小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ辻村美月先生の本の中では短い内容だったので一気読み。個人的にとても良かった。
良かった理由として、私も蘭花や茉莉絵のような経験をしたことがあり、めちゃくちゃ共感できたことが挙げられる。
自分が本当に恋している、この人以外考えられないとなると、周りが何を言っても頭の中にその意見が入ってこない。
私も周囲の友人に別れた方が良い、と言われたが、何となくその理由が理解できたとしても、その時は「この人がいない生活なんて考えられない」と思ってしまう。恋というのは、病気だと思う。
結局その人とはあるきっかけで別れて別の人と付き合うことになったが、今思い返してもなぜその人に執着していたのか分からない。全く -
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ネタバレ強く心に残ったのは亮司と雪穂の生き方の違いだった。二人は同じ過去と罪を抱えているはずなのに、結末で見えたその人生はあまりにも不均衡に見えた。
亮司は最初から最後まで影に生きている。自分の幸せを望むことも、未来を選び直すこともしない。
その姿は静かで、感情を表に出さない分、余計に胸に刺さった。彼は自分の人生を生きなかったというより、生きることを最初から放棄していたように思えてしまった。
一方で雪穂は、過去の被害者でありながらも、名前を変え、立場を変え、光の中で生き続ける。彼女もまた可哀想な存在だと思う。
それでも、読み進めるほどに、どこか「ずるさ」を感じてしまった。
雪穂は生き延びるために選 -
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面白くてあっという間に読んでしまった。
逢坂さんは文章が巧い。だからとにかく読みやすい。言葉も物語もするすると入ってきて、ずんずん読める。前2作もそうだけれど、本の厚みを感じさせない。
自動車期間工の青年から始まり、8つの物語が絡み合う。
南アの少年兵、ファンド、板金職人、サッカー、不動産、投資、詐欺、まるで違う生活の世界が描かれる。
主人公が1人であれば描く世界は1つで済むのに、まるで違う世界を複数描くのだからリサーチが大変だと思うのに、それぞれの描写が細かくリアリティがあり、さすが逢坂さんと思った。描写を疎かにするとクオリティが下がる。
現代社会を描く小説は沢山あるけど、これは飛び抜 -
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後天的な障害を抱える人々がリハビリなどを行う施設NPO『天使の箱庭』の施設長、荒瀬が殺された。殺人の容疑者は全盲の入所者・美波優月。だが美波は、深夜に荒瀬に呼び出されて襲われたが殺してはいない、と主張。弁護依頼を受けた刑事弁護人の竜ヶ崎恭介は絶対不利な状況のなか、真相解明に乗り出すが…。
『同姓同名』などで話題になった下村敦史さん。ようやく初読み。
数週間前、テレビで自宅を公開していたけど、なかなかクセのある邸宅で、ユーモアあふれる方だった。
読み始めてすぐに犯人の目星がついてしまうのはちょっと残念。だけど、そこに行きつくまでのストーリーを楽しむことができた。
法廷でのやり取りは実際に -
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姫川玲子シリーズの第一弾!
最初から最後まで飽きることなく読めました!もう一気読みに近い
姫川班のメンバー、井岡、ガンテツなど登場人物のキャラが立っていてよい!一冊読むと2時間ドラマ1本観たような満足感!
姫川の過去のシーンに胸打たれ、ガンテツと玲子の最後のシーンに胸打たれ(途中ガンテツの言動に怒りも覚えましたが、最終的には魅力的な登場人物の1人になっていた…)、事件解決に動くあつい刑事たちの執念に胸打たれ…。これぞエンターテインメント!!
ビニールシートに包まれた男の遺体が発見されてから、捜査が進むうちに「ストロベリーナイト」という謎の言葉が捜査線上に浮上して…。
少しずつ明らかになる -
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第二次世界大戦後の東京、GHQ指導のもとに民主主義レッスンの教師役となった日系二世のリュウと生徒の20歳前後の女性5名が、戦争の傷跡残るなか、それぞれの道を見つけていくお話。孝子がマッカーサー元帥に宛てた手紙がとても辛く心に響いた。戦争で家族も持ち物も全て失った孝子が、戦後雇われたお屋敷では豪華な宝石、食器、家族がそろっていて、『若しかして、戦争に負けたのは私達貧乏人だけだったのではないかしら。・・自分達の力で自分達を守ってゆきたい。もう二度と騙されたくない。』と胸の内を打ち明けている。戦後同じような思いを抱いた人は多かっただろう。戦後の日本から希望が生まれてくる過程を描いており前向きになれる