あらすじ
本屋大賞4年連続ノミネート! 今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とは――。幸福度最高値の傑作小説! 〈STORY〉ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。そして「王子」は人魚と再会できるのか。そもそも人魚はいるのか、いないのか……。
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Posted by ブクログ
こうした連作もの、とてもすき。繋がっている人々は、同じ世界に生きてはいるけれど、同じものを見てはいるけれど、同じ気持ちでいるとは限らない。だからこそ、人って面白い。
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素敵な作品でした。一人一人が思い描いて生きている世界を、遠くから見させて頂いた作品でした。凝り固まった自分の考えに、少し力を抜けさせてくれた作品でした。もう一回読みます。
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青山さんの小説はいつもながら、伏線が多くて面白い。今回も伏線確認のために2回読みました。また、随所に意味深長なフレーズがあり、心に響きます。本作品の中では、喜代助さんが理世さんに言った「芝居はね、観客席からが一番よく見えるものだよ。舞台に立っている我々演者には、まったく見えないことばかりだ」という言葉が心に残りました。青山さんの小説はこれからも読みたいと思います。
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待ちに待った青山美智子さんの新作。今回もほっこりする短編ばかりで、読みやすくあっという間に読み終えてしまった。特に娘が母に伝えた言葉にグッときた。おすすめしたい小説が増えて嬉しい。
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銀座の街角で微かに袖が触れ合った人たち。その一人一人の、人生や心の中のほんの一部を覗き見しながら、最後は狐につままれ、暫しぼんやりとした幸福感に浸る。こういう読後感は久しぶりでとても良かった。
『······ちくしょう、アンデルセンめ!』笑
〈心に残った言葉〉
"人っていうのはね、毎日見ているものがそのまま心と体に出るのよ。気持ちいいものに囲まれて、美しいものを見なさい"
Posted by ブクログ
面白かった。題名から惹きつけられ、プロローグも面白くついつい本を手に取って読んでみた。
王子って誰?人魚は本当にいるの?と思いながら読み進め、1つ1つの話も王子に会いながらも、それぞれ自分の人生と結びつけているところが面白い。
Posted by ブクログ
ん?あんまり好みでは無いなあと思いながら薄ぼんやり読み進めていたのですが、中盤〜後半に掛けて一気に引き込まれました。ハートフルでビューティホーな素敵な物語ですこれ。ジャックジャクソン出てきますよ!
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銀座に現れた人魚を探す王子様。その周りにいる人々のストーリーが短編で綴られていく。
年上の彼女に恋をする元俳優
娘が明日旅立つ母親
アートを買い漁るバツイチ男性
陽キャの妻を持つ小説家
年下の彼に恋をする銀座のママ
小説家の話が好きだった。物語を編み出して届ける人はこんな気持ちで作ってるのかなと思うと胸が熱くなった。
「たった一行で誰かの人生を変えるかもしれない」
わたしもふと読んだ小説で忘れられないフレーズがある。小説の作者やタイトルすら忘れてしまったけれど、なぜかフレーズだけ残っている。
Posted by ブクログ
読みやすすぎる文章!
こうなるんだろうな〜って展開を予想させながらも
最後には裏切ってくれる。
人間関係に悩んでいたので王子の言葉が響いたよ。
都合よくわかったつもりになってはいけないな。
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人魚姫の話が大好きなので、とても面白く読めた。
人魚姫が、憧れの世界に行って自由を経験したいという理由で、実は王子を“利用した”のではないかという視点には、思わずハッとさせられた。
短編ではあるが、登場人物たちが少しずつつながっていて、とても読みやすい構成だった。
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お話の中に、田中達也さんが出てきたり、ギャラリーの画商さんは、鎌倉うずまき案内所を感じたり。
王子がどこに辿り着くのか、思いを巡らせながら読み進めました。
やはり今回も、あれどうだったかな?と最初のページに引き戻される、青山さんにやっぱり導かれてしまう。
臆病な胸の内を、大切な想いを、抱きしめたまま諦めていては伝わらない。想いは複雑でシンプルで、日々悩まされるけれど、オープンにしたい場所では、ただ真っ直ぐに伝えて、素直に感じた想いを届けられるようにしたいなと、時間はいつまでも待ってくれないよと背中を押される気がします。
Posted by ブクログ
青山さんの本は『お探し物は図書室まで』に次いで2冊目。
本当に人の機微に触れる話を書かれるのがお上手な方だなと感じながら読み終えました。
自然と文章がスッと入ってくる心地よい読書体験を今回も味わうことができました。
Posted by ブクログ
5本とも凄く素敵なお話だった!
