あらすじ
離島「子泣き島」で暮らす小学生の拓海は、家の手伝いで釣りに出かけたところ、
同級生・涼子の飼い猫が海に転落したのを目撃する。
防波堤にいた、親友・風太の父である亮平に助けを求めるも、
台風一過の海に飛び込んだ彼は帰らぬ人となってしまう。
成長した拓海は島を出て働いていたが、忘れもしない、あの風太と「偶然」にも再会し……。
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さわやかなエンディングに、じんわりあったまる。
「夏美のホタル」の慎吾くんのその後、しかと確認しました。
慎吾くんのその後の前に、「エミリの小さな包丁」のエミリさん、「癒し屋キリコの約束」のカッキーもいい感じに登場していて、そういうところも含めて、森沢明夫さんの作品が好きです。
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心が暖まる物語でした。
それぞれが心の奥に秘めた想いを抱えながら、前に進まざるを得ない気持ちをふるさとがリセットしたり後押しをしてくれる。
最後はそれぞれの心の重しを取り去りハッピーエンドとなりさすがの森沢小説でした。
意外やエミリーさんがチョッと出てきてましたね!!
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みみっちいた!
料理屋さんのあの人まで。
苦しくてあったかくて
幼馴染の3人みたいに泣き笑い。
都会の人は何にそんなに急いでるんだろう。
たしかに、田舎とは時間の流れが全然ちがう。
今この時にこの本を読めてよかった。
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離島に住んでいた幼なじみが、いろいろな悩みを共有しながらふる里を中心に成長していく物語だと感じました。都会へ出ても帰る場所があるのは、つくづくいいなぁと改めて思いました。
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私にも懐かしく楽しかった思い出の「ふるさと」がある、昔を懐かしく思い出しても、今は帰ることのできる「ふるさと」は無い、、、。親の事情か、この本を読んでため息(◞‸◟)似たような境遇で大人心に自分の幼少時代から成人し現在と「ふるさと」を思い出すたびに複雑な心境だったこと思い出しました。吹っ切れるきっかけが小さな島での仲間たち、幼馴染の良さ優しさ表れていて良かった^ ^。
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親友の父親の死の秘密。子どもが抱えるには大き過ぎる。でも拓海も風太も涼子もみんないい奴。ふるさとっていいなって改めて思った。
エミリの特別出演(笑)も嬉しかった。
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もしかすると、誰もが誰にも言えない嘘を抱えているのかもしれない。
それは、誰かを騙すためじゃなく、自分を守るための嘘。
そして、その嘘を抱えて、心がざわついたり、苦しくなることもあるのだと思う。
本作品の主人公、拓海は親友の父の死にまつわる嘘を抱え、いつか終わってくれると、苦しみに耐えて生きてきた。でも、幼なじみによって、心に抱えていた秘密の告白が、今の幸せと未来への想いへと意識を向けられるようになっていく。
主人公だけじゃなく、登場人物それぞれが、自分の心にある想いに向き合っていくことができ、これからの自分らしく生きていくであろうと予感する。
自分にも、人生に影を落とす過去の記憶がある。そんな自分に、勇気を与えてくれた1冊であり、人のつながりってあたたかいなとも感じる作品でした。
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心があったかくなる優しい小説。
登場人物は、みんないい人なのに、うまくいかなかったりすれ違ったり。
それでも希望や癒しがあるのが森沢明夫さんの小説です。
南の島の照りつける太陽、キラキラ輝く海、みんなの笑顔が目に浮かんだ。
他の方の感想を見ると、森沢さんの別の作品の登場人物がこの作品にも登場したようなのですが、その作品も読んだと思うけど、気づかなかったなあ。
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森沢さんらしいなと思う作品だった。主人公の抱える秘密というか悲劇の中身(自分のせいで死んでしまったことに嘘をつくと言うダブルの重み)はいつもの森沢さんっぽくなく感じたけど、悪い意味ではない。主人公を含め、お母さんも、亜美ちゃんも、涼子さんも、風太も、颯太をヒモにしてくれてた彼女も、みんな優しくいい人。なのに拓海よお父さんはフラッといなくなってしまうのは、家族像からしてちょっと違和感があった。島国を舞台にしているので、旅に出るような気分で読めた。
