小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
失恋小説としてかなり完成された作品だった。
どれだけ気丈であろうとしても、心は乱され、時には犯罪的行為にまで及んでしまうことも、その思想にたどり着くこともある。
主人公山村の場合は妙齢で5年間付き合いながら結婚間近に自分が理由じゃないと言われて別れを告げられたパターン。1番本人が腑に落ちない、ずるいパターン。でも実際、よくある恋愛のパターン。
そこからみっともなく喚き散らしながら色んな人に助けられ、関わり、時には見捨てられ、社会と時間の波に流されることで、感情も水にながされていく。まさに燃え尽きるまでの流れを描き、最後にたどり着いた時は中々清々しかった。
この先の人生も少しだけ覗いてみたいと、そう思えた作品だった。 -
Posted by ブクログ
コーヒーが冷めるまでの限られた時間、尚且つ結果を変えることはできない中で、それでも会いたい人に会いに行く選択をできる人は強いと思った。
もしあの日あのときに戻れたら、と思うことは人生で何度もあったが、結果は変えることができないという条件のもと、過去や未来に行く選択を自分ならできるだろうか。
4編それぞれで感じたのは、過去や未来での数分間ではなく、現実に戻ったあとのその後の行動こそが、後悔や不安を減らすことができる唯一の方法なのだと思った。つまり、タイムトラベルができないこの世界においても、自分のこれからの行動次第で人生の納得感を上げていけると再確認した。
総じて、タイムトラベルというファンタジー要素を含みながら、人の心情の変化を密に表現していておもしろい作品であった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者は医師であり小説家なのですね!
だからいつも病院様子がリアルなんだ、、、。
この話は主人公が当直医の日にピエロに病院で籠城されるが、院長も看護師も、人質の可愛い子も、みんななんかあやしくて、、、
わくわくが止まらなくて一日で読破してしまいました。
※ネタバレ
院長は身寄りのない認知機能の落ちた患者の肝臓を勝手に取り出し、有名人に移植して、莫大なお金を得ていた。看護師もお金に困ってたので手伝ってた。
勝手な手術の被害を受けたあと、意識を取り戻した患者「愛美」と、復讐計画をした理学療法士の「ピエロ」。2人は恋人同士だった。
何も知らなかったバイト当直医の主人公。愛美のかわいさに翻弄されながらも、すべてみんなに騙されていた、誰も信じられなくなる衝撃のラストでした!
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Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白かったです。
小学校の壁新聞の記者になったハチベエ、ハカセ、モーちゃん。三者三様の記事づくりにキャラクターをいかに魅力的に描くか、この辺りに作者の那須正幹先生の高い構成力が伺えます。
なにより終盤、取材相手の気持ちを考え、『気持ちがハッキリするまでは記事にはしないでおこう』と考えたハチベエの記者としての姿。序盤に記事内容を盛りに盛っていた男とは思えないほど成長していて読んでいて少しウルっときてしまいました。
並びに、これはあとがきでも書かれていたことですが、ガス中毒で死にかけていた孤独な老人を三人で助け、地方紙に三人が載るというシーンには舌を巻いてしまいました。あの後、おばあさんは息子さん家族と住むようになったのでしょうか?妄想が捗りますね。
児童文学とはいっても、記者における心構えや葛藤、取材相手との交渉など、『記者ってどういう仕事?』という疑問に100%応えてくれる本作。
本当に面白かったです。
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