1つ目の元芸能人の男の子の話に出てくる12歳年上の大人っぽい彼女さんが、5つ目の主人公になっててとても激アツ展開だった
「物語は最後まで分からないもの」っていうこの本のテーマに沿ってたなと思う
ロマンチックで人との繋がりとか出会いとかを大切にしたいと思える本だった
Posted by ブクログ
軽くあっという間に読めました。
ある日曜日、歩行者天国の銀座で人魚が逃げたと王子様が探しているとSNSで話題になり、その王子様に出会ったことで、前に進めた人たちの話しで構成されています。
5章の終わりに王子様の正体がわかるのか…と思いきやエピローグでわかります。
5章の王子様が王子様の正体でも良かったなぁ
定期的に
アンデルセン童話は読みませんが
他の方の小説は読んでいる自分が
定期的に読みたくなる著者さん
田舎暮らしですが東京へ出た時に
この本に出てくるスポットの
銀座巡りをしてみようかと思いました。
Posted by ブクログ
人が持つ思いは相手のためにとか相手はこう思うだろうと思ってしまって傷ついたり喜んだりしていることを丁寧に表現している物語だと感じました。なにかをきっかけに相手の思いに気づくことができてそれぞれ向き合うことができることは素敵だと感じた。
Posted by ブクログ
青山美智子さん特有の物語形式で進んでいき、何度も読み返したくなるそんな作品でした!
銀座の歩行者天国ではいったいどんな魔法がかけられているのか?
人魚はどこに逃げたのか?
なぜだかわくわくどきどきするそんな本でした!!
Posted by ブクログ
私が人生で初めて本を読む事を決め、初めて買った本。
「人魚が逃げた」
最初はタイトルを見ても意味が分からず、これは現実の話なのかな?おとぎ話の世界なのかな?と不思議な感覚になったりもしたんだけど、自分自身いま現在叶わぬ恋をしていて年齢差もあって…理世さんと重ね合わせ「分かるなぁ…」と切ない気持ちになったりした。
最後はえっ!?ってかなりビックリな終わり方でしたね
Posted by ブクログ
『人魚が逃げた』とTVのインタビューで答えた王子。
その王子を遠巻きに流れる時間を短編にした物語り。
1章 恋は愚か
2章 街は豊か
3章 嘘は遥か
4章 夢は静か
5章 君は確か
前章にちらっと出てきたエキストラ級の人が次の章で主人公になってくっていう…なんともオシャレで楽しい♪
物語り自体も、ん?ファンタジーか?と思いきや…そう言うことね!と腹落ちします^ ^
青山さんらしい…とても優しい本でした。
Posted by ブクログ
〝誰かにやれと言われたことじゃなくて自分が願ったことだから、つらいことも全部引き受けるって、それくらいの強い決意で臨んだのよ”
自分の心を信じて貫き通せる人になりたい
Posted by ブクログ
アンデルセンの人魚姫のお話から飛び出した王子が、銀座の街に出現!出会う人々とのやりとりにはっとしたり、ジーンとしたりしました。銀座のカフェ パウリスタにも行ってみたい!
