作品一覧 2022/10/14更新 宇宙に行くことは地球を知ること~「宇宙新時代」を生きる~ 値引きあり 試し読み フォロー 宇宙においでよ! 試し読み フォロー 宇宙へ「出張」してきます 試し読み フォロー さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 林公代の作品をすべて見る
ユーザーレビュー さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち 小坂康之 / 林公代 主役の生徒達は言わずもがな、彼らを支え続けた大人達の情熱にも感動した 何世代にも渡って先輩達が後輩達へ夢のバトンを繋いでいく様は、個人的に好きな某漫画の"人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ"のシーンを想起させて思わず胸が熱くなった Posted by ブクログ 宇宙に行くことは地球を知ること~「宇宙新時代」を生きる~ 野口聡一 / 矢野顕子 / 林公代 NY在住のミュージシャン・矢野顕子さんが、宇宙飛行士・野口総一さんに宇宙のことをたずねる対談本です。矢野顕子さんは宇宙に行きたくて行きたくて、宇宙飛行士になるために必須の「水泳」を、それまでは金づちだったのにがんばられて習得されたそうです。宇宙に関する知識・情報集めや勉強も盛んで、だからこそ、野口総...続きを読む一さんに対する質問が初歩的だったり表面的だったりせず、そればかりか質問自体からも教えられるものがあるレベルにありながら、そんな低くないレベルの質問に答えてくれる野口さんの発言も真正面から真摯なものなので、お互いのやりとりに読ませるものがあるのでした(たぶんに、お二人から様々な方向へ飛び交う言葉を、うまくまとめられた林公代さんの腕あってのことでしょう)。 本書による宇宙飛行の知識。たとえば、宇宙服は約120kg。同僚に手伝ってもらいながら、約三時間かけて着込むそう。行われる船外活動は約7時間が限度。酸素やバッテリーの限界があるからです。そして船外活動を行う、宇宙ステーションの外である宇宙空間は絶対的な「死の空間」を意識せざるを得ないのだと。そういったところから、あまり知らなかった宇宙飛行士の内面的なところなどをも知ることができます。 __________ 宇宙空間に出た途端、「ここは生き物の存在を許さない世界である」「何かあったら死しかない」ことが、理屈抜きにわかります。(p76) __________ 物がぶつかっても音がなく、周りには生き物の気配はまるでなし。そして、一切の命を拒絶する、絶対的な闇がある。ゆえに、「死の空間」だと即座に感じられる。 船外活動の訓練は地球でもプールの中でたくさんの時間を使って行われているそうです。それでも、実際に宇宙空間に出るとほんとうの無重力にとまどってしまうといいます。たとえば手や足を伸ばしているのか縮めているのかも、重力を感じていないためにわからなくなる、と野口さんはおっしゃっている。また、45分毎に昼と夜がやってきます。そのため、宇宙服の冷却装置のON,OFFや、ヘルメットのバイザーの上げ下げを繰り返さないといけない。これらは、船外活動ならではの体験でしょう。 宇宙飛行士チームの話もおもしろかったです。「結果が出せない人は価値がないのか」という行き過ぎた能力主義の話から続いていく話だったのですが、弱さを見せ合えたチームのほうがうまくいくのだ、と。このあたりでは、東大先端研のアスリートや宇宙飛行士の当事者研究として「安心して絶望できる人生」というすごい言葉が出てきます。結果が出せなかった自分は価値がない、と絶望することがあると思いますが、そういうときの追いつめられた絶望はほんとうにつらいです。でも、「安心して絶望できる人生」というのは、絶望をチームにみせてよくて、チームもその絶望を包摂してくれる。こういうイメージというか、モデルというかは、復活するチャンスにあふれていて、生きやすいだろうな、と思えてきました。 あと、おもしろかったのは、イーロン・マスク氏率いるスペースX社をひきあいに、日米のビジネスモデルや研究開発モデルを比較したところ。日本の現状としては、どうも石橋を叩いて橋を渡ってばかりいるきらいがある。それが進んでいくと次のようになるのでは、と野口さんは指摘するのです __________ 結局一番安全なのは、橋を渡らないことになってしまう。あらゆる挑戦は避ける判断をするほうが楽なんです。リスクがないから。(p197) __________ これって、僕の生活範囲にもありふれていて、この文章を読んだことで「これって、日本的な問題だったんだ!」と目からウロコでした。こういうことを言ったりやったりするのって、個人単位の問題じゃなかったんですねえ。 というように、抜き出し書きの感想を書くと、以上のようになります。いくつかの大きなテーマに沿って本書は進んでいきますが、その箇所その箇所での話のふくらみ方が豊かですし、なんというか知的好奇心を刺激してくる楽し気な対談になっていました。宇宙から、そして宇宙体験から、それまではまったく視界の外だったような知見が得られます。ほんとうは実際に宇宙旅行をみんなが経験できると、みんなの価値観がわーっと花開くのでしょうけれども、なかなかそうもいかないので、そういった新たな体験や価値観のちいさな欠片を本書から拾うことにしましょう。 Posted by ブクログ 宇宙に行くことは地球を知ること~「宇宙新時代」を生きる~ 野口聡一 / 矢野顕子 / 林公代 かなりディープ 対談形式 子供達に向けた明るい希望ある話ではなく、死と隣り合わせの世界、地球と言う生の世界の話やこれから先の宇宙開発と人類の話 宇宙は神秘的な世界だと漠然と思っていたけれど、音がない、熱量を感じない、無重力の世界がどれほど怖いものか具体的に知るきっかけになった 重力のある世界と...続きを読む無重力の世界はパラレルワールドと言える、時間感覚もまたパラレルワールド、不思議な感覚だ 野口さんは2020年クルードラゴンに搭乗、2021年無事帰還 この頃は暗いコロナのニュースが多かったので、これは明るいニュースでしたね Posted by ブクログ さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち 小坂康之 / 林公代 教育って、すごい。 教えるだけじゃなくて、育てていく。 それは、生徒だけじゃなくて先生も、学校も、地域も。 実現した夢はドラマみたいなのに、それぞれの日常には、きっとドラマみたいなことは起こっていなくて、ただ、一人一人が自分が良いと思うことをして、せっせと自分の手の回せる範囲で頑張ってきた。 そ...続きを読むうして繋げて、繋いできたことをもっと先へ繋ぎたくなって、ふと振り返ったら、実現していた。 こんなにも多くの人が同じ方向を見ていた。 そんな感じなのかなって。 そこがまたとてもリアルで、ホントにすごいと思うし、結果として「誰にでもできることじゃないよね!」ってなるんだと思う。 Posted by ブクログ さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち 小坂康之 / 林公代 純粋に面白かった。「教育困難校」「底辺」などと言われている学校であっても、好奇心と諦めない心があれば、何だってできるんだという、シンプルな楽しみ方もできる。同時に、生徒のやる気を引き出し、かつ自主性を重んじ、必要な支援を適切に提供することが成功につながるということや、予算や実績がなくても工夫次第でな...続きを読むんでもできるという大事なことも思い出す(大人は忘れがち)。探求の時間などで苦労している先生方にも参考になるのではないかな。本編も面白いのだが、個人的には「後書き」での心情の吐露が刺さりましたよ。 Posted by ブクログ 林公代のレビューをもっと見る