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離島の「子泣き島」で暮らす拓海は、同級生・涼子の飼い猫が海に転落したのを見て、近くにいた親友・風太の父に助けを求めるが、彼は帰らぬ人となる。
その後、風太は母親と島を出て行き、拓海も成長した後は島を出て働いていた。
ブラック企業に勤めては疲弊し、職を失った日の帰りに偶然、風太と会う。
彼女に追い出された風太を連れて帰ってから、拓海が島には帰っていないことを知った風太は、涼子と連絡を取り、年に一度の海上運動会を見に行こうと誘う。
島へ帰ってからたくさんの思い出とともに隠されていたことが明らかになり…。
最後には嫌な気持ちにならずにみんなが笑っていられるのがいい。
言えなかったことも言わなければ進めない気持ちになるのも不思議だけどそれは、懐かしい場所で向き合ったからだと感じた。
「ふるさと」があるのはあの頃の自分に戻り、素直な気持ちになれるから良いと思うのかもしれない。
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南国の離島「子泣き島」。皆、顔見知りなほど少ない島民たちのなかでのびのびと暮らしてきた小学5年生の拓海は、夏休みのある日、親友・風太の父親が溺死する事故に巻き込まれる。
父の死で島を出ていった風太と、事故から心に傷を負った拓海は、十二年後、島から遠く離れた都会でひょんなことから再会を果たす…。
互いに後ろめたい思いを抱え、苦しみながらも拓海や風太がもっている青年特有のひたむきさと強さが、南国の陽射しのように眩しかった。また、拓海と風太の幼なじみである涼子、拓海の妹・亜美、涼子の妹であり亜美の親友でもある杏奈の家族や友人を想う真摯さにも胸を打たれた。それだけではない。自身の家族や子どもの友人家族を裏切っていた風太の母や拓海の父、真面目な人をバカにして好き勝手振る舞う"陽キャ"特有の傍若無人さをもった風太の"飼い主"・聖良など、この物語にはどうしようもない人間も登場する。
拓海の父の失踪後、拓海の母や亜美に心ない行動を取り続けた島民の排他性も、ある意味ではそういった"どうしようもなさ"かもしれない。しかし、人のひたむきさ、強さ、真摯さと、人の"どうしようもなさ"が混ぜ合わされたところも物語の醍醐味だと感じた。
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南に位置する離島の「子泣き島」で暮らす小学5年生の拓海は、民宿を営んでいる母の手伝いで釣りに出かけたところ、同級生・涼子の飼い猫が海に転落したのを目撃する。
防波堤近くにいた親友・風太の父である亮平に助けを求め、台風一過の海に飛び込んだ彼は海に沈み、帰らぬ人となる。
高校を卒業した拓海は島を出て東京で働くことになるのだが、就職した2社ともにブラック企業だったために身も心も疲れ切ってしまい、退社を余儀なくされて今は無職となっていた。
そんな時、忘れもしない海で亡くなった亮平の息子・風太と偶然にも再会する。
風太は東京で若い女性・聖良のヒモとなって生活していた。
その聖良の兄が、妹に纏わりつく風太に対して怒りを込めて制裁している場面に拓海は出会したのだった。
結果、ヒモを続けられなくなった風太は、拓海が住む安アパートに居候することになる。
風太は父親の亮平が亡くなって直ぐに、拓海には何も告げずに母親と二人で島を離れていた。
拓海もまた、亮平が海に沈む光景を目の当たりにした痛切な想い出を抱いていて、東京に出て来て以来4年間、一度たりとも島に帰省したことはなかった。
拓海と風太の両親が絡んだ複雑な事情によって親友同士は別れることになってしまったのだ。
島に残っている同級生のマドンナ涼子とその妹の杏奈、そして拓海の妹の亜美らが意固地になっている拓海の心を和らげる行動に出ることになる。
島で育ってきたこの5人の心温まる生き生きとした物語だ。
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小さな南の島に住んでいる小学5年生の拓海は、釣りに出かけた海で幼馴染の涼子が飼っている猫が海で溺れてしまったのを見かけ、近くにいた親友風太の父親、亮平に助けを頼む。荒海に飛び込んだ亮平は、拓海の目の前で溺死する。その姿を見た拓海は心に傷を負ってしまい…。
重い話がメインのはずなのに、爽やかな夏の南の島が眩しくて、さらっと読めた。
大人になり再会した拓海と風太。辛い状況の拓海の心に無理矢理入り込んだ風太。親の都合で嫌な思いをしたはずなのに、風太がいい奴なのは南の島でのびのび育ったせいなのか、父親のDNAか。
しかし、拓海の父親は全然父親らしくなかったなぁ。