やっぱり銀座は素敵な街
幸福度最高値の傑作小説!という紹介文に惹かれて読みました。
自分が知っている銀座が散りばめられている短編にワクワクしながら、あっという間に読了。
ちょっと不思議なエピソードが、銀座にいる人たちの間で繋がっていくのが、気持ちよかった。
和光の下で王子に会ってみたいし、地下のギャラリーの扉を開けてみたい。
自分はその時どんな自分になるんだろう。
Posted by ブクログ
人魚を探す王子様を通して、いろんな人の想いや心情が伝わってくる暖かい作品だった。
夢は静か、君は確か
詩的な題名もとても好き。
なんだか勇気が出てくるお話でした
Posted by ブクログ
こことここが繋がるのかぁと伏線回収したり、相手の感情を勝手に解釈してしまってすれ違ってしまう2人を見ているもどかしさ、こんな人生ってありがちよねと日常にいる人々の気持ちをそれとなく感じたりできる。アンデルセンの人魚姫ってどんな話だったっけなぁと全く思い出せなかったので改めて読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
人生いろんなこともありつつ、その中にはホッとするようなことも
あったりするもんだな、と思ったりして読んでみた。
あと、最後のあたりで「こいつが人魚かー」と思ったり、
「でも違うのかー」ってミスリーディングだったり、という
展開が面白かった。
最初の話と最後の話が対になっているところも
読んでいて面白い。
Posted by ブクログ
週末の銀座の歩行者天国でテレビのインタビュー番組が生放送されていた。インタビューされたのは童話の世界から抜け出してきたようなファッションの男性。彼は自分を王子と名乗り、逃げてしまった人魚を探しているという。たちまちこの王子のことはSNSでもとりあげられ話題になっていく。彼は一体何者なのか?そして偶然に王子と出会った人々は彼と話しているうちに自らの本当の気持ちに気づいていく。
世の中はたくさんのすれ違いで満ち溢れている。恋人。親子。夫婦。相手のことを大切に思いながら、勝手に相手の気持ちを解釈したり、自分に自信がないゆえに相手から逃げてしまったり。すれ違っていた人達が理解して、歩み寄って、心を交わしあっていく奇跡の物語。
人魚姫の王子が逃げた人魚を探しているという設定がどうもピンと来なくて、王子に感情移入出来なかったところがあります。ディズニーのリトルマーメイドではなくて童話で読んだほう。そもそも人間の姿になった人魚を可愛がっていたのならなぜ隣国の王女と結婚したのか?最後まで自分を救ってくれたのが人魚だったなんて気づかなかったくせに。鈍感にも程があってどうも感情移入できませんでした。私の読解力不足でしょうか…?でも、物語の世界と現実世界が一定の場所、時間限定で交わるという構想は面白いと思いました。
Posted by ブクログ
ウォーキングしつつ内容をしっかり記憶しなくても良さそうなオーディブルの最適解だった。あらゆる人達の物語を繋ぐキーワードとして謎の王子と人魚はどこにいて誰なのか?とワクワクさせ、もしやこの人はさっき語られていたあの人ではないか?とスルスルと糸が引っ張りあって1つの形になるような書き方の青山さんらしい手法。読んでいてだんだん出てくる人達を知り合いだったと思いそうな親近感が心地良い書き方だけど、今回の結局人魚は見つかったのか?という点に置いては、クライマックスの手前の盛り上がり!!おお!!ついに!そうだったのか!とスッキリする後味を確信した!けれど、ミスリードでしたのような展開に少し、なんだか、星が3つでいいかなと思ってしまった。盛り上がりをそのまま素直に受け止めたかったのは自分だけど、あえてその裏をかいたけどファンタジーで終わらせたのに納得のいく意図が見い出せなかった。
出てくる人々皆に通じるのは王子以外では「話し合えばよかったのに」が大きなテーマであって、人魚姫の声がでないから話し合えないをモチーフにしている。イコール結局話し合えると言う事自体もファンタジーだよっていう、実は現実的な事を伝えたかったのかな?と思ったが、それなら実際話し合えば解決していた事ばかりでご都合主義の掛け合いだったのが腑に落ちないので違うかな?とも
Posted by ブクログ
本を読むのは好きなんだけど、好きな作家が読む速度に合わせて次々と新作を出してくれるわけではない。だから、友人の話や編集者の話など、面白そうな作品に詳しそうな人からの情報は、本を選ぶのに重要。
なんか良い話しで、それが作品全体に少しずつリンクしていて一冊の小品集を構成している。
そんな作品を何度か読んで、でも、私としては一度でいいなと思っても、なぜかまた同じ作者の本を読んでいる。
本書はそんな本屋大賞ノミネートの常連作家の作品。
ほんのりと良い話だなと思うけど、次はもう良いなと思ってしまう。
とても素敵なお話です。
Posted by ブクログ
銀座を中心にそのまま王子様の格好でどこからともなく現れ、「僕の人魚が逃げたんだ、この場所に」と発言したことで繰り広げられる連作短編集。
個人的には第1章と第5章の繋がりが好きでした。理世さんと友治の年の差カップルが年齢が一回り離れていることから起こるすれ違いが何とももどかしかったです。
自分の気持ちに素直になること、大切ですね。