あらすじ
若くして死んだ一樹の嫁と義父は、共に暮らしながらゆるゆるその死を受け入れていく。本屋大賞第2位、ドラマ化された人気夫婦脚本家の言葉が詰まった話題の感動作。書き下ろし短編収録!文庫版解説=重松清。
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【2014年本屋大賞2位受賞作品!!】
病で夫<一樹>を亡くしたテツコと、一樹の父親<ギフ>の、奇妙だけど切ない、悲しいけどどこかあたたかい、二人暮らしの物語。
この物語は、この三人の話だけでなく、一樹の幼馴染や従兄弟、テツコと結婚したい<岩井さん>、ギフの亡き妻<夕子>などそれぞれの人物にスポットをあてた短編が、連作となってひとつの物語を作っています。
「自分には、この人間関係しかないとか、この場所しかないとか、この仕事しかないとかそう思い込んでしまったら、たとえ、ひどい目にあわされても、そこから逃げるという発想を持てない。呪いにかけられたようなものだ。」
「逃げられないようにする呪文があるのなら、それを解き放つ呪文も、この世には同じ数だけある。」
「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ。」
心に沁みるコトバ、丁寧な暮らし、切ないけれど前向きに生きる力が、この本につまっています。
2015年に仲里依紗さん主演で実写ドラマ化され、また、渡辺ペコさんによるコミカライズ作品も発売されています。(書店員・あんにん)
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すごく好きな作品だった。
ギフとテツコさん。
息子であり、だんなさんであった一樹さんが亡くなってしまったけど2人の生活は続いてる。
ギフとテツコさんと呼び合いながら。
短編ではあるけど、登場人物が一樹さんに関わっているから短編という感じはしない。
一樹さんの死にまつわるお話だけど、ギフとテツコさんの雰囲気から重くならず、とにかくギフがいい!で、テツコさんの彼氏岩井さんがとぼけててまたいい!
ウルウルしたり笑ったり、ステキな本でした。
Posted by ブクログ
人生がいっぱい詰まっていた
何気ない日常の中に
いろんなドラマがあって
人は繋がっていて。。。
クスッと笑えたり
あぁ…と少し涙したり
若くして亡くなった従兄を想いだしたり…
心がぽっと 温かくなる。
大丈夫だよ。とそっと背中を押される
そんな1冊
頭の中で 市川実日子が活躍していた 笑
私の中のテツコのイメージ
ドラマ「すいか」が ものすごく見たくなった
そんな てんぽでセリフを 情景を
読んでいた
あの大好きな空気感。おんなじだった。
素っ気ないようでいて 人情に厚く
程よい距離感をたもっている
そんなのが 何だか良いなぁと
この人達の関係が。。。
陽だまりのような1冊でした
Posted by ブクログ
初めての木皿作品。身近な日常を描きながらも、大切な人を失った後にどう生きていくか。喪失と再生を、ゆっくりとユーモラスに描いた作品だった。そこが妙に心に沁みた。特に、主人公テツコと義父ギフの独特な関係性が印象的で、悲しみを共有しながら生きる姿に共感した。テツコは決して完璧ではなく、弱さや迷いを抱えながらも、それを隠さない。そして一樹を大切に思い続けながらも“今を生きよう”とする姿勢に素直に嬉しくなった。人は何かにとらわれて生きているけれど、ほんの少しでもそれを昇華できた瞬間、成長していくのだと思う。⑤↑
Posted by ブクログ
今までミステリー中心に小説を読んでいた私のほっこりデビュー本。
のこされた家族たちがどう暮らしていくかがテーマだけど重い雰囲気はなく温かい気持ちになった。
このあと瀬尾まいこ先生に出会い、優しい人たちのお話好きに拍車がかかるのであった。
Posted by ブクログ
こういうのでいいんだよ。
