あらすじ
ぼくはタマオ。真っ白な猫だ。生まれたばかりのぼくの命を救ってくれた理々子に恋をしている。ある日あやしい車に追いかけられた彼女を助けようとしたぼくは青年の姿になっていた。夜限定の変身、寿命も縮む。でも愛しい理々子のために……。大人気「猫弁」シリーズの著者による、せつなすぎる涙の恋物語。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
純粋に飼い主を想うシロとイヴ。
飼い主の幸せを祈って行動する2匹の姿は涙です。
飼い主を愛して愛して·····なのに死ぬ時は孤独を選び、悲しいお別れ。。。
楠の爺様の言葉が人間の心にグッと来ます。
人間て、なんて傲慢な生き物なのだろう。
この本を読んで余計に人間て、しょーもない·····て実感しました。
猫視点から語られる「人間」という生き物が的を得ていました。
こんな悲しい猫の胸うちを読んだら、猫を愛さずに居られない·····。
Posted by ブクログ
猫弁がすごく好きだったので購入。雪みたいに白い猫がある女の子に拾われて成長していく。やはりこちらも好きな感じの話でした。何より猫目線っていうのがいかされてる感じで良かったです。ペットを飼っているとか飼ったことがある人ならたぶん、ペットが考えていることが分かったらなあって思うことありますよね。でもラストは悲しかった。
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一匹の真っ白な猫の視点から描かれた物語。ファンタジックでほんわかとして、哀しく美しい物語。「猫弁」とのリンクもあります。
自分を救った少女に恋をした猫・タマオ。少女を守るため、とある能力を手に入れるものの、それは彼の命を削ってしまう。同じような能力を得た猫との出会い・さまざまな事件を通して描かれるタマオの一生。
ラストはひどく哀しいけれど。それでもこの物語は、とても幸せな猫の物語だったと思えました。
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タマオの理々子への純粋な思いに心をうたれる。
猫目線なので、人間の観点とはずれているところがあって
ユーモラスにも感じるのだけど、(漱石の『吾輩は猫である』の
真相には思わず手を打った)美しいラストが待っていた。
理々子パパとおばあちゃんも、とってもいい人。
嬉しい再会?もあったし♪
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大山さんの小説は『猫は抱くもの』を読んでから好きだ。語り口がとても優しくて猫たちの冒険につい引き込まれる。
しかし…帯のコメントでネタバレするのはやめてほしい。
Posted by ブクログ
雪猫
*
美しい
ラストシーンが頭から離れない。
*
タマオの気持ち
イヴの気持ち
猫の気持ち
わからないけど、
このお話のような感じなのだと思う。
そう信じたい。
*
猫も人間と同じような感情を持っていて、
相手を想い
想われている事を感じ、
大切な人を守る。
タマオの理々子への想い
イヴの城太郎への想い
切なくて涙が止まりません。
その想いちゃんと届いてるよね。
*
人の猫への想いも、
ちゃんと届いているよね。
*
「吾輩は猫である」
読み返したくなりました。
*
favorite sentence
✒︎ニーチェ
「事実は存在しない。存在するのは解釈だけである。」✒︎
✒︎空気が、おいしい。
夢中になって、空気をむさぼる。
生きるっておいしい!
このときぼくは生きる意味を知った。✒︎
✒︎ぼくは決心した。
この世界をくれた女神を、命がつきるまで愛そう。
それがぼくの生きるモチベーションのすべてとなった。✒︎
✒︎「好き」という気持ちと、「噛みついて壊してしまいたい」気持ちは、同じ波長に乗ってぼくの体を駆け巡る。でもぼくは本能を抑え、精一杯、紳士的にふるまっている。なぜって、理々子の苦痛の上にあるぼくの満足は、ほんものの満足とは言えないからだ。
本物の満足は、常にどこか欠けていて、うっすらと寂しい。✒︎
✒︎人間はあのひ弱な鳥、トキが死に絶えるのは堪え難いらしく、あの手この手で守ろうと必死のようだが、ノミが死に絶えても平気なようで、どんどんノミの住処を奪ってゆく。
いったい人間にとって、守るべき生物と、見捨てていい生物のさかいめってなんだろう?✒︎
✒︎大きなお城みたいな家だってさ。譲っていただいたんだって。
理々子のあたたかい嘘がぼくの全身を包み込む。
胸がどきどきして、お腹のあたりがほかほかして、からだじゅうの血が激しくかけめぐる。
ありがとう、理々子。うそついてくれてありがとう。✒︎
✒︎おひとよしは世の中を明るく見せる。✒︎
✒︎「あなたは無駄に命を削ってる」と言われてむかついたけど、あの言葉は胸に残った。嫌な言葉って、意味があるものだ。意味があるから、ぐさりとくるんだな。 ✒︎
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「猫が人間に恋をする」なんて生易しいものじゃなく、これは“愛”だと思う。そんな、人間を“愛”する猫が主人公(?)以外にももう一匹出てくる。どちらもまさしく命を削り命懸けで愛してる。
