小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
この本がエッセイということで、カフェーの帰り道の感想を書く前に軽い気持ちで読み始めたのだけれど、
ちょっと待って待って!
これエッセイなの?
ヘビー過ぎる。
片手間には読めない!!
ということで、カフェーの帰り道の感想を終えてから、気持ちも新たに、初めから読みました。
エッセイという枠に入りきれない著者の実体験とその思いが溢れ出ているとは、こういうことなんだ、という説得力。
若さの有り余るエネルギーと寂しさとやるせなさと切なさと‥
若い頃特有の気持ちを追体験しました。
そして、だんだん大人になって、それを宥める方法がわかってきた。
壊れそうでも、踏ん張って生きていこうとする気持ち。
がんばった -
Posted by ブクログ
この人生を見れる感じが長編の良さなんだよー!って思った。
感情の機微とか人それぞれの考え方の違いとか、意味で読んだどのお話よりも繊細で、リアルで、細かくて、母親と子供のわだかまりとか、恋愛とか色んなお話を読んできたけど、どのお話にもないような雰囲気と感じるものがあって、とっても新鮮で面白い。
基本的には穏やかで、起きる出来事も多分他のお話に比べたら穏やかで、なのに続きが気になって仕方がなかった。
ふたりは決して似てはないし、すれ違いも多いけど、お互いを思う気持ちがあって、恋愛でもない友情でもない不思議な関係性が生まれてて、それにジェラシーを感じる夫2人もまたいいキャラクターだった。
藤野さんは -
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Posted by ブクログ
「三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四である」この一節を読みたくて手に取った本。常に多数派であることは立派なマイノリティである。正しくありたい「正欲」を「性欲」という観点から、主に3つの話を軸に話は進んでいく。多様性が叫ばれる昨今、それでもまだまだ視野狭窄なんじゃない?と問われているようだったし、実際そうなんだと思う。自分の思う正しさが正しいかどうか、他の人が何を正しいとしているのか、確固たる信念が、読み終わると同時に無くなってしまう、でもその分許容がぐっと広がるそんなお話。だから読む前の自分には戻れない、なんて謳い文句がこの本の背表紙には書かれているんだろうな。読んだことのない人がいたら是
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Posted by ブクログ
カフェーの帰り道、という題だけれど、帰りに何かがあったわけではない。大正12年から昭和終戦直後にカフェーに勤めた人それぞれの話である。
みんな、一生懸命生きている。
タイ子、俣野さん夫婦、セイ、美登利、園子、幾子、章ごとにちょっとずつ時代が進んでいくにつれ、人々の生活も時代に翻弄されて行く。
明るく淡々とした文体だから、入り込みやすかった。
反戦とは書いてなくても、戦争をしてはいけない、と心に訴えてくる。
全然他人と思っていてもちょっとずつ繋がりがあったりして、あの街に住んでるような気持ちになった。
昔がいいなんて、懐古趣味の雰囲気作ってくる感じの風潮もあるけど、
やっぱり現代が一番いい。
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Posted by ブクログ
連作短編集は、せっかくどっぷりハマった世界から離れることなく、違った角度から短編ごとに楽しめるのでそもそも好きなのだが、これはまた、ものすごく面白いじゃないですか!
最初の「正当防衛」で掴まれました。
そして、主人公の弁護士エーファがここまで事件に真剣に向き合うのはなぜか、それが短編の最後に投げかけられる。なにか、あるんだね、最後に明かされるんだね、と思いつつ次々読み進む。
どの事件も、判決が出た後に、思いがけないことが起こる。コントロールできないものがいつも残される。
どの事件も専門家ならではの、法律の穴があり、そうきたか!と唸らされるのだけど、「強姦」は特に、おー、そんな方法が!と驚かさ -
Posted by ブクログ
このタイトルは、百年の孤独を意識してるかい。うん、本の厚さは同じくらいだ。一つずつのエピソードは面白く読ませる力もそれぞれある。話しがあちこちするし、人間関係が混乱するのも似た感じ。百年の孤独の方は同性同名が何人も出てきて混乱に拍車をかける。百年の時効は、登場人物の多さに閉口するが皆んな役割りがある。ノーベル賞と比べるの意味ないけど、つい考えてしまった。
全く違ったのは、読み切る時間でした。百年の孤独は何回も投げ出しそうになったけど、百年の時効はどんどん読めます。
それと。江戸川乱歩を思い出しました。病気と変な趣味ありながらお医者になるて、優秀なのね。 -
Posted by ブクログ
ぼくが生きてる、ふたつの世界
五十嵐大
幻冬舎文庫
ぼくは好きと嫌いとの間で揺れ動き、ときには母のことをひどく傷つけてきた。
存在を否定するような言葉をぶつけては、彼女のことを哀しませてきた。
そのたびに母は、「お母さんの耳が聴こえなくて、ごめんね」と謝る。
瞬間、罪悪感が芽生える。どうしてそんなひどいことを言ってしまったのだろう。母を傷つけたいわけではないのに、うまく距離が取れない。胸が潰されそうになりながら、常に母と向き合ってきた。
ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を改題したもの -
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ヘイルメアリーがあまりにも面白かったので読んでみたら、こちらも負けず劣らずめちゃくちゃ面白かった。火星に取り残されて、何度も何度も死にかける主人公。あまりにもトラブルが起きるし、さすがにそれはもう無理だと思う場面でも、ポジティブさと冷静さと膨大な知恵をもって切り抜けていて、読んでるこちらもNASAから見守ってる気分になった。
ヘイルメアリーのときにはロッキーがいたけれど、火星では主人公たった1人。そんな中でも寝室を改造して快適に過ごしたり、危機を脱した時用に食べ物を分けていたり、命ギリギリの生活でもプラスαを考える姿勢に尊敬を覚えた。
一つのミスが即、死につながる火星の世界。最後までドキドキし -
Posted by ブクログ
印象深いのは「東京都交通安全責任課」。とんちか落語か、感覚的には間違っている気がするけど理屈にケチがつけられない。「そうかな? そうかも」って感じ。なぜ労働者は金がもらえるのか、これは形を変えた感情労働なのか、全員で1人が車1台ずつ責任を負うとどうなるのか、などなど色々な論点がありそう。
全体として他人に対する思いやりというか、せめて僕にできることはしてやろうという姿勢を感じた。「石油玉になりたい」、「家に帰ると妻が必ず人間のふりをしています。」、「大正電気女学生」の3編は特に。
「改暦」で天人合一説がまんまの形で出てたのは面白かった。これ1つ前の本で読んだところだ!