小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ私はこの小説がとても好きでした!
「読書は心の旅行」って言葉通り、遠い未来の世界に心が旅行してる感覚でした。
そこに描かれている現代があまりにも理想的で、羨ましくて嫉妬です。
摩周湖も大好きで、本当に癒される場所だったので舞台に出てきて感動と共感でした。
ちょうど今はAIがどんどん発達していて、私は仕事柄むしろ悪い方向に影響を受けている部分もあって、
それも含めて余計に羨ましくて、常に「何もしたくない病」の私にとっては、かなりの理想郷です。
目的地に向かって旅をしながら、自然を堪能したり、食事をしたり、人間として必要なことを一日を通して過ごしていくスローライフな旅行も素敵だった。
面白かったのは、簡単すぎる仕事のせいで、AIの方がやりがいを失って鬱のような状態になってしまうこと。
この時代の人たちは、掃除や料理、買い物、仕事までほとんどAIに任せて、趣味を楽しみながら生きているように見えたけど、逆に鬱になる人はあまりいないのかな?ともおもったり。
何もしなくていい生活って、本当に人間にとって幸せなのか。
それともメンタルまでタイタンがケアしてくれるから、そこに大きな弊害はないのかな?
私はその環境化でどれくらいの長さの人生を生きたいと思えるのかな?
って村田さん殺人出産を読んだあとだったのでちょっと考えたり。 -
Posted by ブクログ
主人公の結佳の小4と中2時代という”女の子”が”少女”へと変化していく時間を描いた作品。村田沙耶香作品はこれまでにも何冊も読んできていますが、他作品のようなぶっ飛んだ切り口の設定や世界観で魅せる作品とは一線を画した一作ですが、だからこそ余計に作家の凄みのようなものを感じました。自身の身体や性格、周囲との関係や環境などままならないものに対しての思春期の痛ましい程の葛藤は読んでいて苦しさを感じる程でしたが、終盤の結佳の自己理解、世界理解の変容は前半の苦しさがあるからこそ鮮やかで美しいカタルシスがありました。素晴らしい点はいくつもある作品ですが、本作の舞台をニュータウンとした点が素晴らしいですね。タイトルにも表れているように変化し、成長していく街と二次性徴期の精神と身体の変容と重ねながら捉え描いている点が秀逸でした。
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Posted by ブクログ
大学時代に中古文学を選考していたので、今でも短歌を詠んだり歌集を買ったりすることはある。が、俳句、特に自由律俳句の良さはいまひとつ理解出来ず、今まで食わず嫌いしてきた。
町田康が書いているということで、山頭火の良さがよく分からなかったとしても文章は面白いだろうから、と手に取った本書。
結論、自由律俳句の良さが分かったかと聞かれると、正直まだよくわからない。楽しみ方の端が見えたような気もするが、まだ短歌の方が「音の並びが気持ちいいな」とか「情景が浮かんできて、心情が手に取るようにわかってすごいな」とか思える。
でもたぶんそこが結構重要で、他者による「わかる/わからない」引いては「巧い/下手」みたいなのから脱却して、自分の中のどうしようもない欲望、生にしがみつく必死さ、死に救いを求めてしまう遣る瀬無さ、みたいなものをより純度高く言葉にしたものが山頭火の自由律俳句で、その取り繕わなさに魅力があるのかもしれない。などと思った。わからないなりに。
美術館でよく分からない絵画や彫刻を見た時、ついその作者の人生を調べて、なんとなくわかったような気になってまう。それにも少し似ている。
まだよくわからんな〜というのが本音ではありつつ、「こころつかれて山が海がうつくしすぎる」の句には、美しいものの発する眩しさに目を細める山頭火の姿が思い浮かんで、思わず涙がこぼれてしまった。 -
Posted by ブクログ
細馬宏通さんのポッドキャストで触れられていたことをきっかけに読みました
印象的なのはその訳のありさま。女性たちのたたかいや人生の険しさが淡々とではなく生き生きと描写する日本語を、彼女らの喋る英語に当てはめている感じがする。
特に「〜でしょうが?」という言い方が何度も出てくるけど、多分原文は「isn't it?」とか「don't you?」などの所謂「付加疑問文」という、共感を求める時に使う表現で、たいていは「そうだよね?」というように訳される。「〜でしょうが?」は「そうだよね」に比べて、より話し手の意識が『語りの中にある』感が強い。だからそのように訳すことで、話し手の発話時の表現を切り落とすことなく、我々の意識を語られる物語に集中させることができる。
