あらすじ
背筋が寒くなるどんでん返しの快感
ミステリ・ランキング常連の注目作家による、新境地連作ミステリ。地獄は始まる。あなたの隣の小さな悪意から……。
目次
【あらすじ】
ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。
リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読みやすくて、意外な結末にゾワゾワした。
何気なくついた嘘や、自己本位な行動のせいで、事件があらぬ方向に進んで、真実が見えなくなってしまう。
しかし、主人公がたまたま介入したせいで、知りたくもなかった真実が見えてしまう……
こういうのを読むと、今ニュースで報道されているものが必ずしも正しいわけではないし、SNSで感心させられる記事を見ても、誰かの意図や悪意に踊らされているだけなのかも…… と思ってしまう。
作者の作品の中では闇は薄めだと思うけど、ちょうど良かった。
Posted by ブクログ
身近な悪意を題材にした話で、主人公の元刑事が淡々としているからか読みやすかった。「良い人」の裏の顔や、ストーカー化する人、SNSの悪意など、一度は聞いたことや見た事のある物が題材なだけに、ぞわりと来るものがあった。「元」刑事なので解決に乗り出すわけではなく、基本的には傍観しているからすっきりと終わらないが、むしろそこがリアルで良かった。
Posted by ブクログ
面白かった。ありふれた現代の日常の裏に潜む、ちょっとした闇を切り取った物語。特に女性のストーカーの話は、相当な恐ろしさだった。こんな人に目をつけられたら、もうどうしようもないよな、と。
そうした闇を圧倒的な善で打ち砕くわけでもなく、ただそれに翻弄される人々の姿が描かれる。強く印象に残る、というほどの読後感ではないものの、文体も自分に合っており、最後まで楽しめた。
Posted by ブクログ
1話:かくれんぼ
2話:アイランドキッチン
3話:祭り
4話:最善
5話:嘘と隣人
主人公は同じの連作短編集でしたが、どれも人間の欲というものをこの作家さんはうまく描かれていました。「汚れた手をそこで拭かない」に匹敵する面白さでした。個人的には2話目の「アイランドキッチン」が良かったかなと思います。
Posted by ブクログ
芦沢央さんの『嘘と隣人』を読んだ。落ち着いた端正な文体でベテランの書き手さんなのかなと思ったら、若手の、しかも女性だったので驚いた。適度な長さの短編で読みやすいのでサラッと読んで面白かったで終わってしまいそうだけれど、実は底冷えするような人間の業や闇を垣間見せる。巧い…怖い…
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警察を定年退職した主人公が、日常のちょっとした事件を解決する短編作品。
私自身はあまり短編は読まないけど、珍しくこれはどの話も面白かった!笑
一気読み!
最後に必ず想像と違う「えっ⁈」となる事実があり、久しぶりに面白い短編集に出会った感じ。
さくさく読めてお勧めです!
Posted by ブクログ
読み心地は軽いけど、事件の真相がわかると「ああなるほど!」と思える短編集。
古畑任三郎みたいな、短くて食べ飽きないミステリーが好きな人は好きかも。
Posted by ブクログ
警察を定年退職した正太郎が、日々の生活の中で事件に関わったり、過去の事件を思い返す。いくつかの短編が連なるストーリー。
個人的には、乳幼児と痴漢が怖かった。電車内で痴漢で捕まった夫、その行動に違和感をもつ妻、謎を解いてしまった正太郎。別の乳幼児の事件と絡めた全体の構図が最高。
なにかを隠すために、別のなにかを企み、その秘密を上書きする。最初から最後まで人間の浅ましい部分が存分に描かれていた。
Posted by ブクログ
定年後の刑事が主人公。現実の警察官もこの本の主人公のように、日常生活のちょっとしたことに引っかかりを覚えてしまうのだろうか?観察力や感覚の鋭さに憧れるが、実際にここまで鋭いとストレスが溜まりそうだ。そう考えると、やはり刑事は大変な仕事だなと思う。
Posted by ブクログ
