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「心がえぐられすぎてつらい」
第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞!
友情とは何かを描いた問題作。
商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。
だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。
執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。
一方、翔子も実家に問題を抱え――。
「本作『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子さんがデビュー以来追い求めてきた主題の一つの到達点であり、その後の柚木さんが展開する文学への結節点でもある。」(重松清「解説」より)
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Posted by ブクログ
この本は私の人生の大切な一冊。
ここで吐き出させてほしい。長文。
本当に本当にしんどいことがあった。
私は皮膚科クリニックで働く医者、転職しのんびり働いていた。土日の繁忙期だけ非常勤の先生が来てくれるけど、すれ違えばあいさつ程度のそれぞれ個々に働く感じで人間関係はノンストレスだった。
ある日職場に新しく年上の女の先生が来た。これから毎週来るらしい。最初は私の診察室にわざわざ来てあいさつをした。しばらくすると私の診察室にだけある冷蔵庫や電子レンジを使うらしく、1日に何度もこちらに来た。その度に軽い話をふられるようになった。「この仕事はしんどい」「ここの看護師は態度が悪い」日を追うごとに文句が増えてきたが、私は全く同意できないのでそうですねぇと適当に返答していた。これが良くなかった。彼女にとって私は同調したと受け取られたのだろう、「このクリニックはストレスが多くて、あなたはかわいそう」「看護師に監視されている」「あなたの人間関係は良くない」と意味不明な過激な発言が増えてきた。さすがにしっかり否定したがもう遅かった。仲が良いと思われてしまっていた。ある日私の出勤状況や給与をすでに察していた彼女が「○曜日はお互い休みだから、私の行きつけの店にいこう。今予約する。」と目の前でスマートフォンで店に電話をかけ予約を取った。通話後に店名を言われ、調べるとランチ4万の超高級割烹だった。唖然とした、すぐに断る勇気が出なかった。その日の彼女は「少し高いけど、あなたの給料多いから大丈夫よね」「好き嫌いはないか」「連絡先を交換しておく?」と診察の合間に何度も話かけに来た。個人の連絡先の交換はクリニックから禁止されているので断れたが、食事はやはり断りづらかった。私がいい顔して弱い性格なのがいけないと反省した。
食事の当日
しっかり割り勘だった。私は恐ろしく高いランチを親しくない人と食べた。この話は友人にして笑ってもらおうと思った。食事中、何度もまた来ようねと言われたが、機会があればタイミングがあえば都合がよければと返事をした。腹が立っていたのと二度と行きたくなかったので冷たく返したつもりだった、断っているつもりだった。甘かった。
次の出勤日が重なった日、彼女を避けて空き時間はできるだけトイレや廊下やバックヤードですごした。クリニックに内緒で、事前に家電を彼女の診察室に移動した。こちらの診察室に来る理由をなくした。正直前回の自分の態度は冷たすぎたなと気まずい気持ちもあった。しかし私のドタバタした生活音や診察中の声を聞いて、在室中にこちらに来た。この間の食事会のお礼といった想定内の会話をした。その日の二度目の来室で彼女は「この前約束していた店を予約したから。○月○日の○時、また現地集合で。」と言った。どうして勝手に予約を取るのだろう、どうして伝わっていないのだろう、私がいつ約束したのだろう。ギリギリなんとか捻り出した返事は「その日は予定がわからない。家族の都合も確認しないといけない。自分の給与を全部自由に使える訳でもないから家族に聞かないとわからない。」だった。彼女の退室後に絶望で頭を掻きむしった。こんな事態を招く自分がほんとうに情けない。どうしてもうおばさんの私に同性のおばさんが執着するのか理解できない。狂ってしまいそうだった。
その日はその後も「診察室を自由に行ったり来たりしよう」「あなたが1人で外食するのを家族が羨ましいなら、お互いの家族を呼んで食事会にしよう」と話かけてきて、私の気持ちなんか少しもわかっていない友情モード全開だった。
結局彼女は翌週には契約違反行為バレて退職し二度と来ないことになった。私は約束の日に店にも行っていないし店に連絡もしていない。私の精一杯の仕返しのつもり。
この本を読んで擬似体験だと思った。
どうして誘っておいて割り勘なんだろう、友達みたいな距離感なんだろうと悩んだが、オヒョウとエリコが教えてくれた。あの出来事の前に本に出会っていればもう少し心に余裕があったかもしれない。
自分にも重なる
ある二人の女性の人間関係がうまくいかなくなったところからストーリーが展開していきます
主人公のえりこは一見とんでもない人のように見えて、実は私と大して変わらないのではないかという疑問を抱かせます
人間関係の築き方や、人の気持ちを思いやるということがどういうことか、深く考えさせられる作品でした
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