではない。欺瞞と嘘であるかもしれない善がなぜ社会や個人に存在してしまうのか。そしてそれに従うとはどういうことなのか。なぜ従えるときとそうでないときがあるのか。これら問題に答えを出せて初めて欲望をただ肯定するべきなのかに答えを出せる。これを無視することは、川上未映子のいうまさに『おめでたい人』なのだ。

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2026年05月23日

c

購入済み

ちょっと理解できるような、、

虐められる側の「受け入れる」と言う考え、たしかにそれは弱者ではなく勝者に感じた。

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2022年09月15日

購入済み

役立たないけれど、役立つこと達

私たちが社会に役に立つものを求めるとき、
私たちも役に立つものであることを求められる。
これはきわめて当然だけれど、
私たちは役に立つものばかりから
できているわけではない。
私は私自身の役に立たない部分を
かえって私のアイデンティティを
表すものとして、「最後まで」
愛することができるだろうか。
また、私は、私だけで私であるわけではない。
私を生み出してくれた者たちも
私の一部である。
私は、私の一部が不完全であっても
かえってそれを愛せるだろうか。

〇〇は、後ろめたくて
自分に大きな穴ができたように感じる行為
かもしれないが、意外と戦略的で
原罪とも呼ばれるものの暴発を回避して
守るべきものを守る強い力になりうるもの
かもしれない。
〇〇が怪我をして血を流すのを読んだとき、
読者としての私は、主人公に復讐や逆襲を
そそのかしたい気持ちを冷まされた。
突発的な凶事も、ないに越したことはないが、
もっと大きな取り返しのつかないことから
自分たちを守ってくれるものとなってくれる
こともあるようだ。
〇〇の凶事や、〇〇に芽生えた強さが、
勇気を持ち始めた主人公のその勇気の、さらに
先にある何かを示しているようだ。

私たちは交流する間に、たとえ
強く幸せに結びつくことができなくても
ばらばらでいるのに、それぞれが成長して
違っているのに、それぞれの成長を
なんとなく感じて安心できることが
あるように感じる。

役に立たなさそうでいて、
役に立つこともあるようですね。

#ハッピー #切ない #ダーク

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2022年04月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いじめを受けている少年少女の話。
中学生にしてはやけに話の内容が哲学的でびっくり。
ラストは、「え、終わり!?」って感じだった。

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

川上未映子氏のブッカー賞最終候補作品。
「夏物語」「きみは赤ちゃん」のあと読んだため振り幅というか高低差はなかなかデカかった。
壮絶な苛めがテーマだが、根底にあるのは「世界感」や「価値観」。百瀬の認識が苛める側の真理ならコジマの認識も苛められる側の真理。
読んでいる途中は息苦しさを覚える。”僕”とコジマが夏休みに美術館に赴く平和で幸福な描写はそのあと訪れる残酷な悲劇を予感させ、最後の壮絶な出来事はコジマが必然として受け入れ耐え忍んできた「世界」が残酷な事実を突きつけ、キャパシティを超過し負の達観が訪れる。
苛めに対してはカタルシスのないまま終焉を迎えるが、「斜視」がある意味キーワードとなり、二次元から三次元となった世界の美しさに”僕”は涙を流し物語は幕を閉じる。
「ヘヴン」という架空の世界を描いたコジマに対して、本作品は唯一無二で無常な現実を突きつけながらも、見方を変え行動を起こすことの意味を問い苛められる側を励ます作品となっている。

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2026年05月07日

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ネタバレ

めっちゃ読むのが辛かった
苛めの本ってどんなものかな?って思っていたより辛い
主人公はチョーク飲まされたり人間サッカーで鼻かは血が出て腫れてしまったり公園で無理矢理服を脱がされてパンツ一丁にさせられてたり、そしてコジマは主人公の虐められ仲間のコジマは臭いと汚い理由だけで女子だけで虐められる!
そして広瀬曰く虐められるのはたまたま
そして広瀬は救世主だと思ったけど二ノ宮と一緒の人だった、、
広瀬はこんなことはなんの意味もない、こんなことしなくてもおなじってわかってるけど二ノ宮に逆えないってことだよね、、次は自分がやられるって心のどこかに思ってる、、
ちょっと復讐劇はあってもよかったと思う!でも最高で辛い小説でした!