少しでも長く理々子の側にいるためもう2度と人間にならないと決めたのに、理々子が傘を忘れたと雪の中フラフラになりながら迎えに行く場面は心が“キュッ”となった。
また嘘だと気づいていても、理々子を信じ黙っている“家族”の愛も深いと思った。
「吾が輩は猫である」の新解釈(!?)や猫弁のテヌーが出てくるところも魅力的。
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タイトル買い。
どこまでも穢れなき真っ白な純粋さに、きゅん。
猫目線なので少しズレた感じ、清清しい。
ポールギャリコ作「トマシーナ」「ジェニィ」に次ぐステキな作品。
Posted by ブクログ
タイトル買い。
猫の視点で進む物語。ユーモアたっぷりで、ニヤリと読み進めた。
ほっこりしたり、きゅーんと苦しくなったり。
猫と話すには、神経衰弱にならないといけないらしいので、某サカイ氏の精神状態を心配してしまったのは余談です。
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猫目線の物語で、大人版の童話のよう。報われない(当の猫は幸せだったかもしれないが)結末が残念だった。ファンタジーなのだがうまい具合に現実と融合しており、非常に読みやすい文章で書かれている。楠、ポストのキャラも個性的で面白かった。
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一見悲しいお話のようだけど、一人の少女を心から愛する白猫の愛らしくそして愛おしい物語。
猫好きで猫を飼っている私はとても胸が張り裂けそうな気持ちで読んでいました。
いろんな猫がいて、いろんな人間がいる。
でもやっぱり最後は猫に幸せだと思って欲しい。
Posted by ブクログ
人間に恋した猫が、命を削って人間の姿になる。
クロネコのイブも、飼い主の作家に何度も何度も人間になり手紙を書き続け、玄関先で息絶えた。
白猫のタマオも恋する理々子を「守らなきゃ!」と切に願うと人間になる。
ヨレヨレになり、命を削る行為と知る。知るのに、守らなきゃ!と思うと人間になって必死になってしまう。
理々子と少しでも長く一緒にいたいからもう人間にはならないって言ったじゃない‥
と、最後、赤い傘の残像とともに悲しくなる。
Posted by ブクログ
1人の少女に恋をした、白猫の物語。
猫は人間の言葉が分かっているけど、分からないフリをする。これが猫の掟だ。
今日も少女を守る為にくっついていく。
とても悲しくも涙の一冊。
Posted by ブクログ
タイトルの猫の文字で購入。
命を助けてもらった人間を守ることに自分の命を捧げた猫たちの話。
黒猫イヴと白猫タマオ。
自分の命を削りながら人の姿に変わり愛する人を守る猫の気持ちは切なくて悲しい。
タマオの最後は読みながら情景が目に浮かぶ。
Posted by ブクログ
猫が好きな作家の愛情を感じる、ということか。猫好きにはあるあるがたくさんだが、小説としてはどこまで猫の気持ちを表すか。その辺りが入り込めなかった理由だろう。我が家の猫とは同性だから、まあ違うかな。
Posted by ブクログ
本当にすごく切ない終わり方だった。
同じ作者の猫弁シリーズを読んだあとに手を取った一冊だっただけに、その振り幅に驚いた。
物語の前半はとてもテンポよく読みやすい。自分を死の淵から救ってくれた理々子を心から愛している猫のタマオ。彼女を大切に思うあまり、タマオは理々子の窮地には人間の姿となって何度も彼女を救う。しかし、人間の姿に変身できるのは夜の間だけ。しかも、それは自分の寿命を縮める行為だった。
ありがちな設定かもしれないが、ラストが予想以上に切なかった。猫のタマオには理々子のいる世界が全てだけど、理々子にとってはそうじゃなかった。もちろんタマオのことが大事だけど、人間には人間の世界がある。
物語の前半はファンタジー要素も強くワクワクしていたが、猫のタマオの想いが理々子にそのまま真っ直ぐ伝わることはない。雪の降る情景は美しいけれど、悲しくなってしまう結末だった。
Posted by ブクログ
途中までは引き込まれたしとても面白かった。
でもなんか、なんか、なんだよな・・・私には涙の出る本ではなかった。
設定上命が尽きるのはわかっていたけど突然「その日は寒かった」と今から終わります風な感じがショッキングすぎたし、猫目線だから猫には関係ないのだろうけど人間模様が「え、どうなったの?何だったの?」って気になって・・・。
猫弁は未読ですがイーヨくんの方がすきです。
Posted by ブクログ
この世界をくれた女神を、命が尽きるまで愛そう-。真っ白な猫、タマオは少女に命を救われた。高校生になった少女は、ある日何者かに追われていた。タマオは塀の上を走り、あやしい男に飛びかかる。すると…。。
猫弁シリーズの作者が他にどんな作品を書くのかと思って読んでみた。漱石の「吾輩は猫である」は神経衰弱になった漱石が猫語を翻訳したものという解釈は斬新だった。全体がかやや物悲しいトーンで語られ結末を暗示しているが、読後感は悪くなかった。
(C)
Posted by ブクログ
可愛く楽しく、そして切ないお話。
猫目線の1人称でスラスラと読めました。
1読目はちょっと短すぎるんじゃないかなって思ったけど、2読目して、ちょうどいいと思った。
これを読んだら、今後世の中に存在するものの見方が変わります( *´艸`)