小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
この本、実は何年か前に文芸書に掲載している事を知って、既に最初から最後まで読んでいて、その時は毎月の1番の楽しみでした。1冊の本として一気に読むと、さらに良かったです。主人公の人生を共に生きた心地。自分の人生はたったの1回ですが、小説を読むと多くの人々の様々な人生を疑似体験出来て、それも読書の良いところですね。
マハさんは、以前キュレーターもされていて、この本にも美術の専門知識が多く盛り込まれています。今回は、岡山の大原美術館関連の人々や作品が多く登場します。以前岡山に住んでいたことがあるものの、知らなかった事も多く、タブレットで検索しつつ読み進めたのも楽しかったです。
主人公の人生は、まだま -
-
Posted by ブクログ
上海租界で少年時代を過ごしたイギリス人クリストファー。その地には隣家の日本人少年アキラとの楽しい思い出もある。しかし、父親の失踪、それに次ぐ母親の誘拐という事件を経て孤児となり、イギリスの叔母のもとに引き取られることとなる。この少年が、長じて優れた探偵として名を馳せるようになり、満を持して上海に舞い戻り、消えた両親の謎の解明に挑む。
真実を知りたい、という気持ちで読んでいけるミステリー小説のような推進力がありながら、そこで描かれる世界に立ち込める闇は深い。ってその世界とは私たちの住むこの世界である。途中途中、ウィキペディアなどで世界史のおさらいをしながら読み進めた(アヘン戦争、上海租界、日 -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
島根あさひ社会復帰促進センターという社会復帰を特に重視した刑務所において行われた盲導犬育成プログラムを取材したノンフィクション新書。
日本盲導犬協会を筆頭に、全国視覚障害者情報提供施設協会、法務省矯正局、刑務官、地域住民など多くの人々や組織の理解と協力のもとパピープログラムは行われた。
まだ幼く小さい子犬たちを、平日は訓練生(受刑者)たちが、休日はウィークエンドパピーウォーカーという民間の有志のボランティアが、約1年間がかりで育てていく。
そこでは、多くの楽しいこと、苦悩、ぶつかり合いが当然起こってくる。
盲導犬を育てるという体験を通して、変化していく訓練生たちの姿を読み、想像すると、胸 -
Posted by ブクログ
上下巻で1200ページ弱というボリュームなのに、読み終えた瞬間、この先の物語をもっと読みたいと思うほど没入しました。
8人それぞれのエピソードが丁寧に描かれていて、誰の物語も“脇役”で終わらないのが本当にすごい。特に第14章は、単独で一冊の短編として成立するレベルで、傷ついた友人のためにそこまでできる理由が腑に落ちた瞬間、胸がぎゅっとなりました。
読み進めるうちに「ん?人数が合わない…?」と違和感が生まれるのですが、真相に辿り着いた時の衝撃はこれまで読んだ作品の中でもトップクラス。思わずページを戻って「ここか!」と声が出るほどの見事な伏線回収でした。
ラストは静かで美しく、彼らにとっては -
Posted by ブクログ
今の自分と客観的に向き合えることで思考がまとまり言語化されていく。そして次の行動に移せる力をくれる。
それが読書というもので培われていく体験そのもの。
サトル叔父さんの
「読書とは刺散的で胸躍る体験で、自分の気持ちに向き合うことは生きる上でとても大切」というのは、
自分でもしっくりくる言葉であり、感銘を受けた。
人間はそれぞれ悩みや辛さもあり抱え込んでしまう。過去へのしがらみが絡みついたまま生きているのは
「損する」ことが多くあって気づかない。
しがらみに絡まってることに気づく人にアドバイスをもらうことで、膨らんだ風船が割れたかのような感覚があった。その一言が自分を動かすんだなと感じた。
-
Posted by ブクログ
映画の告知が無性に気になって、原作を修めておきたいと思い購入。
江戸時代において、血なまぐさくも誉れ高い仇討ち。その一部始終が、小気味よく、かつ、どこか愛情をもって語られていくのが面白い。
一人の少年のあだ討ちを発端に、社会に居場所がなくうまく生きることができなかった己の人生を、主人公に伝える語り手たち。その内容に胸がぎゅっと苦しくなったり、人情味を感じて心が温かくなったりする。物語を読むということは、本を通して登場人物たちの人生を追体験するものだとあらためて実感する。
読み進めるにつれ、主人公とともにあだ討ちの真相に近づいていく。「あだ討ち」の種明かしは驚きというよりも、これまで語り手となっ -
Posted by ブクログ
自分とは何者か?俺が増殖して自我が崩壊していく筋書きは安部公房の『箱男』を思わせるが、自身の内面をどこまでも掘り進むと同時に、社会の中で存在を見失ない大衆の平均像の中に自分を解体して全体の中に溶け込んでいく感覚は、『幼年期の終り』の裏側の暗黒面を描いたようにも受け止められる。(アーサー・C・クラークの壮大なイメージは本書ではビールを飲んだ後のハモり的な卑小なイメージに変換されてはいるが‥)
解説で中島岳志が全体主義との関係を論じており、結末部分では戦争経験者の語り継ぎにも通じるものを感じるが、この種の経験を実感を持って伝えることの難しさ自体が、本書のもう一つのテーマなのかもしれない。
設定は極
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。