あらすじ
乱歩曰く――「もっと舞台の広い『大探偵小説』へ進出したいと思っている。今回の『黄金仮面』は実にその第一歩である。本篇活躍の主人公は、例のお馴染の素人探偵明智小五郎であるが、彼も段々に成長しつつある。今度の小説では相当大きい活躍が出来る筈だ。相手役の悪魔は恐らく読者を驚かせるに足る人物だと信じている。」相手役の驚くべき人物とは何者!? 驚嘆すべき傑作。【この電子版は註釈と「私と乱歩」を割愛しています】
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Posted by ブクログ
『何者』
明智小五郎シリーズ
結城少将邸で起きた銃撃事件。被害者は息子である弘一。井戸から現れ消えていった犯人の足跡。結城邸に滞在する赤井。弘一の婚約者と親友・甲田の関係。入院先で「私」に事件の推理を話弘一。逮捕される甲田。赤井の推理と赤井の正体
『黄金仮面』
明智小五郎シリーズ
巷に流れる黄金仮面の謎の人物の目撃証言。上野公園での大博覧会で展示されていた「志摩の女王」と名付けられたダイヤの盗難。警官隊に追い詰められ自殺したかに見えた黄金仮面。入れ替わった黄金仮面。鷺尾公爵の娘・美子の殺害事件。侍女の小雪の逃亡と死。大鳥家の令嬢・不二子の失踪と黄金仮面の関係。銃撃され死亡報道の出た明智小五郎。某国大使・ルージュール大使邸にあらわれた黄金仮面。黄金仮面の正体・明智小五郎VS「A・L」。芸術家・雲山の自殺。盗まれた国宝。黄金仮面の共犯者「白い巨人」の秘密。
『江川蘭子』
連作の最初。江川蘭子の生い立ち。
『白髪鬼』
友人と妻に裏切られた男。生きながら埋葬され墓の中で白髪となった彼の復讐。
2009年1月25日初読
Posted by ブクログ
まともに読むのは初めての江戸川乱歩。ずらずら並ぶ全集を見て、読んだことなくてもタイトルは知っている『黄金仮面』を手に取りました。一緒に入っている「白髪鬼」は、小学校の頃音楽の先生が授業を縮めて連載語りをしてくれたものだったので、ここで読めて嬉しい^^
「黄金仮面」「の他に、「白髪鬼」「何者」「江川蘭子」が入っておりました。いろんなお話を書く作家さんだったんだなぁと、改めてびっくり。少年探偵団ふうの探偵ものか、白髪鬼ふうの怪奇ものくらいしか乱歩の作風を知らなかったのです。
どの作品にもいえるけど、そのジャンルの萌芽ともいうべき手探り感があり、海外の概念を日本に輸入したっていうのは、それだけですごーい冒険だったんじゃないかなと思ったりも。
白髪鬼は原作があるのだとここで知りましたが、それでも日本ふうになっているためか乱歩テイスト満載な感じ。小学校の頃に語り形式で聞いた話の方が怖かったような気もするのですが、……ちなみに、川村君を殺すところが瑠璃子さん殺すところより力が入っていて、他のシーンとも合わせて腐女子センサーがぴこぴこ動きました(笑) あの雰囲気はよいですねぇ。最後の「復讐を楽しみすぎた」という感慨も、ストンと私の心に落ち着きました。この主人公好きだ、私。
黄金仮面は……なるほど、こーいう話だったのかと。今の価値観で見ると、言い方は悪いけれど「ちゃちい」部分も多いのですが(黄金仮面と明智たんの騙し合いぶりが)、サクサク読めるテンポと相まって、すごくわくわくどきどきしてしまいました。黄金仮面イイわぁ。キング誌読者が夢中になる気持ちがわかる気がする。
これ面白かったので、、もうちょっと乱歩テイストなものも読んでみようと思います。芋虫とかは面白いのかなー。
怪人二十四面相も読みたくなりました。
Posted by ブクログ
「何者」。いわゆる本格ミステリ。意外なことに乱歩作品ではこの手の作品は少ないようだ。今読むと割と既視感を覚える真相ではあるのだが、発表当時はどうだったのだろう。
「黄金仮面」。驚いた。まさか明智の相手にXXXをもってくるとは・・・。正直、XXXってこんなキャラクターだったっけ?と思えるところがあったり、筋立てについてもちょっと無理があるような気もするのだが、それでもアクションあり知恵比べありの、大衆向け娯楽小説の王道をゆく作品であることに異論はない。
「江川蘭子」。複数の作家によるリレー共作の1本目。さすがにこの部分だけでは作品として評価のしようがない。派手目な女性を主人公にしたのは後に続く作家への配慮か。
「白髪鬼」。ミステリというよりホラー。「黄金仮面」よりこっちの方が乱歩らしい気持ち悪さがあって面白かった。っていうか割と傑作の部類に入ってもいいんじゃないかという気もするのだが、表題作でないのは海外作品のリライトだからだろうか。
Posted by ブクログ
『黄金仮面』は犯人の正体にびっくり。
話の筋自体はまぁ…そんなに…という感じなんだけどでも面白く読めた。
『何者』は個人的には結構好き。赤井が良い。
『白髪鬼』はところどころ巌窟王を思い出した。ヴェンデッタは読んでないのでわからないけど…。まぁ面白いんだけど、やっぱり巌窟王を先に読んじゃってたりするとどうしても比べてしまって…。
『江川蘭子』はリレー小説の一部。内容は…ちょっと忘れてしまった。
Posted by ブクログ
『江川蘭子』のみ読んだ。
江戸川乱歩をはじめとした、当時の名だたる作家たちによる合作らしいけど、ここでは江戸川乱歩が書いた第1作目のみ収録されてます。タイトルも自身のペンネームをもじったものらしい。
短いですが、蘭子の妖しい魅力に魅了されます!こういうの大好き。そのうち続きも読もうっと。
Posted by ブクログ
おおっ、「黄金仮面」は、二十面相の原点のような作品ですね。
犯人の正体は、ビビりました。
でも、まさか、「人のキャラクター」を使ってと、怒られる心配はなさそうですな。
最後の最後、敵にも花をちょっとは持たすのかと思いきや、全部、明智小五郎がもっていくところも、ビックリしました。
「黄金仮面」は、子ども向けではなかったんですねぇ。
でも、ポプラ社の子ども向けシリーズに入っていた気がします。気のせいか?
と思って今、調べてみたら、「大暗室」とか、少年探偵団以外のシリーズも、入っているみたいですねぇ。
知らんかった。
この全集本ですが、唯一の欠点は、分厚いため読み終わる頃には、前の方の作品を忘れてしまっていることですな。
「江戸川蘭子」とかは、どんな話だったか、全然印象に残っていません。
Posted by ブクログ
なぜ明智小五郎はこんなにも用意周到なのだろう、今読み返すとつっこみどころも満載なのだが、名探偵明智と黄金仮面の対決シーンは最近のミステリものにはない、だいたい最近のミステリには魅力的な悪役とか怪盗っていないものね(あとは伊集院大介の天狼星ぐらい?)黄金仮面の正体はこの本を読んでください