大きな事件も起こらないけどギフとテツコの生活が素敵で、岩井をはじめ周りの関係の繋がりもよく絡んで、何回でも読み返せる小説です。
Posted by ブクログ
テツコと義父(ギフ)が、旦那さんである一樹が亡くなった後二人暮らしをしている、という状況下の話。テツコやテツコと結婚したい岩井のやり取りや、小学生の女子にお金を騙し取られる岩井の様子、詐欺にあって家具屋大量の水を買ってしまう少し抜けたところがある気象予報士のギフとのまったりした関係ややりとりも面白い。
一樹やその母(こちらは人の死が近づくと涙が止まらなくならという特異体質)もなんか全体がほんわりとしてて心が温まる話だった。
Posted by ブクログ
設定は婚約者が亡くなり切ないはずなのに、それを感じさせない口調で進んでいくお話にほっこりする。
日々のちょっとした日常に色んなことが詰まっていると思うお話。
癒しとか信じてなかったのに。
今までは、何かを読んで癒されるとか、綺麗事のように思ってた。だけどこれは…
表現できない気持ちの奥の、かなしさや、やりきれなさ、おかしみ、強さ、いろんなことを、そうとは言わずに描ききられてた。みんな何かを抱えてて、みんな何かをもとめてる。日常の丁寧な積み重ねでそれを許されていくのね、と。気持ちがシンプルに整えられる読後感です。
Posted by ブクログ
タイトルの匂いが好き。
作中で、共感できる人も、共感できない人も、登場人物たちは淡々と暮らしている。
何事もないわけではないけど、何事もないということは現実にだってないわけで、なんかしらありながら人は生きていくのだなぁと、いまさらながら思ったり。
弱ってると、共感する力が弱くなる。そういうのに気づけるの、小説の良いところ。
「人間関係というのは、方程式のように、どんな数字を代入しても成り立つ、というものではない。」
どんな数字を入れても、それなりに成り立つように見える。だから、つまらない人間なのかもしれない。
Posted by ブクログ
若くして夫を亡くした未亡人の徹子と、その義父の物語。
血のつながりはなくても、それぞれが互いを思いやっていて素敵な関係です。その思いは、直接的な言葉で表されるのではなく、相手の気持ちを察してそれぞれが優しい行動をしているのがいい。気持ちが温かくなります。ドラマ化もしているようなので、いつか見てみたい。
Posted by ブクログ
生まれて、生きて最後は死ぬ。
取り残された人たちの想いは、大切な人との時間を残したまま止まってしまうのか。受け入れることができるとそこから始まるのではないか。と、感じた作品。
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遺された人達が立ち直っていく日々。大きな事件は何も起きないけれど、どの話を読んでも鼻の奥がつんとなる。「男子会」が特に好き。ギフと岩井さんの可愛さといったらない。
『世の中、あなたが思っているほど怖くないよ。大丈夫。』
読んでいる間、ずっとそう言ってもらっているような気がした。誰を亡くしても、川の底へ落ちたくなっても、雨が降っても、救いもあるし優しさもあるんだと。
優しくて温かくて、ほっとする時間になりました。
Posted by ブクログ
2014年『本屋大賞第2位』。
木皿泉、初読み。
7年前に夫・一樹を亡くし、義父・連太郎と未だに一緒に暮らしている、テツコ。
恋人・岩井にプロポーズされるも、断り、にもかかわらず、その関係は…
隣人で一樹の同級生・宝。
一樹の従兄弟・虎尾。
どうなるんだろう、と。
いい関係だな、テツコとギフの関係は。
普通、なかなかありえない関係だと。
それも7年間も。
テツコもギフもいい人なんだよね、で、お互いにいい距離感を保つことができるから、成り立つんだろうな。
岩井さんのところに訪ねていけるギフ。
突然訪ねてきたギフを受け入れる岩井さん。
岩井さんもいい人なんだよな。