訳すという行為は、「言葉の本質を変えることなく、その矢印の向きを調整すること」なのかもしれない
集団に属する誰かが、その集団らしさを失って他集団に同化してしまうことは、「生きる」ことにとって大きな問題になるのだ、ということを現代日本に生きる我々は忘れちゃいけない
つくづくアメリカってのは、金さえあればなんでも出来る国だなあ こんなに大きい先進国でこんななの珍しい
他人を自分の思考の種にすぎないものとして扱うんじゃなく、その人の生き方、考え方に貫かれるように他人に接すること、を目指さないといけない 具体的にどうするのか、わからないけど…
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Posted by ブクログ
交通事故により頸椎を損傷し、
首から下がほぼ動かない状態になった主人公、
ひまり。
前半はとにかくリハビリの過酷な現実を突きつけられる内容で、読んでるだけなのに本当に辛くなるくらい。そんなリハビリを乗り越えて、復職を目指すも、断念せざるを得なくなり、就労支援を役所に申請すると、勧められたのは生活保護。
それでも自立への道を諦めずに目指したのは弁護士への道。司法試験突破を目指して勉強に励むも、そこでも幾多の困難が立ちはだかるばかり…
いつも明るく前向きなひまりには本当に頭が下がる。そして、そんなひまりだからこそ、周りの人たちにもいっぱい支えられたんだろうな。
ひまりとともに泣いたり笑ったり、人とのつながりの大切さにも気付かされる、そんな体験ができる作品。
おすすめ。 -
Posted by ブクログ
すでにもう一回読みたい
でももう一回読んだらまた同じ気持ちになると思うと怖くて読めないくらい痺れた、ヒリヒリしてる、今も
夏目と一緒に悲しくなったり、苦しくなったり、嬉しくなったりできすぎる表現力に完全に心持ってかれた
人を好きになってのめり込んでいくのを主観的だけど客観的に見れて、ページ捲りたくない瞬間たくさんあった
好きになるってこうなるよね〜だけじゃ済まされない誰にも言いたくないくらいイタイ気持ちも全部表現されてて苦しかった
細胞レベルで恋してしまうと人はこうなるんだ、でも想像できるな、すごく近く感じたからこそ恐怖があったんだと思う
枠に当てはまらない真っ白な人と私は出会ったことがあるのだと思う -
Posted by ブクログ
こっわ………!
めっちゃ怖かったです、びっくりした…
平凡な家庭の中にいつの間にか異質な存在が入り込むヒトコワ系のホラーでした
幽霊の類は一切出てきません
人間の底知れぬ絶望と悪夢が広がっています
様々な要因から家族仲は決して良いとは言えないながらも、大きな諍いはなく静かに暮らしていた一家
そこへ近づいてきた3人の人物が気づいたら家族の一員として家の中に住み着いていた、というお話です
満足な食事も睡眠もとれず、鈍っていく思考の中で繰り返される虐待行為によって判断力を失った家族たちはどんどん洗脳されていきます
その描写がめっちゃリアル笑
学校の友達と上手く付き合えなくなっていく姿は見ていて胸が痛みました…
誰を信じれば良いのか疑心暗鬼になるのも分かる……
ラストで明かされる真実には大変驚きました
ミステリーとしても読み応え抜群です
とても面白かったです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ『瓶詰地獄』
文章を美しく飾る為に信仰を使用していると思いました。美しさを追求するために倫理を捨てて手段を選ばない夢野久作は、耽美・幻想文学者のあるべき姿な気がします。
『死後の恋』
寶石が好きなので大変興味を唆られました。
お話のインスピレーションは、当時世間を騒がせていたロマノフ王朝アナスタシヤ様生存説からだと思われます。ロマノフ王朝の宝石は富と権力の象徴として大変有名です。
実際の歴史では、1918年7月、エカテリンブルクのイパチェフ館の地下室でニコライ2世一家が銃殺された際、皇女たち(オリガ、タチアナ、マリア、アナスタシア)は銃撃を受けても即死しませんでした。コルセットや下着の裏地に大量のダイヤモンドや宝石を縫い込んでおり、それが防弾チョッキの役割を果たしていたからです。
しかし夢野久作は、彼女を守った宝石でアナスタシアを殺しました。本当に恐ろしい人です。
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