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

凄かった。
正しさとは。人の数だけ、正しさもある。
分かってるけれど、百瀬の言い分に歯痒さ、気持ち悪いとまで思ってしまった。
お母さんが素敵なお母さんで良かった。

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2026年04月21日

Posted by ブクログ

すんごいしんどい話だった。
人間サッカーとかもう吐き気すら感じる。
百瀬が正しいわけないのに否定しきれない芯のある考えとかコジマの印とか正しさがどんどんわからなくなっていく。
お母さんの包容力には読者まで安心感で満たされた。僕の斜視が治った後の綺麗な世界にコジマがいたらなぁって悲しくなった。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

読み進めるうちに、なんだか現実の感覚がふわふわしてくるような、不思議な没入感に引きずり込まれた。

とにかく、いじめの描写が壮絶。なのに、どこかファンタジーのような、現実離れした静けさを感じるのはなぜだろう。主人公の「僕」が、あまりにひどい現実から自分を切り離して、どこか遠くから自分を眺めているような「俯瞰の視点」のせいかもしれない。

特に印象に残ったのは、百瀬のニヒリズム。
「強い者が弱い者を踏みにじるのは、ただの自然現象だ」という彼の理屈は、残酷だけれど、私たちが目を背けている世界の真理を突きつけてくるようで、否定しきれない怖さがあった。

一方で、唯一の味方だと思っていたコジマの存在。彼女がいなければ「僕」は壊れていたかもしれないけれど、同時に、彼女の「耐えることに意味がある」という純粋すぎる信念が、彼をいじめの沼に深く繋ぎ止める重りになっていた気がしてならない。救いという名の呪縛のようで、読んでいて本当に苦しかった。

ようやく、物語の最後に「僕」が見たもの。
それを「ヘヴン」と呼ぶのだとしたら、それはあまりにも静かな光景だった。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

いじめが壮絶すぎて‥
自分がそこにいる気持ちになります‥
早くお母さんに言ってとか、病院の先生に言ってとか
思春期はなかなか言えないのわかるけど
抱えこんでたらダメだよね

コジマとのその後が知りたい!

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コジマが、いじめの状況は変わらないのに
どんどん強い印象に変わっていくのが不気味だった。
自分の解釈で世界を捉えて、現実の苦しさになんとか
耐えるためか?目を逸らすには、より強く世界に
没入しないといけなかったのかもしれない。
だから自分に言い聞かせるように、
汚れをお父さんを忘れないための「しるし」とか、
いじめに対抗しないのは「美しい弱さ」と何度も
訴えていたのかもしれない。その様子を主人公が
なんだか受け入れられないのは、
置いて行かれるという焦り?か、
自分もコジマの世界観に取り込まれてしまうという怖さ?
とかかなと思った。
百瀬は最初の描写から、後で主人公側になるか、
と思ったけど、違った。不思議な人だったけど、
私は百瀬の考え方が一番しっくりきた。
「それぞれの都合で世界を見ているに過ぎない、
全てたまたまであって、できることはできるし、
できないことはできないというだけ。」
これはシンプルでブレが無くて好きだと思った。
最後、コジマが百瀬の頬に触ろうとしたところで
終わってしまったけど、そのまま触られていたら
どんな反応をしたのか気になった。

斜視を治す手術をした彼が新しく迎えた世界が、
今までは地獄へ続いていたはずの並木道を、
美しく感じられるようになったことに、
ひとまず安心して本を閉じた。

人間サッカーからの鬱っぽくなる辺りが
一番辛かった、、。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

風景描写や比喩表現など、文章表現が豊かで読んでいて情景がリアルに感じられ読み始めると時間はかからなかった。激しい感情の動きの文体も緻密で、映像を見ているかのようだった。
6Bの芯と言われると、不思議とコジマの声が想像できる。残酷なシーンは多いが、綺麗な印象のある本だった。
一見淡白に見えるが、息子想いな母親の存在も救いだったように思う

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

すごかった…すごい本だった。

風景描写というか、主人公たちが見てる景色の描写がすごかった。
壮絶ないじめをうけて自分が「もの」であるかのような感覚を抱いてる主人公だからこそ、見えてる世界なのかもしれない。

もう一度読み返したい。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

いじめの内容と聞いていたから結構重めかなと期待してたけど、思ったより重くはなかった。ただ、いじめの描写が具体的でそんなこともするの!?って思うこともいじめとして描かれていてその部分は心が痛かった。最後コジマはどうなったのかが書かれていなくて最終的に主人公とコジマの関係が気になる。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

学校でいじめを受けている2人の話。どうしても「○○だからいじめられる」という理由や、いじめられることの意味を探したくなるけど、本当はどんなものにも理由や意味なんてないのかもしれない。

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2026年02月23日

匿名

購入済み

胸が痛い。体も心も傷つけられて、それでも我慢しなくちゃいけないなんて事はない!虐めを通じて強く結びついた2人。お互いが心の支えになれた時もあっただろうけれど。虐めを耐えてる自分達がとてつもなく強くて優しい人だなんて、そんな考え方は寂し過ぎる。何もかも放り出していいんだよ。と、彼と彼女に何度も語りかけるました。容姿が良くても頭が良くても、人の痛みが分からずに残酷な人間はいる。その行為が醜いとも考えない頭が空っぽの奴ら。そんな奴らの相手になる事なんてない!