最初から最後までノンストップで面白い。そして各章のタイトル名が秀逸すぎる。過去読んできた芦沢さんの作品はドロドロしていて読後感がモヤッとするものばかりだったので、最後までスッキリ読み終えられたのは本作が初めて。他作品を読んで苦手意識がある方にもオススメしたい。
Posted by ブクログ
サクサク読める短編集といったかんじ。
人間の心の奥の嫌なところが見え隠れする物語。
かといって、凄く重いわけでなく、恐ろしいわけでもなく、ミステリー初心者でも楽に読めると思う。
ライトに面白かった。
Posted by ブクログ
定年退職し隠居の身となった元刑事が、角度を変えた視点で事件の裏側の真相を解き明かす短編集。
1番面白いと思ったのは「かくれんぼ」考え方を変えなければいけないのかぁ…
表題作の真犯人は早めに当てられたけど、事件内容の全ての真相までは分からなかった
悪意怖い
Posted by ブクログ
平良正太郎は警察を退職したとともに
事件やトラブルに見舞われ真相を追って行く事に
大きな事件ではなく?何故?の部分
モヤモヤを紐解いて行く
そこなのか、人の心理を鋭く見る目は圧巻
Posted by ブクログ
定年退職した元刑事の正太郎。日々の暮らしのなかで昔の事件が頭をよぎったり、周囲から集まる様々な相談事をたどる中で、ふと当時とは全く違う真相が見えるー。
物事が暗転する様は、長岡弘樹を思い出すが、決定的に違うのはすでに過去の事件であり、かつ正太郎の推測の域を出ないものであり、どうにもならないこと。また、解決した現代の事件も後味の悪いものが多い。
「祭り」では、松島老人が殺された経緯がみえず、消化不良。徘徊していた松島老人に目撃されて?傷害致死でなく、殺意をもって?何度も読んだけど、はっきりわからず。
ベトナム人が年上を大事にする文化で、自分より後輩でも言うことを聞いてしまう⋯というくだりが、伏線だと思っていたんだけど、特に関係なく。
すべてがスッキリ解決するのも味気ないけど、気になる〜
もしやと推察するときの背中に汗がつたう感じがたまらない。どれも関係者の人生に思いを馳せてしまう、余韻が残る作品。
Posted by ブクログ
読書備忘録974号。
★★★★。
ものがたりの舞台が、たまプラーザからあざみ野、鷺沼あたり!
梶ヶ谷に住んでたシンタローとしては親近感バツグン!
コナミスポーツたまプラーザ店に毎週通って、「金妻」を地で行く妙齢の美しい女子と悶々としながら一緒に汗を流していたのが懐かしい!
おっと、さてさて備忘録。連作短編です。
【かくれんぼ】
主人公の初老男性、平良正太郎。警官を引退した。妻の澄子。
歯が痛い!たまプラーザの歯医者に。
治療を終えて駐輪場に行くと、娘、歩美のママ友からチャリを貸してくれと。
貸したは良いけど、借りパクちゃうやろなと。
そして、近所の公園では事件が起きていた・・・。
なるほどなるほど。
事件は解決。
ただ、はいそこのあなた。嘘ついたでしょ。
【アイランドキッチン】
引退後の終の棲家を探す正太郎。
庭いじりがしたい。一戸建てでも良いけど、マンションの1F部分で庭がある物件もいいな。不動産屋へ。
ああ、これ良い物件ですね。
おや?このマンションはあの時の・・・。昔の事件を思い出す。
自殺で済んだあの事件?
事件は解決済み。
ただ、よくよく考えてみると・・・。
はいそこのあなた。あの時嘘ついてたでしょ。
【祭り】
決めた中古マンションに引っ越す正太郎夫妻。
引越し業者の上司の部下に対する態度が厳しい!
そして、引っ越し屋がらみで起きた事件を思い出す。
技能実習生の不法滞在絡みの事件・・・。
事件は解決済み。
ただ、よくよく考えてみると・・・。
はいそこのあなた。実は嘘ついてたでしょ。
【最善】
抱っこ紐いたずら転落事故からの列車内の痴漢騒ぎ。妻の友人女性の旦那さんが加害者として。ただ、旦那は帰宅した後、妻に実は俺はやっていないと。
だったら真犯人がいるはず。妻の友人女性から頼まれて真犯人を見つけて欲しいと。
やだなぁ・・・。
ああ、なんやかんや、いろいろまずいことがあったのね。
あれを隠そうこれを隠そうとしたら結果の痴漢騒ぎ?
はいそこのあなた。嘘ついてたでしょ。
そっとしといたら良かったのに妻の友だちがアホ過ぎた。
【嘘と隣人】
いろいろ良かれと思って近所トラブルを解決して有り難がられている正太郎。
案の定相談を持ちかけられた!
