小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ
まだ読んだことのない作品の方が多いけれど、今まで読んだ村上春樹作品の中でいちばんすき。日曜日の夜明け前にすみれが記号と象徴の違いを電話で僕に問う一連のやりとりがすごく気に入ってしまって、何回も読んだ。
僕 がすみれに色んなこと(「何かを学ぶときに、 一度それはそうゆうものだと受け入れないと進まないことと、きちんと理解しないと進まないことがある。 」とか、 「簡単に説明できることには落とし穴がある。あまり急いで結論に飛びつかないほうがいい。」とか)昼夜問わず丁寧に言葉を選んで教えてくれるたび、純粋な心配からの忠告に感じたり、すみれに対する想いゆえの祈りに感じたりもした。でも、ずっと優しくて -
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Posted by ブクログ
マチ先生は問う。
幸せとは何か。
医師として、病を治すことは患者にとって幸せであるはずだ。しかし、治らない病を得た人でも幸せに過ごすことはできないのか?
できるはずだ。そしてそのために自分ができることは何かと。
マチ先生は優しく、思慮深く冷静でそれでいて大きな人である。
彼は言う
人は無力である。しかし、互いに手を取り合わないと無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。
手を取り合っても世界はかわらないかもしれないけど、少しだけ景色は変わる。
真っ暗な中に小さな明かりが灯る。
その明かりが真っ暗な中にいる人を勇気づけると。
そのように生み出された勇気と安心のことを
「幸せ」と呼ぶのではないかと。
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Posted by ブクログ
スパイ×音楽
全日本音楽著作権連盟に勤務する橘樹が、大手音楽教室が著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴む為潜入する。
その音楽教室のチェロ講師が浅葉桜太郎。
この浅葉がとても魅力的な講師。人間としても音楽家としても。浅葉の教え子たちもとても人間的にいい人ばかり。
精神的にも重くのしかかっていた橘の過去も、この浅葉との出会いで少しずつほぐれていく。
でも結局はスパイ。信頼と絆が出来上がってきたのに…とグイグイ読めて引き込まれていった。
チェロは決して派手ではないかもしれないが、重厚感があって豊かで深い音色が本当に美しい楽器だと思う。
この作品はチェロの魅力も人との関係性もよく描かれていて、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題作、友達同士の価値観の違いを描いた話だったけれど、渡邊くんと雪子の距離感は心にくるものがあった。
身体が近付く描写が好きだった。性描写のシーンは虚しくて美しかった。渡邊くんと身体が交わっていく、お互いがお互いを愛おしく思っている、でも雪子は頭の中では音楽と向き合っている、そのコントラストが綺麗だった。決して渡邊くんを粗末に扱っているわけではないと感じる。なぜか、渡邊くんに集中していないとは受け取れないあたたかさがあった。
薫との価値観の違いは節々に描かれていたけれど、渡邊くんとの長い関わりがあるからこそ浮かび上がる違和感を自覚するシーンが苦しかったし、その寂しさが尊かった。 -