#切ない

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

感想がすごく難しい。刺さる人には刺さるのかしら。

すべてのものごとには意味があるのだから受け入れるとするコジマと、すべてのものごとは偶然が重なっただけなので嫌なら自分で変えるしかないとする百瀬の考え方、どちらにも納得できる。
むしろ私は、「嫌なら自分で変えるしかないけど、それでもどうしようもならなかったことはきっと何か意味があること」と思うようにしている。

但しコジマの思想はあまり理解できない。
いじめを受け入れるも拒絶するも勝手だが、いくら汚れたままでいることが本人に特別な意味があるからといっても、風呂に入らないことかで周囲に迷惑も不快感も与えているのは事実。それでいて、いじめてくる人間たちのことを「大切なことに気づけていない、あの子たちも被害者」などと憐れみを向けているのが鼻につく。もちろん、百瀬の考えで言えば、コジマが汚いことなんていじめの原因ではなく、偶然いじめの対象になった後付けの理由ということにすぎないのだが、原因を作っている側が自己満足するなよと思ってしまった。

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2026年06月03日

Posted by ブクログ

川上さん作品2作目。
やっぱり読みやすく、面白くてやめられなくて、1日で読んだ。
切なくて苦しい描写の中に、ホッとするような、キラキラと光る素敵な空気が出てきて。
シャガールの絵が作中に出て来たのも、良かった。
分かりやすいハッピーエンドじゃない感じがリアルだった。

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2026年05月21日

Posted by ブクログ

いじめに遭っている中学生男女の話。むずくて不快感強い。
斜視をもつ僕はクラスの男子グループからいじめを受けている。ある日差出人不明の手紙の指示に従って公園を訪れると、そこには同クラスの女子グループからいじめを受けているコジマがいた。
再婚後にできた母がいいキャラしてる。最後に安心したけど、途中はしんどいしどうしようもなくてきつい。議論の内容が卑近なもので難しく、私には合わなかった。でも川上未映子作品とあって文章が読みやすく、活字を追うには楽しかった。

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

鬱々としたいじめの描写が長く続く。あまりに可哀想で、伏線が回収され、虐める側に何らかの天誅が下ることを期待しつつ読み進めてもいじめは終わらない。最後に少しだけ救われるが、それまでの苦難に十分には見合ったとは思えずもどかしさが残った。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

「ヘヴン」とは何か。
僕が最後に見た景色、それがヘヴン?
コジマのヘヴンは?

虐めなんて甘い言葉で済ましてはいけない。
描写がリアルすぎて何度も辛くて本を閉じては読むの繰り返しで、読み切るのに時間がかかった。
虐めから鬱状態になり希死念慮が湧き立つまでのストーリーが流れるように自然で、同じく希死念慮のある自分も引きづり込まれそうになった。
虐めももちろん悪だけど、そこにも意味があるというコジマの考えは、僕を虐めから逃さない鎖のようにも思えた。

世界で翻訳されてるようだけど、あの繊細な言葉はそのまま綺麗に伝わるのかな?なんて疑問を抱いてしまった。

とにかく重くてしんどい。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

思春期の心と体の揺れ、いじめと言う社会問題を通して、「善悪とは何か」「生きるとは何か」を問いかけてくる作品だったような気がします。

いじめの描写は正直かなり辛いものもあり、現実はもっと酷いのではないかと思うと、苦しくなることもありました。

そんな中で、いじめる側である百瀬の言い分に、自分が完全には反論できなかったことも辛かったです。そこに、この作品の怖さがあるのではないかと感じました。

一方で、どこまでもブレずに自分の価値を信じ続けるコジマや、淡々とした中でも主人公に寄り添う母親に、救いのようなものを見出しました。

読み終えたあとも、簡単には答えの出ない問いが残り続けるような作品でした。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重かった………………読むのにとても時間が掛かった。。

ずっと辛いし、希死念慮が膨らんで鬱状態が加速していく描写は本当に生々しくて、新卒期の摩耗しきった己と重なる部分もあって、わかるなあ、と思いながら読んでた。

元々ショッキングな描写には耐性があるつもりでいたけど、それも年々ダメになってて、主人公が二ノ宮たちに人間サッカーとかいう惨たらしい暴力に晒されるところで貧血になって一時中断した。。
生々しい活字に体調崩すのは、中山七里『連続殺人鬼カエル男』と平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』以来かもしれない。

ノストラダムスの予言、とかいう、自分が生まれるずっと前に流行ったらしいワードから、この物語が90年代初期?とわかるけど、この位の年代の小説が好きかもしれない。

推しとかスマホとかインスタとかいいねとか、そういう露骨に近代的なモチーフを面白おかしく風刺したような物語より、もっと奥底の人間心理とか、人と人とが作用しあって生きることの難しさとかを、スマホが生まれるの前の時代感で読みたいと思う。最近。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

