【感想・ネタバレ】ヘヴンのレビュー

あらすじ

「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」 善悪の根源を問う、著者初の長編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

胸を深く抉られる物語だった。いじめの描写が非常にリアルかつ残酷で、読むのが苦しかった。特に、百瀬が僕をいじめる理由について、理路整然と語るシーンには絶望感があった。学校の教師や周りの大人が、いじめに気付く気配が全くない所も不気味だった。手術後の「僕」の目からは、これまでにないほど世界が美しく見えるが、それを伝えたいコジマはもういないという結末に、胸が締め付けられた。

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2026年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 この作品における「いじめ」は、テーマというより一つのモチーフとして扱われているように感じた。いじめが許されないのは当然だが、作者が描こうとしたのは、卑劣で非情な環境に置かれた人間がどのように生き延びようとするのかという、もっと根源的な部分だったのではないかと思う。とはいえ、凄惨ないじめの描写はあまりに辛く、一語一句丁寧に追うことはできなかった。

 コジマが父との繋がりを絶やすまいとして風呂に入らず、服も洗わない行為が周りに理解されることはない。しかし中学生の少女にとってそれは、理屈を超えた、自分らしく生きようとする精一杯の自己主張なのではないだろうか。

 また、百瀬の無慈悲で過度に冷笑的な世界観には強い嫌悪を覚えた。それでも、彼の言葉にはどこか説得力があり、世に対する希望が揺らいで暗い気持ちになった。

 いじめが発覚して物語は終わるが、コジマは進んでいじめを受け入れ続けたことで本当に救われたのだろうか。最後に彼女が裸でいたのは、「汚れ」を媒介にしないでも自分自身に価値を見出せたということだったのだろうか。

 多くのことを考えさせられたが、辛い思いをした人間だからこそ他者に優しくできることもあると思う。百瀬の言うように善悪は所詮、社会の秩序を保つための絵空事にすぎないとしても、人の心を蔑ろにする者は、他人を救うことは決してできないのだと思いたい。

 読み応えがあって素晴らしい作品だった。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

心を抉られながらも一気読み。
いじめというものが取り沙汰されるたびに「逃げたっていい」「学校が全てではない」という言葉が自然と飛び交う。大人である我々の経験則から言えば間違いなく正しいのだが、実際にそこで生きている当事者にとっては虚しく現実味のない言葉なのだと思う。スマホが普及してネットへのアクセスが当たり前の世の中にあっても、やはり子どもにとっての世界は狭い。そんな中でコジマが拠り所として見つけ出した「強さ」が、「すべてを受け入れること」なのが虚しくてやるせない。それはコジマにとっての呪いになってしまっているからだ。
どこか他のクラスメイトとは違う百瀬を最終的には実はいい奴、といった描き方をしない作者の徹底した冷徹さも本当に素晴らしい。
『黄色い家』を読んで2冊目にこの作品を読んだが、「僕」の母のような少し肩の力の抜けたような登場人物がすごくいい。

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いじめを受けている少年少女の話。
中学生にしてはやけに話の内容が哲学的でびっくり。
ラストは、「え、終わり!?」って感じだった。

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めっちゃ読むのが辛かった
苛めの本ってどんなものかな?って思っていたより辛い
主人公はチョーク飲まされたり人間サッカーで鼻かは血が出て腫れてしまったり公園で無理矢理服を脱がされてパンツ一丁にさせられてたり、そしてコジマは主人公の虐められ仲間のコジマは臭いと汚い理由だけで女子だけで虐められる!
そして広瀬曰く虐められるのはたまたま
そして広瀬は救世主だと思ったけど二ノ宮と一緒の人だった、、
広瀬はこんなことはなんの意味もない、こんなことしなくてもおなじってわかってるけど二ノ宮に逆えないってことだよね、、次は自分がやられるって心のどこかに思ってる、、
ちょっと復讐劇はあってもよかったと思う!でも最高で辛い小説でした!

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コジマが、いじめの状況は変わらないのに
どんどん強い印象に変わっていくのが不気味だった。
自分の解釈で世界を捉えて、現実の苦しさになんとか
耐えるためか?目を逸らすには、より強く世界に
没入しないといけなかったのかもしれない。
だから自分に言い聞かせるように、
汚れをお父さんを忘れないための「しるし」とか、
いじめに対抗しないのは「美しい弱さ」と何度も
訴えていたのかもしれない。その様子を主人公が
なんだか受け入れられないのは、
置いて行かれるという焦り?か、
自分もコジマの世界観に取り込まれてしまうという怖さ?
とかかなと思った。
百瀬は最初の描写から、後で主人公側になるか、
と思ったけど、違った。不思議な人だったけど、
私は百瀬の考え方が一番しっくりきた。
「それぞれの都合で世界を見ているに過ぎない、
全てたまたまであって、できることはできるし、
できないことはできないというだけ。」
これはシンプルでブレが無くて好きだと思った。
最後、コジマが百瀬の頬に触ろうとしたところで
終わってしまったけど、そのまま触られていたら
どんな反応をしたのか気になった。

斜視を治す手術をした彼が新しく迎えた世界が、
今までは地獄へ続いていたはずの並木道を、
美しく感じられるようになったことに、
ひとまず安心して本を閉じた。

人間サッカーからの鬱っぽくなる辺りが
一番辛かった、、。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重かった………………読むのにとても時間が掛かった。。

ずっと辛いし、希死念慮が膨らんで鬱状態が加速していく描写は本当に生々しくて、新卒期の摩耗しきった己と重なる部分もあって、わかるなあ、と思いながら読んでた。

元々ショッキングな描写には耐性があるつもりでいたけど、それも年々ダメになってて、主人公が二ノ宮たちに人間サッカーとかいう惨たらしい暴力に晒されるところで貧血になって一時中断した。。
生々しい活字に体調崩すのは、中山七里『連続殺人鬼カエル男』と平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』以来かもしれない。

ノストラダムスの予言、とかいう、自分が生まれるずっと前に流行ったらしいワードから、この物語が90年代初期?とわかるけど、この位の年代の小説が好きかもしれない。

推しとかスマホとかインスタとかいいねとか、そういう露骨に近代的なモチーフを面白おかしく風刺したような物語より、もっと奥底の人間心理とか、人と人とが作用しあって生きることの難しさとかを、スマホが生まれるの前の時代感で読みたいと思う。最近。

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2026年04月26日

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