あらすじ
ミステリーファン必携の「類別トリック集成」作成のため、ホームズものから、カー、クリスティーまで、驚異的読書三昧にふけった乱歩。その過程で公開されるランポ流読書術の奥義。読み物としても、豊富な資料的価値でも第一級の労作。【この電子版は、註釈と「私と乱歩」を割愛しています】
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Posted by ブクログ
評論なんて、くそくらえ!
まぁ、「くそくらえ!」まで言っちゃうと、ちょっと言い過ぎかもしれないですが。
でも、本の感想を書く理由って、自分の楽しさを伝えて、その本を誰かに読んでほしいと思うからじゃないですか?
そういう意味では、乱歩のこの本って、評論としては甘いかもしれないけど、その役割は、達していると思います。
乱歩、メチャクチャ楽しそうです。
まあ、この人らしく、膨大な資料を集めてやっているので、ついつい、「評論」とか、「論文」を期待したくなるのかもしれませんが、この本の目的って、結局、世に推理小説を流行らせたいとか、紹介したい……いや、オレは、こんなにおもしろい推理小説をこんなにたくさん読んだぞ~と言うことなんじゃないかと思います。
しかし、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズや、チェスタートンのブラウン神父が、けっこう昔の作品なのは知っていたけど、クリスティや、アイリッシュの「幻の女」、チャンドラーなんかも、けっこう昔からあったんだなぁと知って、ビックリしました。
わたし自身は、本格推理ものよりも、ハードボイルドの方が、読みやすいんですけどね。
でも、これ読んで、ホームズとブラウン神父は、ちょっと読み返したくなってきた。
Posted by ブクログ
江戸川乱歩が800を超える小説からトリックを類別・集成した本。
現代になって小道具は変わっても、つきつめて行けばここで出てくるものに集約されると思う。
叙述トリックや違う時系列を同時に起こっているようにみせるトリックは、含まれていなかった。