読んでる途中は思春期特有の残酷さと生々しさがしんどかったが、母親が最後「〜しなさい」と言い切ってくれたあたりから終わりの数ページが美しかった。

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2026年04月18日

Posted by ブクログ

やっと読み終えた。3/5 (実際に2.7と近い)
この本は私には合わなかったと思うけど、一番近い例えとしては、歯医者に行くような気分だった。本当は行きたくないけど、重要だと分かっているから行く。実際に行ってみると、ほとんどの間は不快な気分が続くし、フッ素の味は少なくともマシな方だ。終わってみると、行くことの重要性に気づき、その価値を認めるようになる。でも、それでもやっぱり歯医者が好きになれないという事実は変わらない。

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2026年03月27日

Posted by ブクログ

彼女には彼女なりの正義があった。
そして彼には彼なりの正義を見つけた。

「できる」が「しない」を選ぶ事が強さになる。
今その時には無意味な行動かもしれないけど、今後その選択をした自分が正解だと思えるのだろう。

ヘヴンを見なかったことにより、ヘヴンはどん底からの渇望により探し見るものではなく、結果としてそれがヘヴンだと肯定できる場所だったんだな、と。


自分の話をする。

小学生の時に、虐められていた子が居た。
パジャマのような服を着て、鼻水を垂らしている。軽度の知的障害がある子だった。
仮にA子とする。
「A子菌」というものが流行った。
その子自身やその子が触った所にはA子菌があると周りから嫌がられていた。
直接的には言わないが影でそう言われていた。

僕はA子と同じクラス、同じ班になる事が多かった。
僕はA子から恋愛的な意味で好かれていた。

僕はその子に少し優しくする以外に何も出来なかった。

「当たり前だから」でも、「可哀想だから」でもない、なぜ優しくしたのだろう。

その時、僕の中の正義はあったのだろう。
彼女は彼女のヘヴンに値するものを見つけれたのかな。

この作品を読み、思い出し、少し悲しくなった。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

斜視の主人公と小汚いヒロイン。どちらも虐められていて、弱みを共通点に持っている。
ヒロインの母親は、貧乏で小汚い旦那を哀れんで結婚し、その後借金に耐えられなくなったも無抵抗な旦那に一方的な癇癪を起こす自分に限界を自覚して離婚し、最終的に金持ちの男と結婚した。ヒロインはそれに対して「最後まで憐れむべきだった」といい静かな怒りを見せる。またいじめに対して「分からないものが不安だから自分の価値観にねじ込もうと力で屈服させようとしている臆病者」「私たちは受け入れている」とのべる。

つまり、弱者が強者の「普通」の価値観に合わせることは敗北であり、何も言わず受け入れることが忍耐強さと強者が怖がる「不明」という武器を持ち続けるということ。それに父親へ愛情と母親への失望が加わり、この思想はヒロインの多くを形成するようになる。主人公と文通をし、同士を見つけることによりさらに強化されていくこの思想は、父親との共通の弱点を「痩せこける」「汚くなる」という形でより強めていくことになる。

このヒロインの立場の「加害とは弱者の象徴で、強者は受容するものだ」だとか、百瀬の立場の「人は攻撃することで身を守り自分の価値観を押し通すしかない」とか、読者に対して人の価値観や強弱との結び付きに疑問を投げかける姿勢は面白かったが、終わり方が投げやりさを感じた。

恥をはばからずに裸になったヒロインに、いままで無慈悲ないじめを繰り返してきた共感力のないいじめっ子が恐れおののき逃げる
↑いっきに陰キャの妄想みたいになってしまった。
ヒロインの「弱者は分からないものを支配したがる」という思想を体現させるためだとしても、ちょっと雑すぎないか。主人公が普通を手に入れるのと引き換えにヒロインを失った、という終わらせ方もこの突如始まった安っぽさに影響されて上手く落とし込まれなかった感じがする。


数ヶ月が経過して思ったより頭の片隅にコジマの"許容としての気高さ"という思想が残っていたので評価を改める
それは気高さを守れるからなのか、それも理性的だからなのか、それともマイノリティな共通点を守れるからなのか

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2026年03月06日

購入済み

醜さの扱いが難しいところ

醜い子を、醜く書く、というアプローチが、個人的には嫌いだし、違和感を持ったし、疑問を感じた。
主人公のお友達がみんなの前で裸になる時とかね。
容姿が劣っている女の子が、ある瞬間にだけたまらなく美しく主人公には見える、という方が、僕は心を動かされます。
ありません? 容姿の作りが悪くても美しい女性のある瞬間。
そういう瞬間は世間的常識を超えてくると思うんだけどなあ。
女性作家が同性を描く時、そうなってしまうのかな。
性差がすごく嫌いな作家さんだし。

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2020年02月14日

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