幼馴染の3人の未来が明るくなる予感で、後味スッキリ。
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オバアの言葉沁みます
みんな優しくて
いい子
自分の子供の頃を思い返すと
こんなに優しくなかったと恥ずかしい
大好きな海
大事なふるさとを遠くに追いやって生きていた
拓海と風太
それぞれの着地点見つけて
人生を続ける
幸多かれと願わずにはいられない
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「ハレーション」写真で、光線が強すぎたために、被写体の周辺が白くぼやけて不鮮明になること。
天真爛漫にふるまう風太。
真面目にふるまっちゃう拓海。
レッサーパンダの涼子。
子泣き島の、3人の同級生。
それと、拓海の妹である亜美、涼子の妹の杏奈。
「苦しさを受け入れるのに必死すぎて、幸せに意識を向けられなかったのかもね」
その言葉が、ずしっときました。
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読んでいると終始、森沢さんの作品だなっと。
読書を始めた初期に“ エミリの小さな包丁”を読んで、森沢さんの作品が大好きになりました。
久しぶりに今回エミリさんに…
嘘をつくことでしか自分を守れなかった子ども時代の拓海。父がなくなり故郷を出ていかなければならなかった風太。その他…
しんどい内容なんだけど、やっぱり人も島も温かくて。みんなキラキラ輝いて見えました。
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森沢明夫さん、ずっとずっとあったかい作品です
今までに出てきた人もちらほらと出てきて、思わず笑みがこぼれながら読みました
ふるさと、帰れる場所があるってやっぱり良いものだよなぁ……
読みながら沖縄の海を思い出し、ばしゃーん!なんて飛び込みたくなるようなそんな気持ちに
と同時に、幼なじみの関係性とか、嘘をついたことへの罪悪感というか後ろめたさというか
そんな感情に切なくなりつつ
でもそこは森沢さん
あったかい気持ちで読めるんですよね
読み始めて、あぁ、これはきっとこういう場面があるからそこで私はきっと泣くな、という予感は見事に的中
わかっていても、泣けました
心が温かくなる作品です
Posted by ブクログ
良くも悪くも期待を裏切らないあたたかい展開で、心が疲れてきたなという時に安心して読めます。
主人公たちがとてもまっすぐでキラキラしすぎていて、大の大人にはとても眩しい。眩しすぎて途中読むのがしんどくなるほどでした。
途中から人間はこんな美しいまま大人になれないよ、、、と思いながら読んでしまった自分に少し悲しくなりました。
Posted by ブクログ
真夏に読みたかったー!
自分がきっかけで親友の父親を亡くした拓海とその親友・風太、ばったり再会した二人の絆の物語。
島の情景や海の描写が美しくて、南の方の島に行きたくなる。主人公たちの抱える事情がかなり重たいのだが、島の雰囲気や登場人物の朗らかさがあって、安心して読める。
みんながみんな、いろいろな事情を抱えている。どんなに近くにいても、語られなければわからないことばかりだ。でもそれを嘆くのではなくて、「それはもう、しかたない!」と割り切って、それでもわかろうとする努力を忘れない姿勢を大切にしたい。
終わり方もすがすがしくて、台風一過のような作品だと思った。
そして物語中盤に、まだ読んだことのない森沢作品のあの人が出てきたので、そちらも読みたいと思う。ずっと積読していたけれど、この本を読んで決意したぞ。
Posted by ブクログ
誰にも言えないことを抱えながら生きていくのは本当に辛い。ましてやそれが自分にとって大切な人の命に関わるものであれば、なおさら苦しい。友達って良いなぁ。そしてこの2人、うまくいきますように。
Posted by ブクログ
森沢さんの作品は読むと温かい気持ちになりますね。
ヘビーな内容なのに重くならない。
登場人物がみんな良い人で自分がこの世界に居れたら幸せだろうなと思います。
Posted by ブクログ
はい、大好きな森沢明夫さん
今作も色々過去作と繋がっているニヤリーポイントがありましたよ!
だがしかーし!なんか今作いつもにまして、青空が多かった気がする(比喩表現)
なんか全体的にちょっと小っ恥ずかしかった
なにもそんなに爽やかにしなくてもっていうねw
まぁ、それが森沢明夫さんでもあるわけなんだが、爽やかがクドい(二律背反)
あー、でも南の島の物語だしなー
ハイビスカスも咲いてたし
ハイビスカス咲いてたら人って爽やかになっちゃうよねそれは
あとカルピス飲んでたし
爽やかの代名詞だもんなカルピス
あんまり濃く作りすぎちゃうとのどにくるけどね
かーってなるけどね
青空とハイビスカスとカルピスの物語
うん、伝わったな