知人のお嬢さんが変な人に脅されている。SNSでバズりながらもアンチから脅されていると。
痴漢事件の二の舞は嫌だなぁと思った正太郎は警官時代の同僚がやっている吉羅探偵事務所に相談を持ち掛けた。秒で解決した吉羅。はいはいそんなこったろうと思いましたよ。SNSってやつはね。フェイクばっかりやからな。
はいそこのあなた。嘘ついてたでしょ。
ひとって都合が悪くなると嘘をつく。軽い気持ちで。ただその嘘が、もっと大きな事態になったりする。作風としては「真相をお話しします!」にちょっと似てた。
正太郎曰く。
「刑事だった頃、捜査をするのは義務だった。真相を解明するためには全力を尽くすが、仕事としては被疑者と証拠を検察へ引き渡したら終わりで、またすぐに別の事件に取りかかることになる。集めた証拠が十分かどうかは問題とされるものの、その後関係者がどういった人生を歩んでいくかには関わりがない。」
「しかし仕事ではない形で他人の相談に乗った場合、そうした区切りは存在せず、関係を続けていく限りは結果とも無関係ではいられなくなる。」
嫌だなぁ・・・。という感じ。
でも嫌々ながらそこらに転がっている嘘を暴くシリーズをもっと読みたい。
Posted by ブクログ
帯にある地獄は始まるあなたの隣の悪意から、という言葉で人間のどす黒い悪意、やっぱり生きてる人間が一番怖いよね、というお話かと思っていたけれど、あっさりしてるところが多かった印象。悪意のある人間の心理描写がもっとあったら良かったかも
Posted by ブクログ
リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
との言葉に惹かれて読んだ。
どんな事件が降りかかってきたのか?
あんな事件か。
こんな事件か。
確かに、意図せず降りかかっては来ているけど、
なんのなんの
軽ーい近隣トラブル程度だった。
「夜の道標」が結構良かったので、楽しみにしていたが、直木賞候補という割には、私には、刺さらなかった。
残念。
Posted by ブクログ
元刑事の正太郎さんが主役の短編が5つ
全部それなりに面白く読めた
二転三転するのとか
上手く作ってるとは思った
いざ感想を書こうと思ったら
どれもあまり記憶に残ってなくて
自分でもビックリ
私にはイヤミス度が低かったようで
印象に残ってないみたい…
正太郎さんは、これから探偵に
なるのかなぁ
続編が出たら、読みたい
Posted by ブクログ
定年退職した刑事に、ご近所から寄せられる小さなトラブル。解決した先にあるのはー。イヤミス連作短編集。
第173回直木三十五賞候補作。
「夜の道標」の刑事の退職後、らしい(未読)
元刑事となると身近なトラブルを相談されることも多そう。
保身のためについた嘘とその結果…見える人間の本性。どれも嫌~な後味。
「最善」とか普段高説垂れてた男の小物感が不快過ぎる。
人間の悪意や狡さとかも含め、練られてる話でした。
Posted by ブクログ
読みやすい短編集。
刑事職を定年退職した男が、現役の頃の習性でなんとなく聞いていた話や愚痴から、ちょこっとしたトラブルだけでなく、報道されるような事件まで解決のヒントになるような結果を出す。
映像化するなら岩谷健司さんかな、と思ったら50代でした。
定年どころか現役バリバリじゃないすか!ごめんなさい。
Posted by ブクログ
定年退職した元刑事が日常の中で、人々の「嘘」によって隠されていた様々な事件の真相に思いを馳せる。
『夜の道標』の主人公の後日談となる短編集。
いずれのエピソードもひたすらにやるせない。真相が分かってスッキリ!ではなく、ただただ重い余韻がズシリと残る。だがそこが良い。
Posted by ブクログ
同じ元刑事の男が主人公の短編集。
一つ一つの話のディテールはなるほど緻密だし、展開も意外性もあるのだが、なんだろう、期待を持ち過ぎてしまったせいなのか、さほどの満足感は得られなかったかな…
Posted by ブクログ
短編なので読みやすい。主人公の正太郎は警察を退官した後の日常なのにやはり謎が持ち込まれたり、思うこと、思い出すことがある。そんな様々な出来事を解くというより、納得する結末かどうかを考えていく。
Posted by ブクログ
退職した元刑事さんの日常は、忙しい!!
何かと関わることになる相談は、小さく「ゾワッ」とする。タイミングで運命が変わる、そんなにことを感じる。
嘘が全編のポイントですね!
Posted by ブクログ
本作は、元刑事の平良正太郎が知人の依頼で何気ない事件を調べるうちに、驚くべき真相を見抜いてしまう連作短編集である。
読みどころは、平良の「視点」の鋭さだ。普通に見ていれば見過ごしてしまう些細な綻びから、逆転の発想で真実を組み立てていくプロセスには、刑事として培われた圧倒的な発想力が光っている。
しかし、真相が明らかになるにつれ、物語は単なる謎解きの快感では終わらなくなる。嘘を取り繕おうとする人々の背後には、常に昏い動機や出口のない執着が潜んでいるからだ。社会的な正義を貫き、真実を暴くことが、必ずしも関係者を幸せにするとは限らない。知らなくてもいい真実に触れてしまう平良の姿を通して、「真実の持つ残酷さ」を突きつけられるような読後感であった。