だって、見ず知らずの女の子に480万円を貸せるんだから…
3人の関係はどうなるんだろう…
3人が一緒に住んでても、驚かないな…
岩井さんだったら、やっていける気がする。
でも、夕子のお母さんの占いの話、当たってたなんて…
Posted by ブクログ
もし、自分と親しい人が
当然、いなくなってもその人生を
生きないとといけないのは苦しいが
そのとおりである。
でも、ギフとテツコとの温かい関係は
正直憧れてしまいます。
Posted by ブクログ
テツコは、ギフと一緒に暮らしている。旦那は7年前に亡くなってしまったのだが、もうこれだけ月日がたってしまうと、役割も、どうしてここにいるのかも、わからなくなってしまう。
テツコには、恋人の岩井さんがいる。しかし、テツコは結婚にはふみきれない。
何も起こらない普段の生活が続いていく話であるのだが、ちょっとした安心感、安らぎのようなものを感じる。
テーマは、そうか、それでいいじゃないか、を発見した時のよろこびだそうだ。
そうそう、ひととは、なんだかんだで、踏み切れない生き物なんだよなぁ。それでいいじゃないか。
Posted by ブクログ
7年前、25歳で死んでしまった一樹。
残された嫁、テツコ。
テツコと今も一緒に暮らす一樹の父、ギフ。
テツコの恋人、岩井さん。
周囲の人物と関わりながらゆるゆると一樹のその死を受け入れていくまでのお話。
「そうか/それでいいんじゃない」
そんなことを繰り返しながら ほんわかとした心優しい登場人物達が9篇のお話を紡いでゆく。
NHKで連続ドラマ化したそうだ。
どんな風に描かれているのか見てみたい!
Posted by ブクログ
タイトルって何だったっけ。と何回立ち止まったかわからないが、意味がわかってほっこりしました。
私は本のタイトルと内容を結びつけながら読むタイプなのです。
なんとなく目について、読んでみて良かった作品の1つです。
Posted by ブクログ
snsやニュースで嫌になる気持ちになることが毎日だけど、大切な事はそこにはあまり無くて、もっと現実の身近な世界が自分の芯を作っていくのだと思わされた。自分がもっと歳取った時に心が充実できる環境を今のうちから整えておく必要がある。
Posted by ブクログ
若くして死んだ一樹のお父さんギフと、嫁のテツコさんが一緒に暮らしていくお話。ゆっくりと死を受け止めていく。ドラマを見てから読んだ。ドラマの方が木皿泉さんの描きたいのが伝わって、ほんわか温かくて世界観が好きだなぁと思った。脚本家さんなので、ドラマになるほうがいいんだろうな。
小説だと、いまひとつ、わかりにくい。
Posted by ブクログ
解説を読んで、作者が夫婦だということを知った。日常の話がつまってるが、何かから解放されていく。その時の嬉しさがあって、改めて日常の良さを感じた。登場人物も個性があって、面白かった。犬のパンの話が好きだった。
Posted by ブクログ
銀杏の木が植えてある一つの家とそれを取り巻く人々の話。
不思議な関係のように思えて,どこにでもあるような。とはいえ,一般的かと言われると決してそんなこともない。それぞれの人生の在り方を良い意味で等身大に描かれている。
盛り上がる場面があるわけでもないが,退屈することもない。誰もが違う感性と視点を持っているんだなと感じさせられた。
Posted by ブクログ
ほっこりする本。
本当に大切なものを気付かせてくれる。慌ただしい日常の中でもそういう感性を大切にしたいなと思えた。
個人的には、岩井さんがただの空気が読めない人で終わらず、良かった。応援したくなるキャラである。
ほっこり…?
読んでいてほっこりしました。どんどん話が進むにつれて飽きてしまいましたが。テツコがギフと一緒の暮らしをとても大切に思っていて…というかんじが全く共感できず違和感だらけでした。
昨夜のカレー、明日のパン…なぜこの本はこの題名なの?と良く分かりませんでした。